私、ツインテール戦士になります。   作:阿部いりまさ

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ゼブラギルディ
身長:277cm
体重:340kg
属性:襟巻き属性(マフラー)

クラーケギルディが他の世界の戦士に倒される前に奏の世界に送り込んだエレメリアン。
シャークギルディ部隊にクラーケギルディを倒したとされるテイルレッドの情報を持ち込んだ。




FILE.16 オルカギルディの決意

 いつもの会議をしている大ホールから遠く離れた薄暗い部屋に彼はいた。

 この世界の属性力奪取を任された部隊の隊長、シャークギルディ。

 彼は師匠であるクラーケギルディがツインテールの戦士に倒されたと聞いて一週間経った今も自信を失い、弱気になっていた。

 この一週間、彼はカチカチとマウスを動かし、熱心にパソコンを操作し貧乳図鑑なるサイトを閲覧する毎日をおくっていた。 もはやその目の中は輝き、野望、隊長としての威厳などは無に等しい状態である。

 貧乳図鑑を飽きるまで閲覧すると今度はツインテールと検索し、テイルホワイトの画像を探しだした。 画像検索をするものの中々自分好みの画像が出てこず、イライラし始める。

 

「無能め!」

 

 ダンッ!とパソコンの乗っているデスクを拳で叩くとシャークギルディはパソコンをシャットダウンし今度は部屋の隅にある棚の前まで歩く。

 棚から取り出したのは奏の世界で人気がある貧乳のアイドルの写真集だ。

 豪勢なソファに腰を下ろし写真集をにやけながらみるシャークギルディ。

 数十分間その写真集をみていたシャークギルディだが、扉をノックされ急いで写真集を棚に戻す。

 シャークギルディが返事をするとノックをしていたエレメリアンは扉をあけ、部屋に入ってきた。オルカギルディである。

 

「またお前か、オルカギルディ」

 

 オルカギルディは部屋に入り、シャークギルディの手前にあるソファに腰掛け話し出した。

 

「隊の皆はお前のために、テイルホワイトの属性力を奪おうと出撃している。 ……帰ってきたものなどいないがな」

 

 オルカギルディが神妙な顔で話すもシャークギルディはうつむき、黙ったまま話を聞いている。

 

「お前を元気付けようと多くの部下が出撃し、散っているのだぞ。そろそろ復帰しろ。 クラーケギルディ様もお前のこのような姿は望んでいないはずだ」

 

 オルカギルディが話し終えると初めてシャークギルディは顔を上げ、憎しみを押し出すように話し出した。

 

「ふ、無能な隊長のせいで多くの部下が散っているのか…」

「……」

 

 突然の言葉にオルカギルディは何も言えなかったがさらにシャークギルディは続けた。

 

「どうせ隊の者も我が隊長よりお前が隊長の方が良かろうと、思っておるのであろう」

「何を言っている……!」

 

 続けられたシャークギルディの言葉にオルカギルディは固まってしまった。

 

「それに我は知っている。 我よりお前の方が戦闘力が高いことを! それを隠して我の部下としていただと? ふざけるな!!」

 

 そう言うとシャークギルディはなんと机の上にあった自分のノートパソコンを怒りに任せて破壊してしまった。

 オルカギルディはシャークギルディの行動に驚きはせずにうつむいている。

 やがて静かに話し出す。

 

「すまなかった」

 

 たった一言だけオルカギルディは話した。 その言葉はシャークギルディの言った言葉が本当だったことを意味しているも当然だった。

 それを理解するとシャークギルディは今度は壁と向かい合いドンッと打ちつけ、そのまま壁にもたれかかる。

 その様子をみてオルカギルディはシャークギルディの部屋から出ていった。

 

「すまぬ……すまぬ……!」

 

 部屋には自分のために散っていった部下に懺悔するシャークギルディの声だけが残っている。

 

 シャークギルディの説得に失敗したオルカギルディは基地の薄暗い廊下を一人歩いていた。

 大ホールへと続く廊下の途中でサンフィシュギルディと出会った。

 

「ダメでしたか」

「うむ、あの様子では時間がかかりそうだ」

 

 オルカギルディの言葉を聞き、サンフィシュギルディはうつむき、オルカギルディとともに歩き出した。

 しばらく沈黙しながら歩いていたが不意にオルカギルディが顔を上げサンフィシュギルディに話し出した。

 

「シャークギルディを元の隊長に戻すには再び自分に自信を持たせること、クラーケギルディ様と決別することが必要だ」

「つまり?」

 

 オルカギルディの言葉の意図がわからずサンフィシュギルディが尋ねると躊躇いながらオルカギルディは話し始めた。

 

「まずは我らにたてつくテイルホワイトの属性力を奪うのだ。 そうすれば多少なりとも我が隊の実力が、その部隊を率いていたという事実がわかるだろう」

 

