性別:男
年齢:16歳
誕生日:9月23日
身長:171cm
体重:64kg
ツインテールよりポニーテールを愛する少年。
普段からあまり笑うことはなく、つまらない顔をしているとよく言われる。 そのせいか性格もクール……?
以前、なんらかの理由で奏と関わったことがあるらしいが…?
目の前にいるイカギルディ……ではなくクラーケギルディは確かにこれまでのエレメリアンとは違う威圧感を放っている。
私的に今まで戦ってきた中で一番強かったのは私の初陣となったウーチンギルディなのだが、クラーケギルディはそれに劣らない…いや、クラーケギルディのほうが何十倍も威圧感も迫力もある。
「おっ!テイルホワイトだ!」
「ホワイト様よー!」
「お姉ちゃーん!」
睨み合っている間に最初よりも周りにヤジウマがが集まってきた。いや、誰だ私のことお姉ちゃんって言ったの。
そのままヤジウマはどんどん集まり、私とクラーケギルディから周りのヤジウマは二十メートルも離れていないくらいかなり近いところにまでいた。 このままクラーケギルディと闘ったらきっと周りの人を巻き添えにしてしまう…どうしたものか……。
アバランチクローを構えながらクラーケギルディを睨んでいるとクラーケギルディはふむ、と周りを見渡してから話し始める。
「どうやらこの世界には貧乳の姫は居ないようだ。 近い未来に姫に会えると信じていたのだが…」
何を言いだすかと思えばまた貧乳。
威圧感は別格、変態度もまた、他のエレメリアンとは別格のようね。
フレーヌさんは属性力の種類は人の数だけあるって言ってた。 胸属性のエレメリアンはいつか来ると思っていたけど…まさか貧乳属性とは。
あと妙に男前な声でしゃべっているのがムカつく。
「あんたが貧乳好きっていうんなら巨乳好きもいるわけ?」
私の質問にクラーケギルディはぬうっ、と激しく動揺し怒り出した。
「そのような下品な物を好む者がアルティメギルにいるわけがない!…と言いたいところだが巨乳属性(ラージバスト)という下品な属性を吹聴する愚か者もアルティメギルには存在する…」
誰か心当たりがあるのだろうか、遠くを見つめながら話すクラーケギルディ。
なるほど、貧乳属性のエレメリアンと巨乳属性のエレメリアン。 アルティメギルでもそういう派閥があるっていうことか。
ちょっとだけアルティメギルの情報を聞き出せたし、今日は最初から本気で倒してやる━━━ッ!!
私はアバランチクロー構えながらクラーケギルディに走り出す、ヤジウマが周りにいる以上、アバランチクローを飛び道具としては使えない。 本来の使い方で、近接格闘!
しかしクラーケギルディに向かっている途中、何故か腹部に強い衝撃が走り、後ろに飛ばされた。
「ぐっ……!!」
ヤジウマの近くまで飛ばされてしまったようだ。
まさか、今まで一度もまともにダメージを受けたことはなかったはず。自分で防御出来ていたのもそうだがフォトンアブソーバーという強力な防護膜が私の周りには張っているというのが大きいだろう。
しかし、初めてフォトンアブソーバーを突破されもろに体にダメージがきてしまった。
(今、何をした……の…!?)
もう一度、クラーケギルディを見てみる、するとさっきまで力なく垂れていた十本の触手に加え、無数の触手がクラーケギルディの後ろから出てウネウネして動いている。
私が走り出した瞬間に触手を動かしテイルギアのおかげで強化されているはずの私の目にもとまらぬ速さの攻撃したのか…!?
『奏さん!大丈夫ですか!?敵の攻撃はフォトンアブソーバーのしきい値を越えています!』
お、遅いよフレーヌさん……。
「で、できればもうちょい早く言って欲しかった」
お腹をさすりながらゆらゆら立ち上がりフレーヌさんの通信に答える。
まさかエレメリアンにこんな強い力があるなんて…テイルギアのせいでわからなかった。 でもそれほどこのテイルギアは凄いってことだ。
(仕切り直しだ!)
