「・・・う・・ん・・・」
目を開けると部屋のカーテンの隙間から光が漏れていて、時計を見ると針は5:40を指していた。少し早いが俺が起床する時間帯だ。布団に目をやると、俺の腕の中で裕香が気持ちよさそうに寝息を立てていた。昨日遅く帰って来たことに怒っていた裕香は、許してくれる条件に「一緒に寝よう」と要求してきたのだ。昨日のことは俺が悪いので断ろうにも断れず、仕方がなく要求どおり一緒に寝てやった。
「こんな甘えん坊で将来独り立ちできるのかね、この子は」
そう言いつつ、腕の中で気持ちよさそうに寝ている裕香の頭を撫でてやる。
「ぅん・・・えへへ・・・」
頭を撫でると裕香は嬉しそうに頬を緩ませる。そんな様子に俺も頬を緩ませると、裕香を起こさないように静かにベッドから出た。机に置いてあるスマホをとり、部屋を出て階段を降り一階へと降りる。洗面所で顔を洗うとキッチンへ向かい朝食を作る準備をするのだが・・・・・・。
「お、いろいろ増えてるな」
昨日裕香が買い出しに行ってくれていたようだ。
「よし、今日は焼き鮭と卵焼きと味噌汁にするか」
作る料理を決め、調理に取り掛かる。作り始めてしばらくするとキッチンに美味しそうな匂いが漂ってきた。調理を続けていると、テーブルに置いたスマホにメールの着信音が鳴ったので、調理の手を一旦止めメール見てみる。
「おっはよ〜! 光輝、裕香♡ 2人とも元気? ママとパパは元気いっぱいだよ☆彡 今日と明日は学校休みよね? まだ忙しいけど、近いうちに家に帰れると思うからちゃんとした日付が決まったら教えるね!! 帰ってくる時にはお土産持ってくるから、もう少し家のこと頼むわね(・ω<)★ 愛するママより♡」
親として俺と裕香を心配しているようで、1週間に一度の割合で母さんか父さんからメールか電話が来る。
文面はちょっとアレだが、とりあえず返事をうつことにした。
「おはよう母さん。俺も裕香も元気だよ。いま朝食を作ってる。帰ってきたら母さんと父さんの食べたいもの作るから、楽しみにしててくれ。俺も裕香も待ってるから。」
そう文字をうつとメールを送信し、調理を再開した。完成まで後少しのところで裕香が起きてきた。
「おはようお兄ちゃん」
「おはよう裕香、さっき母さんからメールが来たぞ。近いうちに家に帰るってさ」
「ほんと!?久しぶりだね、いつ?」
「まだ詳しい日付は決まってない。ちゃんと決まったら連絡するみたいだ」
「そっか。あ、お兄ちゃん何か手伝う事ある?」
「じゃあお皿とか出してくれるか?もうすぐできるから」
「うん分かった」
その後裕香にも手伝ってもらい、今日の朝食が完成した。
「よし、食べようか。いただきます」
「いただきます」
自分が作った朝食を口に運ぶ。我ながら今日も美味しくできたものだ。裕香も美味しそうに食べてる。
「裕香、俺今日も慎吾とショップ行くけど俺に何か用事あるか?」
「そうなの?私も友達の家に遊びに行くから家空いちゃうね」
「そっか、じゃあ鍵はお前が持っててくれ。昨日みたいに遅くなるかもしれないから」
「分かった」
しばらくしてお互いに食べ終わり、食器を洗いキッチンの回りを片付ける。その後二階の自分の部屋で着替えを済ませ、鞄にデッキケースとコアケースを入れて再び1階へ降りてリビングでくつろいでる裕香に出ることを伝える。
「じゃあ裕香、俺先に出るから鍵お願いな」
「うん分かった。行ってらっしゃい」
「行ってきます」
そう言って家から出る。家からショップまでは徒歩で10分くらいの距離にあるため、そこまで苦労はしない。目的地のショップに着くと、入り口ではすでに慎吾が待っていた。
「おう光輝!随分早く来たな。そんなに早く俺に会いたかったのか?かわいい奴だな」
「随分と下らねぇ冗談だなオイ」
慎吾の冗談にそう返してショップの中に入る。土曜日だからかまだ午前中だというのに中はたくさんの人で賑わっていた。
「おぉ!光輝君に慎吾君、いらっしゃい」
「どうも店長さん」
「今日も来ましたよ〜」
「昨日は助かったよ。あのままスタジアムが独り占めされていたらお客が一気に減っていただろうからね」
店長さんの言う通りあのまま四島にスタジアムを独占されていたら、客足はかなり減っていただろう。いつも世話になっている店がそんな事になるのは俺も嫌だ。そう考えると四島を追い払うことが出来て本当に良かったと思う。
「さてと光輝!早速バトルしようぜ。昨日のデッキをもっと試したいからな」
「よし、やるか」
「あっ、太陽!いたぞ!」
「ホントだ!」
「ん?」
