私、ツインテール戦士になります。   作:阿部いりまさ

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属性力直結現象(エレメリンク)
コーラルギルディとの闘いにおいてテイルホワイトのテイルギアと志乃の三つ編み属性が繋がった事で起こった現象。
テイルギアは三つ編み属性の力を使えるようになり、外見もツインテールから三つ編みへ、武装も重装甲になるといった変化がある。
強く純粋な属性力でないと発動しないという難点もある。
しかし、上記の条件を満たせばエレメリアンともエレメリンクできる可能性がある。

超認識攪乱装置(スーパーイマジンチャフ)
フレーヌが認識攪乱装置(イマジンチャフ)を元にして新たに開発した強化版。
従来のレーダーには属性力の反応もせず、フレーヌのもつ超認識攪乱装置探査レーダーにしか反応が出ないという優れもの。
この装置によりテイルホワイトの正体の露見はさらに守られる事が可能となった。 


FILE.13 三つ編みの条件

 私は新たなる力、三つ編みによってコーラルギルディを倒す事ができたと同時に心の中に密かに存在していたエレメリアンに対する恐怖を振り払う事ができた。

 テイルギアにフレーヌさんの想定していなかったイレギュラーな事態が起きてしまったため翌日、私と志乃は揃ってフレーヌさんの基地へと足を運んでいた。

 放課後になるとすぐに基地へと直行し、今はテイルギアをもう一度フレーヌさんの案でメンテナンスを行っている最中だ。

 メンテナンスルームに入ってからすでに二時間は経過していた。 どうやら相当今回の事態はフレーヌさんにとっても想定外かつ、不可思議なもののようだ。

 

「それより、なんであの時出てきたの。 結果的になんとかなったけど…」

「どうしてもあの言葉が許せなくて…。 テイルホワイトは一人で闘っているっていうやつね」

「まあ、そっか…」

 

 志乃のおかげで私は再びテイルギアの力を引き出す事が出来るようになり、さらに三つ編みという新たな形態を使えるようにもなった。 でも志乃の行動はあまり褒められたものじゃないのだ。

 

「昨日の夜、電話でも話したけどもうやめてね」

「ええ、もうしません!」

 

 妙に軽いノリで心配だ…。

 しかし、今回の事で志乃はアルティメギルに顔を覚えられた可能性が高い。コーラルギルディは秘密にしておくといっていたがやつのことだ、信用はあまりできない。 というより信用したくなかった。

 

 それからほどなくしてメンテナンスルームの扉が開きフレーヌさんが出てきた。 右手にはテイルブレスが握られているが、左手には見覚えのない黒のテイルブレスのようなものが握られていた。

 私と志乃がいるテーブルに着くと着席し、フレーヌさんは話し出した。

 

「まず、このテイルブレスをお返しします」

 

 スッと私の前に出されるブレス。 特に変わったようなところもなくどうやら今まで通り使えるということだろう。

 でも、私も志乃も気になるのは左手に握られていた黒いテイルブレスのようなものだ。

 フレーヌさんは黒いテイルブレスのようなものを今度は私ではなく志乃に差し出す。

 

「こちらは志乃さんに」

 

 志乃はそれを受け取るとキラキラと目を輝かせ始めた。

 

「もしかして、変身できる!?」

「いえ、できません」

「ですよねー……」

 

 一瞬の出来事だった。

 キラキラ輝いていた志乃は一瞬にして輝きを失い、黒いモヤのようなものが志乃に纏っているような気がする。 だけど、変身できないということはテイルギアではないということだ。ならその黒いブレスはなんなのだろうか。

 やがてフレーヌさんは話し出す。

 

「志乃さんに差し上げたのは自ら変身し闘うテイルブレスではなく、自分の属性力をテイルギアに送るものです」

 

 つまり、なんだろう。

 志乃の属性力を私が使えるようになる、ということであっているんだろうか。

 

「奏さんのテイルギアが志乃さんの属性力と繋がり今回の現象が起こったと考えられますが、志乃さんが近くにいなければやがてその繋がりは途絶えてしまいます。 その黒いブレス''リンクブレス''は遠いところからでも安定して志乃さんの属性力をテイルギアに送ることを可能にし、昨日のような時間制限がなくなるのです。 それと同時に志乃さんがどこにいても属性力直結現象(エレメリンク)を発動させることも可能となるハイテクメカです!」

 

 なるほど、昨日は近くに志乃がいたおかげでエレメリンクも時間制限もなかったわけだけど、属性力の持ち主である志乃が近くにいなくなると時間制限ができてしまった。 その問題を解消するのが黒いブレス''リンクブレス''なんだ。

 これはすごい。

 テイルギアのメンテナンスに苦戦してるのかと思ったけど、時間がかかっていたのはこれを開発していたからなんだ。

 早速志乃が腕にはめたリンクブレスを見てみると私のテイルブレスと色合いが逆なんだ。 全体的に白い部分が黒い部分に、青いラインが赤いラインになっている。 丸く青い部分は二つとも同じ色だ。

 …こう見ると妙に禍々しく、悪役が着けそうな色合いに見える。

 リンクブレスを手につけた志乃が嬉しそうにフレーヌさんに尋ねた。

 

「じゃあこれからは私も力を貸せるってことだよね!?」

「はい、変身はできませんけど…」

 

 フレーヌさんが申し訳なさそうに話すが志乃の表情は明るいままだ。

 

