シャークギルディとゼブラギルディの挑戦するメロゲイマ・アニトュラーの指導をする謎の人物。
白いローブを羽織っていることから神の一剣のメンバーであることが推測できるが真相は謎。
高校二年生の一学期が終わった。
振り返ってみれば私の人生でここまで濃厚かつ壮絶な一学期はなかったと断言できる。 もしかしたら並みの人間の一生分の奇怪な経験をこの一学期で達成してしまったかも…。 これははたしていい経験だったのだろうか……。
アルティメギルの出現からテイルホワイトに変身するようになり、クラーケギルディによってエレメリアンの脅威を知り、自信を失いかけてた私をエレメリンクによって志乃が助けてくれ、先日幹部のオルカギルディを倒すことができた。
ざっと思い出しただけでもこんなにある。
はあ…クラスのみんなは友達と遊びに行ったり、進路を決めてそれに向かっていったりしているのに私はアルティメギルと闘っているだけ、はたしてこれでいいのか。
いや、良くない!やっぱり女子高生というのは華々しくあるものだ、なんとしてでも早急にアルティメギルを倒さねばならない。
「それでそれで、コミケにはさ!」
「えー、ホワイト姉様展の予約取れなかったの!? どうするの夏休みぃ!?」
「次にテイルホワイトが現れる場所は多分九州の……」
終業式が終了した教室内では誰もが夏休みの予定を友達と確認し、心持ちにしているようだ。 ところでテイルホワイトはエレメリアンが出現しないと出てこないからテイルホワイトが出現する場所を予想しても意味はないと思うのだが。
そうそう、テイルホワイト応援部の設立は無事生徒会が受理し、うちのクラスのみんなが所属する部活が誕生した。 とはいっても、大体の部員は自分自身でテイルホワイトの画像をコレクションしたり、動画を漁っていたりなど、あまり部活にする前と状況は変わっていないように思える。もちろん私はその類のことは一切していない。 ていうか夏休みって普通は受験に向けていくものでしょうが。
「夏休みどうしよっか?」
鞄に荷物を詰め終えると志乃が私の机の前にしゃがみ込み話しかけてきた。
「うーん、いつエレメリアンが出てくるかもわからないからね…」
できるだけ小声で答える。
エレメリアンが絶対に出現しないなら旅行だとかも行ってみたいけどそうもいかない。 常にエレメリアンが出現した時に、こちらも出動できるよう準備していなければいけない。
「フレーヌがなんとかしてくれるって!」
そういえば、超科学力を持つフレーヌが居たんだ。
空間跳躍カタパルトやら、冷蔵庫にテレポートさせた機械やらを持ってれば何処からでもエレメリアンを倒すために出動できるかもしれない。…ということは、並みの高校生くらいは夏休みをエンジョイすることができるかもしれない! ……受験の事は今は忘れとこ。
そうと分かればこの教室に長居は無用だ、早く基地へと行かないと。
「確かフレーヌ、海行きたいって言ってたよね!? オルカギルディの時はそんな暇なかったからきっとうずうずしてるよね!」
「どしたの奏、テンション高くなっちゃって」
「普通に遊べる可能性が出てきたからっ!」
鞄をもち、志乃の手を引いて、早速学校の下にある基地へと走り出した。
例の演出がある螺旋状の階段を駆け下り、基地に入る。
中央司令室的な大きいモニターのある部屋へと入ると椅子にフレーヌが座っているのが見えた。
うんうん、海に行きたくてうずうずしてるんだよね! 私が一緒に行ったげるよ!
