伊志嶺奏がテイルブレスで変身した姿。氷、または雪をモチーフにし、操ることができる。奏の意思や、感情により戦闘力を高めていく。変身した際のイメージにより奏のより闘いやすい超近接型の戦闘スタイルとなっている。 ツインテールを維持するためのフォースリボンに触れることにより両腕にアバランチクローを装備することができる。 アバランチクローは近接格闘に非常に有効な他、クローを肩に装備しシールドにすることや敵へ投擲することができるなど広い活躍をする。
武器:アバランチクロー
必殺技:アイシクルドライブ
シャークギルディ部隊のいるアルティメギルの基地の大ホールには珍しくオルカギルディとサンフィシュギルディのみがいた。テイルホワイトの観賞会、もとい作戦会議は終了し、解散したばかりのようである。
クラーケギルディが他の世界で敗れた事により、彼を信頼していたシャークギルディは自信を失い将としての立場を忘れてしまっていた。 そこで昔から彼を知るオルカギルディが隊長代理としてしばらく隊を率いる事となったのだ。
「シャークギルディ殿はどうすれば元に戻られるのか…」
シャークギルディが隊長となったのと同時にこの部隊に配属された老兵、サンフィシュギルディもオルカギルディと同じくどうすればシャークギルディは元に戻るのかを考えていた。
「幸いにも、闇の処刑人はクラーケギルディ様を撃破したツインテールの戦士がいる世界へと向かったと報告があった。 しばらくは、安心してもいいだろう」
隊長が戦意を喪失してしまった事がもしも首領や闇の処刑人の耳に入ってしまった場合、シャークギルディはもちろんの事、もしかしたらこの基地にいる部下達までも処刑されてしまう。 オルカギルディはその事態だけは避けようとしている。
「しかし、クラーケギルディ様を撃破したツインテールの戦士も気になるな。 サンフィシュギルディよ、データはないのか?」
そう言われ、サンフィシュギルディはパソコンのような物をいじるが、何十秒かたったとところで首を横に振りながら答えた。
「残念ながら、我が隊にデータは送られてきていないようですね」
データがない以上、その戦士がどのような戦い方をし、どのようなツインテールをしているのかもわからない。
気になるぞと言わんばかりにオルカギルディは貧乏ゆすりをする。
「データならありますぞ」
大ホールの隅にある廊下から声がし、その方向を向くオルカギルディとサンフィシュギルディ。
足音が大きく聞こえ、大ホールに姿を現したのは全体的に灰色で、所々に黒いしま模様が入っているエレメリアンだった。
「お前は、クラーケギルディ様の部隊のゼブラギルディか」
「はい。 クラーケギルディ様が生前にこのデータを届けるよう指示を受けておりまして、本日お届けに参りました」
ゼブラギルディは右手に持っていたDVDのようなディスクをオルカギルディとサンフィシュギルディに見せながら話した。
サンフィシュギルディはそのディスクを受け取ると早速パソコンに入れ、画面に表示する。
「おお……」
「見事なものですな…」
パソコンの画面に映し出された画像を見て思わずオルカギルディとサンフィシュギルディは感嘆の声をあげていた。
データと言ってもディスクの中にはその戦士の画像が大量に入っているだけだ。
オルカギルディとサンフィシュギルディがパソコンの画面を食い入るように見ているとゼブラギルディは口を開いた。
「ドラグギルディ様を倒し、クラーケギルディ様、リヴァイアギルディ様を立て続けに倒した戦士です。 名は━━━━━テイルレッド!!」
ゼブラギルディの話を聞き、思わずオルカギルディは立ち上がった。
「ま、まさか! テイルホワイトの仲間が別の世界にいたという事か!?」
「いえ、彼女はツインテイルズという仲間がすでにおり、別の世界に仲間がいる事を匂わせた事など一度もありません」
「ツインテイルズ…」
やがてゼブラギルディはツインテイルズの説明を始めた。
「最初に現れたのがテイルレッド、ツインテイルズの中で最も強く美しいツインテール属性を持っており、あのドラグギルディ様も倒し、リヴァイアギルディ様とクラーケギルディ様が合体したリヴァイアクラーケギルディ様をも倒しました」
