私、ツインテール戦士になります。   作:阿部いりまさ

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FILE.17 VSゼブラギルディ

 白い光が薄れ、見えてきたのは青い空に照りつく太陽とそれをうけキラキラと光る海だった。 私が立っているところは砂浜で、テイルホワイトになっていても足元の砂が太陽のせいで熱くなっているのがわかる。

 まだ海で泳ぐ季節ではないはずなのにこの暑さ、まるで日本じゃないみたいだ。

 深海や宇宙空間も時間制限はあるとはいえテイルギアは活動できると聞いていたし、当然暑さ対策も寒さ対策もされていると聞いていた。

 キョロキョロと周りを見渡すとアルファベットが書かれている看板がそこら中にある。 どうやら本当に日本じゃないみたいだ。でも観光地とういうほどの場所でもないらしく人はあまりいない。

 だからこそ、砂浜に立っている異様な出で立ちをすぐに見つけることができた。

 

「エレメリアン、今度は何の属性力を狙ってるの?」

 

 ビシッと指差し、やけに元気がなさそうなエレメリアンに問いただす。

 エレメリアンは力なくこちらに振り返るとボソボソと答え始めた。

 

「マフラーがない……」

「は?」

「マフラーがないと言っておるのだ!!」

 

 私の返答に何故かそのエレメリアン……シマウマのようなエレメリアンは激怒し、後ろに黒い渦を作り何体もモケモケを出現させてきた。

 

「今の時期に、こんな場所でマフラーしてる人なんかいるわけないでしょ!?」

 

 何体もいるモケモケの後ろにいるであろうシマウマギルディに向かって叫ぶも私の声は届いていないようだ。

 私のアドバイス?を無視しシマウマギルディはエレメリアン特有の自己紹介を始めた。

 

「我の名はゼブラギルディ! 襟巻きに魅せられ、襟巻きのために生きる誇り高きクラーケギルディ部隊の戦士だ!!」

 

 シマウマ……いやゼブラギルディのある言葉に私は反応した。

 ゼブラギルディはクラーケギルディ部隊の戦士だと、確かに今そう言ったのだ。 もしかしてゼブラギルディを倒すもしくは、問いただせばクラーケギルディを倒すためのヒントが見つかるかもしれない。

 

「ゼブラギルディ! クラーケギルディの部下ならクラーケギルディが今何処にいるのか知っているでしょう? 教えなさい!! ついでに私の前に引きずり出して!」

 

 私がゼブラギルディに向かって問いただすと、さっきまでの熱は何処に行ったのか急にゼブラギルディは冷静になりまた肩を落としてしまった。

 元気が無くなったゼブラギルディはまたボソボソと話しはじめた。

 

「クラーケギルディ様は……クラーケギルディ様は…亡くなられた……」

「え……!?」

『『ええ!?』』

 

 ゼブラギルディから教えられた驚愕の事実に私も、基地にいるフレーヌと志乃も驚きを隠せず叫んでしまった。

 

 

 シャークギルディ部隊の何処の世界の住人にも知られることのないアルティメギルの秘密基地。

 中央に位置する大ホールはまたもや騒然としていた。

 何故かというと一つはつい先程、隊の隊長代理であるオルカギルディが出撃する意思を部下に伝えたこと。 もう一つはゼブラギルディが出撃するという手紙とともに基地に残された異世界のツインテール戦士の映像資料のせいだった。 しかし、その映像を見る隊員はおらず皆大ホールの自分の席に座しているままだ。

 そして再びオルカギルディが席を立つと周りにいるエレメリアンは静かになる。 それを確認するとオルカギルディはぐるりと大ホールを見渡してから話し始めた。

 

「皆の者よ、俺は今からゼブラギルディの元へと向かう。 今の奴の実力ではテイルホワイトには到底かなわん。 ゼブラギルディは生きねばならないのだ。 クラーケギルディ様を失った悲しみをシャークギルディと共有できる数少ない隊員をここで失ってしまうのはこの隊にとっては痛手なのだ」

 

 オルカギルディの言葉を無言で真剣に聞く隊員達もその事は理解しているのだろう。

 オルカギルディはゼブラギルディが持ってきた異世界のツインテール戦士の映像資料のDVDを手に持ち、話を続ける。

 

「この資料は俺が出撃したら是非、皆で見て欲しい。 これを見て絶望するような隊員はいないだろうからな」

 

 映像が入ったDVDをテーブルにあるケースに入れ、ゼブラギルディはもう一度大ホールをぐるりと見渡し、部下達に最後の一言を告げた。

 

「行ってまいる!」

 

 オルカギルディは力強く宣言すると大ホールの隅の薄暗い廊下へと歩き、やがてその姿は見えなくなった。

 

 

「こことは別の世界のツインテールの戦士に、クラーケギルディ様は敗れたのだ…」

 

 頭を抱え、ゼブラギルディは苦悶の声を出しながら話し続けた。 心なしかゼブラギルディが話を続けるたびに周りにいるモケモケもしょんぼりと元気をなくしているようにも見える。

 私が手も足もでなかったクラーケギルディを倒したという異世界のツインテールの戦士、とても気になる。一体どれほどの強さなのだろうか。

 

「そしてその戦士はテイルホワイト! 貴様のような装備で戦っていたが、貴様と何か関係があるのか!?」

 

 ゼブラギルディの問いに私が反応するよりも早くフレーヌが反応し、話し出した。

 