 オルカギルディは自信ありげに話すが、その作戦の成功には程遠いように見えた。

 サンフィシュギルディもオルカギルディにそのことを伝える。

 

「その作戦ですが、テイルホワイトの属性力を奪うというのができておりません。しかもどういうわけか最近パワーアップしているように思えますし、この隊の者では実行は難しいかと……」

 

 申し訳なさそうに話すサンフィシュギルディだが言うことはもっとももだった。

 現状シャークギルディ部隊にはテイルホワイトの属性力を奪えるだけの戦闘力がある隊員は存在しないに等しいのである。しかし、オルカギルディもそれを承知している上で話した。

 

「なら、この俺が直接シャークギルディの目を覚まさせてやるとしよう」

「まさか!? オルカギルディ殿自らがテイルホワイトを!?」

 

 オルカギルディの言葉に思わずサンフィシュギルディは叫んでいた。

 

「その通りだ。 現状テイルホワイトに勝てる見込みのある者はこの俺とシャークギルディぐらいだからな…。 後で大ホールにて部下達にも伝えるとしよう」

 

 そう言うと呆気にとられているサンフィシュギルディを置いてオルカギルディは一人、薄暗い廊下を歩いていった。

 

 

 エレメリアンが乱入し、ムチャクチャになった体育祭から一週間。

 行事ムードはすっかりと影を潜め、またいつもの高校生活へと戻っていた。……もちろん、いつものというのはテイルホワイトの話題が絶えない日々のことである。

 もちろん私は体育祭前も後も、以降もこりずに毎日現れるエレメリアンを倒す毎日が続いている。

 クラーケギルディのおかげでエレメリアンを舐めてかからなくはなったけど、最近はまた正直弱いのばっかで''舐めるな''と言われてもなかなか難しかったりする。

 先程も、昼休み中にエレメリアンが現れたのでその間に倒しにいき、帰ってくることができた。

 そして今は放課後、いつものように私と志乃は空き教室から基地へと移動する。

 

「早くエレメリンク使えるようにならないかなー……」

 

 初めて自然に志乃とエレメリンクからは、テイルギアのことを考えフレーヌにエレメリンクの使用を禁止されてしまった。

 私自身、今のところオーラピラーとか使えるようになったおかげで対して不自由はしていないけれども。ただ志乃は、リンクブレスをもらった時すごい嬉しそうだったし、早く使いたいんだろうな。

 他愛もない話をしながら空き教室に入り机のレバーを引いて現れた地下への階段を私と志乃は下っていく。例の演出の後に基地へと到着した。が、フレーヌの格好がおかしい。

 いつものブレザーの制服のような格好ではなく、水着を着ている。

 私と志乃は互いに顔を見合わせ再びフレーヌに向きなおり、志乃が質問した。

 

「えっと、なんでそんな格好を?」

「海に行く」

 

 志乃の質問に驚くほど早くフレーヌは返してきた。

 海に行くといっても今の時期じゃ早いような気がするんだけど……。

 

「まだ早いよ……」

「ていうかなんでいきなり?」

 

 志乃のいう通りだ。

 なんでいきなりこの時期に水着になり海へ行こうなんて言い出すのか。

 フレーヌはゴーグルを外しながら話し出した。

 

「私実は海で泳いだことがないのです! 是非、この世界の海で泳ぎたいんです!!」

 

 熱弁しているフレーヌの後ろにあるパソコンをここから見ると何やらこの夏のオススメリゾートとかなんとか書いてあるからそれに影響されたんだろうな。

 

「あ、忘れてました!」

 

 唐突にフレーヌは話し出す。

 

「エレメリンクですが、テイルギアに異常が現れないためこれからは使うことを許可します」

「ほんと!? やった!!」

 

 エレメリンクを使えるようになるのは心強いけど、私より志乃の方が喜んでるな。

 使ってはいけない、とフレーヌに言われてもリンクブレスをなかなか外さなかったし、楽しみにしてたのだろう。

 

「じゃあ早速エレメリンクしよ!」

「いや、変身してないし、エレメリアン出てないし……」

 

 私が手をフリフリしていると基地のアラームが鳴り出した。

 

「エレメリアンです! 奏さん、お願いします!」

 

 水着姿でややこしそうな機会をいじっている姿はとてもシュールだな。

 それにしても仕込みかと思うくらいのナイスタイミング。 さすがアルティメギル。 ただ空気が読めない連中なだけではないみたいね。

胸の前に右手を構え変身コードを私は叫んだ。

 

「テイルオン!」

 

 変身が完了すると空間跳躍カタパルトに入り込み、エレメリアンが出現した場所へと転送される。

 目の前が真っ白になった時、志乃から再びエレメリンクという叫びが聞こえてきた。

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