私、ツインテール戦士になります。   作:阿部いりまさ

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コーラルギルディ
身長:221cm
体重:236kg
属性力:雀斑属性(フレークル)

アルティメギルでは珍しい女型のエレメリアン。その特徴ゆえ、以前は貴の三葉に所属していたこともありそこでBLを学んだ経験を持つ。
かなりの気分屋で、自分の気にくわないことがあるとすぐに機嫌を損ねてしまうためシャークギルディからも問題児として扱われている。純粋な戦いを楽しむように見えるが……?


FILE.11 新たな進化?テイルホワイト

 学校から出て、家へと向かっていると前に男子の集団がいるのを見つけた。

 サッカー部だ。 なぜわかったかと言うと集団の中に嵐君やクラスのサッカー部連中がいるから。

 特に、本当に興味はないけど何んの話題で盛り上がっているのか気になるので聞き耳をたてると、どうやらテイルホワイトのことのようだ。

 そのことは特に驚きもしないけど、驚くべきことはあった。

 あの嵐君がテイルホワイトの話題に嬉々として入っていってるのだ。

ポニーテールが大好きだと公言していたけど、テイルホワイトの影響なのだろうか……。

 なんの話題かもわかり特に興味もなくなったので角を曲がり自分の家の方向へと向かうことにした。

 勘違いされているかもしれないから一応言っておくと私は嵐君のことが決して好きなわけではない。 むしろ嫌いな部類に入る。 大っ嫌い。間違いない事だし、断言できる。

 ま、嵐君の話はまた今度。

 家に向かって進み、また角を曲がると誰かにぶつかってしまった。

 

「あっ、ごめんなさ……い!?」

「いや、私こそテイルホワイトを探していてな。 不注意だった」

 

 曲がり角に立っていたのは何やら龍みたいな顔をしたエレメリアンだった。

 そのエレメリアンは私に謝った後タタタッと走り出したかと思えば三メートルくらいのところでまたも止まり話しかけてきた。

 

「あなたは素晴らしい黒髪の持ち主だ。 どうか茶色や金色に染めないようおすすめする」

 

 私に意味不明のアドバイスをするとまた龍のようなエレメリアンは走り、先の角を曲がり消えた。

 て、ボーッと見送っている場合じゃないか。

 私は周りに誰もいないことを確認しテイルブレスを胸の前に構え、変身コードを叫ぶ。

 

「テイルオン!」

 

 無事テイルホワイトになったことを確認すると家の屋根を飛び越え未だに走っているエレメリアンの前に着地した。

 

「どうやら私を探しているみたいだけど?」

 

 私の姿を見た途端そのエレメリアンは頭を抱えてわかりやすく苦しみだした。

 そして話し出す。

 

「や、やめろ! そんな色の髪を私に見せるな━━━ッ!!」

 

 エレメリアンはいきなり道路にあったポストを引っこ抜き、投げつけながら叫んだ。

 そのポストは避けるまでもなく、私の横を通過して地面に転がる。

 いやあ、私に対してここまで拒否感を露わにされるのは初めてだ。 ……私で属性ごとに変な妄想されるよりはいいんだけどさ。

 そのエレメリアンは頭から手を離すと私と目を合わせないように、じゃなく私の髪を見ないように話し始めた。

 

「わ、私の名はシーホースギルディ…。 誇り高き黒髪属性(ブラックヘアー)を持つ者! それ故に、そんな色の髪をしたあなたが許せん!」

 

 ブラックヘアー、黒髪!

 なるほど、テイルホワイトの状態だと髪は銀色だから見たくないのか。逆に変身前は私の髪は黒いからさっきは褒めてくれたわけね。

 それにしても髪の色に関わる属性は初めてかもしれないな。 本当に色々な属性があるもんだ。

 

「悪いけど、あんたの希望だけでこの髪を黒に変えるわけにはいかないわね!」

 

 ビシッとシーホースギルディに指差した後に私はフォースリボンに触れ、アバランチクローを装備……できなかった。

 やはり両手に装備される感覚まではあるものの、アバランチクロー自体が私の両手には存在していない。

 

(なんでダメなの!?)

 

 本当に私が心の奥でエレメリアンを恐れるようになってしまったのだろうか。

 

「む、武器も使わず私を倒そうというのか? なら私も正々堂々、拳で勝負するとしようか」

 

 そう言いながらシーホース両手を胸の前で合わせた。

 なんか勘違いさせてしまったらしい、しかし相手が武器などを使わずに闘ってくれるなら好都合だ。

 地面を蹴り、私はシーホースギルディの近くまで接近しまず一発相手にパンチをかました……はずだった。パンチは間違いなく決まっているのにシーホースギルディは平然と仁王立ちしたままだ。

 モケモケと闘ったときよりもさらに私は力を出せなくなっていたのだ。

 

「くっ!」

 

