性別:女
年齢:15歳から18歳くらい
誕生日:不明
身長:146cm
体重:45kg
奏の世界へ突如やってきたテイルレッドが変身をといた姿。 テイルレッドがそのまま成長したかのような姿をしており、赤髪と勿論ツインテールは健在。 エレメリアンと闘っていた以外の記憶が無くなっており、紅音という名前は本名がわからないので志乃が命名した。 何故か男物の制服を着用しており、寒い季節にも関わらず薄着であった。
フレーヌと黒羽、そして一番の目的である紅音にもっと女の子らしくなってもらうため、志乃と私とその三人は最寄の駅から電車で三駅先にある巨大なショッピングモールへと来ていた。
完成したのは三年ほど前で、当時は中学生の私も友達と学校帰りに寄り道して来ていたものだ。
ところがまあ、毎日も来てれば飽きてくるのは必然で最後にここに来たのは高校一年の春……つまり一年以上前になるのか。
毎日行っていた時と比べるとやはり当時ほど人も多くないし、お店もだいぶ変わってしまっている。
流石に案内板を見ないとキツイかも……。
「それじゃ、まずは服からね! フレーヌはともかく黒羽は普段のセーラー以外は奏の服だし買っといたほうがいいね」
なんか今さらりとおかしな事を言ってたような……。
そういえば、黒羽が今着ている服は全部私持ってるけど……まさか、毎度毎度既視感があったのはそう言う事なの!?
「紅音はとりあえず私の服で間に合わしたけど、やっぱ好みとかあるだろうし何着か買っていこ!」
そう、今紅音が着ている服は志乃のものだ。
基地から出る際、何故か男物の制服それも夏服を着用していくのはどうかと急遽志乃が家から紅音に合いそうな服を持ってきてくれたのだ。
私の服でもいいんだけど何故か志乃には『無理じゃないかな……』と、言われた。
その時の志乃の目線が若干下に向いていたのはそういう事だろう。
チラリと紅音を見てみる。
「同じぐらい……少し、すこーしだけ大きいかな……」
やはり見た感じでは私の服が無理という程のサイズではない、絶対にね。
ていうか私はシャークギルディに中途半端な乳と言われた女だし、貧乳ではないだけマシよね。
私が拳を強く握るのと同時に、志乃を先頭として皆目的のお店へ歩き出す。
志乃に連れられ、約五分ショッピングモール内を歩くと志乃の言う目的のお店が見えてきた。
私もよく買い物をしたリスリザのお店だ。
花柄模様やレースなど積極的に服に取り入れることで自然に女の子らしさやふんわり感があるのが特徴かな。
確かに、フレーヌや紅音にはぴったりのお店かもしれない。
「なんか気になるのある?」
「えーと、これとか……」
志乃のおすすめや紅音の気になる服を選ぶと早速試着室へと入り、どんどん服を選んでいく。
紅音やフレーヌが気に入った服を試着し、選んでいく中、黒羽は一人腕を組み二人の様子を眺めている。
「なんか動きにくそうな服ね」
友達のファッションの感想がそれじゃあ……。
「確かに黒羽はこういう服よりボーイッシュな感じのほうがいいかも……後で行ってみよ」
「ぼーいっしゅ? ……シュークリームみたいでそれこそ動きにくそうじゃない」
黒羽の意外すぎる答えにしばらく言葉が出なかった。
「とりあえずボーイッシュとシュークリームは全然関係ないから」
歪んだ知識をそのままにしておくのはまずい。
ましてや黒羽は女の子だし、これから色々と苦労する場面が出てきそうだ。 その際はしっかりフォローしていかないと。
私と黒羽が話している間に、いつの間にかフレーヌと紅音は買いたい服が決まったようでレジのオシャレな店員さんに服を渡している。
二人の服の値段が合わせて三万七千円……。もちろん私と志乃で会計を済ませ、お店から出る。
次に向かうは有名なブランド、ガップのお店だ。
ガップはアメカジファッション中心に展開し、リスリザとは違い可愛らしい雰囲気よりはボーイッシュなジーンズなどが売られている。
結構有名だし、大体の人は知ってるだろう。
「確かに……動きやすそうね」
動きやすさ最優先なのかこの娘は。
「ほら、こういうレギンスとか似合いそうじゃない? ブーツとかと合わせたりしてさ!」
私が手にし、黒羽へと渡したのは明るい青のレギンスだ。
今もそうだけど黒羽は何かと黒い物を好む傾向があるし、たまには気分を変えてもらいたいのだ。もちろん、黒いのが似合っていないとかそういう意味は全くない。