『テイルギアと同じような装備!? もしかしたら私の世界にいた戦士かもしれません!』

「じゃあ今度はその戦士について、ゼブラギルディに話してもらおうかな!」

「…やはりあの世界の戦士とは関係はないようだな。 ならば行けぇ!戦闘員よ! テイルホワイトの属性力をいただくのだ━━━━ッ!!」

 

 ゼブラギルディが命令するとさっきまでしょんぼりしていたモケモケ達が「モケ━━━ッ」と叫びながら私に向かって走り出してきた。

 リボンを叩きアバランチクローを装備して、次々とくるモケモケ達と一撃で撃退していく。

 

「やりおる!」

 

 ゼブラギルディはまた自分の後ろに巨大な黒い渦を出現させその中からさらにモケモケがモケモケと何体も出てくる。 そしてそのモケモケ達も私に向かって走り出してくる。

 アバランチクローだけじゃちまちまと一体ずつ倒すだけ、ならついさっき許可が出た''アレ''だ!!

 

「いくよ!」

『待ってました!私の属性力、使ってー!』

 

 私はテイルブレスを高く空に向かって掲げ闘いを見ているであろう志乃に言うと志乃も早速返事してきた。志乃もブレスを高く掲げているのだろう、ここから遠い地にいる志乃の属性力をリンクブレスを通して感じる。

 

「エレメリンク!!」

 

三つ編み(トライブライド)

 そう言うとブレスに浮かんでいたツインテール属性のマークが三つ編み属性へのマークへと変わり、一瞬で私はトライブライドへ変身が完了した。

 初めてトライブライドになったコーラルギルディの時と同じく、体の中に収まりきらない力が私の周りを冷気となって覆い、それはダイヤモンドダストのようだ。

 手をグーパーと動かし問題がないことを確認するとゼブラギルディに向き直った。

 

「ツインテールの戦士がツインテールじゃないと!? こんな変身は未だかつて見たことないぞ!」

 

 驚きと感動を同時に感じているのだろうか、ゼブラギルディは大きく声を出し頭を抱えている。

 胸のあたりに垂れさがった三つ編みを頭を振り、後ろに戻すと、束ねるフォースリボンに触れ今度はフロストバンカーを右腕に装備し光線を上へと打ち上げた。

 

「何をするつもりだ!?」

「モケ!?」

「モケ━━━━?」

 

 この技もコーラルギルディの時と同じだ。

 光線は空中で弾けると、流星群のように地上にいるたくさんのモケモケめがけて降り注いだ。

 

「なるほど、数で押すのは無理みたいだ」

 

 一度の攻撃で最初に出てきたモケモケも後から出てきたモケモケも全滅させたのを見てゼブラギルディは察したように話した。

 

「なら私の力で貴様をねじ伏せるまでだ!」

 

 覚悟し、ゼブラギルディは私に向かって一直線に向かってきた。

 すかさず私はフロストバンカーを構えゼブラギルディに標準を合わせる。

 

「オーラピラー!!」

 

フロストバンカーから放たれたオーラピラーはゼブラギルディに見事命中しバインドに成功した。

 

「な、なに!?」

 

 再びフロストバンカーを相手に向かって構え光線を撃つための充電が完了した。

 

「ブレイクレリィ━━━━ズ!!」

 

 フロストバンカーのメイン砲とサブ砲から三つの光線が照射され三つ編みの形になりながらゼブラギルディめがけて飛んでいくと、見事命中し、体を貫通する。

 

「ぐ……。 今、あなたのところへ、クラーケギルディ……様……!」

 

 腰に装着されている装備から蒸気と炎が噴射され私を一瞬でゼブラギルディギルディの胸元へと滑り込む。

 

「!?」

 

 しかし、フロストバンカーをゼブラギルディに叩き込むための間合いに入る直前、横から私のとは違う光線が私めがけて飛んできた。

 たまらず私は必殺技をやめ、なんとか回避する。

 光線の飛んできた方を見るとまた新たなエレメリアンが砂浜の上に立ちこちらを凝視していた。

 

『そんな…エレメリアンを検知できないなんて!?』

 

 フレーヌが検知できなかったエレメリアンは十秒ほどこちらを見ると体を動かしゼブラギルディに向かっていった。

 

「オ、オルカギルディ様…」

「まだお前はクラーケギルディ様のところへ行くべきではない」

 

 オルカギルディと呼ばれたエレメリアンは巨大な剣を背中から外しゼブラギルディに一閃するとバインドしていたオーラピラーはあっさりと砕け散り、ゼブラギルディを解放した。

 

「今は戻れ!」

 

 続いてオルカギルディは極彩色のゲートを生成しその中にゼブラギルディを放り込んだあと、手早くゲートを消滅させる。

 波が一つ、砂浜に到達するとオルカギルディはこちらに向き直り話し始めた。

 

「ゼブラギルディは後ほど再びお前を倒しにやってくる。ゼブラギルディとの決着はその時にせよ」

「……」

「そして今はこの俺、オルカギルディがお前の相手だ!!」

 

 大剣を砂浜に叩きつけ、砂を宙に巻き上げながらオルカギルディは力強くそういった。




どうも皆さん、阿部いりまさです。
実は最近スランプ気味で更新が遅くなり始めています。
私自身更新が定期的にできるように書いていくつもりなのでどうかご理解お願いします。
質問、感想等どんどん募集しています!
それでは。
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