楽しんで頂けると嬉しいです。
「ふぁ・・・朝か・・・」
少年が目を開けると窓から光が差し込んでいた。
それは1日の始まりを告げる日の光だ。
その少年、赤宮 光輝(あかみや こうき)は大きな欠伸をしながらベッドから出ると、二階の部屋を出て階段を降り洗面所へと向かう。そこで顔を洗い眠気を完全に取るとキッチンの冷蔵庫を見て材料を確認する。
「うん、目玉焼きとサラダでいいか」
作るものを決めて卵と野菜を出し、慣れた手つきで野菜を切っていく。これが光輝の朝の仕事である。そうして調理をしているとドアが開き、向こうから大きな寝癖をつけた少女が入ってきた。
「うぅん・・・・」
如何にもたった今起きたばかりというように目を擦りながらその少女、光輝の妹の赤宮裕香(あかみや ゆうか)は光輝に近づいて来る。
「おはよう裕香、今日は随分大きな寝癖だな」
「おはよう・・・お兄ちゃん・・・」
光輝の挨拶に、眠そうにしながらも裕香は可愛らしい声で返事をする。
「もうちょっとで朝ご飯できるから、その間に顔洗って寝癖直して来な」
「うん・・・」
裕香にそう促して洗面所に向かったことを確認して調理を再開する。これが赤宮家の朝の光景である。
・
あれから光輝は裕香と共に朝食を取り、学校へ向かった。短縮授業だった今日はいつもより早く授業が終わり、教科書類を鞄に入れ帰宅の準備を進めていた。帰る者やほかの生徒と雑談する者がいる中、そこに一人の少年が光輝に話しかけてきた。
「光輝!早く終わったからショップいこうぜ!」
早く授業が終わったのが嬉しいのかその少年、青山 慎吾(あおやま しんご)は機嫌良く光輝を誘う。
「なんだ慎吾、新しいカードでも買うのか?」
「う〜んそれもあるけどちょっとお前にデッキ調整付き合ってもらいたくてな」
「ふ〜ん、まぁ少しくらいなら付き合うぞ?」
「おお!サンキュー光輝!んじゃ早速行くぞ!どうせデッキもってきたんだろ?」
「まぁな、ほれ」
そう言うと光輝は鞄からプラスチック製のカードケースを慎吾に見せる。それは二人が遊んでいる今大人気のカードゲーム、バトルスピリッツ通称バトスピのカードである。
・
学校を出て、光輝は幼馴染である青山慎吾と共にショップへと向かっていた。
「いや〜みんなやってるねぇ、バトスピ」
「そうだな」
慎吾の言う通り、あちこちのベンチなどで子供たちがバトスピをしている。少し耳を傾けてみると・・・
「雷皇龍ジークヴルムでアタック!激突だぁ!」
「森林のセッコーキジでブロック!」
「導化姫トリックスターを召喚!召喚時効果!」
「よし!ブレイドラを召喚!さらに、太陽神龍ライジング・アポロドラゴンをLV2で召喚!不足コストはブレイドラから確保!」
様々な声が聞こえてくる。みんなバトルに夢中である。
「元々人気はあったけどバトルフィールドのおかげでさらに人気になったよな。やっぱお前の両親はすごいよなぁ」
「まぁな・・・。俺の何気ない一言をまさか実現させるなんて思いもしないからなぁ・・・」
光輝と慎吾が雑談をしている間に、目的地のバトルスピリッツ専門のカードショップ、バトスピショップに到着した。中に入ると光輝達は何か違和感を感じた。普段なら皆バトスピで盛り上がっている筈なのに、今日はやけに静かなのだ。それに気のせいか皆少し落ち込んでるようにも見えた。すると、
「おお!光輝君に慎吾君!いいところに来てくれた!」
そう言って光輝達に近づいてきたのは、ちょびヒゲが特徴のこのショップの店長だ。
「店長さん、どうしたんですか?今日はやけに静かですね?」
「あぁ。実は・・・」
・
店長の話はこうだった。四島 豪太(しじま ごうた)というカードバトラーが突然やってきて、バトスピを行う為のバトルスタジアムを独占すると言ったのだ。嫌ならバトスピで勝ってみろと言っているらしいのだが、どうやら中々の実力者らしく、連勝をしているようなのである。ついさっきも一人の子供が立ち向かったらしいが返り討ちにあい、しかもデッキを奪われたと言う。スタジアムに向かってみると、赤黒いかみの小太りの男が取り巻きであろう少年を4人連れて立っていた。彼が四島豪太なのだろう。少し離れたところに少年が俯いていた。一目見て、先程言っていた返り討ちにあった子供であろう。
「あ〜あ、弱え弱え。見ろよ、こんなザコカードばっかのデッキで俺にバトル挑むとかバカだよなぁ」