ゼブラギルディからの説明を真剣に聞くオルカギルディとサンフィシュギルディ。
「次に…画像はありませんがテイルブルー。 一言で済みます、恐ろしい蛮族です」
「ううむ、画像がないとなんとも」
画面にはテイルレッドしか写っていないので理解のしようがない。
「続いてテイルイエロー。 クラーケギルディ様を一時的に撃破した戦士です。 自らを辱めにかせる事により力を増す恐るべき戦士」
ゼブラギルディからの説明が終わるとサンフィシュギルディが話し出す。
「それだけの戦士が揃っているに関わらずテイルレッドしかデータには入っていないのですか」
サンフィシュギルディの言う通り、テイルレッドの仲間というツインテイルズは誰一人と写っていなかった。
「編集した隊員が言うには気付いたらこうなっていたと……」
テイルレッドの魅力のせいで、無意識のうちにデータもテイルレッドだらけになってしまっていたと、ゼブラギルディはそう続けた。
しかし、その言葉を聞いてもオルカギルディとサンフィシュギルディは特に驚きも、呆れもせずしゃーないという態度をとるだけだった。
「しょうがない。 ゼブラギルディよ、悪いがただちにテイルレッドの世界に行き、残りのツインテイルズのデータを持ってきてくれ」
「はい、ただいま」
深々と頭を下げて返事をしてからゼブラギルディはオルカギルディの指示を聞き、大ホールから出て行った。
テーブルの上にあるパソコンの画面には未だにテイルレッドの画像が表示されていた。
◇
まつげの事を熱く語り、属性力を奪おうとしたエレメリアンを私はアイシクルドライブで突き破った。
「もっと…もっと私にまつげを━━━━━━ッ!!」
放電しながら断末魔を叫び、そのエレメリアンは爆発した。
実は名前を聞くまでもなく倒してしまったので爆発したエレメリアンが何ギルディなのかは知らない。 でもおそらく、姿からすると海にいるなんかの魚のような感じだった。
コーラルギルディを倒してからは私がテイルホワイトになったばかりの頃と同じような闘いが続いていた。
昼夜問わずに一日ごとに現れ、変態的な発言をして属性力を狙うも私が倒す、というのが流れだ。
今倒したエレメリアンの属性玉を回収するとフレーヌから通信が入った。
『おつかれさまです。 テイルギアに異常はなさそうですね』
この前、私のテイルギアは志乃とのエレメリンクによって三つ編みの力を手に入れたが、そのイレギュラーな事態によってテイルギアに異常がないか毎回チェックしてもらっている。 故に、エレメリンクは今の所封印中だ。
「異常があってもフレーヌならすぐ直せるでしょ?」
『ふふん、そうですね!』
冗談交じりに言ったつもりだったけど、どうやらフレーヌは自信過剰なところがあるようね。 まあ自分に自信があるのはいい事いい事。
頼りにしてるからね、小さな天才科学者さん。
◇
基地へと帰還し、この日のテイルギアチェックを完了すると私はササッと帰宅した。
リビングに入るとお母さんがおかえり、と私に声をかけ、私もただいま、と言ってソファに腰掛けた。
リビングにあるテレビはついておりまたもやテイルホワイトの特集番組をやっている。
「そういえば、お母さん最近テイルホワイトばっか見てる気がする」
何気なく私がそう言うとお母さんは嬉々として話し始めた。
「だってー、世界を守る戦士ってカッコいいじゃない。 私もそんな感じの役を映画でやってたし」
娘の私でも忘れかけるけど、お母さんは元女優だったっけ。
たまに女優だった頃に出演してた映画とかドラマとか、はたまたバラエティーとか見せてくるけど家と雰囲気が全然違うんだよね。 ……まあ二十年位前だし雰囲気が違うのはそりゃそうか。
「そういえば、最近買い物行くときツインテールの娘よく見るようになったわねえ」
「テイルホワイトのせいかもね」
テイルホワイトのおかげなのか、せいなのか、最近巷ではちょっとしたツインテールブームになっているようだった。 毎朝登校する私もツインテールの女の子をよく見るしあの嵐もツインテールについて友達と話すほどに。
