私、ツインテール戦士になります。   作:阿部いりまさ

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ペルセウスギルディ
身長:285cm
体重:444kg
属性:双子属性(ツインズ)

元、アルティメギルに所属のエレメリアン。姿を消してテイルホワイトとリアルミーティアの戦闘を観察していた。自身に満ち溢れ、その強さは本物で自らがエレメリアンの『英雄』となることを目指している。以前はアルティメギル四頂軍にも所属していない一般兵であったが、複数のエレメリアンに目をかけられて修練を受けたことで実力をつけていった。


ADDITIONAL FILE.5 禁断のツインテール宣戦

 私とテイルシャドウで力を合わせて、ようやくリアルミーティアを倒すことができた。

 リアルミーティアに変身するためのステッキは破壊し、私は再びこの世界の属性力を守ることができたのだと思った。

 あとはリアルミーティアが私たちと戦う前に奪った属性力を返してくれればそれでよかった。

 しかしそんな私の考えを嘲笑うかのように、変身が解けたリアルの姉の後ろから、空間を歪ませて現れたのは――。

 

双子属性(ツインズ)の……ペルセウスギルディ⁉︎」

 

 二メートルを優に超える銀色の体躯。神から授けられたことを証明するかの如く、輝く装飾。それを隠すように蛇を型取ったマント。鳥の翼のような特徴的な造詣が目を引く兜。そしてわかりにくいが、左手についているのは鏡のように映るものを反射する盾。

 威圧感もそうだけど、見た目で確信してしまう。

 このエレメリアンは別格だ。アルティメギルが残っていれば確実に幹部クラスだろう。

 

「ペルセウスギルディ……聞いたことないわ」

 

 どうやらシャドウもこのエレメリアンは知らないらしい。

 エレメリアンではないけど、ペルセウスという名前に私は聞き覚えがある。

 よく知られているのは空に浮かぶ星座のペルセウス座だろう。夏になると流星群が見れることでよくテレビでも話題になる。そう、ペルセウス座流星群が見られるのはちょうど今の時期……なんて間が悪い。

 あとはギリシャ神話とかで聞いたことがある気はするけど、私はそれぐらいしか知らなかった。

 

「当たり前だろうが。この世界に来るのは初めてだし逆に俺のこと知ってたら怖えだろ」

 

 威圧感のある見た目とは裏腹に、ペルセウスギルディはえらくフランクに話してきた。

 なんだろう……少しだけ拍子抜けする。

 ただ、どうやらペルセウスギルディはシャドウが元オルトロスギルディであることは知らないらしい。

 

「ていうか、あんた。計画の途中っていったい何のこと。それにそれに今まで隠れてたんならどうして今出てくるの⁉︎」

「ああ、なんか説明すんのも怠いな。言わなきゃダメか?」

「言わないなら、あんたを倒す。言ったとしても場合によっては倒す」

「おお、怖えな」

 

 ペルセウスギルディは口に出してそうは言うが、私とシャドウのことをまったく怖いなどとは思ってないだろう。

 

「俺はリアルミーティアに力を貸してやったんだ。ツインテール属性を集めるためのな。俺たちは相棒(バディ)なんだぜ? 相棒(バディ)が危ねえ目に会ってたら助けにくるだろ? だから俺は姿を見せてやったのさ。これで満足したか、テイルホワイト」

「誰がエレメリアンなんかと組むものか! 君の力を私が利用させてもらってただけだ!」

 

 どうやら姉とペルセウスギルディには認識に齟齬(そご)があるらしい。

 ただ、彼女とペルセウスギルディの話を聞いてわかったことがいくつかあった。

 リアルミーティアが属性力を奪うために使っていた光輪はエレメリアンが使っていた物と同じだった。つまりあれはペルセウスギルディのもの。

 そしてもう一つ、自分一人で双子を演出したあの力。どう考えても人間業ではなかったけど、エレメリアンならそのような能力があってもおかしくない。あれもペルセウスギルディの技だったんだ。

 

「偽リアルミーティア、この際だから言っておくぜ。俺はお前の世界の属性力なんてどうでもいいんだ。上手く俺の力を使ってた気になってるが、お前は俺の手のひらの上で転がされてたんだな」

「なに⁉︎」

「俺はエレメリアンの英雄になるが人間の英雄になる気はさらさらないんでな。俺は別にお前を騙す気はなかったんだが、絶望してたお前が勝手に勘違いしてたってわけだ」

「何を……言っている……?」

「わかんねえのか相棒。俺が力を貸したのはツインテール属性を集めるためだ。心苦しいが、別にお前たち双子とその世界を救済するためじゃなかったってことだ。お前が奪ったツインテール属性は有り難く貰い受けたぜ」

「そん……な……⁉︎」

 

