テイルホワイト・マキシマムチェインがブレイクレリーズする事で発動する必殺技。 マキシマムバイザーから発射される強化されたオーラピラーで相手を拘束。エクセリオンブーストから属性力を放出させホワイトを空中へ浮遊。合体させ一つとなったアバランチクローユニバースを右脚へと装備。 エクセリオンブーストとアバランチクローユニバース同時に属性力を噴出し、相手へ蹴撃を繰り出す。
前後、上下、左右……あらゆる方向からエンジェルギルディへ向かってクローユニバースを叩きつけていく。
今、私は自分の全てを出しきって闘っている……それなのに攻撃がまったく当たらない。
「どうしまして? 続けてもかまいませんのよ」
マキシマムチェインの特性で疲れはしないものの、こうも当たらないと精神的にキツイものがあった。
それにマキシマムチェインになることで大きなメリットがあるぶん、デメリットも存在する。
私が強化形態でいる限りバイザーからは属性力が放出され続けるが、あまりに長い闘いになると身体が悲鳴をあげてしまうのだ。
つまり、マキシマムチェインでの長期戦はなるべく避けるべきであり、そうなると次の手段は……。
「ワタクシも少しくらい宜しいのでしょうか?」
「なっ!? つああっ!!」
思考を巡らせている最中、エンジェルギルディが素早く眼前へと移動し強烈な回し蹴りを繰り出す。
一瞬の出来事に反応出来なかった私は蹴りをモロにくらい、岩肌へと強かに打ちつけられた。
岩肌にめり込む形になった私へと、再びエンジェルギルディは近づいてくる。
「うっふふ、ワタクシは知っていますのよ。 貴女が使うその力……時間が経つほど強力になっていくのでしょう?」
初めてバイザーを使ったセドナギルディの時から、今日までの闘いでエンジェルギルディはバイザーの特性を完璧に把握していた。 それはメリットだけの事では留まらず……。
「ただ、長くはその形態でいられないご様子。 貴女ご自身の身体が耐えられなくなってしまうのですわね」
「ふん。私だってね……最初の頃よりかはこの力に慣れてきてるし、あんたの思う通りにいくかなんてわからないかもよ」
ここはブラフをかましておくしかない。
確かにバイザーを使い始めた頃よりかは、私の身体が適応してのことなのかマキシマムチェインでいられる時間は長くなった。ただ、エンジェルギルディの言っていたことは真実であり、私は長期戦に持ち込まれると一歩間違えれば自滅しかねないのだ。
周りの岩を砕いて岩肌から抜け出すと、再びクローユニバースを構える。
「ワタクシは人間の身体に傷を……お嬢様の身体に傷をつけるのを良しとしない性格ですの」
「重い蹴りくらわしといてよく言える……。 第一、私はお嬢様なんかじゃないって」
前にも確かエンジェルギルディはそう言っていたが……一体私の何を見てそう思ったのか甚だ疑問だ。
「ええ、今の貴女はワタクシの前に立ち塞がる戦士ですもの。 なので、一般人に戻してさしあげますわ」
「どういう……!?」
突如として目の前からエンジェルギルディの姿が消える。それを認識したと同時に背後から奴の手が伸び、右のクローユニバースを弾き飛ばされてしまった。
「貴女の力の源はこのパーツですわね」
右手の、マキシマムチェインの要たるマキシマムバイザーを掴みエンジェルギルディは不敵に笑う。
エンジェルギルディはバイザーの特性だけではなく、バイザーが弱点という事もお見通しだった!?
「ワタクシと闘えなくなれば、貴女も観念して属性力を頂けると思いますの」
そう言いってからエンジェルギルディは腕に力を込めると、バイザーから火花が散った。
このバイザーが壊れたら私は二度とマキシマムチェインに変身できなくなってしまう……だから、そうはさせない!