 私は一度バックステップし、また地面を蹴ると、今度はシーホースギルディの足に蹴りを入れる。が、これも全く効いておらず、シーホースギルディは先程と変わらぬ姿勢だ。

 

「テイルホワイトがこの程度とは。 敗れた仲間は銀色のツインテールに見惚れすぎていただけのようだ!」

 

 パンチを繰り出してくるシーホースギルディ。私はガードするもクラーケギルディの時よりは少ないがフォトンアブソーバーを超え直にダメージを受ける。 この手がジリジリと痛む感覚……クラーケギルディが脳裏に浮かぶ。

 

「だが私は違う!黒髪でないツインテールなど邪道以外のなにものでもないっ!!」

 

 苦しむ私にさらに言葉を投げかけるシーホースギルディ。

 先程までと違い、途端に体が重くなったような気がする。 本当に私はテイルギアの力を引き出すことができなくなってしまった。

 立ち上がることのできない私にシーホースギルディは止めと言わんばかりにこちらに優然と走り込んでくる。

 やられる━━━そう思った瞬間シーホースギルディの辺り一面を無数のトゲのようなものが降り注いできた。

 攻撃に怯むシーホースギルディの前にもう一体エレメリアンが現れる。

 

「コーラルギルディ……!?」

 

 シーホースギルディの前に立ったピンク色のエレメリアンはコーラルギルディだった。

 驚愕するシーホースギルディは落ち着いた後、コーラルギルディに話しかけ始めた。

 

「何をするつもりだ。 隊長の許可のない単独行動は重罪だぞ!」

「悪いわね。アタシは、どうしてもフルパワーのこの娘と闘いたくてね。今やっちゃったらつまんないわよ。それにアタシは無許可で出撃してないしー」

「失せろ! 私がテイルホワイトを倒し、黒髪こそが正義だと隊の皆に気づいてもらうんだ!! 」

「しょーがないわねえ」

 

 そう言うとコーラルギルディはあの背中の剣を抜き、私ではなくシーホースギルディに突きつけた。

 

「正気か!?」

 

 シーホースギルディは訴えるもコーラルギルディは剣を突きつけたままどんどん近づいていき、刺さるか刺さらないかの距離になった。

 しばらく両者とも何も話さずただ相手を睨みつけるだけだ。

 

「アタシの楽しみを奪うのは許さないよ」

 

 目にも留まらぬ速さで剣をシーホースギルディへと突き刺すコーラルギルディ。

 あまりの速さに反応できなかったシーホースギルディは驚愕の表情を浮かべているのだろう。

 じきに体から放電が始まるシーホースギルディ。

 

「この…反逆者め…!!」

 

 その言葉を最後にしてシーホースギルディは爆散した。

 エレメリアンが自分の仲間を倒した。 まさかの展開に口を開けずに驚愕することができなかった。

 極彩色のゲートを生成し、消えようとするコーラルギルディ。

 

「まって! 何が目的なの?」

 

 私の言葉に反応しピタッと止まりこちらを向くコーラルギルディ。

やがて口を開く。

 

「いったでしょ?アタシはフルパワーのあんたと闘いたくてね」

 

 また極彩色のゲートへ向かって歩き出すコーラルギルディ。

 このままコーラルギルディを逃してしまっていいのか、仲間を平気で自分のために倒してしまう奴が、今度は人間の属性力を奪うだけでなく、その他の危害を加えないとは断言できない。

 そう考え、気づいたら私は立ち上がりコーラルギルディと極彩色のゲートの間にいた。

 こいつを返すわけにはいかない、今ここで私が倒す。

 

「私は闘える。今すぐ闘いなさい!」

 

 少しの沈黙の後、コーラルギルディは背中から剣を取り出し、前のように私に突きつける。

 同時に私の背中にあった極彩色のゲートもなくなり、どうやら私と闘う気になったらしい。

 

「はあああああああ━━━━ッ!!」

 

 私はコーラルギルディに飛びかかりパンチしようとするもするりとかわされ逆にコーラルギルディのパンチを背中に受けてしまった。

 一度は倒れたが私はすぐに立ち上がり今度はコーラルギルディに蹴りを入れ、持っていた剣を吹き飛ばすもコーラルギルディ本体にはダメージを受けている様子は全くない。

 続けて私はコーラルギルディの体に連続してパンチを繰り出すも全て掌で受け止められてしまって、やはりこれもダメージを当たれられていなかった。

 

「私は恐れてなんかない!!」 

 

 渾身の一撃をコーラルギルディの胸元にめがけて繰り出すも、簡単に掌で受け止められてしまった。

 拳を握りしめたコーラルギルディは片腕の力だけで私を持ち上げ地面に叩きつける。

 テイルギアの力を引き出せない私とコーラルギルディじゃこの力の差だ。

 顔を上げるとコーラルギルディは私を見下しながら話し出した。

 