 それでは、彼女が妹のリアルや世界のためにやっていたことはまったくの無意味だったことになってしまう。

 ただ、少し意外に思うこともある。

 ペルセウスギルディは先ほどの言葉の中で『心苦しい』と言っていた。つまり自分のしていることに多少の罪悪感を抱いているということだろう。

 ペルセウスギルディは完全に邪悪な存在ではないと、言えるかもしれない。

 

「つーわけだ。俺が英雄になるために、この世界で奪った属性力は返せねえ。それとテイルホワイトとテイルシャドウ、お前らの属性力も頂くぜ」

 

 そうは言ってもやはりエレメリアンだ。

 この調子では説得しても無駄だろうし、やはり戦うしかないか。

 ペルセウスギルディが右手を掲げると……現れたのは柄はそれほど長くないものの、刀身は長く鎌のように大きく湾曲する変わった形状をした刀だった。

 

「そのまんまだがな、俺の愛刀の名はハルパー! こいつは凄いぞ。どんな相手にだって通用する!」

「自信があるわね。神様である自分の愛用する武器だからかしら?」

「はは、俺は自分をそんな高く買っちゃいねえよ。四頂軍のどの部隊にも所属できなかった落ちこぼれだからな」

「へえー、威圧感は凄いけど」

「わかるかテイルホワイト。今の俺があるのは同胞によるものだと言っても過言じゃねえ。ハデスギルディやメデューサギルディには世話になったぜ。こいつらに顔向けできるよう、必死で鍛えたからな!」

「ハデスギルディにメデューサギルディですって⁉︎」

 

 会話の中で出てきたエレメリアンの名を聞いて、シャドウは驚きを隠せずにいた。

 知り合いか、もしくは名前を聞いたことがあるのだろう。

 ハデスにメデューサ……強そうな名前だ。おそらくは神の一剣(ゴー・ディア・ソード)のエレメリアンだろう。なんとなくメデューサギルディというのは聞いたことがある気がするけど、気のせいだろうか。

 

「さて、無駄話もそろそろ終わりにしようぜ? 今もツインテール属性に飢えている仲間が大勢いるもんでな。一刻も早くアルティメギルを復興しなきゃならねえ」

 

 そう言うと、ペルセウスギルディは体勢を低くして、鏡のような盾の後ろでハルパーと呼ばれる武器を構える。

 私たちも武器を構えると、まず最初に動いたのはシャドウだった。

 ノクスアッシュで斬り上げようとするも、ペルセウスギルディは迷わず盾で防御する。もちろんダメージが入った様子はない。

 私は後ろへと回りこみ、クロー突き出す。しかしこちらはハルパーにより止められてしまう。

 

「二体一は悪くねえし燃えるが、どうせなら俺の力見せてやるよ!」

 

 瞬間、ノクスアッシュを受け止めていた盾が発光する。

 そしてなんと、反射して盾に映り込んでいるシャドウが飛び出してきた。

 

「わ、私⁉︎」

「今日からお前たちは双子だ! 仲良くしやがれ!」

 

 盾から出てきた偽シャドウはシャドウとよく似ているが、よく見たら容姿が反転している。

 シャドウは左手にノクスアッシュを持ち、偽シャドウは右手にノクスアッシュを持ち、反転させただけでそれ以外はまったく同じ攻撃を互いに仕掛けていく。

 

「私には既に双子みたいな兄がいるのだけど!」

「おお、マジかよ! 異性の双子も趣き深くていいよな‼︎」

 

 オルトロスギルディのことだろう。

 しかしシャドウが双子だと知ったときのペルセウスギルディの顔よ。めちゃくちゃに嬉しそうにしてる。

 

「さてと……」

「い、やばっ⁉︎」

「おっと悪いな。この盾から出せるのは一人だけでな。テイルホワイトにも双子を作ってやりたいんだが、また今度にしてくれ!」

「いらないしっ!」

 

 シャドウたちの戦いをみて、満足そうに頷いたペルセウスギルディがこちらを向いた。

 盾が私を映したので思わず顔を隠してしまったけど、どうやらペルセウスギルディの言う通りらしい。盾に映る私が、その盾から出てくる様子はない。

 私は私と戦う心配をする必要がないなら、ただひたすらにペルセウスギルディに攻撃するだけだ……!

 

「エレメリンク! トライブライドからの、ブレイレリーズ‼︎」

 

 相手が人間なので今まで必殺技を使うのは控えていたけど、エレメリアン相手なら気にする必要もない。

 フロストバンカーの三門の砲から放たれた光線が、ペルセウスギルディへ三つ編み状に絡みながら迫っていく。

 

「見事な三つ編みだ! だがな、俺には通用しねえよ‼︎」

 

 ペルセウスギルディを見ると、まるでこの戦いを楽しんでいるようだ。

 三つ編み光線が直撃する直前、左の盾を突き出しそれを防御する。後ろに交代することもなくその場で耐えている様子を見て、ペルセウスギルディの実力が窺い知れた。

 通用しないというのなら、しっかりと受け止めてもらおうかな!