デッキを出してバトルの準備をしていると突然大きな声が聞こえた。振り向いてみると、4人の子供がこちらに近づいてきた。そのうちの一人は見覚えがある。
「やっと見つけた!赤宮光輝!」
「君は確か・・・昨日の・・・」
俺に話しかけてきたのは、昨日四島に挑みデッキを奪われていたあの子だった。
「俺に何か用か?」
「あぁ、もちろん!」
その子はそう言うと、いきなり俺に頭を下げこう言った。
「お願いします!俺を弟子にしてください!!」
「・・・・・・・はい?」
突然の事に、俺は唖然とするしかなかった。
・
その後俺はいきなり弟子入りを申し込んできたその子、坂上 太陽 (さかがみ たいよう)君と3人の友達、頭に赤いハチマキを巻いた翔太(しょうた)君、少しぽっちゃりした体型の大助(だいすけ)君、明るそうな女の子の梨花(りか)ちゃんの話を聞く。
「・・・それで太陽君、俺に弟子入りしたいってなんでいきなり?」
「昨日四島を倒して俺のデッキを取り返してくれただろ?俺も光輝みたいに強くなりたいんだ!」
「太陽の奴、昨日の光輝さんのバトルを見てすっかり光輝さんに憧れちゃったみたいなんだ」
俺の質問に太陽君はそう答え、翔太君が昨日のバトルの影響だと説明してくれる。どうやら太陽君は本気らしく、真剣な表情で俺を見つめてる。しかし太陽君には申し訳ないが、
「気持ちは嬉しいけど俺は弟子を取る気は「そこをなんとか!!」う・・・」
断ろうとしたが太陽君は諦める気はないらしい。多分このまま断り続けても彼は引き下がらないだろう。
「はぁ・・・・・。しょうがないなぁ、分かった」
「弟子にしてくれるのか!?」
「弟子には出来ないけど、強くなるためのアドバイスくらいならしてあげられるかな」
俺がそう言うと太陽君はパァッと笑顔を浮かべた。
「ホント!?やったぁ!!」
「やったね太陽君!」
「よかったな太陽!」
太陽君はアドバイスだけでも嬉しいのか、凄く喜んでる。梨花ちゃんと大助君、翔太君も一緒に喜んでくれている。
「あらら、随分嬉しそうだな。いいのか?」
「まぁあんなに真剣なんだ。アドバイスくらいならしてやらないとな」
喜んでいる太陽君達を見ながら、慎吾にそう返す。それに俺も、四島の時のようにデッキを奪われて悔しがる彼は見たくないからな。
・
その後手始めに太陽君のデッキを見せてもらったのだが、彼には失礼だがおもわず「なぁにこれぇ」と言いたくなるような内容だった。まずスピリットカードのバランスが悪くコスト0〜3の軽スピリットが8枚しかなく、あとは中型スピリットばかり。しかも切り札になるようなスピリットが見当たらないのだ。そのうえマジックカードがスピリットのBPを上げるものしか入ってなく、防御カードが一枚も入ってない。おまけにデッキは赤属性が一番多く入っているのだが、ほかの5色のカードもバラバラに入っており、デッキの枚数も51枚と中途半端な枚数だった。
「・・・なぁ太陽君。このデッキはどういう考えで作ったのかな?」
「俺の持っている強そうなカードをとにかく入れてみたんだ」
成る程。どうやら基本的なことから教えたほうがいいようだ。
「太陽君、正直な話このデッキは色もバランスもメチャクチャだ。このままじゃ多分どんな相手にも勝てないだろう。だからバトスピの基本的なことを教えるから、一からデッキを組み直そう」
「でも俺、カードあんまり持ってないから・・・」
「じゃあ俺のカードを分けてあげるよ。結構前からバトスピやってるからそれなりにあるからさ」
「ホントに!?ありがとう!」
「どういたしまして。じゃあまず、カードの種類から説明するよ」
バトルスピリッツのカードは大きく分けて5種類ある。
スピリットカード、ブレイヴカード、マジックカード、ネクサスカード、そしてアルティメットカードの5種類だ。
「スピリットはバトルの主役、これがなきゃバトスピは始まらない。コアを使ってスピリットを召喚し、相手スピリットとバトルしたりライフを削ったりするのが基本だ。これは分かるよね?」
「うん」
「次にブレイヴカード。これは簡単に例えるなら合体、スピリットと合体することで真の力を発揮するカードだ。例えばこれ」
俺は太陽君に一枚のブレイヴカードを見せる。
砲竜バル・ガンナー
ブレイヴ
4(2)/赤/地竜・星竜
<1>Lv1 2000 <0>合体+2000
合体条件:コスト4以上
【合体時】『このスピリットのアタック時』
自分はデッキから1枚ドローし、BP4000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
シンボル:赤