「ふん、 一瞬期待したけど、結局まだじゃない、ガッカリ。 それにアタシ達が怖いとか怖くないとか、たった一人でアルティメギルに立ち向かおうなんて無謀すぎんのよ!」

 

 自分の無力さを痛感し、幻滅した。

 そうか……私がいくら闘ったところで何体ものエレメリアンがやってくる。

 無駄…なんだ、たくさんの人が捨てていくゴミをたった一人で拾うことのようなもんだ。

 アルティメギル相手に私一人で闘ったところで……無駄なんだ。

 

 

 奏の後を追って、基地と学校から急いで出てくるも志乃はなかなか、奏に追いつけないでいた。

 小走りで奏を探しながら角を曲がろうとすると、テイルホワイトと一体のエレメリアンがいるのを志乃は発見する。

 

(奏!)

 

 まるで勝負がついた後のような光景に志乃は思わず両手で口を覆うのと同時に、ウーチンギルディ以来まじかで見るエレメリアンの迫力に圧倒され一歩後ずさりする。

 

(奏はこんなのと闘っていたの……)

 

 志乃は改めて自分は何もできておらずただ安全なところから闘いを見ていただけなのだと、感じていた。

 志乃はどうしていいのかわからず陰から二人を見ていると何やらコーラルギルディがテイルホワイトに向かって話しかけているのに気づく。

 

「たった一人でアルティメギルに立ち向かおうなんて無謀すぎんのよ!」

 

 ハッキリと聞こえたその言葉は志乃にはありえない言葉だ。

 テイルホワイトは、奏は一人で闘っていない。 志乃だって、それに志乃以上にフレーヌも一緒に、闘っている。

 それを再確認した志乃にもう恐怖は感じられなかった。

 志乃は陰から飛び出し、音に気づいて志乃の方を向くコーラルギルディに向かって言葉を放つ。

 

「一人じゃない! テイルホワイトは一人で闘ってなんかいない!!」

 

 

 いきなり陰から志乃が出てきてそう言った。

 ''テイルホワイトは一人じゃない''

 そうだ、コーラルギルディの言葉に乗せられて自分を見失うところだった。

 

「そうね、私は…」

 

 私は、私一人だけじゃここまでこれなかったんだ。 陰からサポートし続けてくれた二人にいつも救われてきた。 私は一人で闘ってなんかいない。

 一人でゴミを拾うのが無駄なら三人で拾って限りなく無駄をなくせばいい!!

 だから━━━━

 

「━━私たちはみんなで一人のテイルホワイトなんだあああ!!!」

 

 自分でも驚くくらいの速さでパンチを繰り出した。 コーラルギルディはとっさに腕でガードするもその腕から放電がはじまり驚愕する。

 

「ぐあっ!!」

 

 たまらず距離をとるコーラルギルディ。

 これだ、初めてテイルホワイトになった時のような感覚。

 私はもうエレメリアンを恐れることなどない。

 私の大切な仲間がいるから!

 迷いが完全に吹っ切れた瞬間、右腕のテイルブレスから眩いばかりの閃光が走り出し、その閃光は一つの線となって志乃へと向かっていき、志乃と繋がった。

 

「これって…!」

 

 瞬間驚くほど、次に起こることが容易に頭に浮かび実行に移す。

 

「あなたの属性、借りるね!」

「うん、使って!!」

 

 テイルブレスから志乃へと続いていた光の線が消えまたテイルブレスが激しく閃光し、ツインテール属性を表すエンブレムとは違う、ある属性のエンブレムへと変わった。

 エンブレムが変わり、先ほどとは比べものにならないほど強い閃光が走り、私は''変身''した。

 

「ま、まさか!?」

 

  変身した私をみて驚愕するコーラルギルディ。

 

「すごい…」

 

 歓喜の声を上げる志乃。

 普通のテイルホワイトとは違い、装甲が一新され、上半身と下半身それぞれに新たな装甲が追加された。

 そして最大の特徴は、ツインテールでないこと。

 変身した私の髪型は志乃と同じ髪型の一つ、三つ編みへと変わっていた。

 

「ツインテールの戦士が、ツインテール以外にするとはねえ…」

「私はツインテールが嫌いなの。 あわよくばツインテール以外の髪型ならどんな髪型にしてもいいってくらいにね!」

 

 腰から背中に移行した装備から激しく蒸気と炎が噴射される。

 頭を動かし、サイドにある三つ編みを後ろに回すと早速闘う体勢に入り、この形態の名前を高々と宣言する。

 

「━━━━これが私たちの絆の証、テイルホワイト・トライブライド!!」

 




みなさんどうも、阿部いりまさです。
ある問題が発生しました。
なんとツインテールの話なのにツインテールじゃなくなるというありえない事態です。
実はこの変身は前々から考えていて、是非実行したいという思いのもとそうさせてしまいました。
ツインテールを嫌っている奏ならではの変身ですね。
私の我儘をどうか許してください!
それではまたの機会で。
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