「オーラピラー!!」
刹那、掴まれたバイザーから放たれたオーラピラーはエンジェルギルディを捉える。一瞬できた隙を見逃さず、私は素早くその場から跳躍した。
一応拘束はできたみたいだが、エンジェルギルディは余裕のある表情を見せた後、すぐにオーラピラーを破壊してみせる。
最初はなんとか必殺技を撃ち込むチャンスを狙ってはいたが、今のままでは拘束時間が短すぎて……おそらく避けられてしまうだろう。
ここはやはり、なんとか私の攻撃を当てて弱らせる必要があるようだ。
「……解せませんわね」
「は?」
大きくため息をつき、両の手を腰に当ててエンジェルギルディはボソッと呟いた。
「今までの闘いの中、貴女は何度も''ツインテールは嫌いだ''と仰ってきたではありませんの。それなのに、何故貴女はツインテールのためにそこまで闘えますの? ワタクシには少しもわかりませんわ」
ツインテールが嫌い、か。 確かに何回この言葉を言ったかはわからない。それは事実であり、今でも私はツインテールが嫌いだ。
嵐を振るきっかけになった事も、私たちをこんなくだらない闘いに巻き込んだ事も、それを狙うおかしな変態どもが現れた事も、全部全部ツインテールが元凶なんだ。やはり、私はツインテールが嫌い。
「そんなの……」
だけどツインテールは、嫌なこと以上に私に幸せをくれた髪型でもある。
ツインテールを通じて色々な人と出会った。
私が闘う事になった時、一緒に闘うと言ってくれた志乃や嵐。アルティメギルを潰すためにレールを敷いてくれた黒羽。 異世界の戦士である総二。
そして私のサポートを欠かさずしてくれたフレーヌ。
皆に出会えた奇跡を起こしてくれたのは紛れもなくツインテールのおかげだ。
「照れ隠し……みたいものに決まってるでしょ」
「……なるほど。それでは今一度、問いますわ。 貴女にとってのツインテールとは何かを」
私にとってのツインテール……そんなの決まってる!
「私のツインテールは……あんた達を倒すという''無限''の思い! この星の''
再び右手にクローユニバースを装着させ、エンジェルギルディに向かい疾駆する。
「随分と欲張りですわね!」
まだまだ、言い足りないぐらいだ。
私のツインテールはこんなものじゃない!
先程までの闘い方をやめ、今度はクローユニバースで攻撃を仕掛けつつ時折蹴りを繰り出した。
いくら最終闘体とはいえ、クローユニバースをまともにくらえば大きなダメージを避けられないはず。 そうでなければ今まで避ける必要などなかったのだから。
クローユニバースに気を取られていたエンジェルギルディの脇腹あたりに、一発蹴りを入れる。
「その程度で……!」
大きなダメージには至っていないだろうが、今はそれでいい。 少しでも体力を減らせれば私たちの勝利は近くなるに違いない。
クローユニバースと蹴り、稀に頭突きを交えながら私は叫ぶ。
「人間は……女の子は複雑な生き物なの! 嫌いだって言ったらそれはもう好きって言ってるようなもんなんだから!! 言葉を裏を読むくらいできないとあんたモテないよ!」
「本当に面倒な生き物ですわ」
ほんとうにね。自分でもそう思うくらいだ。
再び蹴りをお見舞いし、怯んだその隙を狙って背後へ回り込むと上段から目一杯の力を込めてクローユニバースを振り下ろす。
少しずつだがダメージを与え続ける事はできた。 さすがに最終闘体といえど、この攻撃を受ければ大きなダメージは免れない筈だ……!
振り下ろしたその時、周囲に鈍い音が反響する。
確かにエンジェルギルディへと当たった……当たったのだが、
「え!?」
クローユニバースはエンジェルギルディの頭を包む、薄いヴェールによって弾かれてしまっていた。
カーテンのようになびいていながら、鋼以上の硬さを持つヴェールはエンジェルギルディに傷一つつけることを許さなかった。
「お強いですわ……お強いですわね! ですけれど、ワタクシには遠く及びませんことよ」
クローユニバースが弾かれたことで無防備となった私の周りに、いくつもの魔法陣が出現する。 間髪いれずに全て弾け飛び、無数の光線が私に向かってくる。
「
空中では避ける事もままならず、重い光線の一つ一つが私の身体に被弾していった。
「くぅ……!」
数えることが出来ないほどの光線を受け、地面へと背中から叩きつけられる。
天を見上げれるとエンジェルギルディが進化した大きな翼で浮遊した後、右足を突き出して急降下をはじめた。
痛みを耐えながらなんとかその場から避難すると、先程までのいたところが陥没し、大きなクレーターが作られる。 その中心にいるのは、まるで隕石が落ちたような衝撃を与える蹴りをしたエンジェルギルディ。
さながら必殺のキックといったところだが、もちろん私はくらいたくないものだ。
「あらあらあら……先程までの勢いはどちらに行かれまして?」
最高にムカつく皮肉を言いながら、エンジェルギルディは優雅にクレーターから登ってきた。
(マキシマムチェインになってから随分と経って、私の強さも相当なはずなのに……!)
