相変わらずの低クオリティですが(汗)
それではどうぞ!
「ふぅ、今日は一段と暑いな」
俺はショップへの道を歩きながらそう言う。今はまだ6月だが灼熱の太陽が照りつけ、周りの温度を上げている。あと1ヶ月したら更に暑くなるのだから、勘弁してほしい。洗濯物が早く乾くのは嬉しいが。
「さぁて、太陽君はどんな風にデッキを強化させたのか楽しみだな」
昨日の俺とのバトルで連敗してしまった太陽君は、デッキを強化してくるからもう一度バトルしようと言った。昨日バトルして分かったが、太陽君は物分かりが良く俺のアドバイスをちゃんと覚えながらバトルしており、着実に実力をつけ始めている。あれなら四島くらいのバトラーと互角に渡り合えるだろう。彼を見ているとバトスピを始めたばかりの頃を思い出す。あの頃はとにかく自分の作り上げたデッキでバトルをするのがとても楽しく、見たことないカードやコンボを見る度に心躍らせた。太陽君にバトスピを教えているとあの頃のようにワクワクを思い出すような感じがした。
「お願いだから退いてください!」
「だったら金貸してくれって言ってんじゃ〜ん」
「ん?」
声が聞こえてきた方に目を向けてみると不良であろうガラの悪い男3人組が1人の女性を取り囲んでいる。会話からすると金を脅し取ろうとしているのだろう。周りの人達は厄介ごとに巻き込まれるのが嫌なのか、見て見ぬふりをしている。女性の方は抵抗しているが不安な表情をしている。よく見てみるとその女性に俺は見覚えがあった。
「ん?あれ大原じゃないか」
男達に絡まれている女性は、俺の同級生の大原水穂(おおはら みずほ)だった。同級生が絡まれているのを黙って見ている訳にもいかないので、俺は不良に囲まれている大原に近づいていく。
「どうしたんだ?大原」
「あ、赤宮君!?」
俺に気づいた大原は不良達を押し退け、俺の後ろに隠れた。
「あぁん?なんだテメーは?」
不良達が俺の前にやってくる。普通ガラの悪い連中に睨まれたりしたら恐怖心があるかもしれないが、俺はこの程度では怯まない。
「彼女の同級生だ。どうしたんだ?彼女がそっちになにか失礼なことでもしたのか?」
「あぁそうなんだよ。その嬢ちゃんが金貸してくれなくてさぁ、困ってんだよ」
「こ、困ってるって!あなた達に貸す必要ないじゃない!」
大原の言う通り、貸す必要がないのだから貸す訳がない。
「丁度いいや、お前ソイツの知り合いなんだろ?ちょっとでいいから貸してくれよ」
「貸す義務も義理もないのに貸すわけないだろ」
「俺達の挨拶が足りないのかねぇ?じゃあ気合の入った挨拶をしてやらないとなぁ!」
そういうと男は俺に向かって拳を振り上げて来た。だが、
「よっ!」
「がぁ!?」
俺はそれよりも早く男の腹にボディーブローを決めてやった。
「この野郎!」
「やりやがったな!」
仲間がやられたのを見て残りの2人もやってきた。俺は1人を背負い投げの要領で投げ飛ばすと、残りの1人のパンチを受け流し顔を掴んでアイアンクローをお見舞いしてやる。
「痛え痛え!!」
「とっととどっかに行け」
そう言って手を離すと男は情けない声をあげながら一目散に逃げていく。残りの2人もそれを見て走り去っていった。
「大丈夫か?大原」
「あ、ありがとう赤宮君」
不良達がいなくなり、大原は安心した表情でそう言った。
「まさかこんなところで会うなんてな」
「うん、私も驚いたよ。歩いていたらいきなりさっきの人達に声を掛けられて金貸してくれなんて言われて・・・、赤宮君がいなかったらどうなっていたか・・・」
「まぁ怪我がなくてよかったよ。じゃあ俺行くから、気をつけるんだぞ」
「あっ、ちょっと待って」
立ち去ろうとすると、大原が俺の服の裾を掴んで引き止める。
「助けてくれたお礼がしたいんだけど・・・」
「お礼なんていいよ。俺はたまたま通りかかっただけだし」
「でも助けてくれたことに変わりはないでしょ?ちゃんとお礼をしないと私の気がすまないの」
「いや、でも俺これからショップ行くからさ」