再びアバランチクローを構えるとクラーケギルディは再度触手を動かし私に攻撃してくる。
「なっ!?」
激しくせまり来る触手の攻撃はクラーケギルディにとっては軽いジャブのようなものだろう。 しかし私にとってはそのジャブ一つ一つが全て渾身のストレートのように思える、ガードするのが精一杯だ。
(なんとか、アバランチクローがあたる間合いまでつめないと…!)
しかし、激しい触手のジャブに全く前に進むことができない。
激しく続くジャブに左腕のアバランチクローが耐えられず吹き飛んでしまった。 その一瞬を突かれまた触手が何本か体にヒットし、今度はさっきよりも遠く私の体はヤジウマの上を吹っ飛び建物に激突する。
全身に激しい痛みが走るがなんとか今度も立ち上がることができた。
その姿を見てか、クラーケギルディは感心したようにほう、と声を出すとまた触手の射程圏内へ歩いてくる。
「テイルホワイトが…」
「ホワイト様がやられちゃう…」
「お姉ちゃーん!!」
だからいつからお姉ちゃんになったのよ。
テイルホワイトが変態に手も足も出ない姿を見て、ヤジウマはようやく恐怖を感じたのか私達から徐々に離れていっているようだ。
「何人も隊員を倒してきたと聞いたが。テイルホワイトの力、過信し過ぎてしまったようだ」
ゆらゆらと立つ私を見てクラーケギルディはさながらガッカリしたぞ、と言うように吐き捨てる。
クラーケギルディは触手が届く場所まで移動すると今度は大きな二本の触手の内一本を私に食らわしてきた。
三度飛ばされた私はアスファルトをうつ伏せの状態で抉り砕きながら滑走し、止まる。
テイルギアつけてなかったら顔がえらいことになってるなこれ…。 ますますテイルギアに感謝しないと…。
『奏さん!!』
『奏!!』
通信が入り2人の声が聞こえてきた。
返事をせず私は両腕を使い地面からからだを起こす。
するとポタッと地面に血が垂れ出した。
頭から出てるようで激痛が走る。
(ったく、こんな血が出たら髪の毛が赤く染まっちゃうよ……)
テイルホワイトならぬテイルレッドってか、全然面白くない。
クラーケギルディ……強すぎる。
文字通り私はクラーケギルディに手も足も出ない。
『撤退してください!これ以上は危険です!奏さん!!』
フレーヌさんがかなりの大声で叫ぶ。
撤退。
今の私じゃ絶対あのクラーケギルディには勝てない。 でも、私の心が目の前の怪物から撤退することをよしとしなかった。
私が倒れると、この世界を守れる戦士がいなくなってしまう。 絶対に負けるわけにはいかない。
気づくと腕や肩についている装甲があまりの衝撃のためか所々欠けてしまっている。 それはクラーケギルディがフォトンアブソーバーを破り攻撃を直に食らわせていることを証明するには充分だった。
血が出ている前頭部を抑えながら私はまた立ち上がった。
さっきまでとは違い、周りにヤジウマはいなくなったし、アバランチクローを投げつけることもできる。 しかしそんなことをしてアバランチクローが撃ち落とされてしまったら私は無防備なまま、またあの触手に攻撃されてしまう。
次にあの二本の触手で攻撃されるとこの頭の怪我どころではないだろう。
『撤退してください!!!』
耳元でフレーヌさんの声が響く。
その言葉とほぼ同時にクラーケギルディも私に話しかけてきた。
「そんな状態でもまだ立っていられるか。あやつが惚れ込んだ理由が少しわかった気がするな」
こいつ、アルティメギルのくせに人間の親みたいな表情したな。
「これまでだ」
「なっ!?」
そう言うと、なんとクラーケギルディはくるりと後ろを向き歩いていく。
「何処に行く気!?」
私はあらん限りの大声でクラーケギルディを呼び止めた。
歩みを止め私に向かい合い、クラーケギルディは話しだした。
「傷を負わせてしまったことを詫びろう。 そしてシャークギルディやその部下たちにも私は詫びなければならん」
クラーケギルディはなお続ける。
「それに貴様はもう限界のはずだ。 今の貴様では私を倒すことは不可能だ。 いつかまた、貴様が成長し、相見える日を楽しみしている」