四島は奪ったデッキを取り巻き達に見せて笑いながらバカにしていた。デッキを奪われた子は悔しさのあまり、涙を流していた。それを見た光輝はその顔に少しばかり怒りを浮かべ、鞄の中から自分のデッキケースを取り出した。
「悪い慎吾、ちょっと待っててくれ」
慎吾にそう言いながら鞄を預け、光輝は四島に近づく。
「おいお前」
「あん?」
「そんなことして人として恥ずかしくないのか?子供相手に粋がってデッキを奪って。自分より弱い相手をいたぶるのがそんなに楽しいか?」
「んだとぉ?なんだテメェは?」
光輝は泣いている子供の前に立つと、四島に向かって話しかける。
「ヒーローごっこかぁ?あ〜あヤダヤダ。痛い目見たことねぇのかなぁ?」
四島はバカにするように言うが、光輝は気にせずにデッキをかざす。
「おい」
「あん?」
「バトスピしろよ。強い奴とやりたいんだろ?」
「はぁ?この俺様とバトルだと?お前なんかで勝てる訳ねぇだろ。」
「そうか分かった、負ける姿を晒したくないんだな」
光輝が煽りを入れると四島は睨んでくる。
「まぁ強制はしないさ。それに子供からデッキを取り上げて粋がるようなやつの実力なんて、たかが知れてるしな」
光輝が挑発すると四島は額に青筋をたて、
「分かった!そこまで言うならバトルしてやらぁ!!ただし俺が勝ったらお前のデッキはもらうからな!!」
「あぁ。ただし俺が勝ったらこの子から奪ったデッキを返してもらう。そして二度とこのスタジアムには来ないでもらおう」
「あぁいいぜ!勝てるもんならなぁ!」
そう言うと光輝と四島は、スタジアムの地面にある光るパネルの上に立ち、バトル開始のコールを宣言する。
「ゲートオープン、界放!」」
・
その掛け声と共に2人は光に包まれ姿が消える。そして2人が降り立ったのは辺り一面が荒野となった、バトルスピリッツを行う為のバトルフィールドであった。
〜ターン1〜
「いくぜ!スタートステップ!ドローステップ!メインステップ!まずはダーク・ディノニクソーをLV2で召喚だ!」
(手札5→4)
(リザーブ4→0)
(トラッシュ0→2)
ダーク・ディノニクソー
スピリット
2(2)/赤/地竜
<1>Lv1 2000 <2>Lv2 4000 <4>Lv3 6000
Lv2・Lv3
このスピリットは緑のスピリットとしても扱う。
シンボル:赤
四島の場に、黒い模様の小さな恐竜のようなスピリット、ダーク・ディノニクソーが召喚された。
「ターンエンドだ」
コアを全て使い果たし、攻撃しようにも先行1ターン目は攻撃出来ないので、やることがなくなった四島はターンエンドを宣言した。
四島 ライフ5
フィールド
スピリット
ダーク・ディノニクソー LV2 (コア1 Sコア)
〜ターン2〜
「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!メインステップ!いくぞ、ブレイドラをLV2、ワン・ケンゴーをLV1で召喚!」
(手札5→3)
(リザーブ5→0)
(トラッシュ0→2)
ブレイドラ
スピリット
0(0)/赤/翼竜
<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000 <3>Lv3 3000
シンボル:赤
ワン・ケンゴー
スピリット
3(2)/赤/皇獣
<1>Lv1 2000 <3>Lv2 4000 <5>Lv3 6000
Lv1・Lv2・Lv3
自分のバーストをセットしている間、このスピリットをLv3として扱う。
Lv2・Lv3【激突】『このスピリットのアタック時』
相手は可能ならスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。
シンボル:赤
光輝の場には小さな可愛らしいスピリット、ブレイドラと、赤と白の毛に頭部に刀をつけた犬のようなスピリット、ワン・ケンゴーが召喚された。
「更に、バーストセット!(手札3→2)この瞬間ワン・ケンゴーの効果発揮!バーストをセットしている間、このスピリットはLV3として扱う!」
ワン・ケンゴー LV1→LV3 BP2000→6000 (Sコア)
ワン・ケンゴーの体が光る。レベルアップによりパワーアップしたのだ。
「アタックステップ!ワン・ケンゴーでアタック!ワン・ケンゴーのLV3アタック時効果、【激突】!相手スピリットは可能なら必ずブロックする!」