「ショップってバトスピショップのこと?だったら私も行くよ。そこなら何かお礼できるかもしれないし」
そこまでしてお礼がしたいのか、大原はショップまでついてくるとまで言い出した。
「気にしなくていいのになぁ・・・。分かった、じゃあ行こうか」
・
「・・・と言う訳だ。」
「なるほどねぇ〜。不良に絡まれてる女の子を助けるなんてカッコイイねぇ〜」
あれからショップに着き大原と出会った経緯を話すと、慎吾はジト目でそう言ってきた。その大原はと言うと、シングルカードが売られているショーケースの前に釘付けになっている。そんな大原を見ていると太陽君が声を掛けてきた。
「光輝、誰なんだあの人」
「大原水穂、俺の中学からの同級生だ」
「あの人もバトスピやってるのか?」
「いや・・・俺の知ってる限りじゃやってないと思うけど・・・」
俺は大原がバトスピをやっているという話は聞いたことがない。しかし彼女は未だバトスピのカードが並べられているショーケースの前にいる。いつまでも放っておく訳にもいかないので、彼女に近づいて話しかける。
「大原?」
「ひゃい!?」
俺が名前を呼ぶと彼女はいきなり声を掛けられて驚いたのか、普段では聞かない可愛らしい声をあげてこっちを向く。
「な、なんだ赤宮君かぁ。脅かさないでよ」
「俺はただ声を掛けただけだぞ・・・ん?」
ふと彼女が見ていたショーケースに目を向けると、そこは青属性のカードが売られているスペースだった。
「大原ってバトスピやってるのか?」
「えっ?なんでそう思ったの?」
「いや、熱心にバトスピのカード眺めてたからやってるのかなって思ったんだ」
「そっか・・・うん。ちょっとだけね」
大原はそう言いながら、鞄から青いデッキケースを出す。だが、
「!?」
それを見た俺は驚いた。何故なら彼女のデッキケースの真ん中には水の雫のような模様が浮かんでいた。模様が描かれたデッキケースはS級バトラーと認められたものだけが所持することができる。それを持っているということはつまり彼女は・・・、
「お前・・・S級バトラーだったのか!?」
俺がそういうと店内がざわつき、慎吾や太陽君達も俺の声を聞いてこっちへ来る。
「うん。何回か大会で優勝してね、気付いたら認定されたんだ。」
「気付いたらって・・・」
大原がバトスピをやってることも知らなかった俺は驚くしかなかった。
「お姉さんもS級だったんだ、じゃあ光輝や恭賀と一緒なんだ!」
「恭賀って?」
「昨日光輝さんとバトルした人だよ。光輝さんと同じ赤デッキ使いのS級バトラーなんだ。」
「そうなの?それで結果は?」
「俺が勝ったよ。かなりギリギリの勝利だったけどな」
俺の言うことに嘘はない。恭賀は本当に強かったし、あのバトルはたまたまいいタイミングでスサノ・フリードを出せたから勝てたが、もしあそこでスサノ・フリードが来なかったら、俺は確実に負けていただろう。
「同じ赤のS級バトラーに勝つなんてすごいのね!」
「あぁ、ありがとう・・・あっ!」
「どうしたの?」
「大原、さっき助けてくれたお礼がしたいって言ってたよな?」
「えっ?うん」
「だったらさ、俺とバトルしてくれよ」
「えっ!?」
俺はデッキケースを取り出し、大原にバトルを申し込んだ。
「お礼にバトルしてってこと?でもなんか私は納得行かないし、バトルの相手なら慎吾君達とか他にもいっぱいいるでしょ?」
「俺はこれでいい。どうしてもお前とバトルしたいんだ。」
「わ、私と!?どうしても!?い、いきなりそんなこと言われると・・・」
俺の言葉を聞くと大原は何故か顔を赤らめ俯く。もしかしたら恥ずかしいのかもしれない。
「どうした?大丈夫か?」
「う、うん大丈夫!私でよければ相手になるよ。」
「そうか、ありがとう!じゃあ早速やろうか」
「となるとまた外でやるようかな?」
慎吾の言う通りスタジアムはいっぱいだろうから外でやることになる。そう思っていたのだが、
「光輝!スタジアムが空いたってさ!」
「2人のためにみんながスタジアムの順番を譲ったんだって!」
俺達のバトルが見たいのか、順番待ちのバトラーが俺達に譲ってくれたようだ。
