身長:274cm
体重:280kg
属性:ツインテール属性
神の一剣からシャークギルディ部隊へと配属された隊員。
彼自身若いにも関わらず若手隊員の育成の実績は素晴らしく、部隊の主戦力となっているものも多い。
兄弟の契りを結んだケルベロスギルディがいたがツインテールではなく三つ編みを信仰していたため仲は悪かった。
同じツインテール属性を持っていたドラグギルディにライバル心を抱いており、それは彼が戦死してからも変わらない。
白い光から抜け出し、見えてきたのは蝉の声が響く田園風景だ。 周りには茅葺き屋根の家が点々と建ち、その奥にはたくさんの山と一際大きく富士山が見える。 これぞ日本、日本の夏といった風景だろう。
言い方は悪いがこのような田舎だとエレメリアンの求める属性力も限りがありそうだ。 つまりここに現れたエレメリアンはどちらかといえばマイナーな属性力を持っているのだろう。……つまり変態度が高い。
「来たな、テイルホワイト!」
「げ……」
声が聞こえ、後ろを振り向くとやたらと恰幅のいいエレメリアンがそこにはいた。
今までは筋骨隆々なエレメリアンや、シャープなエレメリアンしか見たことなかったから新しいタイプのエレメリアンだ。
「随分と不健康なエレメリアン……」
「この腹には俺様が今までいただいてきた属性力と夢が詰まっておるのだ!」
微妙に怒った感じで目の前のエレメリアンは子供に言うようなセリフを私に投げかけてきた。
夢が詰まっているのはとても素敵なことだし手は出したくないと思うけど、属性力が詰まっているのなら話は別だ。手を出さないわけにはいかないね。
「じゃあお腹を裂いて属性力は返してもらうね!」
フォースリボンを叩き、アバランチクローを両腕に装備する。うん、問題ない。
コーラルギルディの時のようにアバランチクローが出現しないアクシデントもないし、本当にあの夢はなんなんだろうか。
私の言葉を聞き、目の前のエレメリアンはお腹を抱え二、三歩後退った。
「行くよ!」
地面を蹴り、一気にエレメリアンまで距離を詰めアバランチクローをお腹に食らわした……と思ったが金属どうしが擦れるような音がし、私の攻撃は受け止められてしまった。
私は大きくバックステップし体制を整え再びクローを構える。
想像以上に硬いお腹をしている、そう思ったがよく見ると横から大剣のようなものがエレメリアンを守っている。
「うそ……」
大剣をもち、エレメリアンを守った新手を見るとそこにいたのは━━━━━━
「━━━オルカギルディ!?」
横から大剣を伸ばし、恰幅のいいエレメリアンを守っていたのは私が倒したはずのオルカギルディだった。
◇
世界の狭間にあるアルティメギルの聖域とも呼べる基地。
その中心にある大ホールでは多くの隊員が集まり今さっき始まったテイルホワイトと隊員の戦闘を静観している。
「部隊に合流したばかりの彼を出撃させてしまって良かったのですか?」
大ホールの中心にあるテーブルに座る一人の隊員が近くに座るサンフィシュギルディに向かって問いかけた。
「彼は……ラクーンドギルディは自らの属性力を生かした攻撃が得意なのです。 オルトロスギルディ殿も彼の出撃に賛成しておりました」
先日、何名かの隊員がこのシャークギルディ部隊に合流した。
現在この部隊にいる隊員の育成をしながら世界の属性力を奪う作戦へと切り替えたため、オルトロスギルディが新たな部隊の合流を望んだためだった。
「初めは貴の三葉に合流を願っていたらしいが、まさか壊滅しているとは……」
''アルティメギル四頂軍の貴の三葉が壊滅した''この知らせを聞いた隊員は誰もが驚愕した。 さらに知らせには続きがあり貴の三葉を壊滅させたのがあのツインテイルズであったことを聞かされさらに驚愕することとなった。
もはやツインテイルズは一つの部隊でどうにかできるものではなくなってきている。
次第に隊員達の表情も曇りだしてくる。
「フェニックスギルディの脱獄に続いてのこと、アルティメギルはどうなってしまうのか……」
大ホールはいつものような騒がしさはなく、誰もが今後のアルティメギルのことや自分のことについて考えるばかりだった。
◇
私の目の前には二体のエレメリアンがいる。
一体は先ほど現れた今までにない恰幅のいいエレメリアン。 もう一体は私がこの手で倒したはずのアルティメギル幹部オルカギルディだ。
まさか、エレメリアンは倒しても復活することができてしまうのか? そんな特性を持っていたりするととても厄介だ。
『オルカギルディから属性力が検知できません……どういうことでしょうか……』
フレーヌでさえも、目の前の状況はわからないという。
私の動揺を知ってか知らずか恰幅のいいエレメリアンはニヤリと笑い腕を組み話し始めた。
「ネタバラシしてやろうかテイルホワイト」
指をパチンと鳴らすと横にいたオルカギルディが煙のように消えた。 変わりに出てきたのはこれまた私がよく知っているクラーケギルディだ。
「クラーケギルディ…? どいうことなの!?」
「ふふふ、これこそが俺様が極めに極め生み出した奥義!''
