私、ツインテール戦士になります。   作:阿部いりまさ

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鍵崎 志乃
性別:女
年齢:16歳
誕生日:3月13日
身長:159cm
体重:48kg

奏の幼馴染みであり親友。
学校では奏と並び人気が高い。
ツインテールのことは好きだと言い張るが属性力はあまりなくむしろ三つ編みの属性力の方が高い。
自分の体型にやや不満気味。
奏がツインテールを嫌いな理由を知っているようだが…。



FILE.3 激突!ツインテールと怪物

「じゃあ━━━━━勝負!!」

 

 白い蒸気が腰あたりの装備から一気に吹き出し、私はあの怪物に向かって走り出した。 いや、厳密には走っているわけでなく走り出しのちょっと飛んだ程度だ。そしてカマイタチの如く、相手に接近し━━━━━追い越してしまった。

 

「ちょっとおぉ!!」

 

 かかとを地面につけて止まろうとしたが足についている装備が地面を破壊するだけで止まることができず壁に突っ込んでしまった。

 痛った!……あれ?全然痛くない? そうか、もしかしたらフレーヌさんの言ってたフォトンなんとかのおかげなのかな。

 

「なんだ今のは!?」

「モケ━━━━」

 

 やばい。

 どうやらあの怪物に気づかれたらしい。

 いやいや、まるでカマイタチのように自分の前を通過していった物体が壁に激突していったのだから気づかない方がアレだけど……。

 とにかくこれからが本番だ!

 私は立ち上がり目の前にいる二メートル以上はある体躯の怪物と目を合わせた。

 

「なっ!? これは!?」

 

 突然自分達に対抗できる人間が登場して驚いているんだろうな。 ならもっと驚かしてやる!

 

「覚悟しなさい、怪物!あんたみたいな変態はこの私が倒してみせる!」

 

 変身を覚悟してから怪物に直接言ってあげたかったセリフを言うことができた。

 怪物も恐怖のあまりか体をプルプル震えさせているのが遠目からでもわかる。

 そうだ、ツインテールとかいうくだらないもののせいでここにいるツインテールの子達だけでなく周りにいる大人や男の子まで危険にさらして……絶対に許せない…!

 私がセリフを言った後も怪物はプルプル体を震わせている。 そしてこう言った。

 

「ぬわぁんとぉ!なんと見事なツインテール!!お主が……!ふっはははは━━━━━━━━━━ッ!!」

「…え」

 

 またもツインテールのことを言われて少し拍子抜けしてしまった。

なおも怪物は続ける。

 

「そうか!隊長殿が言っていた属性力とはこのことか!いいぞ!絶対に手に入れてみせるよう、この世界で最強のツインテールをな!!!」

 

 こいつ……!

 わたしのセリフでプルプルしてたんじゃなくて私のツインテールを見てプルプルしてのか。 しかも私が世界で最強のツインテール━━━━━つまりこの世で一番ツインテールを愛しているということになる。 だから私はツインテール嫌いなんだって!

 此の期におよんでまだツインテールのことしか頭にないの怪物は!

 

「聞けい、ツインテールの戦士よ!我はウーチンギルディ。ツインテールと……そして掌属性(パーム)をこよなく愛するものだ! 我の名を知れたことを光栄に思うが良い!」

 

 ウーチンギルディ…!!

 なるほど、この頭から足の先までたくさんトゲが付いていたのはウーチン━━━つまりウニのような怪物ということなのか。 でもなんでウニ…?

 怪物の名前ともう一つわかったことがある。 この怪物がさっき女の子の掌を見ていたのは、掌が好きたったからってことだろうね。 …やっぱり変態じゃん!

 

「行け!戦闘員(アルティロイド)よ!ツインテールの戦士の属性力を頂戴するのだ━━━━━━ッ!!」

「モケェ━━━━ッ!!」

 

 黒い怪物……ウーチンギルディの命令により正面にいた黒づくめの集団…戦闘員が「モケモケ」言いながら猛然とこっちに走りかかってくる。

 

「うわ!多すぎっ!」

 

 一瞬で私は冷静さを失ってしまいとりあえず腕を振り回していると運良く戦闘員にあたり、二、三体吹っ飛ばし、ビルの壁に当たると放電し粒子のように消えていった。

 一瞬の出来事で、自分でも驚いた。この力…とんでもない。

 ウーチンギルディがぬう、と感心しているのか、驚いているのか、その隙に耳のヘッドフォンなようなものから声が聞こえてきた。 フレーヌさんの声だ。

 

『意識を集中させてください!テイルギアは奏さんの意思で構成されている武装、意思によって御せない道理はないのです!!』

「私の意思が…これを……」

 

 うまくテイルギアを制御できない状態であの戦闘員を吹っ飛ばせたんなら自分で制御しながら闘えば、今以上の力が出せるかもしれない。 そう思い、私は一旦深呼吸して落ち着きを取り戻す。だがその際ある事に気づいた。

 

「ちょ、じゃあもしかしてこの露出の多い格好も私が望んだの!?」

私は心の中でこんな格好したいと思っていたの!?