「そうか、感謝しないとな。よし!やろうか、大原」
「うん」
・
SIDE OUT
「2人ともいいバトル見せてくれよ〜!」
「またS級同士のバトルが見られるなんてツイてるぜ!」
スタジアムは既にバトラー達でいっぱいで、早くバトルが始まらないかと待っている。
「まさかこんなに人が集まるなんて・・・、バトスピってすごいのね」
「そうだな。さて、そろそろ始めようか。みんなも待ってるみたいだしな」
お互いデッキケースを掲げ、バトルマシーンを呼び出す。
「来い!覇龍翼!」
「来て!水分神(みくまりのかみ)!」
スタジアムの上空からバトルマシーンがやってくる。水穂のバトルマシーンは水をイメージした青い機体に先頭には水の雫の模様が描かれている。両者のバトルマシーンが到着し搭乗すると、バトル開始のコールを宣言する。
「「ゲートオープン、界放!」」
コールの宣言とともにバトルフィールドが出現し、バトルが開始された。
〜ターン1〜
「私の先行!ドローステップ、メインステップ、私は水拳童子をLV1で召喚!」
水拳童子(すいけんどうじ)
スピリット
3(2)/青/闘神
<1>Lv1 3000 <2>Lv2 4000 <4>Lv3 6000
Lv1・Lv2・Lv3【粉砕】『このスピリットのアタック時』
相手のデッキを上から、このスピリットのLvと同じ枚数破棄する。
Lv1・Lv2・Lv3
このスピリットに[ソウルコア]が置かれている間、系統:「闘神」を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000する。
シンボル:青
水穂の場に最初に召喚されたのは金髪に青い肌をした人型のスピリット、水拳童子である。
「水拳童子・・・やっぱり青属性か」
「水拳童子はソウルコアが置かれている間、系統 闘神 を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000!水拳童子も闘神なのでBPがアップ!」
水拳童子の体が青く光り、BPがアップする。
「これでターンエンド」
〜ターン2〜
「俺のターン!スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ!リューマン・クロウとカグツチ・ドラグーンをそれぞれLV1で召喚!」
リューマン・クロウ
スピリット
0(0)/赤/竜人
<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000 <5>Lv3 4000
Lv1・Lv2・Lv3【スピリットソウル:赤】
自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[赤](赤のシンボル1つ)を追加する。
シンボル:赤
カグツチ・ドラグーン
スピリット
4(2)/赤/古竜
<1>Lv1 3000 <3>Lv2 6000
Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』
自分はデッキから1枚ドローする。
Lv2【激突】『このスピリットのアタック時』
相手は可能ならばスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。
シンボル:赤
光輝の場に青い体に両手足に黄色の爪を持つリューマン・クロウと、赤い体に炎の翼を持つカグツチ・ドラグーンの2体のスピリットが召喚された。
「ターンエンドだ」
2体のスピリットを召喚し、光輝はターンを終了した。
「えっ?アタックしないのか?」
「大原の水拳童子はBP6000、BPで勝てるスピリットがいないからな。妥当な判断だろう」
観客席の太陽の疑問の声に、慎吾が解説を入れる。
〜ターン3〜
「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。光の戦士ガイウスをLV1で召喚!」
光の戦士ガイウス