 

「クレバス! ドラーイブッッ‼︎」

 

 背中のブースターから属性力を放出して光線を辿り、ペルセウスギルディの懐へと潜り込んでの強烈な一撃。

 

「言ったじゃねえか、三つ編みじゃあ俺には届かねえよ‼︎」

 

 フロストバンカーを叩き込む寸前にペルセウスギルディは盾を引っ込めると、右手に持つハルパーで応戦。

 フロストバンカーとハルパーがぶつかり合い、火花を散らす。

 ペルセウスギルディの協力な力と、ハルパーの頑丈さに耐えきれなくなったフロストバンカーは全体から紫電を放ちはじめ、遂にはバラバラになってしまった。

 

「おら、もう一回行くぞ‼︎」

「くっ……エレメリンク! ブライニクルスラッシャアアアアア‼︎」

「そんなんじゃ俺は止まらねえぞ‼︎」

 

 ポニーテールになり必殺技を繰り出す。しかしペルセウスギルディが力任せに振るうハルパーに、フロストバンカーと同様ブライニクルブレイドも粉々になってしまう。

 唖然とする私はペルセウスギルディの蹴撃を避けることができずにもろに食らうと飛ばされ、海中へ落とされてしまった。

 さすがは幹部クラスのエレメリアンだ。戦闘の腕も、シャドウを苦戦させる特殊能力も、その他大勢のエレメリアンとは比較にならない。

 海底へ沈んでいきながら、次の手を考える。

 フロストバンカーもブライニクルブレイドも、もはや自動で修復できるレベルじゃない。武器が使えない以上、エレメリンクを使わずツインテールへと戻ったほうがいいだろう。

 海底に足をつき力を入れて浮上、一気に海面から飛び出すとエレメリンクを解除して髪型をツインテールへ戻す。

 

「力の差は明確だが、まるで心が折れてねえ。すげえなお前は!」

 

 私が着地すると同時にペルセウスギルディはこちらへ詰め寄ると、三度(みたび)ハルパーを振り上げた。

 アバランチクローを装備し、頭上から振り下ろされたそれをなんとか防御する。

 空気が震えるような一撃。その衝撃で、両足が地面にめり込む。

 やはり重い。クローで防御できたとはいえ、腕への衝撃はかなりのものだ。

 

「さすがだぜ、テイルホワイト。アルティメギルを追い返しただけの実力は確かなようだ」

「褒めてくれるならツインテール諦めて帰ってくれない? それとこのハルパー早くどかして……!」

「そうはいかねえよ。英雄を待ってる同志がたくさんいるんでな。そろそろガチでやらせてもらおうか‼︎」

 

 まさか、今までは手を抜いていたというの⁉︎

 それを裏付けるかのように、ペルセウスギルディは全身からオーラのようなものを放つ。するとハルパーから伝わる力がより一層強くなり、やがてアバランチクローが放電しはじめる。

 まずい、このままクローも壊されてしまっては本当に太刀打ちできなくなってしまう……!

 クローを壊すわけにはいかないが、ペルセウスギルディから逃れることもできない。

 シャドウも偽シャドウの対応でいっぱいいっぱいだ。

 懸念してはいたものの、防御することしかできずにいると、やがて放電していたクローはハルパーに耐えきれずに叩き割られてしまう。

 

「くっ、オーラピラー‼︎」

 

 頭上へと迫るハルパーを前にオーラピラーを地面に放ち、間一髪で攻撃を交わすことに成功する。

 

「逃がすかよ‼︎」

 

 ペルセウスギルディはすぐに反応し、ハルパーをまるでブーメランのように放る。

 上半身を反らしそれを交わすが、起こした時には目の前にペルセウスギルディの盾が迫っていた。

 

「くぅ⁉︎」

 

 腕を交差させるが、今の私にはそれを完全に防御できるだけの装備などない。

 腕への重たい衝撃を感じながら、私は地面を転がる。

 

「お前たちがリアルミーティアにやったことそのまんまだぜ? 俺は見ていたんだ。しっかりとその辺もケアしとかねえとな」

 

 ペルセウスギルディの手元にハルパーが戻ってくる。

 腕に力が入らない。

 このままじゃまずい……!

 このまま私が負けてしまったら……せっかくみんなで守り抜いた属性力が奪われてしまう。

 志乃にも嵐にも黒羽にも、そしてビデオレターで私への信頼を語ってくれたフレーヌも……みんなを裏切ることだけはしたくない……!

