阿部いりまさです。
今回初めてハーメルンで小説を投稿することにしました。
まだ文が未熟で読みづらかったり、話がおかしかったりすると思いますが投稿していくうちにより読みやすく、熱い話にしていきたいと考えております。
どうかみなさんよろしくお願いします。
自分達がいる世界の他にも世界があることを皆さんは知っているでしょうか。
実は''世界''は、ドア一枚隔てたすぐそばに無数に存在しているのです。
それぞれの世界が隣り合った世界に干渉する事は無く、それぞれの世界の日常を謳歌していました。
しかし、そんな無数にある世界を黒い影が覆い始めたのです。
異形の怪物、エレメリアンによって形成された組織であるアルティメギルはそれぞれの世界にある、心の輝きを次々と自分達のものにしていきました。 彼らに立ち向かおうとする戦士も現れますが、その大半がアルティメギルの強大な力の前に敗れていってしまったのです。
しかし、ある世界のある赤い戦士達はその猛攻をなんとかしのいでいたのです。
彼女らはアルティメギルの優秀な戦士ドラグギルディまでも倒し、アルティメギルの脅威になりえる存在となっていきました。
もう一つ、知っているでしょうか。
彼女らがドラグギルディを倒した時期彼女らと同じ装甲で闘う戦士が別の世界にも存在していた事を━━━。
◇
季節は4月の終わり。
新しいクラスにも大分慣れてきた気がする。
私、伊志嶺 奏(いしみね かなで)は小学校からの親友とともに学校から帰宅途中だ。
私の住んでいるところでは桜はもうとっくに散ってしまい、すでに木には緑色の葉っぱがついている。まあ大体の地域は四月には緑色が目立ってくるし当然なんだけどね。
「それでさーあの男子がねー…」
折角詩人になりきって季節の移り変わりを感じていたのに…。
私の隣で一緒に下校している少女は鍵崎 志乃(かぎさき しの)。小学生からの幼馴染みで親友だ。
私が志乃をジトーっとした目で見ていると志乃はすぐに気づきテヘッと笑う。
胸のあたりまで黒髪を伸ばし一つの三つ編みにして下ろしている。 大きな目もいいスタイルもその性格もあって学校ではかなりの人気者。
志乃はかなりの美人だ。そりゃもうノーマルなはずの私がコロッと落ちちゃうかもしれないほど…。ほんとだからね。
テヘッと笑い終わると志乃はまた今の学校やクラスのことについてペラペラと早口で喋り出した。
「喫茶店かなんかではなそっか」
終わりそうにない話を終わらせるべく、とりあえず提案した。
「なになに?話聞いてくれるの?」
「聞かないと返してくれないでしょ」
私が少々呆れ気味に言うもどうやら志乃は気にせず近くにあった喫茶店へ早足で入っていった。
『パターバット』
変な名前だけど私たちがよく行くこの喫茶店は店名から想像しにくいほどレトロな雰囲気を醸し出していて私にはとても居心地がいい。 いや女子高生の私がレトロとかはあれかな…とりあえず居心地がいい、安心できます。
先に店内に入った志乃は私たちがいつも座る席には座らず入り口付近でボケーっとしていた。 志乃の後ろから席を見てみると、あらら…どうやら先客が居たようだ。
今日は他の席にするしかないかな。
「この喫茶店にお客さんて珍しいよね」
志乃がさらっと酷いこと言った。
まあ確かに、志乃の言う通りだ。 ここは店名だとか立地だとかの理由で1日にくるお客さんは少なく私と志乃以外誰もいないことなど珍しくもなかったんだけどな…。 でも、このお店の評価が上がるなら私は嬉しいし、全然構わないけど。
いつもと席は違えど注文していた紅茶がくると志乃はそれを飲みながらまた話し始めた。
◇
何十分、いや何時間かパターバットで志乃と話していただろうか。
ある程度話したところで二人とも少し黙り、おかわりした紅茶を飲んでいた。
そんな沈黙をやぶったのは志乃からの意外な一言だった。
「そういえばさ……やっぱり奏はもう、ツインテールにはしないの?」
「っ!? いきなりどうしたの!?」
思わず飲んでいた紅茶を噴き出しそうになってしまったが乙女としてそんなことはしまいとなんとか耐えることができた。
ていうかあのお客さんもちょっとビクッてなってたような…。
でもなんでいきなりそんなことを…。いやまあ、大体はわかる。なんで志乃がそんなことを聞いてきたのか。それと彼女が私にどう答えてほしいかも。
でも…私は……。
「ごめん今のところは無理。それに私もうツインテールなんて嫌…」
「そんなことを言わないでくださいぃぃぃっ!!」
私が''嫌い''とキッパリとそう言おうとした時横からいきなり大声で否定された。
驚いて声の主を確かめるとどうやら私たち以外のただ一人のお客さんだったらしい。
いつのまにか近くに移動してきていたお客さんは通路からテーブルに手をつき、グイッと顔を近づけてきた。
さっきはちゃんと見てなかったので気づかなかったけどこの少女もかなりカワイイというかキレイというか。
身長は低く華奢だが、その中でも一際目を引く鮮やかなオレンジ色でショートボブの髪型は店内でも太陽の光を浴びているかのように輝いている。 長い睫毛に赤い瞳、どう見ても外国人さんだ。
やっぱりいいなあ、外国人って。
「あなたがツインテールを完全に手放してしまったらこの世界は滅んでしまいますっ!!」
━━━━は?