「この砲竜バル・ガンナーは合体(ブレイヴ)するとBPが2000上がってアタック時効果が得られる。シンボルもある場合は追加されるから削れるライフも増える。ただブレイヴには合体条件があってカードによってそれぞれ条件が違う。バル・ガンナーの場合はコスト4以上のスピリットじゃないと合体出来ない。それとブレイヴカードに合体(ブレイヴ)することは出来ないから覚えておこう」
「分かった。光輝も昨日のバトルで使ってたよな?」
「あぁベオ・ウルフのことか。あのカードの合体条件はコスト5以上だからバル・ガンナーより厳しいけど、その分効果は強力だ。太陽君達も見てただろ?」
俺の言葉に太陽君は頷く。俺も初めてベオ・ウルフのカードを見たとき、「インチキ効果もいい加減にしろ!」と言いたくなった。あの効果でシンボルも持っているのだから、ほぼ確実に2点ダメージを通すことができる。昨日のようにヤマトのような指定アタック効果を持つカードと組み合わせるとさらに強力だ。あの性能でアンコモンなのもおかしいと思うのは俺だけだろうか。
「じゃあ次はマジックカードの説明だ。マジックは使い捨てで、カード1枚につき一回しか効果を使えないがどれも強力な効果を持っている。一応太陽君のデッキにも入ってたけどあれだけじゃあ厳しいな」
「なんで?」
「マジックは主に相手のアタックに対してのカウンターやバトルを有利にするためのサポートとして使うことがほとんどだ。BPアップのカードだけじゃなくて、相手のカードを破壊したり自分のサポートのためのカードも入れないとな。とりあえず便利なマジックというとこんな感じかな」
太陽君に数枚のマジックカードを見せる。
サジッタフレイム
マジック
5(赤2青1)/赤
フラッシュ:
BP合計5000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。
または、相手のネクサス1つを破壊する。
双翼乱舞
マジック
4(2)/赤
【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】
自分はデッキから2枚ドローする。
その後コストを支払うことで、このカードのメイン効果を発揮する。
メイン:
自分はデッキから2枚ドローする。
双光気弾
マジック(制限1カード)
3(1)/赤
【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】
自分はデッキから2枚ドローする。
その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。
フラッシュ:
相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊する。
または、相手のネクサス1つを破壊する。
絶甲氷盾
マジック
4(1)/白
【バースト:自分のライフ減少後】
ボイドからコア1個を自分のライフに置く。
その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。
フラッシュ:
このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。
マーク・オブ・ゾロ
マジック
5(2)/紫
【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】
自分はデッキから1枚ドローし、相手のスピリットのコア2個を相手のトラッシュに置く。
その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。
フラッシュ:
コスト5以下の相手のスピリットすべてのコア1個ずつを相手のリザーブに置く。
「これらは赤デッキなら大体入る。絶甲氷盾とマーク・オブ・ゾロは赤じゃないけどバーストのおかげで使いやすいし、特に絶甲氷盾は防御カードに困ったら3枚入れとけって言うくらい便利なカードだからな」
「そうなんだ・・・」
「次はネクサスだ。ネクサスはフィールドに配置することで自分の有利な状況を作ったり相手の展開を妨害することができる。マジックと違って使い捨てじゃなく配置したら破壊されるまで留まるのと、ネクサスはスピリットと同じようにコアを置いてLVアップするものがほとんどだ。ただほとんどのネクサスはLV1の維持コアは0だから、スピリットと違ってコアを置いてなくても基本大丈夫だ。シンボルもあるからコストの軽減にも使えるしな。ちなみにこれがネクサスのカードだ」
俺は一枚のネクサスカードを出す。