そう言い残すとクラーケギルディは再び私に背を向け漆黒の闇が見えるゲートを生成し、姿を消した…。
ポツンとその場に残る頭から少し血を流す私、テイルホワイト。
くそっ、負けた。
見事に完敗した……。
テイルホワイトが……私が…ボコボコにされた…。
「ああああああああああ━━━ッ!!!」
自分への怒りと情けをかけられた事への情けなさで目の前の地面に拳を叩きつけていく。
四、五発拳を叩きつけたところでやめ今度は魂が抜けたようにその場に仰向けで寝転び、空を眺める。
エレメリアンをアルティメギルのことを弱い、弱いと思い闘っていた私が━━━。
一番、弱かったのだ。
◇
クラーケギルディは基地に戻ると大ホールへ向かい歩いていく。
テイルホワイトを傷物にした事を皆に詫びねばならないと思いながら。
大ホールに近づいたところでクラーケギルディは誰かに呼び止められた。
「シャークギルディか」
「お見事な闘いぶりでした。あのテイルホワイトが手も足も出ずに完敗した…。流石です」
シャークギルディはクラーケギルディを特に攻める様子もなく、ただ見事だったと言うだけだ。
しかし、次にシャークギルディから衝撃的な出来事が語られる。
「ドラグギルディ様がある世界の戦士によって敗れました」
「何!? 誠か、それは!?」
ドラグギルディ、アルティメギル幹部誰もが認める選ばれし正真正銘のツインテール属性の戦士が、ある世界のツインテールの戦士に敗れた。
ドラグギルディを知る者からすれば全く信じられない話だった。
「そこでクラーケギルディ様の部隊をドラグギルディ部隊に合流させよとの報告がありました」
「ぬう、ドラグギルディを倒すツインテールの戦士か…。もしかすると私でさえ、敵わない相手やもしれぬ」
テイルホワイトを圧倒し、敗北させたクラーケギルディをも凌駕する可能性のあるツインテールの戦士。
これほどクラーケギルディを奮い立たせる物はない。
「今から合流に向かう。 シャークギルディよ、そなたならこの隊をまとめ上げ、あのテイルホワイトを倒す事もできるであろう。 遥か遠くの地で朗報が届くのを楽しみにしている」
「クラーケギルディ様…」
クラーケギルディは誰よりも自分の弟子を部下を大切にする偉大な上司だ。 彼の羽織っているマントも彼の隊の部下から授かった物である。
「テイルホワイトの事は誰にも言わないでおこう。 何処ぞのデカイトカゲなどが目をつけるやもしれぬ」
そう言い残すと大ホールとは反対側の通路に向かってクラーケギルディは歩いていく。
「先生…ご武運を!」
去って行くクラーケギルディを見送りながらシャークギルディは初めて、ツインテールと貧乳以外で胸に熱く、熱く来る物を見つけた。
「BL……いいわぁ…」
シャークギルディとクラーケギルディから離れたところで二人の話を聞いているエレメリアンがいた。
ピンク色の体にウーチンギルディほどではないがトゲトゲしい体をしたエレメリアンはドラグギルディの訃報には目もくれずシャークギルディとクラーケギルディの絡みを鮮明に脳内に記憶し、廊下から消えていく。
「びーえるっ♪びーえるっ♪」
長い長い廊下には何処までもその恐怖の歌が反響し、聞こえていた。
◇
クラーケギルディは旅立つ移動艇の中、テイルホワイトについて考えていた。
そして移動艇の操縦をしているエレメリアンに向かって話しかける。
「私はテイルホワイトに相見える日を楽しみにしていると語ったが、それは叶わないかもしれぬな」
クラーケギルディの言葉にすぐさま部下のエレメリアンは反応し、言葉を返した。
「テイルホワイトが成長せずにやられてしまうのならそこまでの戦士だったということでは?」
部下の言葉が少しだけ沈黙を生むがすぐにクラーケギルディはフッと笑い、部下に返す。
「ああ、そうだな」
遥か遠くの世界に旅立つクラーケギルディは一体何を考え、そう言ったのか、分かるものは本人以外誰もいない。
みなさんどうも、阿部いりまさです!
7話でとうとう原作組のクラーケギルディとの対戦です。
結果は小説の本文通りですが…。
これからしばらく原作組とはお別れかと思いますが、登場させる構想はありますのでどうかお楽しみに!
それでは。