スピリット(光)
2(2)/青/闘神
<1>Lv1 3000 <2>Lv2 4000 <4>Lv3 5000
Lv1・Lv2・Lv3【強化】
自分の「相手へのデッキ破棄効果」の枚数を+1枚する。
シンボル:青
フィールドに青の盾と槍を持った戦士、ガイウスが現れた。
「さらにネクサス、千間観音堂(せんげんかんのんどう)を配置!」
千間観音堂
ネクサス
4(2)/青
<0>Lv1 <1>Lv2
Lv1・Lv2『お互いのアタックステップ』
系統:「闘神」を持つ自分のスピリットすべてをBP+2000する。
Lv2『自分のアタックステップ』
ソウルコアが置かれている自分のスピリットの『このスピリットのアタック時』効果で相手のデッキを破棄したとき、
相手のデッキを上から5枚破棄する。
シンボル:青
水穂の後ろに金色の仏像がいくつも並ぶ、千間観音堂が配置される。
「千間観音堂!やっぱりデッキ破壊か!」
「気が付いたのね。ターンエンド」
アタックはせず、ターンエンドを宣言した。
「大原の戦法はデッキ破壊か。厄介だな」
「慎吾さん、デッキ破壊って?」
観客席の慎吾の言葉に梨花がデッキ破壊について訪ねる。
「バトルスピリッツには勝利方法が2つあるんだ。1つはみんなも知ってる通り相手のライフをゼロにすること。そしてもう1つが相手のデッキをゼロにすることだ。相手のスタートステップ開始時に相手のデッキがゼロ、つまりドローできるカードがなくなったらそのプレイヤーは負けになるんだ」
「えっ!それじゃあ大原さんはそのデッキ破壊を狙ってるってこと!?」
「あぁ。青属性はそのデッキ破壊を得意としている。太陽君も光輝に少し教えてもらっただろ?」
「うん」
太陽は慎吾の言葉に頷く。デッキ破壊の恐ろしい所は相手のライフではなくデッキを狙うため、ライフを削ってコアを増やすことが少ないこと。さらに相手のデッキを破棄してしまえば、相手のデッキの強力なスピリットも召喚される前にトラッシュに送られてしまうこともあるため、相手の戦術を狂わすこともできるのだ。
〜ターン4〜
「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!よし、砲凰竜フェニック・キャノンを召喚!」
「ブレイヴ!」
砲凰竜フェニック・キャノン
ブレイヴ
5(赤2白2)/赤/機竜・星魂
<1>Lv1 3000 <0>合体+3000
Lv1『このブレイヴの召喚時』
BP4000以下の相手のスピリット2体を破壊する。
または、BP4000以下の相手のスピリット1体と相手のネクサス1つを破壊する。
合体条件:コスト3以上
【合体時】【激突】『このスピリットのアタック時』
相手は可能ならスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。
シンボル:なし
「召喚時効果!相手のBP4000以下のスピリットとネクサス1つを破壊する!BP4000以下のスピリットはいないが、千間観音堂は破壊させて貰う!」
フェニック・キャノンのキャノン砲から火の玉が発射され、千間観音堂に命中し破壊する。
「さらにフェニック・キャノンをカグツチ・ドラグーンに合体(ブレイヴ)!」
フェニック・キャノンの機体が赤く光り、頭部が折りたたまれ2つのキャノン砲がついた翼がカグツチ・ドラグーンへと装着される。
「ブレイヴスピリットをLV2にアップ!不足コアはリューマン・クロウから確保!アタックステップ、ブレイヴスピリットでアタック!カグツチ・ドラグーンの効果で一枚ドロー、さらにフェニック・キャノンの合体時効果!【激突】だ!」
「ガイウスでブロック!」
猛スピードで向かってくるブレイヴスピリットにガイウスは盾で防御しようとするが、盾は猛スピードの激突に耐えられずガイウスは破壊される。
「ターンエンド」
〜ターン5〜
「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!巨人小隊を召喚!