『え、いや……そう言うわけではないのですけど……』

 

 どうやらそう言うわけではないらしく少しだけホッとした。

 再び私はウーチンギルディと向かい合う。

 

「戦闘員を一撃で倒すとは…。その華麗なツインテールと凄まじい力。貴様、名をなんというか!」

 

 ドラマとかでよく見るセリフだけど実際言われるとなかなかくるものがある気がする。

 

「えっと、私は!」

 

 私は………なんだ?

 ここで本名名乗るのはなんか違うし、これといって名前があるわけでもないし……。

 私がしばらくうーんと悩んでいる間、ウーチンギルディは何かしてくるわけでもなく腕を組み、待ってくれている。 ごめんね!もうすこしだけ待ってくれるかな。

 うーんと顎に手を当てて考えていると通信が入ってきた。

 

『あーもう!''テイルホワイト''!テイルギアで変身する白い武装の少女でテイルホワイト! テイルホワイトよ、奏!!』

 

 今度はフレーヌさんからではなく志乃の声が聞こえてきた。

 テイルホワイト……うん!決めた!

 中々いいネーミングよ志乃!

 

「待たせたわね!私は━━━テイルホワイトよ!」

「待ちくたびれたぞテイルホワイトよ!そうか、それが我らアルティメギルに仇なす者の名というわけか!よし、私が直接相手になろう!」

 

 ウーチンギルディがそう言うと近くに残っていた戦闘員は後ろに下がっていき奥から近づいてきて三メートルほど私の前で止まる。

(こいつは…強い!)

 そこらの黒い戦闘員とはまるでオーラが違う。

 遠くから見ていた時とは訳が違う。

 近くに来るとよりいっそうウーチンギルディの迫力が増す。

 二メートル以上の体躯も、金属も簡単に貫いてしまいそうな全身に生えたトゲもより一層大きく、頑丈そうな両肩についているトゲも、身がすくみあがりそうな双眸も、全てが恐ろしく、迫力だ。

 思わず後ずさりしかけたがなんとか直前で思いとどまることができた。

 さっきと同じようにやれば……!

 

「はああああ!!」

「フン!」

 

 戦闘員を殴った時と同じようにウーチンギルディに殴りかかる。 しかしあっさりと避けられてしまった。

 

(やっぱり迫力だけじゃないか…)

 

 その後も同じようにウーチンギルディに殴りかかるが全て避けられてしまいダメージが全く与えられない。 だんだんと、体力だけがなくなっていく。

 

「そろそろ反撃させてもらうぞ!」 

 

 ウーチンギルディがパンチを避けながらそう言うと私の腕を掴んできた。

 強い…! 相手の力が強すぎて掴んでいる相手から離れることができなくなってしまった。

 

「なに!?」

 

 突然ウーチンギルディが何かに驚き力が抜けた。

 その一瞬をつき、なんとかウーチンギルディから離れることができた。

 ウーチンギルディはありえないといった表情をし訴えてきた。

 

「貴様!何故そんな物を……!手袋をしている!それでは掌が見えぬではないか━━━━ッ!!」

 

 ウーチンギルディはそう言いながら近くにあった壁を拳で殴りつけ破壊してしまった。

 

「さあ、手袋を外せ!その掌を我に見せるのだ!」

 

 またも変態的発言が出ててきた。

 

「んなことしないわよ!」

 

 そう言って再び殴りかかる。

 しかし状況は変わらず私のがむしゃらなパンチは全て避けられるか受け止められてしまい全くウーチンギルディにダメージを与えられない。

 

「そんなものか? アルティメギルに仇なす者、テイルホワイトよ!!」

 

 一旦距離を取り、荒れた呼吸を整える。

 やがて通信が入り、フレーヌさんの声が聞こえてきた。

 

『奏さん!頭についているリボン型のパーツを触れればあなたの好みの武器が形成され、転送されます!どうか戦闘の役に立ててください!』

 

 武器、そんなものまであるんだ。

 私は自分の手元にあるべき武器を想像しながらリボンに触れる。 自分が欲しい武器を決めた瞬間リボンが眩く発行し、自分の周りに吹雪始めた。

 吹き荒れる雪が両腕に集まり凝縮され、大きな手甲とその先に巨大な鉤爪をもった武器を両腕に形成した。

〈アバランチクロー〉

 武器を形成してもしばらく吹雪は止むことなくしばらくってから止んだ。

 すごい、まさかここまで私の想像通りだなんて!