私が答えるとお母さんは私を、いや私の髪をジーっと見ている。 視線に気づき何、と話すとお母さんは懐かしむような表情をしながら答えた。
「そういえば、奏もツインテールにしてわよねえ」
「うん、してたね」
「この際ツインテールブームに乗っかってまた挑戦しちゃえば?」
ブームを作ったのは私のツインテールなんだけどね…。
ただ、私はツインテールが嫌いだ。
ツインテールにしているのも変身している間だけは妥協できるけど、普段の姿じゃもうしようとも思わない。
「そんな子供っぽい髪型はもうしませーん」
「そう言うと思った」
予想どおり、といった感じでお母さんは笑いリビングから出て行った。
未だテレビにはツインテールにした私、テイルホワイトが映っている。その後に近くにある鏡に目を向けるとツインテールにしていない私が映っていた。
ちょっとだけ……。ゴムがないのでとりあえず、手でテイルホワイトのツインテールと同じ位置に髪を持っていき、ツインテールにしてみる。
……なんかテイルホワイトで慣れてるせいかそこまで久しぶりって感じもないし、もちろん感動もないし、普通に何も感じなかった。 違いがあるとすれば髪の色と長さくらいだけど……色が違うからなんだ?という感じだ。 ていうか今の私の髪の長さでツインテールにすると子供っぽさが加速している。
しばらく鏡にうつるツインテールの私と睨めっこしているとリビングのドアが少し開いていることに気づいた。
「!」
……隙間からお母さんがニヤニヤしながら見ていた。 流石に元女優……ホラー映画のなんたるかをわかっている、怖い……。
びっくりしたのと恥ずかしさで手を髪から話しツインテールじゃなくした。
「ち、違うの!これ違うの!!」
自分でも何が違くて、何を否定したいのかわからくなり、また恥ずかしくなってまた繰り返す。
「いいの、いいの。 ブームに乗るのは悪いことじゃなくてよ」
「違うの━━━━━━ッ!!」
自分でも今、私の顔が真っ赤になっているだろうとわかった。
その後も私は、その日が終わるまでお母さんにこのことをいじられまくったのだった。
◇
ゼブラギルディがツインテイルズ全員のデータを持ってくるために基地から出ていていった一時間後には恒例の大ホール内での会議が始まっていた。
天井からぶら下がっている大きな三枚のモニターにはいずれも今はテイルホワイトが映っている。
緊急の会議にどよめく隊員たちにオルカギルディが席から立ち上がり説明を始めた。
「皆に集まってもらったのは他でもない。 新たな情報が入ったのだ」
オルカギルディは目でサンフィシュギルディに合図をするとパソコンをいじりテイルホワイトの横にテイルレッドの画像を表示させた。
その画像を見て大ホールはより一層どよめき出す。
「これが、ドラグギルディ様を倒し、クラーケギルディ様をも倒した戦士、テイルレッドだ!!」
オルカギルディが戦士の名を叫ぶと同時に大ホールに居る隊員達も揃って戦士の名を口に出した。
「テイルレッド……」
「美しい!」
「なんとこんな幼子が!?」
個々の隊員に思うことはあるかもしれないが全員が一貫して思っているのはツインテールが美しいということだろう。
「テイルホワイトと同じかそれ以上にツインテール属性に満ち溢れている戦士と聞いた。 それに装備がよく似ている……今後闘うことになるかもしれん…覚悟しておけ!!」
オルカギルディはまだテイルホワイトとテイルレッドの関係を疑っていた。
ゼブラギルディによるとこの二人は仲間ではないらしいが過去これまでにたような装備で闘ってきた戦士はいないとわかっており、いつ闘うことになってもおかしくないと判断し、部下にテイルレッドを公表し注意喚起することが彼の目的だった。
シャークギルディ隊長のいない今、隊長代理として彼が大切にしていた部下を守らねばならない、とオルカギルディは心に誓っていたのだ。
どうも皆さん、阿部いりまさです。
今回は全体的にエレメリアンのターンが多かったですね。実はエレメリアンサイドの方が書きやかったりもします。
そして今回は原作のテイルレッドが話の中でのみ登場しました。
さて、今後ツインテイルズ本人達が登場するのか。
それでは。