彼女のビックリ発言に私も向かいに座っている志乃も目を点にしてしまった。
いや、ツインテールを離したら世界が滅ぶ? いやいやおかしいって、どういうこと?
「も、申し遅れました。私、フレーヌと申す者です!この世界の危機を救うために異世界よりやってきました!」
「え、えっとフレーヌ?さん。世界が滅ぶって言うのは…。それと異世界?」
ここで私は閃いた。
そうか!
これは、あれだね。 世間でたまーに話題に上がる中二病とかいうやつだ。 きっとこの少女は自分の作った設定で私たちに絡んできたんだね!
でもなんでツインテールを選んだのかは謎だけど。
「そ、そりゃ大変だね……」
一応答えておこう。無視するとあとが面倒くさそうだし。
「何で他人事なんですか! これを見てください!!」
彼女は上着のポケットから体温計のような物を取り出し私に見せつけてきた。
画面の中央で赤い光が激しく点滅している。
「あなたがその世界を救うことのできる証です!」
そう言う彼女の眼は本気だ。
私が詳しく話を聞こうとする。
すると店内にかかっていた音楽が止まりスピーカーからピーッと音がして誰かの声が聞こえてきた。
『聞こえるか!愚かな人類よ!我らは異世界から参った選ばれし神の徒、アルティメギル!』
な、なんで店内のスピーカーからこんな声が!?
「外にでてください!」
そう言われて私も志乃も急いで喫茶店の外へ出た。
外へ出て空を見上げると何やら巨大なスクリーンのような者が浮いている。 その画面には特撮の怪人のような者まで写っている。
いったい何が………。
『我々は諸君らに危害を加えるつもりはないが、諸君らの心の輝きを欲している!抵抗は無駄である!そして抵抗せずおとなしく心の輝きを奪われれば諸君らの平穏は続くであろう!』
そう言い残すとスクリーンは砂嵐になり、やがて空に浮いていたスクリーンも消えていった。
なにこれ、心の輝き?ていうかあの怪物何!?
突然のわけわからない事態に志乃も口をポカーンと開けたままになっている。 私も同じ表情してると思う。
まさかさっきのフレーヌさんの話って…。
フレーヌさんなら何か知ってるはずだ。
「フレーヌさん!何か知っているんですか!?」
私はフレーヌさんに問いただそうとした。が、その瞬間あたりがピカッと眩い光に包まれ何も見えなくなっていった。
◇
「申し訳ありません。一刻も早く現場に向かわなくてはと思いまして」
フレーヌさんの声が聞こえてきた。
やがて光が収まっていき、だんだんと景色が見えてきた。
半ばパニックになりながら見えてきた景色を見てみるとどうやらさっきまでいた喫茶店の外ではなさそうだ。
『ビクトリースクエア』
大きな四角形の棟や屋外展示スペースからなる建物で色々なイベントに使われていたりする。
私たちは今、その建物までの道のりの中腹あたりにいる…っぽい。
でもパターバットからは車でも最低三十分以上かかるところなのに…なんで。
「やっぱりもう、始まってます!」
フレーヌさんが悔しそうな表情をしそう言いながら見ている方を私たちも見てみる。
その瞬間私は自分の目を疑った。私たちのいるところから百メートルもない所の地面がえぐれている。 いや、今現在も近くの地面や遠くの地面がえぐれていっているのだ。
「こ、これって……」
えぐれてく地面を辿っていくとその先に何やら黒い物体がある。
私と志乃はそれが何かと確かめようと気持ち前に出て凝視し、またも私たちは驚きの声をあげた。
二メートル以上はあるだろろかという体躯にふんっと力を入れれば車やコンクリートをも吹き飛ばす力。
見ているだけで身が竦み上がるような巨大で多量の棘。
掌から弾き出し、全てを焼き尽くすような光線。
着ぐるみじゃない、正真正銘の間違うことなき怪物だ。
えぐれていく地面に、ボロボロとなった車、それはさながら世界の終わりを表しているような…それだけ絶望的な場面だった。
「でてこい、貴様ら!」
「!」
近くにあったコンクリートのオブジェを手で軽々と粉々にした後、怪物は日本語で喋った。
やがて怪物の後ろに巨大な黒い渦のような物が出現しその中からモケモケ言いながら全身タイツを着た変態のような人たちがたくさん出てきた。
さらなる絶望を感じ、言葉を失う私と志乃とは逆に怪物は口を開け叫んだ。
「なーっはははは!この世界の生きとし生ける全てのツインテールを、我らアルティメギルの手中に収めるのだ!!!」
ものすごい男前な声でものすごいおかしな発言をした怪物を前に私と志乃はまたも目を点にした。