巨人小隊
スピリット
1(1)/青/闘神
<1>Lv1 1000 <4>Lv2 4000
Lv1・Lv2
系統:「闘神」を持つ自分のスピリットが相手によって破壊されたとき、相手のデッキを上から2枚破棄する。
シンボル:青
「さぁ赤宮君!そろそろいくよ!」
「来るか!」
「蒼き海を統べる王!命を穢す者を深淵に誘え!蒼海明王(そうかいみょうおう)をLV1で召喚!巨人小隊から不足コアを確保!」
フィールドに巨大な水柱が出現し、フィールドが水に浸かる。そして水柱の中から青い体に3つの顔を持った巨人、蒼海明王が現れた。
蒼海明王
スピリット
6(3)/青/闘神
<1>Lv1 5000 <4>Lv2 10000
Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』
相手のデッキを上から7枚破棄する。
Lv2『このスピリットのアタック時』
このスピリットの効果で相手のデッキを破棄したとき、このスピリットの[ソウルコア]を自分のトラッシュに置くことで、
相手のデッキを上から7枚破棄する。
シンボル:青
「蒼海明王・・・!」
「蒼海明王は私のキースピリット!ここから一気にいくよ!水拳童子の効果によってBP+3000、8000にアップ!アタックステップ、蒼海明王でアタック!」
蒼海明王は腰の鞘から二本の剣を両手に持ち、雄叫びをあげながら光輝に向かって行く。
「蒼海明王のアタック時効果発揮!相手のデッキを上から7枚破棄する!」
蒼海明王の剣から青白い電撃が放たれ光輝のデッキに命中すると、光輝のデッキから7枚のカードが破棄される。
破棄されたカード
リューマン・クロウ
鬼武者ライザン
絶甲氷盾
双翼乱舞
ルクバード・ドラゴン
ライト・ブレイドラ
カグツチ・ドラグーン
デッキ残り枚数 26枚
「ついに始まったかデッキ破壊!アタックはライフで受ける!」
蒼海明王の剣が光輝のライフを砕く。
光輝 ライフ 5→4
「ターンエンド」
水穂は水拳童子を残しターンエンドした。
「光輝のデッキが一気に7枚も!」
「デッキ破壊は一度始まると止めるのは難しいからな。速攻でいかないとマズイぞ」
〜ターン6〜
「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」
光輝は手札を見ながら水穂の場に目を向ける。
「(今の俺の手札じゃ蒼海明王は倒せない。だったらライフを削りにいくしかない!)ブレイドラをLV3、リューマン・クロウをLV2で召喚!」
光輝の場に新たに2体のスピリットが召喚され、これで3体のスピリットが並んだ。
「バーストセット!アタックステップ、ブレイヴスピリットでアタック!アタック時効果で一枚ドロー、【激突】だ!」
「水拳童子でブロック!」
水拳童子は両腕で防御の体制をとるが、ブレイヴスピリットの突進を受け止めきれず破壊される。
「ブレイドラ、リューマン・クロウ!行け!」
「どちらもライフで受ける!」
ブレイドラの炎とリューマン・クロウのキックがライフを2つ削る。
水穂 ライフ 5→3
「ターンエンドだ」
「やった!ライフが逆転した!」
「だが蒼海明王は倒せなかった。そろそろデッキ破壊が本格化するぞ」
〜ターン7〜
「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!蒼海明王にソウルコアを置いてLV2にアップ!さらに光の衛士アドリアンを2体召喚!」
光の衛士アドリアン
スピリット(光)
1(1)/青/闘神
<1>Lv1 2000 <4>Lv2 3000
Lv1・Lv2【強化】
アルティメット以外の自分の「相手へのデッキ破棄効果」の枚数を+1枚する。
シンボル:青
「アタックステップ!蒼海明王でアタック!アタック時効果発揮!さらにアドリアンの2【強化】(チャージ)によって破棄枚数+2、よって9枚を破棄!」
光輝のデッキから9枚のカードが破棄された。
破棄されたカード
絶甲氷盾
ブレイドラ
焔竜魔皇マ・グー
炎極天リューマン・バースト
炎楯の守護者コロナ・ドラゴン
刃狼ベオ・ウルフ
聖龍皇アルティメット・セイバー
双翼乱舞
ルクバード・ドラゴン
デッキ残り枚数 15枚
「くっ!」
「更に蒼海明王LV2の効果!このスピリットの効果でデッキを破棄したとき、このスピリットのソウルコアをトラッシュに置くことで、相手のデッキを更に7枚破棄する!」
「なに!?」