「なに!?チィ!ダーク・ディノニクソーでブロックだ!」
ダーク・ディノニクソーがワン・ケンゴーに向かっていくが、BPはワン・ケンゴーが勝っている。ワン・ケンゴーの頭部の刀に貫かれ、ダーク・ディノニクソーは破壊されてしまう。
「ブレイドラ、続け!」
ワン・ケンゴーによってスピリットがいなくなり、ブロッカーがいない四島にブレイドラが向かう。
「ライフで受ける!」
四島 ライフ5→4
ブレイドラが四島に向かって炎を吐く。すると四島を守るように赤いシールドが発生し四島を守る。攻撃ぐ終了すると同時にシールドが消失し、四島のライフのコアがリザーブへと移る。スピリットにはシンボルというものがあり、続けて召喚するスピリットのコスト軽減に役立ったり、シンボルの数だけ相手のライフを破壊できる。ブレイドラのシンボルは赤シンボルが一つなので、ライフを一つ破壊することができたのだ。
「ターンエンドだ」
全てのスピリットでアタックした光輝は、ターンエンドを宣言した。
光輝 ライフ5
フィールド
スピリット
ブレイドラ LV1(コア1)
ワン・ケンゴー LV3(Sコア)
〜ターン3〜
「やってくれるじゃねぇか!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!オードラン、ピナコチャ・ザウルスをLV1、ダーク・ディノニクソーをLV3で召喚!」
(手札5→2)
(リザーブ6→0)
オードラン
スピリット
0(0)/赤/翼竜
<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000
シンボル:赤
ピナコチャ・ザウルス
スピリット
1(1)/赤/地竜
<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000 <5>Lv3 4000
Lv1・Lv2・Lv3
このスピリットの色とシンボルは緑としても扱う。
シンボル:赤
「アタックステップ!オードランでアタック!」
「ライフで受ける!」
光輝 ライフ 5→4
「まだだ!ピナコチャ・ザウルス行け!」
「ライフで受ける!」
光輝 ライフ 4→3
オードラン、そしてピナコチャ・ザウルスがアタックし、光輝のライフを2つ砕いた。
「へっどうだ!ターンエンドだ!」
ライフが逆転したからか、少し余裕を見せながらターンエンドを宣言した四島。
四島 ライフ4
フィールド
スピリット
オードラン LV1(コア1) 疲労状態
ピナコチャ・ザウルス LV1(コア1) 疲労状態
ダーク・ディノニクソー LV3(コア3 Sコア)
〜ターン4〜
「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!炎楯の守護者コロナ・ドラゴンをLV3で召喚!」
(手札4→3)
(リザーブ6→1)
(トラッシュ0→1)
炎楯の守護者コロナ・ドラゴン
スピリット
3(2)/赤/星竜
<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000 <4>Lv3 4000
Lv1・Lv2・Lv3
コスト3以下の自分のスピリットすべては、相手の効果で破壊されたとき、疲労状態でフィールドに残ることができる。
Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』
系統:「星竜」を持つ自分のスピリットすべてをBP+2000する。
シンボル:赤
「ブレイドラをLV2にアップ!(BP1000→2000)アタックステップ!コロナ・ドラゴンLV3の効果!アタックステップ中、系統:星竜を持つスピリット全てをBP+2000!コロナ・ドラゴンでアタック!」
コロナ・ドラゴン BP4000→6000
コロナ・ドラゴンが相手に向かって行く。四島の場にはBP6000のダーク・ディノニクソーがいる。ブロックされれば相打ちとなり両方が破壊される。四島が選んだ選択は・・・
「ライフで受ける!」
四島 ライフ 4→3
四島はブロックせずライフで受けた。光輝の場にはBP6000、【激突】を持つワン・ケンゴーがおりアタックすれば相打ちにでき、ブロッカーを0に出来るが、