奥義、つまり必殺技のようなもので私が今まで倒してきたエレメリアンを復活させているのか!?
「俺様はラクーンドギルディ!! 乙女の幻想をこよなく愛してやまない戦士だ!!」
ラクーンド……ラクーンドッグ……狸ってことか。
狸ってことはもしかして、ラクーンドギルディはエレメリアンを復活させているんじゃない、私に幻を見せているだけなのかもしれない。人を化かすという言い伝えがある狸にはもってこいの能力だ。
「幻想とこの田舎とどんな関係があるわけ?」
「俺様はな、田舎の乙女が都会に抱く幻想が一番好物なのだ!! 都会のありもしない姿を想像する、田舎の娘がなっ!!」
「言い方考えなさい!サイテーよあんた!!」
「なんとでも言うがいい! 貴様が何をいったところで俺には勝てん!!
なんて勝手なエレメリアンだ!
田舎の娘が都会に抱いてるのは幻想なんかじゃなく、憧れだ。 その属性力をこんな勘違い野郎に渡すわけにはいかない……!
「行くぞ!
ラクーンドギルディが叫ぶと彼の前に五つの黒い塊ができ、だんだんと粘土のようにエレメリアンの形を作っていく。
ある程度まで形ができると五つの塊はそれぞれ私の知っているエレメリアンへと変貌した。
左から、オルカギルディ、コーラルギルディ、ジェリーフィッシュギルディ、ウーチンギルディ、クラーケギルディとなった。
数的には不利だが所詮は幻、そこまで苦戦はしないだろう。
「おっと、強さは全てオリジナルの半分はあるから気をつけな!」
私一人対エレメリアン七体となるが半分の強さなら……それなら今の私じゃ大した強さに感じることもないだろうし充分に対処は可能だ。 しかし、半分の強さと自信満々に言うのはどうなんだ。
『志乃さんに連絡してエレメリンクを!』
「いや、折角の夏休みなんだし休ませてあげたい。アバランチクローで平気」
『……わかりました。 気をつけてください!』
通信を終えると早速今まで倒してきた敵の幻に向かい駆け出す。 幻に向かっているときに気づいたが本物よりも幻は色が暗く、話さないらしい。
コーラルギルディの幻の目の前まで駆け、アバランチクローを横に一閃。 瞬間幻のコーラルギルディは爆発し、散る。
次に左右からジェリーフィッシュギルディとウーチンギルディが挟み撃ちを仕掛けてくる。 今度はアバランチクローを体の中心でバツのように交差させまた横に一閃し幻の二体を同時に爆発させた。
これで残りは二体だ。
残ったのは苦戦したオルカギルディ、唯一私が攻撃もできずに敗北したクラーケギルディの二体の幻。半分程度とはいえ油断はできない相手だ。
クローを再び構えるとクラーケギルディの幻があの時と同じように無数の触手を伸ばして攻撃してくる。
無数の触手攻撃をクローで全て叩き落とすと、右腕のクローを外し幻に投擲する。
クラーケギルディの幻が怯んだ隙にオルカギルディの幻へと接近し残った左腕のクローで攻撃を仕掛ける。
「!」
しかし、大剣で攻撃を受け止められてしまった。
「残念、ガラ空きっ!」
左腕のクローでオルカギルディの幻が持っている大剣を受け止めている隙に右足でローキックをかます。 するとオルカギルディの幻は倒れこみそこへクローを思い切り叩き込むとオルカギルディの幻は爆発する。
後ろから触手を失ったクラーケギルディが攻撃をしてくるのを感じクローで攻撃を受け止め、蹴りを腹にかますとその場でクラーケギルディの幻も爆発した。
ここまで十五秒の出来事だった。
十五秒で五体いた幻は全て倒した。
「ままま、まさか……俺様の奥義が……!?」
落ちていたクローを右腕に装備し直しラクーンドギルディへ向き直る。
「五体全て倒した、次はあんたの番ね」
直後ラクーンドギルディへ向かって駆け出しブレイクレリーズすると腰の装備から蒸気が噴射されさらに速度が上がる。
「ブレイクレリーズ!!!」
「うわああ、やめろおお!!」
ラクーンドギルディは命乞いをしながら新たなエレメリアンの幻を生み出し自分の盾を作る。
「アイシクルドラーイブ!!」
私は構わず必殺技を発動し、盾となったエレメリアンの幻とラクーンドギルディの両方をアバランチクローで貫いた。