だんだんと焦りが先行してきて冷静な判断ができなくなってきていた。
このままではエンジェルギルディを倒す前に私の方がタイムリミットを迎えてしまう……一体どうすればいい……!
無造作に繰り出すクローユニバースと、計算された拳がぶつかり合い、周囲をの岩は浮き弾け飛んでいく。
「所詮はその装甲も、アルティメギルによってもたらされた科学にすぎませんわ! 貴女のツインテール属性がいくら高まろうとも装甲はそれにはついてはいけませんのよ!」
残っていた左のクローユニバースを弾かれ、素手の私に繰り出してきたパンチを両の手でなんとか抑え込む。
「確かに元はアルティメギルの力に変わりないかもしれない」
「よくわかっていますわね……!」
「だけどね!」
パンチを抑えていた腕を滑らせて二の腕を掴むと、柔道の一本背負いのようにエンジェルギルディは投げつける。
不意のことで焦った様子を見せたが、エンジェルギルディなんなく着地し今度は翼を広げて飛行しながら接近してくる。
「フレーヌやみんな、カエデの力があってこその私のテイルギアなの! アルティメギルのなんかよりもずっと強力なんだからあぁぁぁぁっ!!」
あらん限りの声をあげ、私もエンジェルギルディに向かって地面を蹴り砕き走りだす。
武器を使わずの肉弾戦は熾烈を極めた。
だが……本気の本気で自分の体を使って攻撃を繰り出す私に対して、エンジェルギルディが余裕ある表情を浮かべていたのを私は見逃さなかった。
◇
テイルシャドウ対強化アルティロイドの闘いの状況は、まったく変わらないままだった。
倒しても倒しても湧いて出てくる強化アルティロイドにさすがのシャドウも疲労の色を隠せなくなっていく。
四方から一斉に襲いかかってくる強化アルティロイド。 それを斧と剣を握り回転ざまに斬りつけ、一気に殲滅するシャドウ。
これと同じような光景を、ホワイトを先に行かせてから何十回も試行していた。
「このアルティロイド……並みのエレメリアンよりも戦闘力あるわね」
『無策に突っ込んでくると見せかけて、アルティロイドは陣形を組み黒羽さんを翻弄しようとしています!』
「だったら、私が逆に翻弄してやるわ!」
シャドウは迫り来る戦闘員目掛け、ジャックエッジを投げつけるのと同時に反対方向へと走りだす。
「一度きりのとっておきよ」
充分距離をとったところでノクスアッシュトリリオンをブレイクレリーズさせ、光の刃を形成させる。 そして、先程投げたジャックエッジに向かって斧を同じように投げつけた。
斧と漆黒の剣がぶつかり合ったその時、その場で黒いドームが形成され周囲のアルティロイドはどんどん吸い込まれていく。
アルティロイドを吸い込むたびに大きくなっていき、小さな山ほどの大きさになった黒いドームはシャドウが指を鳴らすと跡形もなく消え去った。 吸い込まれたはずのアルティロイドどともに。
『いつのまにそんな技を……』
「一対多勢も想定していたわ。 セドナギルディと闘ってそういう技も必要だと実感したも……っ!?」
『黒羽さん!?』
突如としてシャドウの身体のパーツが激しく放電して弾け飛ぶ。次に、胸に被せていたアンリミテッドブラが外れノーマルチェインへと戻ってしまった。
「かなり自分に負担がかかる技なのよ……。あまり使いたくはなかったのだけれど、しょうがないわ。 それよりホワイトはどうなの、やられてないわよね?」
肩を抑えながら立ち上がり、ホワイトの様子を伺うシャドウ。
『エンジェルギルディと互角……いえ、正直言って奏さんはかなりしんどいと思われますが……。今私が余計なことを話したら集中が途切れてそれこそ危険かと思いまして……』
「なるほどね。 すぐに私も向かうわ」
肩で息をしながらホワイトの元へと急ごうとするシャドウだが、目の前の黒い壁にそれは止められてしまった。