「ターンエンド」
光輝はターンエンドを宣言した。
光輝 ライフ3
フィールド
スピリット
ブレイドラ LV2(コア2)
ワン・ケンゴー LV3(Sコア)
炎循の守護者コロナ・ドラゴン LV3(コア4) 疲労状態
〜ターン5〜
「俺のターン!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!そろそろ遊びは終わりにしてやるぜ!ダーク・ディノニクソーをLV1にダウン!」
(リザーブ2→5)
「そして来い!俺のキースピリット!」
「!」
「漆黒の大地に眠りし黒き龍!すべてを焼き払え!闇龍ダーク・ティラノザウラーをLV2で召喚!!不足コストはオードランから確保!」
(手札3→2)
(リザーブ5→0)
(トラッシュ0→3)
オードラン (コア1→0) 消滅
フィールドに大きな亀裂が入り、中から赤黒い炎と共に黒い体に金色の鎧を身にまとった巨大なスピリット、闇龍ダーク・ティラノザウラーが雄叫びをあげ登場する。
闇龍ダーク・ティラノザウラー
スピリット(闇)
6(3)/赤/地竜
<1>Lv1 5000 <3>Lv2 7000 <4>Lv3 10000
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
このスピリットのBP以下の相手のスピリット1体を破壊する。
【連鎖:条件《緑シンボル》】
(自分の緑シンボルがあるとき、下の効果を続けて発揮する)
[緑]:BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。
Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』
系統:「地竜」を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000する。
シンボル:赤
「さぁ行くぜアタックステップ!ダーク・ティラノザウラーのLV2の効果発揮!アタックステップ中、系統:地竜を持つスピリット全てをBP+3000!!」
ピナコチャ・ザウルス BP1000→4000
ダーク・ディノニクソー BP2000→5000
ダーク・ティラノザウラー BP8000→11000
「行けダーク・ティラノザウラー!アタックだ!ダーク・ティラノザウラーのアタック時効果発揮!このスピリットのBP以下の相手スピリット一体を破壊する!消えろ、ワン・ケンゴー!」
ダーク・ティラノザウラーがワン・ケンゴーに向かって、口から巨大な火の玉を吐き出す。ワン・ケンゴーは火の玉にあたり爆発するが、爆炎が晴れるとワン・ケンゴーはぐったりしながらフィールドに残っていた。
「何!?」
「炎楯の守護者コロナ・ドラゴンの効果、コスト3以下の自分のスピリット全ては相手の効果で破壊された時、疲労状態で残ることが出来る!」
ワン・ケンゴーのコストは3。よってダーク・ティラノザウラーの効果によって破壊されたワン・ケンゴーは、コロナ・ドラゴンのおかげで疲労状態で残ることができたのだ。
「チッ!だがアタックは続いているぞ!行け、ダーク・ティラノザウラー!!」
光輝へと近づいていくダーク・ティラノザウラー。ブレイドラでブロックするかライフで受けるか選択を迫られる光輝だが、その顔には・・・笑みが浮かんでいた。
「ライフで受ける!!」
光輝 ライフ 3→2
ダーク・ティラノザウラーの火の玉が光輝のライフを砕いた。だがそれを光輝は狙っていた。
「ライフ減少により、バースト発動!!」
「何!?」
光輝の伏せていたバーストが表向きになり、フィールドに火柱が立った。
「自分のライフが3以下の時、BP15000以下の相手スピリットを一体破壊する!ダーク・ディノニクソーを破壊!!」
その火柱はダーク・ディノニクソーへと向かって行き、火柱に包まれたダーク・ディノニクソーは破壊される。
「この効果発揮後、このスピリットをコストを支払わずに召喚する!!」
光輝はそのカードを掲げ、フィールドに召喚する。
「赤き龍の王!その剣はすべてのものを薙ぎはらう!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード召喚!!」
天空から赤いドラゴンが舞い降り、翼を広げ腕の中から