 腕の痛みを堪えながら、なんとか私は立ち上がる。

 右腕は痛くて使えないけど、攻撃するなら左腕でも右足でも左足でもできるんだ。

 どうにかしてやるとペルセウスギルディへ飛びかかろうと、その時。

 

「テイルホワイト‼︎」

「え」

「あ?」

 

 声が聞こえたかと思うと私とペルセウスギルディの間に棒が……いや、エモーショナルステッキが転がってきた。 

 思わず私も、ペルセウスギルディもおかしな声を出してしまう。しかし、投げた人物が誰なのかはすぐに理解した。

 

「それを使ってくれ! 今さら君の味方をするなんてバカな女だなんていうのはわかってるよ! だけど、これはバカな私が招いた事態なんだよ! 少しでも、私にも協力させてほしい……!」

 

 涙を流しながら訴える彼女を見てから、私は目の前に転がったステッキを拾い上げた。

 この事態は彼女が招いたこと、確かにそうだ。

 この世界の属性力が脅かされているのも、私が今痛い思いをしているのも全て彼女のせいかもしれない。だから私は先ほど、彼女に対してマジでキレたんだ。

 だけど、彼女の妹のリアルと世界の属性力を失った悲しみは……私はわからないけど相当なものだと思う。

 だからといっても、ペルセウスギルディの誘惑に負けてしまったのは絶対に反省すべきことに変わりはない。

 

「だったらしっかり反省して私に力を貸して。それからどうするかは、ペルセウスギルディを倒してから考えるから!」

 

 ステッキをくるくると回してから、その先をペルセウスギルディへと向けてそう伝えた。

 彼女の泣き声がここまで聞こえてくる一方、ペルセウスギルディは驚嘆の声をあげる。

 

「おいおい、お前一回騙されてんの忘れたのかよ。お人好しすぎるぜ」

「知ってる。でもあんたを倒すにはこれしかないから!」

「ほー、そんな壊れかけで何ができるってんだ」

 

 それはもちろん、あんたを……ペルセウスギルディを倒すことができる。

 彼女はエモーショナルステッキを作った張本人。つまりはフレーヌと同じ科学者かそれに近い人物。そんな人物がなんの考えもせずに、私にステッキを渡すなんて考えられない。

 

「さあ、私たちの思いに応えて‼︎」

 

 私たちの願いに呼応するかのように、ステッキが輝く。

 やがてそれは形を変えていき、光から解放された。そして形を変えたエモーショナルステッキから発せられる音声は。

 

SYNC MODE(シンクモード)

 

 今まさに、このとエモーショナルステッキが私のテイルギアに合わせて新たな力を引き出した。

 ステッキはなんと、マキシマムバイザーとよく似たものへと変形していた。

 

「……これが、プライムバイザー‼︎」

 

 プライムバイザーをテイルブレスへとジョイントすると、ダメージを受けていたテイルギアが回復し、私に新たな力をもたらした。

 装甲はマキシマムチェインとよく似ているが、所々に走るラインがエメラルドグリーンからシアン色に変わっている。一番の変化は装甲の下のアンダースーツがまるで宇宙をそのまま閉じ込めたような不思議な色をしており、それが足の先まで伸びてタイツのようになっていることだ。

 エモーショナルステッキのシンクモードで変形したプライムバイザーを使った強化形態、これこそ!

 

「テイルホワイト・プライムチェイン‼︎」

 

 私は堂々と名乗りを上げた。

 プライムチェインの姿を見て、開発者の彼女も目の前のペルセウスギルディも感嘆の声をあげる。

 

「この土壇場でそんなことするのか‼︎ やばいなテイルホワイト! 俺は楽しいぜ‼︎」

「私は全然楽しくないけどねっ!」

 

 完全な邪悪ではないとはいえ、相手はアルティメギルの復興を目指すペルセウスギルディだ。私はこの戦いに楽しさなんて微塵も感じてない。

 フォースリボンに触れ、私は新たに創り出された武器を装備。

 アバランチクローユニバース。

 名前こそマキシマムチェインのものと同じだが、プライムチェインの装甲とお揃いでこちらにもシアン色のラインが入っていた。

 装備をしたのと同時、私はペルセウスギルディへと飛びかかる。

 

「なんだと⁉︎」

 

 応戦しようとした時、私はすでにペルセウスギルディの前から消えていた。

 マキシマムチェインと違ってこのプライムチェインには属性力を永遠に高めていく機能は備わっていない。しかし、かわりにそれと引けをとらない能力を使うことができるのだ。

 

「飛行能力か! ステッキで使えたんならお前が使えても不思議じゃねえな!」

 

 縦横無尽に空を飛び回り、隙があればクローを叩き込んで攻撃を仕掛ける、このような一方的な状況になってもペルセウスギルディは尚も楽しそうだった。

 

「相手が空飛べんならよ、俺も使わせてもらうぜ!」

 

 足首の装飾からペルセウスギルディも同じように光の翼を顕現させると、一気に私の高度を抜いて空高くへと飛翔した。

 かなりの速さだ……!