程なく幻は爆発し、ラクーンドギルディも放電を始める。
「俺様の奥義が……俺様にも
壮絶な断末魔を残しラクーンドギルディは爆発し散っていった。
「モケ━━━━━━ッ!!」
近くにいた撮影クルー役のモケモケ達もラクーンドギルディが爆発すると漆黒のゲートを生成し何処かへ逃げていった。
私はフッと安堵の息をする。
……正直厄介な敵だったかもしれない。今まで倒した全てのエレメリアンを幻として使ってきたら流石に体力が切れてこっちが危なかったかもしれないし。
『危ない!!』
「っ!?」
一息ついて変身を解除しようとするとフレーヌから通信が入った。
驚いて二、三歩下がると私のいたところに黒い剣が突き刺さる。
『大丈夫ですか!?』
「ええ、平気……ッ!!」
黒い剣を眺めていると物凄い威圧感を体で感じ、後ろを振り向く。
「あなた、人間?」
後ろにいたのは私と同じくらいの体格に白いローブを羽織っている人間だ。顔は見えないが時々見える口や肌の色は間違いなく人間のものに違いない。
問いに答えることなく白いローブは私に近づき横を通る黒い剣を地面から引き抜き、黒い剣を眺める。
ここでようやく白いローブは口を開いた。
「……ええ、人間よ」
黒い剣を手にし少し笑みを浮かべながら答えた。
人間、しかもこの声は私と同じ女の子。
雰囲気的にも田舎に住んでる私のファンではなさそうだ。
白いローブの少女に握られていた剣はやがて砂がこぼれ落ちるような形で消滅した。
剣が消滅するのを見届けると少女はこちらに向き直り被っていたフードを下ろす。
『「!?」』
フードを下ろした姿は紛れもなく人間の女の子だ。しかしそれだけではない、その女の子は……ツインテールだった。
赤い瞳に漆黒のツインテールは変身中の私の碧眼に白銀のツインテールと対極を思わせる。
さらに少女は身に纏っていたローブを豪快に脱ぎ捨て、下に着ていた衣をみてさらに私達二人は驚愕した。
ローブの下に着ていた衣はテイルギアによく似ていたのだ。
全体的に黒いカラーリングに所々入っている赤いライン、私のテイルギアと対極のカラーリングをしている。
違いといえばテイルギア自体のデザインとアンダースーツの一部の色が違うことくらいだ。
「テイルギア……!?」
「ちょっと違うけどね。 これはお…私の中のツインテール属性から作り出した鎧……テイルギアでもあるといえるかな」
『まさか! テイルギアは装着者のツインテール属性とは別にテイルギア自体にツインテール属性が組み込まれていないといけないはずです!』
ともかく、私と同じくテイルギアを装備している彼女がこの世界の人間である場合フレーヌのように協力者がいるはずだ。 しかし、彼女は別の世界の人間の可能性の方が高い。
「おま…あなたのツインテール属性大したものよね。 この目で見たくなっちゃってさ」
ニコリと笑うと彼女は後ろを向き農道を歩き出したが、途中で止まりそのまま話し出す。
「でもツインテール属性を極めない限り、あなたは弱いままよ……」
小さい声だったがはっきりとその声は私の耳まで届いた。
「ちょ、ちょっと!!」
呼び止めると彼女は歩みを止め少しだけこちらに体を向ける。 怪訝そうな顔をしていたが「あっ」というとしっかりとこちらに向き話し始めた。
「お…私はアルティメギル四頂軍、神の一剣の………」
そこまで言うと彼女は言葉が詰まり顎に手を当て何かを考え始める。
しばらくするとうん、と頷き再び私と向き合う。
「速水 黒羽(はやみ くろは)よ、よろしくね」
そう言うと彼女は後ろを向き、極彩色のゲートを生成し、消えていった。
速水黒羽か………絶対偽名だ。
それにアルティメギル四頂軍とか、神の一剣とかわけわからない単語まで出てきた。
速水黒羽の目的は一体……。
新たな敵の出現は私の闘いが第二段階に入ったことを示しているのか?
それに、小さい声で言った''ツインテールを極めない限り''というのはなんのことだろうか。
皆さんどうも、阿部いりまさです。
あけましておめでとうございます。
2016年もスタートとなり新年一発目の投稿は物語が動いていく話です。
それでは2016ねんもよいツインテールを!!