剣を出現させそのスピリット、龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードは王者の如き雄叫びをあげフィールドに降臨する。
龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード
スピリット
8(3)/赤/覇皇・古竜
<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 13000 <8>Lv4 20000
【バースト:自分のライフ減少後】
自分のライフが3以下のとき、BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
この効果発揮後、このスピリットカードをコストを支払わずに召喚する。
Lv2・Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』
相手のスピリット1体を指定してアタックできる。
Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』
自分のバーストをセットしているとき、このスピリットのBP以下の相手のスピリット1体を破壊する。
シンボル:赤
「なっ・・・クソ!ターンエンドだ!」
強力なスピリットの召喚を許してしまい、苛立ちながらターンエンドを宣言した四島。
四島 ライフ3
フィールド
スピリット
ピナコチャ・ザウルス LV1(コア1)
ダーク・ティラノザウラー LV2(コア2 Sコア)
〜ターン6〜
「一つ聞いてもいいか?」
「あぁん?」
「なんでスタジアムを独占しようとした?スタジアムは皆で使うものだろ?」
ステップを進める前に、四島に問いかける光輝。スタジアムの3Dバトルは人気だが、マシンが2つしかないため、ちゃんと順番やマナーを守るのは当たり前のことだ。しかし四島の答えは、
「皆で仲良く使おうってか?ハッ!笑わせんな!弱え奴らが3Dバトルだなんて勿体ねぇ。3Dバトルは俺みてぇな強いバトラーが使うべきなんだよ。弱え奴は大人しく普通にバトルしてればいいんだよ!」
と悪気もなく返してきた。そんな四島に光輝は・・・、
「・・・ああそうか、分かった。お前がバトラーを名乗る資格もないような奴だということがハッキリ分かった!!このターンで終わらせてやる!!」
光輝は許すことができなかった。自分の両親が一生懸命作ってくれた3Dバトルを、自分のためだけに独占しようとする四島を。
光輝はその目に怒りを宿し、バトルフィールドに目を向ける。
「行くぞ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!バーストセット!(手札4→3)コロナ・ドラゴンをLV1にダウン!ジーク・ヤマト・フリードをLV3にアップ!」
コロナ・ドラゴン LV3→LV1(コア4→1)
ジーク・ヤマト・フリード LV1→LV3(コア1→4 Sコア)
コロナ・ドラゴンがレベルダウンしぐったりするのに対し、レベルアップしたジーク・ヤマト・フリードは力強い咆哮をあげる。
「手札から刃狼ベオ・ウルフを召喚!ジーク・ヤマト・フリードに直接合体(ブレイヴ)!」
(手札4→3)
(リザーブ3→0)
(トラッシュ0→3)
「ブレイヴだと!?」
刃狼ベオ・ウルフ
ブレイヴ
5(緑2赤2)/緑/剣獣・星魂
<1>Lv1 3000 <0>合体+3000
合体条件:コスト5以上
【合体時】『このスピリットのアタック時』
BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のライフのコア2個を相手のリザーブに置く。
シンボル:緑
フィールドに二つの刃をもった狼のような姿をした刃狼ベオ・ウルフが召喚され、ジーク・ヤマト・フリードに向かって走り出すと、その姿が消え残った二つの刃が合わさり一つの剣となり、ジーク・ヤマト・フリードの手に収まった。
ブレイヴスピリット 赤緑
コスト13 BP16000 シンボル 赤緑
「アタックステップ!ブレイヴスピリットでアタック!!ジーク・ヤマト・フリードのLV3アタック時効果!バーストをセットしている時、このスピリットのBP以下の相手スピリットを一体破壊する!ピナコチャ・ザウルスを破壊!更にLV2からのアタック時効果!相手スピリット一体に指定アタックする。ダーク・ティラノザウラーを指定!」