「少しでも奏の力になれるならそんなのどうでもいいよ!ありがと、フレーヌ!」

 

 さんを外され呼ばれたフレーヌさんはなんだか照れ臭そうに顔を赤らめた。

 

「あ、ありがとうございます…」

「もっと仲良くなりたいし、これからはフレーヌね! 奏もだよ!」

「うん、よろしくフレーヌ」

 

 私もそう言うとフレーヌはまたも顔を赤らめ、今度は下を向いた。

そんなに恥ずかしいんだろうか。

 未だにフレーヌは下を向いたままだ。

 しばらく下を向いていたフレーヌだったが急に何かを思い出したようにはっと顔を上げて話しかけてきた。

 

「あ、できればしばらくはエレメリンクは使わないでいただきたいのです。 まだわからない事が多く、テイルギアにもしもの事があるといけないので」

「うん、わかった」

 

 フレーヌが言う通りテイルギアにもしもの事があるといけないので意見には賛成だ。

 話は終わりかと思いきや、フレーヌはさらに話を続けた。

 

「それともう一つ、今までよりも強力な、超認識攪乱装置(スーパーイマジンチャフ)の開発にも成功したのでテイルギアとリンクブレス、それぞれに搭載しておきました。 なんと私の発明です!」

「すごいよ!フレーヌ!!」

 

 志乃は全力で喜んでいる。

 すごい、すごいけど、一体どれだけすごいのか私にはあまり理解できなかった。

 もしかして、今までのイマジンチャフでもエレメリアンに気づかれた事などなかったけど、それより強力になるんだからテイルホワイトの正体がバレる事はなくなるのかな。 それだと心強いな。

 それにしてもフレーヌには悪いけどネーミングセンスが安直……なような。

 

「それにしてもエレメリンクだとかスーパーイマジンチャフだとかなんか今までの名前と違う感じね」

「はい、テイルギアの基本装備の名前などを考えたのは私ではありませんから」

 

 名付け親が違うとネーミングセンスは異なるもんね。

 フレーヌのたった一言で済まされた説明は私を簡単に納得させた。

 

 

「クラーケギルディ様が、ツインテールの戦士により昇天されたとの報が入りました……」

「……」

 

 突然の部下からの報告。 何かと思えば、なんとシャークギルディの師匠クラーケギルディがツインテールの戦士により倒された、という衝撃的な事だった。

 シャークギルディはその報を聞いても動揺などせず、黙ったままだ。シャークギルディだけでなく、大ホールにいるエレメリアン全員が彼と同じように沈黙し、うつむいていた。

 やがてハア、と息をはいてシャークギルディは口を開いた。

 

「リヴァイアギルディ様の事や自分の理想の貧乳の姫を見つけた事などを聞いてから何も報告がなかった。 やはりそう言う事か……」

 

 薄々察していたという事なのか。

 シャークギルディはまた話す。

 

「クラーケギルディ様……いや、先生にあったのは我がまだ未熟な頃、貧乳をひたすら求めていた時だった。 先生は我に貧乳のなんたるかや、将としての言動、闘い方などいろいろな事を教えてくれたものだ」

 

 シャークギルディの言葉に部下たちはただ下を向いているだけだ。続けて話すシャークギルディ。

 

「この間、先生は旅立つ時に話していた。 ''遥か遠くの地で朗報が届くのを楽しみしている''と…」

 

 そこまで話すとシャークギルディは椅子から立ち上がり大ホールから出て行ってしまった。

 後に残された大ホールのエレメリアン達はどうしていいかわからず、結局また下を向くしかない。

 

「少し、休ませてやるか」

 

 オルカギルディが隣に座っているサンフィシュギルディにそう話しかけた。

 その言葉は、シャークギルディを隊長の座から一度下ろすことを意味している。

 オルカギルディはシャークギルディと長い付き合いをしているからこそ、彼の性格を知っている。 それと同時に彼がどれだけクラーケギルディを慕っていたのかも。

 わかっているからこそ、その提案をしたのだ。

 

「ですがもし、首領様やダークグラスパー様にこの事が伝わると…」

「おそらく、処刑されてしまう」

 

 ダークグラスパーとは、首領直属の闇の処刑人の事だ。

 不出来な部隊とダークグラスパーにみなされると隊長だけでなく、その部隊全員まで処刑されると噂される。

 

「シャークギルディの事を他の部隊に伝えぬよう、この場所にいる皆に願いたい」

 

 オルカギルディは大ホールにいる全てのエレメリアンに伝えた。

自分の心配をしているのではない。

 シャークギルディが将としての立場である以上、このままではいけないのだ。

 そう胸に秘め、オルカギルディは宣言した。

 

「本日より、シャークギルディに変わりこの俺がこの隊をしばらく率いる! だが、必ずシャークギルディは戻ってくる!その時までこの俺についてくるのだ!!」

 

 オルカギルディの命令に反対する大ホールのエレメリアンは誰一人いない。

 オオオオ……。

 そして大ホールのエレメリアン達は隊長が帰るその時まで、我らは闘うと、そう宣言したのだ。

 




みなさんどうも、阿部いりまさです。
前回の激しい?闘いからの説明回です。
前書きにも書きましたがテイルホワイトに新たな装備や装置が追加されました。
エレメリンクは原作の属性玉変換機構(エレメリーション)がフレーヌver.のテイルギアには存在しない事から登場させようと思った物です。
感想や質問等、お待ちしております。
それでは!
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