 

「なにぃ!?」

 

 先手必勝!ウーチンギルディが驚いている中私はアバランチクローで相手を叩きつける。

 

「ぬうッ!!」

 

 しかしウーチンギルディはまたも間一髪でかわし両掌から光線を放つ。

 今度は私がアバランチクローの手甲の部分で光線を受け止めると光線はあっけなく霧散していった。

 

(やっぱり、防御にも使える!)

 

 アバランチクローを形成した理由の大きな理由がこれだった。 フォトンなんとかに頼るのもいいがまずは自分の武器で自分の体を守る。フォトンなんとかに頼りっきりより自分で防御できた方がもしもの時のためにもなる。

 

「いいぞ、武人の血が騒ぐわ!必ず掌を見てやるぞ!」

 

そう言うとウーチンギルディは自分の体から多くのトゲを体から分離させ、襲いかかって来た。

 

「一言多いって!」

 

 ツッコミを入れながら腰の装備の片方から勢いよく蒸気と炎を噴射させアバランチクローをつけた状態で回転する。 回転している間に襲いかかってきたトゲは当たるたびカンカンという金属音を残し地面に散らばっていった。

 

「やるではないか! ならば最後の切り札だ!怪我をしても知らぬぞ!!」

 

 そう言いながらウーチンギルディが今度は先ほどとは比べものにならないほど大きなエネルギー玉を掌から出現させていた。

 

「これが私の必殺技!!! ''女の子の掌が力の糧となるフィニッシュパーマー''を喰らえぃぃ!!!」

 

 そのあまりの巨大なエネルギー玉とくだらない名前に一瞬怯んでしまった。 しかし、すぐに次に行動すべきことが驚くほど鮮明に頭の中で浮かび上がり実際に行動に移す。

 

「自分の心配をしなさいっ!」

 

 瞬間、腰の装備二つから勢いよく蒸気と炎を噴射させ相手の二、三メートル手前に滑り込み、相手の身長より二倍高く舞い上がる。 上空に舞いながら頭の上で両腕を合わせアバランチクローを一つに合体させた。

完全解放(ブレイクレリーズ)

 今度は一つを横に蒸気と炎を噴射、一つはそのままの状態で噴射させる。すると体が激しく回転しながらアバランチクローを前にウーチンギルディへと突っ込む。

 

「ぬうう!?」

 

 ウーチンギルディが慌てて放った必殺のエネルギー玉も呆気なく散り、その先に居たウーチンギルディの体を突き破る。

 まさに必殺の〈アイシクルドライブ〉貫いたその一瞬、あたりがまたも猛吹雪となった。

 

「ぐうああああああぁ━━━━━━ッ!!」

 

 ウーチンギルディの周りを激しく吹雪く。

 全身から放電させながら苦悶の声を上げるウーチンギルディ。

 

「ふ、ふははは!華麗なるツインテールの戦士によって果てる……悔いなど残らん!素晴らしい闘いであった」

 

 体に入った亀裂が大きくなりよりいっそう放電が激しくなる。

 

「さらばだ、テイルホワイトよ!さらば掌よ!!!」

 

 その言葉を最後にウーチンギルディは大きく爆発し散っていった…。

 

「武人…か…」

 

 ウーチンギルディが散ったその場所には静寂のみが残されていた。

 しばらく荒らされた地面や壁、車を見ていると通信が入る。

 

『おめでとうございます!あとは宙に浮いている輪を壊してしまえば奪われた属性力も戻ると思います!』

「わかった」

 

 近くに浮いている輪をアバランチクローで叩き落とす。 そうすると輪は粉々になり中の光が粒子となって雨のように降り注いでいった。

この光が属性力なのだろうか。

 降り注ぐ光を見ているとウーチンギルディが爆発したあたりに小さく煌めく菱形の石を見つけ、それを拾い上げる。

〈掌〉

 拾い上げた瞬間そんな言葉が脳裏によぎってきた。

 

「はあ……」

 

 疲れてその場でペタンと座り込むと気が抜けたのか変身が解除されてしまったようだ。

 なんだか…すごい眠い……。 今の闘いでここまで体力が奪われるなんて…聞いて……ない…。

 そのまま私はその場で気絶してしまった。




みなさんこんばんは、こんにちは、阿部いりまさです。
今回は第3話で初戦闘となります。 戦闘描写などやはりまだ書いててわかりづらいな…とも思ったりしたのですが、これから書いていくうちにもっとわかりやすくかけていければなと思っております。
補足としてはテイルホワイトの武装アバランチクローは仮面ライダータイガのデストクローのようなものを想像していただけるとありがたいです。
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