「チッ!ふざけんな!フラッシュタイミング!マジック、炎刃ストライク!コアはダーク・ティラノザウラーから確保!(LV2→LV1 コア3→1)BP3000以下のスピリット二体破壊だ!!」
(手札2→1)
(トラッシュ3→5)
炎刃ストライク
マジック
4(2)/赤
フラッシュ:BP3000以下の相手のスピリット2体を破壊する。
コストの支払いに[ソウルコア]を使用していたら、さらに、相手のネクサス1つを破壊する。
炎刃ストライクによってブレイドラとコロナ・ドラゴンが破壊されるが、コロナ・ドラゴンの効果で二体とも疲労状態で残る。しかし・・・、
「これでお前のアタック出来るスピリットはワン・ケンゴーだけだ!このターン俺のライフを削りきることはできねぇ!次のターンで逆転してやるぜ!」
アタッカーが減り、ライフを削りきれないと思った四島は笑みを浮かべる。しかし、
「このターンで終わらせてやるといったはずだ!フラッシュタイミング!マジック、サンブレイカー!不足コストはブレイドラとコロナ・ドラゴンから確保!」
ブレイドラ (コア0→1)消滅
コロナ・ドラゴン (コア1→0)消滅
(トラッシュ5→7)
「行け!ブレイヴスピリット!!」
ブレイヴスピリットはティラノザウラーに向かって飛翔する。ティラノザウラーはブレイヴスピリットを迎え撃とうとし巨大な火球をブレイヴスピリット目掛けて放つが、ブレイヴスピリットはその火球を剣で切り裂き分散させると目の前に降り立ち、二つの剣でティラノザウラーを切り裂く。ティラノザウラーはその場で倒れ爆発した。
「刃狼ベオ・ウルフのアタック時効果!BPを比べ相手のスピリットだけを破壊した時、相手のライフを2つリザーブに置く!!」
「何だと!?」
四島 ライフ 3→1
「クソ!(まだだ!まだ手札にフラッシュタイミングで召喚できる神速をもつマッハジーがある!ワン・ケンゴーのアタックをこいつでブロックすれば「マジック、サンブレイカーの効果発揮!」!?」
四島がフィールドに目をやると、ブレイヴスピリットが剣に炎を纏って佇んでいた。
「このターンの間、ブレイヴスピリット、またはブレイヴアルティメットがBPを比べ相手のスピリットだけを破壊した時、相手のライフを1つ、リザーブに置く!!」
「なっ!!?」
サンブレイカー
マジック
5(赤3極1)/赤
【トリガーカウンター】
手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。
自分はデッキから2枚ドローする。さらに、ヒットしたカードが赤のカードならガードとする。
フラッシュ このターンの間、自分の合体スピリット/合体アルティメットがBPを比べ
相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。
「行け!ブレイヴスピリット‼︎」
光輝の声に応えるように、ブレイヴスピリットは炎の剣を四島に向かって振り下ろす。
「そんなバカなあぁぁぁぁ!!!」
四島 ライフ 1→0
・
光輝SIDE
俺が勝利した瞬間、スタジアムは歓声に包まれた。俺はカードを片付け、心の中でデッキに感謝する。
「俺の勝ちだ、四島。約束通り、奪ったデッキを返してスタジアムから出て行って貰うぞ」
「ふざけんな!今のはマグレだ!A級バトラーのこの俺がお前なんかに負けるわけねぇ!!」
俺が勝ったにもかかわらずに、四島は自分が負けると思っていなかったのか、往生際悪く負けを認めようとしない。すると、
「やめとけよ。いくらやったところであんたじゃ光輝には勝てねぇよ」
いつの間に降りてきたのか、慎吾がこちらに近づいてきてそう言う。
「何言ってやがる!俺はA級バトラーだ!俺が本気だせばそんな奴「光輝はS級バトラーなんだが?」なっ!?S級バトラーだとぉ!?」
反発する四島に慎吾は、俺がS級バトラーであることを教えると、四島は声をあげて驚いていた。
「そ、そんな訳あるか!そいつが本当にS級バトラーだったら証拠をみせてみろよ!」
「だとさ光輝、証拠見せてやれよ」
「はぁ・・・分かったよ」
証拠を見せろと言う四島に、俺はS級バトラーである証拠を見せるために龍の模様が描かれたデッキケースを取り出し、天にかざす。