 ペルセウスギルディは一気に急降下し、空中で繰り広げられるアバランチクローユニバースとハルパーの打ち合い。

 

「初めてだぜ! ここまで本気に戦えるのは! ああ、感謝だなあテイルホワイト‼︎」

 

 やがてペルセウスギルディはハルパーだけでなく、左腕の盾までも攻撃に使用してくる。

 互いに一撃を与えては離れ、また一撃を与えては離れ……螺旋を描くように私たちは上昇しながら戦いは続き、成層圏近くまで達した。

 クローユニバースの攻撃が、宇宙に轟く。

 ハルパーの斬撃が、宇宙に響く。

 相手の攻撃を避けては仕掛け、避けては仕掛けの繰り返し、もう何分も何十分経っただろう。

 テイルギアから放出される属性力が、この成層圏ではより一層輝いて見える。

 煌めく粒子を全身に纏いながら、ペルセウスギルディに捉えられないよう高速で飛翔しクローユニバースの打撃を繰り返した。

 

「ははは! まさかここまで思いもしなかった。こうなったら絶対欲しいぜ、お前のツインテール‼︎」

「ツインテール属性を盗られちゃ戦えないし、それはできないよ!」

「なに⁉︎ 自分がツインテールじゃなくなるのが怖くないのか⁉︎」

「それはまあ、別に」

「意味わかんねえ! でもやっぱ面白えな‼︎」

 

 ペルセウスギルディが放った光弾を私はあえて防御せずに、右足で蹴り返す。私だって前よりかは、サッカーに詳しくなったんだから!

 さらに速度を増していく、私とペルセウスギルディ。

 自分がまるで光となったような、不思議な感覚だ。

 もはや私は、考えるより先に体が勝手に動くという域にまで達していた。

 

「っはああああああ‼︎」

「おらああああああ‼︎」

 

 互いの武器が互いの武器を弾き返すと、反動を使って回し蹴りを繰り出す。

 蹴りは拮抗し、激しくスパークを起こす。

 私は蹴り負けないように集中しながら、クローユニバースの先をペルセウスギルディへと向ける。

 

「なに⁉︎ ぐおお‼︎」

 

 そのまま発射して奴が怯んだそのとき、私はさらに上空へと舞い上がる。

 そして宇宙を背にして繰り出される、渾身の踵落とし。

 ペルセウスギルディの肩口あたりの装飾が砕け、奴は音速を超えるであろうスピードで地上へと落ちていった。

 私は自身の周りに広がる宇宙を眺める。

 まさか自分が宇宙にこんな近くまで来れるだなんて、思いもしなかった。

 この無数の星の中、詳しい方角はわからないけど今の時期はペルセウス座も見えるのだという。

 

「ペルセウスギルディ。あんたはアルティメギルを復興しようとした。だけど、復興しようがしなかろうが、私たちツインテールの戦士は絶対に属性力を守り抜く。それがどんな強いエレメリアンだろうと、どんだけ絶望的な状況だろうとも!」

 

 地上へ落ちるペルセウスギルディを目指し、さらに加速して追いかける。

 

「そしてどこの世界でもきっと、エレメリアンから属性力を守るための戦士が現れる。私はそう、信じてる‼︎」

 

 大事な時期なのにまたツインテールに邪魔された。

 ツインテールのせいでまた私が戦うことになった。

 しかし、ツインテールは再び私に人との繋がりをくれた。

 まったく、こんなにもツインテールはめんどくさい。

 そう、私は本当に――

 

「ツインテールが、大っ嫌いなんだからああああああっ‼︎」

 

 クローユニバースを足に装備するのではなく、そのまま腕に装備したまま回転。風を切るように旋転しはじめる。

 

「これは、流星群か⁉︎」

 

 私と同じ回転をした、いくつもの光の束がペルセウスギルディへと迫っていく。

 それはさながら、宇宙から飛来する流星群を思わせた。今の時期なら、ペルセウス座流星群でピッタリじゃないか。

 そして星の輝きを纏い、私と無数の流星がペルセウスギルディへと突貫する――!