「……じゃあこれを貰うわ」
「いやいや、お金だすから買ってね!?」
その他黒羽はトップスやこれからの時期には欠かせないジャケットなどを購入した。
「紅音は何か欲しい物ある?」
「これとか……似合いそうかな?」
紅音も嬉しそうに興味がある服を手に取り、私達に感想を求めるようになってきた。
どうやら楽しんでくれてるみたいで、ホッと一安心。
「どうですか!? これどうですか!?」
いつにも増してフレーヌの自己主張がやたら強い気がするのは私の勘違いにしておこう。
皆で楽しくショッピングをしているとつい時間を忘れてしまう。
中学の時はよくあった事だけど、まさか高校生になって、エレメリアンと闘っている間にこんな事が思えるなんて嘘みたいだ。
皆がそれぞれの服や買い物を楽しんだ後、私達はショッピングモール内にあるレストランで休憩している。
それにしても来る前と比べると私の財布はだいぶ軽くなった気がする……。 志乃もどうやら同じらしくレストランに入ってからはしきりに自分の財布の中を見ているし。
その様子を見てか、紅音はモジモジしながら俯いている。
「どうかしたの?」
「えと、お金使わせてばっかだから」
やっぱり紅音は、アルティメギルと闘う戦士なだけあって優しい娘らしい。
「連れ出したのは私達なんだから遠慮しなくていいんだよ」
「うん……」
紅音は少しだけ笑みを浮かべ、目の前のテーブルに置いてあるパエリアを食べ始めた。
お昼ご飯を食べた後はどこに行こうか……考えとかないと!
◇
神秘的な霧に覆われた神聖な部屋。
首領の間近くでエンジェルギルディは白いローブを纏ったエレメリアンと対面していた。
「そういうわけで、貴女の力をお貸し願いたいのですわ」
自分の部隊が任されている世界の事情を白いローブのエレメリアンへと伝えた上で、エンジェルギルディは協力を求めていた。
エンジェルギルディの話を聞いていた白いローブのエレメリアンは頷くこともなく、真っ直ぐエンジェルギルディを見据えている。
しばしの沈黙の後、ようやく口を開いた。
「呆れたな。 その程度の戦士に聖の五界が苦戦し、剰え私に協力を求めるとはな」
「そう仰るのも無理はありませんけどあの戦士の成長速度は眼を見張るものがありますわ。 放っておくと、ツインテイルズのようにどんどん力をつけていきますわ」
「……所詮は人間、貴様が襲撃すれば膝を屈すのは必至だ」
究極のツインテールとなりつつあるテイルレッドをはじめ、仲間であるツインテイルズに神の一剣の戦士グリフォギルディが敗れたのは先程のこと。
ツインテイルズという単語が出た瞬間、ローブで隠された頭部の陰で双眸が強く輝く。
なかなか首を縦に振らない白いローブのエレメリアンに対し、エンジェルギルディは最後の切り札を使う。
「首領様は、究極のツインテールを求めていますわ」
エンジェルギルディが神聖な天使の羽根、六枚全てを開くとあたりに舞い散る。
「あの世界には到達する可能性のある戦士と……どういうわけかその究極のツインテールであるテイルレッドがいますの」
「ほう……」
初めて白いローブのエレメリアンは食い気味に頷いた。
その様子を見て無言の笑みを浮かべエンジェルギルディは羽根を畳み、話を続ける。
「首領様へ誰よりも強い誓いをお持ちになっている貴女の力があれば、究極のツインテールをお持ち帰りできる可能性がありますの。 お願いいたしますわ……ヴァルキリアギルディさん」
手を合わせ後、白いローブのエレメリアン、ヴァルキリアギルディへ手を差し伸べる。 だが、ヴァルキリアギルディは手を合わせる事なく、その手に神の槍を出現させる。
幾ばくかの沈黙の後、答えは示された。
「よかろう。 全ては首領様のため」
ヴァルキリアギルディは纏ったローブのフードの部分だけを下ろし、文字通りヴェールに包まれていた素顔を晒した。
「だがあくまで可能性の話がある以上、私の全てを見せることはできないがな。まあ新たな力の肩慣らしには丁度いいだろう」
「構いませんわ。 では、参りましょう」
天界の熾天使は戦場の戦女神を連れ、聖五界が管轄する世界へと向かっていった。
◇
お昼ご飯を食べた後は、同じようにショッピングモールで買い物を楽しみ、私達のお財布はすっからかん……色々な服などを買うことができた。