灼熱の谷
ネクサス(制限1カード)
3(1)/赤
<0>Lv1 <1>Lv2
Lv1・Lv2『自分のドローステップ』
ドローの枚数を+1枚する。ドロー後、手札1枚を破棄する。
Lv2『自分のアタックステップ』
自分のスピリットすべてをBP+1000する。
シンボル:赤
このカードは3コストと軽いが、LV1から手札のサポートをしてくれる。その使い良さから今では一枚しか入れられない制限カードになっている。
「ネクサスにはお互いの場に効果を及ぼすものもある。それを何も考えないで配置したら自分の足を引っ張ることもある。ネクサスはスピリットと違って自分で消滅させることが出来ないから気をつけよう」
「うん、分かった!デッキによって入れるか入れないかちゃんと考えなきゃいけないのか」
「そういうこと。じゃあ最後にアルティメットカードについて説明だ。アルティメットっていうのはこんな感じのカードだ」
「うわぁ、スゲェ!」
カードの端が金色に輝いているカード、アルティメットを見せる。
アルティメット・ジークフリード
アルティメット
6(3)/赤/新生・古竜
<1>Lv3 10000 <3>Lv4 14000 <5>Lv5 20000
【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】
【Uトリガー】 Lv3・Lv4・Lv5 『このアルティメットのアタック時』
Uトリガーがヒットしたとき、相手は可能ならブロックする。ただし、アルティメットはブロックしなくてもよい。
相手のスピリットにブロックされたら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。
(Uトリガー:相手のデッキの1枚目をトラッシュに置く。そのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)
Lv4・Lv5:フラッシュ【真・覚醒】『このアルティメットのアタック時』
自分のスピリットのコア1個をこのアルティメットに置くことで、このアルティメットをBP+3000する。
シンボル:極
「アルティメットはスピリットと同じようにフィールドに召喚、バトルを行うカードだ。大体の動きはスピリットと同じだけどスピリットとは大きな違いがいくつかあるんだ」
「違い?」
「まずアルティメットはスピリットと違ってLV1からじゃなくLV3からスタートする。そのためスピリットとは比べ物にならないほどのBP効率を持っているんだ。アルティメット・ジークフリードはコア1個LV3BP10000からスタートする。だからスピリット相手だと有利にバトルが出来るんだ。それを聞くとカードの効果で破壊しようと思うけど、例えば「相手スピリット一体を破壊する」効果とかで破壊しようと思うけど、それだとアルティメットは破壊出来ないんだ」
「どうしてなんだ?」
「簡単さ、アルティメットはスピリットじゃないからさ」
「えっ?スピリットじゃない?どういうこと?」
「アルティメットはスピリットとは違う別の種類カードだから、スピリットを対象にした効果は受けないんだ。だからカード効果の記述にアルティメットと書いていない効果は受けない。一部例外はあるけどね」
「そうなのか!だったらアルティメットをいっぱい出せるデッキを作ったら最強だ!」
「そうでもないさ。アルティメットは確かに強いけど、弱点も存在する。まずは召喚条件があること。アルティメットには召喚条件があって条件を満たさないとフィールドに召喚出来ないんだ。アルティメット・ジークフリードの場合はフィールドに赤のスピリットが一体以上いないと召喚できない。召喚条件はアルティメットによって違うから、ちゃんと条件を満たせるデッキにしないといけない。それと今説明したように、アルティメットはスピリットじゃない。相手と同じように自分もアルティメットを対象にしたカードじゃないと、アルティメットをパワーアップしたりできないんだ。ブレイヴも同じように、スピリットと合体するブレイヴカードをアルティメットにブレイヴさせることはできない。一応アルティメットにもブレイヴできるカードは何枚かあるけどね」
これでバトルスピリッツのカードの種類についての説明を終えた。次は色について説明だな。
「じゃあ次は色について説明だ。今までの説明では赤属性のカードを中心に見せてきたけどバトスピには6つの色、属性がある。赤、紫、緑、白、黄、青の6色のカードにそれぞれの属性によってできることが違うんだ」
「というと?」