 

「メテオシャワードライブ――ッ‼︎」

 

 ペルセウスギルディの体にいくつもの流星が激突し、一つ一つが多大なダメージを与えていった。

 

「ぐっぐあああああああ‼︎」

 

 紫電を放ちながら、ペルセウスギルディは私たちが元いた埋め立て地へと落下した。

 ここに、新たに私たちの世界の属性力を守る戦いは、終わりを告げたのだ。

 

 先ほどまでとは違い、今度は緩やかに地面に降りてペルセウスギルディの元へ向かった。

 

「く、くく……! 最高だったぜ、テイルホワイト。お前いったい何者なんだよ」

 

 クレーターの中央で大の字に寝転びながら、ペルセウスギルディは弱々しくそう言った。

 

「私はテイルホワイト……いや、伊志嶺奏。世界で一番ツインテールが大っ嫌いな女子高生、覚えた?」

「ツインテールが嫌い……? ははは、意味わかんねえ」

 

 まあ、昔ほど嫌いでもないのだけど。

 

「ああ、これでお前はこの世界の英雄だ……。羨ましいぜ」

「私、女なんだけど。英雄ってそれあってるの?」

「細かいことは気にすんじゃねえよ。は、英雄には相応の報酬がねえとな」

 

 属性力を奪う後輪がいくつも現れ、ペルセウスギルディが拳を握ると、この全てが一人でに爆発。この世界の属性力が持ち主へと戻っていく。

 

「お前がどう思おうとな、楽しかったぜ。ただ……仲間にツインテール属性を届けられなかったのは残念だがな。まあしょうがねえか……んじゃなっ!」

 

 ペルセウスギルディは爆発を起こすことなく、その場で静かに消えていった。

 

「あー! やっと終わったあ……!」

 

 力が抜けて変身が解けると、私はその場で倒れ込む。

 ペルセウスギルディにああは言ったけど、やはりもう今回限りにしてもらいたい。

 そのままボーッと空を眺める。

 すっかり陽が落ちて星が輝く空の中に、一つか二つ、流れ星が見えた。

 ペルセウス座流星群か……。

 流れ星への願い事は……もう私がテイルホワイトとして戦うことがありませんように、これで決まりかな。

 

 

 半年ぶりの戦いから、次の日。

 一度引退を表明していたからか、再び現れたテイルホワイトとテイルシャドウに対しての世間の反応は意外と静かなものだった。

 現役のときは勘弁してほしいと思っていたけど、あまり注目されないとなると少しだけ寂しい気もする。相変わらず私はめんどくさい女だな……。

 

「へえ、俺が練習に参加してる間にそんなことがあったのかよ」

「うん。リアルの妹がリアルミーティアっていう戦士で、奏とすっごい戦いをしたんだって。でも奏たちが言うにはその裏にはエレメリアンがいて……」

 

 私たちは今、園葉高校近くの空き地で昨日のメンバーに嵐を加えて異世界移動艇の整備を手伝っている。

 今日からお盆休みの期間となるので、大体の部活は休みに入る。教師も学校には来ないため、この場所に人が来ることはまずないと考えた結果、移動艇の整備をこちらで行うことにしたのだ。

 

「でもわかってくれてよかったね、妹さん! リアルの思いが通じたんだよ!」

「……うん、ありがとね」

 

 私と黒羽は志乃と嵐に大体のことは話したが、リアルミーティアが妹ではなく目の前の彼女だということは伏せることにした。

 志乃を悲しませたくないというのが一番の理由。それ以外に、私が彼女をもう一度信じたいと思ったのも大きい。

 まあ、一度完全に騙された私が言うのもアレなんだけどね。 

 そういうわけで、リアルミーティアは先に自分の世界へと帰っていったと、志乃と嵐には説明したのだ。嵐は初めて聞くのでよくわかっていなかったけど。

 

「これで平気ね」

 

 移動艇の中からツナギを着た黒羽が出てきた。どうやら整備が完了したらしい。ツナギは所々汚れているが、ツインテールが綺麗なままなのはさすがだ。

 それと同時に、私にはよくわからないけどおそらく目的地へと行きやすいように調整もしたということを、黒羽は彼女に伝えていた。

 

「みんな、いままでごめん。私の世界の事情なのに、この世界を巻き込んでしまって……」

 

 移動艇の前で、彼女は深く頭を下げる。

 

「結果的には無事だったし平気だよ。ね、奏!」

「うん。それより早く帰ってあげなきゃ。妹さんが待ってるんでしょ?」

 

 私たちの顔を見て安心したのか少しだけ頬を緩めて頷いてからもう一度頭を下げると、彼女は移動艇の中へと入っていった。

 運転席へと座り、エンジンをスタートしたところで窓を開けたかと思うと、私の名前を呼び手招きする。

 

「カナデ、君には感謝してもしきれないよ。私の過ちは本来許されるべきじゃないんだ……」

「そうかもね。それなら、なおのこと属性力を取り戻す方法を考えることかな」

「え?」

「自分の世界の属性力を元に戻したら、次はあなたが属性力を奪った世界の番。全部の世界を元に戻すの。そうすれば多少は罪滅ぼしになるんじゃない?」

 

 私の提案に、彼女は当たり前だというように固く口を結んで頷いた。

 

「君がこの世界を守れた理由が、わかった気がするよ」

「そ」

「それと、私の本当の名前なんだけど――」

「……そうなんだ。似合うね」

 