さすがに歩きすぎて明日は筋肉痛にでもなるんじゃないかと心配になってくる。
みんなと学校の近くで別れた後、私は家へと帰り、シャワーを浴びるため洗面所へと入る。
服を脱ぎ、下着姿になった自分を鏡の前で確認してみる。
この半年間、アルティメギルと闘い続けてきたのがいい運動になったのか少しだけ痩せたような気もする。
アルティメギルと闘うのはストレス解消に加えダイエットにも大変いい効果があるみたいだ。
手早く頭と身体を洗い、湯船に浸かるとテイルホワイトになった時から今までの事が頭に浮かんできた。
フレーヌとの出会い、初めての変身と闘い、志乃とのエレメリンク、初めての幹部との闘い、黒羽との出会い、嵐とのエレメリンク、異世界での事……色々ありすぎる。
ここまで濃い半年間を生活していると女子高生は私以外にいるのだろうか。
◇
紅音がこの世界に現れてから今日で一週間になった。
秋の季節も過ぎ去り、朝の通学にマフラーとコート、手袋は必須アイテムへとなる。
結局この一週間で紅音の記憶は戻ってはない。しかし、記憶は戻っていなくても闘いの勘は冴えているようで先日現れたエレメリアンにも苦戦する事なくあっさりと倒していた。
その様子を見るに、フレーヌや黒羽の考察は間違ってはいないのかもしれない。
ただ、そうなるとエンジェルギルディが紅音を記憶喪失させた理由が見つからない。 それに記憶喪失にするならテイルレッドとして闘っていた記憶は消したほうがアルティメギルにとって都合はいい筈、闘いの記憶を残した意味は……。
「真剣な顔で悩み事か? ツインテールバカさん」
「私はツインテールバカじゃないし。ていうかポニーテールバカに言われたくないんだけど……」
いつの間にか隣にいた嵐は私に話しかけながらスマホを弄りおそらくゲームをしているのだろう。
それにしても、ツインテールバカとはなんだ。
アルティメギルと闘える属性力があるとはいえ、髪型に関して熱く語るのはむしろポニーテール大好きな嵐の方だと思うんだけど。
「そうだな……ポニーテールは世界を繋ぐ架け橋、なんてどうよ?」
「え、なにそれ」
「俺が考えつく最高のポニーテールバカっぽいセリフだ」
少しだけ引いた。
カッコよく言おうとしているのがまた、あれだね。
ため息をついた私を横目に嵐はまた口を開く。
「紅音ちゃんの事で悩んでるんだろうけど、この世界を守るツインテール戦士は伊志嶺だけじゃないんだ。 協力者だってたくさんいるし、一人で抱え込むなよ」
「嵐……ポニーテールがうんたら言った後にそのセリフはどうかと思うよ?」
「うっせ!」
嵐が心配してくれるのは嬉しいような嬉しくないような変な気分だけど、少しでも間違えばこの世界が消えてしまうかもしれない事だ。 悩むなっていうのは無理がある。
「俺もエレメリンクだけじゃなくて、テイルホワイトみたいにポニーテールの戦士になれればもっと助けてやれんのになあ」
嵐がポニーテールの戦士に……。
想像すると少しだけ面白くなってきた。
「男がエレメリアンと闘えるなんてありえないって」
「そんなもんかねえ」
もしも、無数にある世界のどこかでそんな男の人がいるのなら是非会ってみたい。
男の人がツインテールやポニーテールにできないことはないとは思うけど、フレーヌから聞いた話だと可能性はゼロらしいし。
本当にいるのなら天然記念物になりそうだ。
そのまま嵐と他愛もない話をしながら通学路を歩いていると、学校の前に来たところでスマホの着信音がなった。
スマホを取り出して画面をみると、ロック中の画面に大きくフレーヌのアプリ''テイルコネクト''が表示されている。
朝の、これから学校なのだが、間違いなくエレメリアンが出現したのだろう。
『奏さん! 海外の都市にエレメリアンが出現しました!』
海外とはまた面倒な所に出てきた。 だが、海外に出現したのを面倒くさいからと見逃す訳にもいかない。
「それはわかったけど、一応紅音には内緒にしといたほうがいいかもね」
『はい。 エンジェルギルディの考えがわからない以上、それが最善策かと思います』
「わかった。転送して、フレーヌ!」
嵐に鞄を渡し、物陰に隠れテイルオン、テイルホワイトへの変身が完了した。
間も無く私は光に包まれ、エレメリアンが出現したという海外の都市へ転送された━━━━
「嘆かわしい国だ!八重歯が悪などと吹聴しやがって!!」