「それぞれ得意なことをあげると、赤は攻撃的に攻めることや手札を増やすこと、紫はスピリットの命といえるコアを外して消滅させること、緑はコアを増やしたり相手スピリットを疲労させる、白は防御を得意として長期戦に持ち込みこと、黄は使い捨てのマジックをサポートしたりライフを回復させること、青は相手のデッキを破壊してデッキアウトによる勝利を狙うこと、他にも色々とあるけど基本はこんな感じだ」
それでも分からないという人のために歌にして例えると、
「アタックするぞ赤属性 コアを外すぞ紫属性 コアを増やすぞ緑属性 鉄壁ブロック白属性 マジック使用の黄属性 デッキ破壊だ青属性」とこんな感じだ。
「行くぜ!ギャラクシーステップ!」と聞こえるような気がしたが気のせいだろう。
「太陽君はどの属性を使いたいんだ?」
「もちろん赤さ!バトスピは赤でガンガン攻めてやるんだ!」
「よし。じゃあ赤属性を中心にデッキを組もう」
そういって一からデッキを組み直す。コストのバランス、カウンターのためのカード、そして枚数を40枚に近づくように、太陽君がどのようなデッキにしたいのかを聞きながらカードを選ぶ。そして完成まであと一枚のところまでくると、
「あと一枚だな。じゃあ太陽君、最後は君のキースピリットだ」
「キースピリット!」
「俺のヤマトみたいに、君の切り札になるカードだ。特別にこの中のXレアから一枚をあげるよ。それが君のキースピリットになるから、慎重に選ぶんだ」
そういって俺は太陽君に、赤のXレアカードを5枚見せる。この中から太陽君のキースピリットが決まるのだ。太陽君はしばらく真剣な表情で悩んでいたが、その中の一枚を手に取った。
「よし!これにする!こいつが俺のキースピリットだ!」
キースピリットとなるカードを選ぶと、カードの束に入れる。これで彼の新しいデッキが完成した。
「よっしゃあ!!完成したぜ俺のニューデッキ!!」
「やったな太陽!」
「よかったじゃないか!」
「早速バトルしようよ!」
デッキが完成して喜ぶ太陽君。彼と一緒に翔太君、大助君、梨花ちゃんも完成を喜んでいた。
「ありがとう光輝!なんかカードもらってばっかだったけど・・・いいのか?」
「あぁ、気にしなくていいさ。あとは太陽君がバトルをして何か物足りないと思ったらまた調整すればいいさ。ただ赤中心のデッキだからむやみに他の色を入れたりしないように気をつけないとな」
「分かった!じゃあ光輝、バトルしてくれよ!早速このデッキを試したいんだ」
「あぁいいよ。じゃあ「ちょっといいか?」ん?」
太陽君とバトルしようとしていたところに、一人の男が話しかけてきた。
「お前が赤宮光輝だな?」
「・・・あぁそうだが?」
「昨日の四島とのバトル、見事だったぜ。俺も見てたんだよ」
「そうか、ありがとう」
「あんなバトル見せられると、俺もバトルしたくてウズウズするんだよ」
「それは!」
そう言いながら男が取り出したのはデッキケース。だがただのデッキケースではない。見てみると真ん中に獣の模様が描かれている。模様が描かれたデッキケースは、S級バトラーしか持つことができない。つまりこの男は、
「S級バトラーか。名前は?」
「おっと失礼、俺の名は火野恭賀(ひの きょうが)だ」
「火野恭賀だって!?」
慎吾が名前を聞いて驚く。俺もその名は聞いたことがある。
「知ってるの?」
「あっという間にライフを奪いさるほどの超攻撃的な赤デッキを使うS級バトラーだ」
「赤属性のS級バトラー!?じゃあ、光輝と同じ?」
「そうなるな」
慎吾と太陽君が言う。まさかこんなところで俺と同じ赤属性使いのS級と出会うとはな・・・。
「なるほど。つまり同じ赤属性のS級バトラー同士、俺とバトルがしたいと?」
「そういうことだ」
恭賀は笑みを浮かべながら言った。どうやら俺と戦う気満々のようだ。俺も同じ赤属性のS級バトラーとして、どちらが強いのか確かめたい。なら返事は決まっている。
「悪い太陽君。ちょっとだけ待っててくれ」
「光輝!それじゃあ・・・」
「火野恭賀!お前のバトル、受けてやるぜ!」
俺はデッキをかざし、挑戦を受けた。
第2話は烈火魂でいう佐助ポジションの太陽の登場と、光輝と同じ赤属性のS級バトラー、火野恭賀の登場です。
では、申し訳ありません。当初は恭賀と光輝のバトルも書くつもりだったのですが、途中まで書いたのを保存してなかったせいで二度も書き直すハメになってしまい、説明回とバトル回で分けることにしました。
すみません皆さん。作者が馬鹿だったせいで力及ばずバトルまで書けませんでした。非力な私を許して下さい。