蒼海明王の肩から、折りたたまれていたもう二本の腕が出現し腰の剣を抜く。計四本の剣から電撃が放たれ、光輝のデッキを破棄する。
破棄されたカード
英雄皇の神剣
爆裂十文刃
天剣の覇王ジーク・スサノ・フリード
ライト・ブレイドラ
サンブレイカー
フレイムスパーク
龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード
デッキ残り枚数 8枚
「!!」
「あぁ!ヤマト・フリードとスサノ・フリードがぁ!!」
「そんな!キースピリットが2枚とも!!」
観客席の太陽達が悲鳴を上げる。
「ライフで受ける!」
光輝 ライフ 4→3
「キースピリットはトラッシュにいったわね。ターンエンド」
水穂はターンエンドを宣言する。
〜ターン8〜
「もうダメだぁ、ヤマトもスサノもトラッシュにあるんじゃ勝ち目がないよ」
「確かに、いくら光輝さんでもキースピリットがないんじゃあ・・・」
「光輝さん・・・負けちゃうのかな?」
翔太、大介、梨花の3人はもう勝ち目がないと諦めムードになっていた。しかし、
「まだだ!きっとまだ手はあるはずだ!頑張れ光輝〜!!」
太陽はまだ光輝を信じており、応援する。
「太陽君の言う通りだ。あいつはそう簡単には負けねぇ。それにまだあいつのデッキにはヤマトやスサノと同じ切り札がある。」
「「「「えっ!?」」」」
慎吾の言葉に太陽達は驚きの声を出す。
「破棄されたカードを見てきたが、まだあいつのデッキには強力な切り札がある。それを引ければ・・・」
慎吾はそう言い、バトルフィールドの光輝を見つめる。
「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!」
光輝はデッキの上に手を置く。
「(ヤマトもスサノも今はトラッシュ。このドローで俺のデッキは残り7枚、たぶんこれがラストドローだ!このバトル、このドローに賭ける!!)」
光輝は最後の望みを託しカードをドローする。スタジアムが緊迫に包まれる中光輝はドローしたカードを確認すると、笑みを浮かべながら水穂を見る。
「(笑ってる!?)」
「行くぞ大原。残り少ないデッキから引き当てたこのカードで、お前を倒す!!」
光輝はそのドローしたカードを掲げ、フィールドに召喚する。
「赤のスピリットがいることにより召喚条件クリア!宇宙を駆けるドラゴン!赤き紅蓮の矢で敵を撃ち抜け!
究極三龍神、アルティメット・サジット・アポロドラゴン召喚!!LV4だ!!」
天空から赤い矢がフィールドに降り注ぎ、炎が広がる。そして炎の中から赤と黄色の体に馬のような下半身をし、右手に巨大な銃のような物を持ったスピリットを超えた究極の存在、アルティメット・サジット・アポロドラゴンがその姿を見せる。
「アルティメット・サジット・アポロドラゴン!?」
「こいつは俺のとっておき、三龍神アルティメットの一体だ!」
アルティメット・サジット・アポロドラゴン
アルティメット
7(3)/赤/三龍神・光導
<1>Lv3 12000 <3>Lv4 20000 <5>Lv5 23000
【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】
【WUトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』
ヒットしたUトリガー1回につき、BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
【ダブルヒット】:Uトリガーが2回ヒットしたら、さらに、このアルティメットに究極シンボル1つを追加する。
(WUトリガー:相手デッキの上から2枚をトラッシュに置く。それらのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)
Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』
相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。
Uトリガーがヒットしていたとき、指定したスピリットを破壊したら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。
シンボル:極
「アタックステップ!アルティメット・サジット・アポロドラゴンでアタック!アタック時効果、WUトリガー、ロックオン!!」