時差の影響で夜中の摩天楼に響くエレメリアンの声。
光を抜けた先で耳にした言葉は━━━━日本語だった。
そういえば、海外なのに日本語で話してて主張が通るのだろうか。 いや、別に通らせる必要も全くないんだけど……。
『エレメリアンは、言ってみれば私達の脳に直接話しかけるテレパシーのようなものを使っているんです。 なので、現地の人にはその国の言葉として伝わっているんですよ』
なるほど、つまり目の前にいるエレメリアンの主張はしっかりと現地の人達に伝わっているという事らしい。
八重歯、八重歯と叫んでいたエレメリアンは私に気がつくと正面から向かい合った。
「現れたか、テイルホワイト! 黒いのと赤いのは居ないようだが……まあいい!」
夜ならと期待したけど、世界的にも有名なこの都市にはたくさんの人がいる。
見た感じ、幹部級でもなければ聖の五界のエレメリアンでもなさそうだがここで闘うのはあまりにも危険だ。
できれば場所を移動したいけど……。
「この国じゃ八重歯を悪いように扱ってるみたいだけど、なんでここに来たの?」
この場所から遠ざける目的の質問だが、少しだけ本心も混ざっている。
エレメリアンは一番はツインテール属性を優先しているみたいだが、最近は自分の属性力を先に盗ろうとするエレメリアンも多かった。
八重歯が悪という国で、八重歯を探すのは難しいと思うんだけど。
「俺は、八重歯を広めたいのだ!! 八重歯が悪という常識を変え、世界の全てを八重歯で埋め尽くしたいのだ━━━━!!」
「いやいや……広めたいからって広められるものじゃないでしょ……」
八重歯を自分から作る物好きはなかなかいないし、ツインテールを広めるよりもずっと難易度は上だろう。
「テイルホワイト、お前も俺が開発したこの入れ歯をつけ、ツインテールと調和してみるんだ!!」
そう言って私に向かい差し出してきたのは門歯の横の歯が八重歯となっている上顎の入れ歯。
「え、いらないです」
思わず真顔で、敬語でエレメリアンの願いを斬り捨てていた。
「なっ!? やはりお前もか、テイルホワイト!! お前も八重歯を拒否するのか!?」
断られた事に相当ショックなのか、やたら熱くなりだすエレメリアン。 しまいにはなんだか涙ぐんだような声になっている。
「いや、人の……エレメリアンの属性力を否定する気は無いけどね」
「もういいのだ! もういいのだ━━━━!!」
私の精一杯のフォローを聞かず、目の前のエレメリアンは自作の入れ歯を真っ二つにへし折ってしまった。
無残な姿となった入れ歯をゴミ箱へと投げ入れ、エレメリアンは顔の付近にある牙のような物を抜き取る。
両手剣となった牙を構え、再び涙ぐんだ声で叫び始めた。
「俺の名はウォルラスギルディ、今は亡きシャークギルディ隊長とオルトロスギルディ隊長の意思を継ぐ者だ。よってテイルホワイト、お前のツインテール属性を頂いた上でダブルトゥースを目覚めさせてくれる!!」
シャークギルディとオルトロスギルディか。
黒羽がこの場にいたらウォルラスギルディとは闘い難かったのかもしれない。
「目覚めようが無いっての! 悪いけど遅刻しちゃうから早く終わらせるからね!!」
フォースリボンに触れ、アバランチクローを装備するとウォルラスギルディに向けて疾駆した。
今度の敵は聞くからにやはり幹部エレメリアンでも聖の五界のエレメリアンもないようだし、特に苦戦する要素もない。
最初から全力でアバランチクローをウォルラスギルディの右手に握られた剣へ左のクローで叩き込む。
「ぐおおっ!? 俺の八重歯がああああああ!!!」
あ、八重歯だったんだ。
アバランチクローによって粉々になった八重歯に構わず、もう一発今度は右のクローを八重歯へ叩き込み程なくして決着はついてしまった。
八重歯を失ったウォルラスギルディは力なくその場に座り込んだ。
「俺は……俺は亡くなった隊長達の意思を継いだ筈……! 何故、勝てないんだ!?」
引く気がないなら、相手に同情するわけにはいかない。
私はブレイクレリーズし、必殺技を打つ体勢に入った。
「今、行きますぞ。 シャークギルディ隊長!!」
ウォルラスギルディが覚悟を決め、私がアイシクルドライブを発動しようとした瞬間。
言い知れぬ予感に衝き動かされ、私は思わず空を見上げた。
流れ星……だろうか? 違う! 流れ星の軌道とは明らかに違う光が、摩天楼の間から落ちてくる!!