「来い!覇龍翼(はりゅうよく)!」
デッキケースから一筋の光が空に向かって放たれ、しばらくすると空から赤いドラゴンの顔を模したバトルマシーンが降りてきた。これこそS級バトラーのみに与えられる専用のバトルマシーンである。
「なっ、S級バトラー専用マシーン!?じゃあ本当に、S級バトラーなのか!?」
「だからそうだって。ほらこれ、ちゃんとS級バトラーって書いてあるだろ?」
次に四島に見せたのはバトラーパスというカードバトラーは皆持っているものだ。そこには名前とともにちゃんとS級バトラーと書かれていた。
「ほ、本当に・・・!・・・ん?赤宮光輝?赤宮・・・・・!赤宮ってまさかお前!!」
パスに書かれている名前を見た四島は、本日何度目だろうか、驚いた顔をしていた
「あぁ名乗ってなかったな。俺の名前は赤宮 光輝。3Dバトルの生みの親、赤宮博士の息子だ」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!??」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??」」」」」
俺が父さんと母さんの息子だと教えると、四島だけでなく、スタジアムにいた観客も大声をあげて驚いていた。
「S級バトラーだけでなく、赤宮博士の息子だと!?」
「だからそうだと言ってるだろ?」
「マジかよ・・・。はっ、そうだ!今のバトルのことで聞きたいことがある!!」
すると今度は四島は俺にさっきのバトルについて聞いてきた。
「S級バトラーだったらなんで専用マシーンを俺とのバトルで呼ばなかった!それにあのバトル、お前は第2ターンからバーストを、ジーク・ヤマト・フリードをセットしていただろ!俺の第3ターンのアタックでライフが3以下になったんだから、もっと早く召喚できただろ!?なんであそこで召喚しなかった!」
四島は何故専用マシーンを出さなかったのか、何故ジーク・ヤマト・フリードを早く召喚しなかったのかを聞いてきた。答えは簡単だ。
「別に3Dバトル専用のスタジアムなんだから呼ばなくてもバトルはできるだろ?それにあそこでヤマトを召喚して勝ってもつまらない。だから俺はお前がキースピリットを、ダーク・ティラノザウラーを召喚するのを待ってたんだよ。キースピリットを倒して勝った方が気持ちいいからな」
俺は当然のように答えた。キースピリットを倒し、ライフを全て奪ってこそが、俺にとって本当の勝利だ。俺の答えが予想外だったのか、四島はポカンとしている。
「さぁ。質問には答えたぞ。デッキを返してくれ」
「ク、クソ!おらよ!覚えてやがれ〜!」
「「「ま、待って下さい四島さ〜ん!」」」
四島は俺にデッキを押し付けると、捨台詞をはいて取り巻きと一緒に走り去っていった。俺はデッキの持ち主の子の側に行き奪い返したデッキを差し出す。
「ほら、君のデッキ取り返したよ」
「あ、ありがとう!!」
デッキを返すとその子は笑顔で俺に感謝した。
「いやぁ〜カッコイイねぇ光輝。悪いやつを簡単に追っ払ってさ」
「はいはいありがとう」
慎吾は俺の肩に手を置き、ニヤつきながらそう言う。
「・・・・・・・」
「ん?」
ふと視線を感じスタジアムの客席に目を向ける。
「ん?どうした光輝」
「・・・いや。何でもない」
多分気のせいだろう。
その後店長さんから感謝としてショップの割引券をもらい、約束通り慎吾のデッキ調整に付き合った。いろいろ試行錯誤の結果、とりあえず納得のデッキができたようだ。明日は休みなのでまたショップで会う約束をし、家に帰ったのだが・・・
「お兄ちゃん!!今日は早く帰ってくるって言ったのに、普段より遅いじゃん!!心配したんだよ!メールも返してこないし!!」
「・・・ごめん裕香」
家の裕香のことを忘れてしまい、叱られてしまった。
・
SIDEOUT
時は少し遡り、光輝が四島を追い払いスタジアムのバトラーが喜んでいる中、スタジアムの入り口の影に一人の人物がおり、光輝を見つめていた。
「ふ〜ん。赤宮光輝、赤宮博士の息子でS級バトラーか・・・面白そうだな」
その人物は笑みを浮かべると、そのまま立ち去った。
このお話で消滅したブレイドラ 5体
感想をくださるとモチベがあがって嬉しいです。
悪い点、改善点もありましたらお願いいたします。