『まさか、まだ……!?』
崖の上から滑り降りてくる強化アルティロイドの数々。
それを見たシャドウは舌打ちした後、フォースリボンを叩いてノクスアッシュをその手に握り締める。
「モケ━━━━イッ!!」
いつもより低い声を出し、突貫してくる強化アルティロイドを両手で持った斧で斬りつける。
今のシャドウはノーマルチェインであり強化形態ほどの力を出しきれずに闘っていることで、ジリジリと追い詰められていく。
「フレーヌ、この状況やばいわよね?」
『なに悠長なこと言ってるんですか! ヤバイですよ! 今有効な作戦を考えますから少し時間を……』
「必要ないわ」
目の前にいた強化アルティロイドを叩き斬ると、シャドウは手にしていた斧を投擲する。
斧に当たった物は吹き飛び、大ダメージを与えることができたものの、シャドウの手元にはもう闘うための武器は残っていない。
「ホワイトが奇跡のツインテールを誕生させておいて……私にそれは無しとは言わせないわ」
『お待ちください! 黒羽さんがエレメリンクする事は……!』
「私はツインテールから生まれたんだから、他の属性力を使うつもりなんて微塵もないわ!」
ある考えを頭の中に描きながら、シャドウは強化アルティロイドの海へと飛び込む。
逃げ場のない戦場で、シャドウは迫り来る敵へ向かって利き腕の左でパンチを繰り出していく。
基地でその様を見ていたフレーヌは、シャドウが右手を敢えて使っていない事に気づいた。
『黒羽さん、まさか腕を痛めているんですか!?』
「違うわ、願ってるのよ」
言葉を理解できず、困惑するフレーヌ。
言葉通りシャドウは願っていた。右手のテイルブレスの中に眠るかつての自分……オルトロスギルディの属性玉に向かって。
(もし私を許してくれるなら、お願い。あなたといた時の力を……オルトロスギルディだった時の力を私に貸してちょうだい!)
属性玉にエレメリアンの意志が宿ることがないことは既に知っている。
これは鼓舞。自分を鼓舞し、今以上の力を出すための切っ掛けを作り出そうとしていたに過ぎない。
しかし、最終決戦のこの場でシャドウも予想していなかった奇跡が起きた。
「これは!?」
テイルブレスから黒い粒子が溢れ出し、周囲の強化アルティロイドを包み込むと次々と爆散させていく。
『テイルギアに異常が起きています!すぐに退避して変身解除してください! 黒羽さんの体に悪影響が出るかもしれません!』
シャドウのギアを開発したフレーヌが、まったく想定していない事態を受け、変身解除を訴えるがシャドウは動こうとしなかった。
「平気よ、フレーヌ。だってこれは私自身の……オルトロスギルディの力だもの」
シャドウはテイルブレスから溢れる粒子を懐かしみ、優しい笑顔を浮かべる。
その優しい笑顔を見たフレーヌはなにも言わず、事の成り行きを見守るのがベストだと判断する。
シャドウはテイルブレスを頭の上に掲げ、溢れ出る黒い粒子を体全身へ浴びていく。
「ありがとう、オルトロスギルディ」
テイルブレスを見て、シャドウが一言呟いたとき……。
『愚妹の世話も面倒なものだ』
確かに聞こえたかつての自分の本体の声。思わずシャドウは吹き出してしまった。
「ええ……」
黒い粒子がテイルギアに溶け込み、シャドウの体に力が漲っていく。
テイルブレスをつけていた体の右側の装甲が変化。 右肩に右腕、右腰に右足と、鋭く禍々しい装甲が追加生成されていく。 左右非対称のシルエットとなった仕上げに、右半身のみカラーリングが変化。漆黒の色に赤いラインが入ったデザインとなった。
「頼らせてもらうわよ。お兄様っ‼︎」
ツインテールを形成する右側のフォースリボンの変化を最後に、シャドウの再変身は完了した。