「━━━━━━ッ!?」
飛来した光はそのまま私とウォルラスギルディの間へと落ち、アスファルトを砕くとあたりに煙を撒き散らせた。
「な、なんだ━━━━!?」
ウォルラスギルディの驚きの声を上げている事から、作戦ではないみたいだ。
『今落ちてきた光は……煙の中にいるのは……エレメリアンです!!』
なんとなく察しはついていたが、フレーヌからの通信ではっきりエレメリアンだとわかった。
舞っていた煙がはれていき、現れたのは黒いローブを羽織ったエレメリアンだった。
「まさか、幹部エレメリアン?」
突然の襲撃を仕掛けてきた黒いローブのエレメリアンのフードの中で双眸が力強く光を灯す。
……何だ、この感覚は。
この弾けるようなプレッシャー……。
私は、目の前の黒いローブのエレメリアンと同じプレッシャーを受けた覚えがある。
「━━━━」
警戒する私を目掛け、突如黒いローブのエレメリアンは武器を出現させ、私へ向かい投擲してきた。
突然の攻撃に、反射的にアバランチクローで受け止めるも、相手の武器が突き刺さりクローは腕から外れ弾き飛ばされてしまった。
弾き飛ばされたクローの方へ目を向けると、黒いローブのエレメリアンが使った武器が私の目に入ってくる。
その武器を目にした瞬間。 私は衝撃のあまり、稲妻に打たれたような感覚になる。
「それって……まさか!?」
黒いローブのエレメリアンが手にし、私へと投げつけてきた武器の正体。
それは……もはや大剣と呼べるほど穂先が大きい槍だった。
まさか、見間違い……もしくはよく似た武器に決まっている……あの武器は━━━━!!
黒いローブのエレメリアンは私の驚愕を一顧だにせず、再び穂先の大きい槍を自らの手へと収める。
そして、遂に黒いローブのエレメリアンは口を開いた。
「こうしてお前と向かい合うだけで感じる。 強くなったな、テイルホワイトよ」
「なっ!?」
穂先の大きい貧乳槍スモールバスティラスをアスファルトへと突き刺すと白い腕を黒いローブへと掛け、勢いよく脱ぎ捨てた。
現れたのは、私の世界を狙い、私をテイルホワイトへとさせた元凶。
私が全力を出し、まさにギリギリ状態で勝つことのできた強敵。
━━━━シャークギルディ。
「シャ…… !」
「━━━━た、隊長!?」
私と同じように、仲間である筈…いや仲間であった筈のウォルラスギルディまで驚きのあまり言葉を失っている。
スモールバスティラスを見た時、なんとなくは思ってはいたが当たるはずのない予見だからこそ衝撃は大きい。
「あんた、本物なの……?」
もはや目の前のシャークギルディが本物という事は確信している。しかし、思わず私の口からその言葉が出ていた。
「我を疑っているのか。 無理もない、一度お前によって敗れたのだからな」
私によって敗れた……つまり目の前のシャークギルディは私と闘い、メガロドギルディとなって嵐とエレメリンクしたポニーテールの私と闘った''本物''のシャークギルディ!!
模倣でも、他人の空似でもない。
『そんな……貧乳属性の属性玉はこちらにあります。 まさか、エレメリアンに復活出来る能力が……!?』
勿論、シャークギルディの登場に衝撃を受けているのは私だけではない。 地球の裏側にある基地にいるフレーヌも、大きく動揺している。
もし、エレメリアンに復活出来る能力があるのだとしたら……今まで私が闘ってきたのは全くの無意味だったという事になってしまう。
私の心を見抜いたかのように、シャークギルディは勇ましい声をあげる。
「アルティメギルの反逆者には、完全再生する者がいる。 しかし、我をはじめ他のエレメリアンにそのような能力を持った者は誰一人としていない」
シャークギルディなりの気遣いか、なんとか今までのエレメリアンの復活は無さそうだと安堵する。
だが、それだけでシャークギルディの話は終わらない。
「だがな、我らを復活させる者はいる!」
「な、何!?」
「我は''
まさか、今でも信じる事ができない。
倒したはずのシャークギルディが復活し、再び私の目の前で悠然に立っているだなんて。
アルティメギルにエレメリアンを復活させる事の出来る奴がいるなら、私の闘いは終わる事があるのだろうか。
まだ、シャークギルディだけなら一度勝った相手なこともあり何とかなるけど……次々と復活されてしまっては━━━━地獄だ。
今までの私の闘いを嘲笑うかのように、夜の街に輝く時計台から鐘の音が鳴り響いた。
どうも、阿部いりまさです。
原作13巻、発売されましたね!
劇場版のような話にとても熱くなりました!
是非、原作読みましょう!!