「あっはははは!」
フレーヌに向かって歩いていると急に笑い出したのでビックリした。
どうやら大きいモニターの下にある手元の小さいモニターで何かを見ているらしい。
「フレーヌ、何かみてるの?」
「あ、奏さんに志乃さんちょうどいいところに! これ見てくださいよ!」
フレーヌはキーボードの中にある一つのボタンを押し小さいモニターから大きいモニターへ自分が見ていた画面を移し替えた。
大きいモニターに映っているのをみるとどうやらフレーヌはアニメを見ていたらしい。
ツインテールの少女が魔法少女のような格好で十何メートルもあろうかという巨大な敵とタイマンをはっている。 やがてその少女の蹴りでデカイ敵は爆発し映像は終了した。
そういえば魔法少女といえばツインテール、というのはなかなかよく見るコンビというかセットだ。
ブラックアウトしてからすぐまた映像は始まり、予告編のようで今度は画面から音声が聞こえてくる。
『魔星少女として闘っていたのはグッズを売るためだった!? 今、一人の少女、レイアーソルの四クールが終わった物語が始まる!!』
映像が終わり声優さんやらスタッフの名前が画面に流れ出した。
どうやらレイアーソルという魔法……じゃなく魔星少女として闘った四クール?の後の物語らしい。
「今これの一話を見てまして、これが面白くて! 夏休み中にアニメを全部見て、原作も読破したいですね!」
「え、じゃあ海は……」
「海も行きたいですけど、まずはこれ全部みたいですね!!」
すごい嬉しそうな顔をし、席を立ち、拳を高々と掲げた。
しばらく海はないかもね……。
◇
アルティメギル基地の再奥にある選ばれし者しか入れない禁断のフロアには三人の姿があった。
一人は部隊長のシャークギルディ、一人は後から修練に参加したゼブラギルディ、一人はその二人の指導をしている白いローブを羽織り顔を見せない謎の人物。
今まさに、地獄のメロゲイマ・アニトュラーが始まろうとしていた。
シャークギルディとゼブラギルディから分厚い冊子をもらった白いローブはまずゼブラギルディの方を向き、冊子をめくり、書いてある内容を読み始めた。
「我はゼブラギルディ、この街にふらりと訪れた旅の者……」
「あ、あの、音読はできれば……」
ゼブラギルディの懇願を白いローブはピシャリと跳ね飛ばす。
「何を言っているのだ……よ。 あなたが聞かなければ意味がないでしょ?」
アルティメギル五大究極試練メロゲイマ・アニトュラー。他人に自分自身を題材にした創作作品を読み、批評してもらう地獄の修練。
この眼前音読の破壊力に耐えきれず爆発し、命を落とすエレメリアンも多いと聞かされる。
白いローブがすらすらとも読み上げていくが途中で音読が止まり顔を上げた。
「ゼブラギルディは言う……一寸の虫にも五分の魂? なんで、ここでことわざが出てくる?」
「ぐあああああ!!!」
白いローブは赤いマジックをもち、誤字っているところ、不自然なところを次々と校閲していく。
ある程度校閲したところで冊子をゼブラギルディに投げつけた。
「基礎はまあまあ、でも誤字や不自然な言い回しが多すぎるわ。 そこんとこしっかりしろ……なさい!」
ゼブラギルディに対するアドバイスをし、次にシャークギルディの冊子に手をつける白いローブ。
「お、続編か」
「はい、なんとか……完成することができました……」
「ふむ……」
冊子をめくり、ゼブラギルディの時と同じくすらすらと読み上げては駄目出しをし、赤いマジックで校閲していく。 しかし、シャークギルディはゼブラギルディとは違い、悶え苦しむことはなく、ただ静かに白いローブの駄目出しを聞いていた。
「シャークギルディは言う、これで終わりだぜ!! シャークギルディの拳銃から放たれた弾は相手へと命中……」
「…………」
「な、なんと!?」
シャークギルディの冷静さに、ゼブラギルディは驚愕を隠しきれなかった。
最後の一ページまで読み切り白いローブは冊子をシャークギルディへと返す。
「流石に始めた期間でシャークギルディとゼブラギルディには差がある、この差をどう詰めていくかが今後の課題よ」
「「はっ!!」」
今後のアドバイスを交えながら、二人の実力を評価し、再奥のフロアではまた、地獄の修練が始まる…。
再奥のフロアで地獄の修練がひと段落ついた頃、いつもの大ホールでは今日もサンフィシュギルディがいまか、いまか、とシャークギルディとゼブラギルディの修行が終えるのを、そしてオルトロスギルディの到着を待ちわびていた。
「モケモケ━━━━━━ッ!!」
「何!? とうとういらっしゃったか!?」
戦闘員が慌てた様子で大ホールに現れ、艦が発着するデッキへとサンフィシュギルディは向かった。
艦から降りてきたのは、白いローブを羽織った三メートル近い身長にローブがはだけると見える漆黒の体、そして何より特徴的なのは首が二つあることだった。
「オルトロスギルディ様! お待ちしておりました!!」
サンフィシュギルディをチラリと見るとオルトリスギルディはふんっ、と笑い話し出す。
「オルトロスギルディ……ただいま参上」
静かに、クールに、オルトロスギルディは話すと何体かの戦闘員を連れ、薄暗い廊下へと姿を消していった。
「オルトロスギルディ様がいれば、テイルホワイトを倒せるぞ!!」
拳をグッと握りしめサンフィシュギルディは先ほどの表情は何処か、自信に満ちた表情に変わっていた。
テイルホワイトの単純な戦闘力の強さは原作組と比較すると
テイルブルー>テイルレッド>テイルイエロー≧テイルホワイト
こんな感じをイメージしています。
それと四クールアフター、面白いです!
感想、質問お待ちしてます!
それでは。