 このやりとりを最後に、私は移動艇から離れる。

 翼が胴体から伸び、ついに出発だ。

 

「また来てねーっ‼︎」

 

 志乃が大きく腕を振り、別れを告げる。

 永遠の別れを告げる言葉ではない。いつか再開しようという意味を込めた別れの言葉だ。

 移動艇が音もなく浮き上がると、まるでUFOのように自由自在な動きをしてから生成されたゲートの中へと消えていった。

 

「よし、じゃあ嵐の奢りで打ち上げでもしよっか」

 

 しんみりとする空気を破るよう、手を叩いて私は提案した。私は奢られるのは好きじゃないので、もちろん冗談だけど。

 

「おい奏! 俺は小遣い少ないんだぞ!」

「嘘に決まってるじゃん」

「じゃあみんなで出し合おう! 黒羽も行くよね……あれ?」

 

 志乃に続いて私と嵐も、後ろを振り返る。

 先ほどまでいたはずだが、黒羽の姿が見えない。

 

「なんだ? まさか帰っちまったのか」

「えー、せっかく久しぶり会えたのに……」

 

 黒羽にもいろいろ、事情があるんだろう。

 別れも告げずに去ってしまうのは悲しいけど、なんとも黒羽らしいじゃないか。

 それにもしかしたら、基地に一人でいるかもしれない彼女が寂しがっていないかを心配していたのかも……。まあ、あくまで私の想像だから本当にそうかはわからないけど。

 少しだけテンションの下がった二人の背中の押しながら、この場を後にした。

 

 

 明かりの消えた基地のメインルームで、中央のモニターだけが光を放っている。

 椅子に座り、端末を操作している人物はモニターを映る数字の羅列を瞬時に理解し、新たなページを開いて同じように操作を続けた。

 常人には理解しがたい情報がモニターの中で行き交いながらも、涼しい顔でそれを捌く少女。

 その少女の後ろで足音がすると、暗闇の中から現れたのは黒羽だった。

 

「あの娘、帰ったわ。まったく、ツインテールの戦士でありながら属性力を奪おうだなんて……とんでもない人もいたものね」

「自暴自棄になっていたところに、あのエレメリアンが現れたことで拍車がかかってしまったんでしょう。それにあの方はツインテールの戦士のお姉さんですよ」

「ああ、そうだったわね」

 

 黒羽と会話しながらも、少女の手は止まらない。

 アルティメギルに属していた彼女もある程度の科学には精通しているが、目の前の少女が何をしているのかはまるでわからなかった。

 しばらく少女を見ていたが、黒羽は唐突に口を開いた。

 

「あなたも奏たちに顔を見せればよかったじゃない。ねえ、フレーヌ」

 

 艶やかなオレンジ色の髪を持つ少女、フレーヌは手を止めると椅子を回転させて黒羽と視線を交わした。

 

「いえ、あのビデオの後に出ていくのは……なかなか……恥ずかしいじゃないですか!」

「そうね。半年前にあんな感動的な別れをしておいて、まさか月一でこの世界に帰ってきてるなんて、言えないわよね」

「き、基地のメンテナンスはこまめにしないといけないんです! 現に今回は役立ったじゃないですか!」

「はいはい」

「何ですかはいはいって⁉︎」

 

 激しく狼狽するフレーヌに、先ほどまで見せていた聡明な面影は感じられない。

 否定し続けるフレーヌを適当にあやしながら黒羽はモニター横の階段を降りて、フレーヌたちの移動艇であるフレーヌスターへと乗車していった。

 残されたフレーヌは大きくため息をつき、再びモニターへ視線を移す。

 今回は外部の人間によってこの基地の施設を利用され、あまつさえ新たな武器を作られてしまった。

 二度とこのようなことにならないよう、コンピュータには幾重にもプロテクトを掛けなければならないと意気込んでいた。

 

「よし、これでなんとか……」

 

 設定を終え、一息ついたフレーヌは背もたれに深く寄りかかる。

 リアルミーティアもペルセウスギルディも、強さ自体は通常のエンジェルギルディと同じかそれ以下のレベルだと基地のレーダーでは推測されていた。

 問題ないと考えていたとはいえ、やはり奏たちのサポートをするべきだったと少し後悔する。

 しかしフレーヌはまだ、自分の世界を守り戦ってくれた戦士にお礼を言えていない。

 この世界から旅立つときにした決心したことを達成できないままでは、奏たちには会えないと感じていた。

 

「そろそろ行きましょうか」

 

 フレーヌスターの運転席へと座り、黒羽に言う。

 基地の封鎖はリモコンを持っている志乃がやってくれるだろうと、話してエンジンを入れた。

 フレーヌの世界の科学力は、リアルの世界よりも高い。したがって移動艇の性能も段違いなのは当然のことだった。

 