右半身の姿だけ見ると、かつて彼女がアルティメギルに属していた時に着用していた鎧と瓜二つだった。
かつての自分と今の自分を掛け合わせた姿から放出される属性力の嵐が戦場を駆け巡る。
『テイルホワイトが属性力同士を融合させエレメーラフュージョンとするなら……こちらは自分との融合、その名も!』
「━━━━オルトロスフュージョン、ね」
フレーヌの言葉を遮って、名乗りを上げたテイルシャドウ・オルトロスフュージョン。
ホワイトが発動させたエレメーラフュージョンの時間制限を覚えていたシャドウは自分も長くは形態を保てないと判断し、すぐに行動に移る。
変化した右のフォースリボンに触れると、手の中に漆黒の粒子が集まり、その手にジャックエッジが出現する。 オルトロスギルディの力を取り戻したことで、ジャックエッジは本来の太刀の大きさになっていた。
「はあああああああっ!!」
自分の背丈以上にもなる漆黒の剣を振り下ろし、目の前に広がる強化アルティロイドの海を真っ二つに分断した。
大地を揺るがすその一撃で、数十体の強化アルティロイドを一斉に跡形もなく一瞬で消し去る。
『凄いです。単純な力のみでいえばアンリミテッドチェインを凌いでいます……!』
事実、一撃で倒せなかった強化アルティロイドを、オルトロスフュージョンの状態ではジャックエッジを振るった余波のみで沈めていく。
確かな手応えを感じ、自信に満ち溢れた表情を見せるシャドウ。
「当たり前よ。私自身の力とフレーヌの技術が合わさった最高の形だもの。 それに、あなたもね……」
ただ一人の部下であり、自分を助けてくれたフェンリルギルディが脳裏に浮かぶ。
アンリミテッドブラを顕現させ、中央で分割させると胸の上に被せるのではなくジャックエッジの鍔へとジョイントさせた。
「これが……私たち四人のツインテールッ!!」
形の違う双方の武装が全展開しツインテール属性の粒子を周囲にほとばしらせる。
「ブレイクレリーズ!!」
ジョイントされたアンリミテッドブラに導かれるように、ジャックエッジが眩い閃光を放つ。その中から伝説の怪物であるオルトロスとフェンリルのオーラが現れ、強化アルティロイドを攻撃していった。
オルトロスとフェンリルがシャドウの元へ戻りジャックエッジに取り込まれ、必殺の一斬を決める準備が整った。
今までに手にした全ての力を集結させ、この形態で披露される最初で最後の必殺技。
「アルカイック!! クライシスゥ━━━━━━━━ッ!!」
振り下ろされた審判の刃が数百の強化アルティロイドを包み込んでいく。
次にシャドウが辺りを見渡すと、先ほどまで大量にいた敵は一体もいなくなりウラル山脈の雄大な自然が広がっていた。
オルトロスフュージョンが解けると同時に変身まで解除され、速水 黒羽はその場に仰向けに倒れこむ。
『黒羽さん!?』
「大丈夫、少し……疲れただけよ」
胸を上下させ息をする黒羽は満足げな表情で目を瞑った。
優しい風が頬を撫で、気持ち良さを感じていたシャドウだが日常では聞き逃すほどの小さな音を感じとり上体を起こす。
背後を振り返り、ホワイトとエンジェルギルディが闘っているであろう岩山の頂上を見つめた。
「休んで……られないわ……ね……」
『黒羽さん!?黒羽さん!!』
一度立ち上がり、数歩歩いたところでシャドウは膝から崩れ落ち、変身解除と同時に気を失ってしまった。
「黒羽さん、しっかり!」
フレーヌも基地から戦場へと降り立ち、倒れた黒羽へと駆け寄る。
フレーヌの必死の呼び掛けも、黒羽は反応せずに目を瞑ったままだった。
物語もいよいよ大詰め……クライマックスを迎えています。
最終決戦なのでボリュームのある闘いにしたいなと思いつつもなかなか難しいものですね。
それでは、次回もお願いします!