光輝が水穂の方に指を指すと、水穂のデッキの上から2枚のカードが飛び出す。
「その2枚のカードのコストはいくつだ!」
「コスト!?水拳童子とストロングドロー、コストはどちらも3!」
「Wヒットだ!!」
2枚のカードがトラッシュに送られると、アルティメット・サジット・アポロドラゴンは右手の銃から2発の矢を放ち、水穂のアドリアンを2体とも破壊する。
「なっ!?アドリアンが!」
「WUトリガーは相手のデッキを上から2枚トラッシュへ送り、そのカードがアルティメット・サジット・アポロドラゴンのコスト、つまり7より低ければヒット!ヒットしたカード1枚につき相手のBP15000のスピリットを一体破壊するのさ!更にLV4からの効果発揮!相手のスピリット一体を指定して、アタックすることができる!!蒼海明王を指定してアタックだ!!」
「指定アタック!?」
蒼海明王は剣から電撃を放つが、アルティメット・サジット・アポロドラゴンは上空へ飛び回避すると、銃から矢を放つ。その矢を蒼海明王は回避できずに体を貫かれ破壊される。
「更に!指定した相手スピリットを破壊した時Uトリガーがヒットしていた場合、相手のライフを1つリザーブに置く!!」
「なっ、ライフ貫通まで!?」
水穂 ライフ 3→2
「いけブレイドラ!アタックだ!」
「ライフで受ける!!」
水穂 ライフ 2→1
「これで決まりだ!ブレイヴスピリットでアタック!!」
「・・・私の負けね、ライフで受ける!!」
ブレイヴスピリットの炎が、水穂の最後のライフを破壊する。
水穂 ライフ 1→0
「きゃあぁぁぁ!」
・
「「「「ワアァァァァァ!!」」」」
光輝が勝利し、スタジアムが歓声に包まれた。
「やったー!光輝が勝ったぁ!!」
「凄いよ!アルティメット!!」
「8分の1の確率を引き当てるとはな、やっぱりあいつは凄いぜ」
太陽達も喜びの声をあげ、慎吾は光輝に目をやりそう述べる。
「もしあそこでこのカードが引けなかったら、あのまま負けていた。ありがとな、アルティメット・サジット・アポロドラゴン」
「赤宮君、私の負けだね。やっぱり私まだまだ未熟だね」
「そんなことないさ。俺もあのドローでこいつを引けなかったら負けていた、今回はドローに救われただけさ」
光輝はカードをデッキにしまい、水穂に手を差し出す。
「ありがとう大原。いいバトルだったよ」
「えっ!?・・・あ、ありがとう」
水穂は顔を赤らめながら、自分も手を差し出し握手を交わす。
「あ、赤宮君!」
「ん?」
「わ、私・・・赤宮君に言いたいことがあるの・・・」
「なんだ?」
「あ・・・あのね!そ・・・その・・・・・」
水穂はそこまで言うと顔を真っ赤にしながら、
「ま、またバトルしようね!それじゃあ!!」
「えっ!?お、おい大原!?」
そう言いながら水穂はスタジアムの出口へ猛スピードで走り去っていった。
「・・・なんだったんだ?」
光輝は走り去った水穂を見ながらそう呟いたのだった。
・
「ハァ・・・」
その日の夜、水穂は自宅にある自分の部屋でため息をついていた。
「折角赤宮君とバトル出来たのに、私ったら結局言えなかったな」
水穂はベッドで横になりながら今日の出来事を振り返っていた。
「・・・でも嬉しかったな。まさかあの時と全く同じ状況で助けてくれて」
光輝と水穂の出会いは3年前、中学生の時だった。実は過去にも今日と同じように水穂は外出中に不良に絡まれたことがあり、そこを助けたのが光輝だったのだ。2人は同じ中学に通っていたが、言葉を交わしたのはこの時が初めてだった。それ以来水穂は光輝に好意を寄せているのだが、未だ告白はできていない。
「普通に考えたら言えないよね。バトスピ始めたのも振り向いてもらいたかったことや、離れたくないから同じ高校に通うことを決めたことも」
水穂はそう言いながら鞄から、今日のバトルで使用したデッキを取り出した。
「赤宮君に追いつきたくて一生懸命バトスピ覚えて、腕を磨くために何度も大会に出てたらいつの間にかS級になっちゃったし。・・・でも今日のバトルはやっぱり悔しかったな、あと一歩で勝てたんだけどなぁ」
光輝に振り向いて欲しいという理由でバトスピを始めた彼女だが、ルールを覚え遊んでいるうちにいつの間にか楽しんでいたのだ。窓から空を見上げ、夜空に輝く星を見つめる。
「いつか、絶対赤宮君に伝えるんだ。この思いを・・・」
光輝のことを浮かべ、新たにそう誓う水穂であった。
いつもより時間かかったにも関わらずこの出来(汗)、文才が欲しいです。
次回に続きます!