「ほんとにいいのかしら? みんなに会わなくて」

「……次に来る時までに、私の世界の戦士を見つけてみせます!」

「……そうね。頑張りましょうね」

 

 静かに発車したフレーヌスター。

 半年前と違い見送り人はいないが、不思議と寂しさは感じなかった。

 

 

 お盆休みが終わる前に、なんとか学校に侵入して基地の封鎖は完了した。

 文化部ではあるが、休み明けすぐに奇術部は活動があると志乃から聞いていたので急ぐ必要があったのだ。

 そして学校からの帰り道、私と志乃はパターバットに寄り、いつもの席でコーヒーを飲んでいる。

 

「夏休みが終わったら……ほんとに高校生活も終わりだねえ」

「え、まだ文化祭とかあるじゃん」

「もう! こういうのはそうだねって返すのが普通だよ?」

「そうかな……」

 

 志乃の言う通り、夏休みが明けたら残る高校生活は九月、十月、十一月、十二月……三学期は自由登校なのでこれぐらいしかないのか。そう考えたら、確かに少ないかな。

 一年の頃は周りについていくのにいっぱいで、三年の今は受験勉強にてんてこ舞い。

 一番高校生活を楽しめるであろう二年の頃にエレメリアンとの戦いがあったとは……今考えても迷惑な話だ。

 ただ、私が一番楽しかった学年は今のところ二年生の頃なんだよね。

 

「そういえば、奏って急に進路変更してたよね。受験までに間に合うの?」

「うーん、この前の判定じゃギリ行けてたしこのまま追い込めばなんとか……」

「それ平気なの……?」

 

 志乃にマジで心配されている……。

 まあ、去年ギリギリになっていきなり文系から理系へと進路変更したんだし当たり前か。私はどちらかというと文系のほうだし。

 そのときは誰にも相談せずにいきなり変えたから先生はもちろん、私の家族にも志乃にもかなり驚かれたっけ。

 

「……できるかわからないけどさ。私も属性力とかその辺のこと知りたいの。当面はそれを目標に頑張っていくつもり」

 

 フレーヌの世界の科学力はこの世界よりも遥かに先を行っていた。そして、そのさらに先にはアルティメギルの科学がある。

 そんなものに直面しているうちに、いつのまにか私はその類のことをもっと知りたいと思っていたんだ。

 それに、もしこの世界で属性力という心の輝きが解明されれば、私が戦えなくなったとしてもそれを狙う脅威から世界を守ることができるかもしれないし。

 

「奏にそんなこと言われたら応援しないわけにはいかないよ!」

「ありがとう、志乃」

 

 ほんと、私は親友に恵まれたな。

 コーヒーを飲み干したところで、私は会計をしようと席を立つ。

 

「そうなったらギリギリまで追い込もう! 私も手伝うから!」

「え、志乃は志乃の勉強をした方が……」

「大丈夫! 私文系で余裕あるから‼︎」

 

 なんで志乃はこんなアホっぽいのに勉強ができるんだろう。

 理系はもちろん、私が得意な文系分野でも志乃には大敗してるし……なんか悔しい。

 

「……もう少し、ここで時間つぶしてく」

「ダメだよ、奏! 私がしっかり教えていくから‼︎」

「……」

 

 早くも現実逃避したくなってきた。

 ただ、ここが頑張りどころだ。

 絶対に理系学部に進学して、フレーヌたちに会いに行けるよう頑張るから……待っててね。

 

 

「それじゃあ、明日ねー‼︎」

 

 パターバットからの帰り道、志乃と別れて私は自宅に向かって歩く。

 誰も周りにいないことを確認して、私はテイルブレスを空へとかざして煌めかせる。

 私たちを繋げてくれるブレスの輝きを今一度、確認してから再び歩きだす。

 

 私はツインテールが嫌い。

 最初は好きな人から否定されたものだから。

 次に戦いへと巻き込んだくだらない元凶。

 そして別れの辛さを突きつけた。

 かと思えばまた戦いへと巻き込んだ。

 最後は私の進路までも変えてしまった。

 だから本当に私は――。

 

「ツインテールなんて――大っ嫌いなんだから」

 




これにて終わりです。
微妙に劇場版を意識しましたがどうでしょうか……。
俺ツイの続きを見たい阿部いりまさです。ありがとうございました!


テイルホワイト・プライムチェイン
エモーショナルステッキのシンクモードで姿を変えたプライムバイザーを用いて変身したテイルホワイトの強化形態。装甲はマキシマムチェインとあまり変わらないものの、所々に走っていたエメラルドグリーンのラインはシアン色へ、アンダースーツは黒から宇宙を思わせる色へと変化している。また、マキシマムチェインにはない飛行能力も備わっている。

武器:アバランチクローユニバース(シアン)
必殺技:メテオシャワードライブ

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