私、ツインテール戦士になります。   作:阿部いりまさ

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サンフィシュギルディ
身長:280cm
体重:240kg
属性力:膝裏属性力(クニーバック)

アルティメギルの老兵でシャークギルディ部隊の参謀。 若くして隊長となったシャークギルディの補佐をするためオルカギルディとともにシャークギルディ部隊に配属された。 戦闘力はあまり高くないかわりに非常に頭が切れる。 世界の属性力を奪う''ある作戦''には乗り気ではない。


FILE.9 テイルホワイト状態異常

 世界の狭間に鎮座する艦。

 シャークギルディ部隊のいるアルティメギル基地の大ホールではまたもや対テイルホワイトのための作戦会議と称してのテイルホワイトの鑑賞会が開かれていた。

 しかも今度はモニターだけでなく大ホールにいるエレメリアン一体一体の前に一つずつ、テイルホワイトのフィギュアが並べられている。 つい昨日、発売されたものかと思いきや、全て手作りのもだった。

 そして、大ホールの中央のテーブルでシャークギルディは口を開く。

 

「皆の者よ、手元にあるテイルホワイトをよく観察し、必ずやテイルホワイトの対抗策を見つけるのだ!」

 

 クラーケギルディが無数にある何本もの長い触手でテイルホワイトに勝利した。 この事実はシャークギルディにしか知らされていなかった。

 相手の弱点を自分たちで見つけて、倒してこそ、意味があるのだとシャークギルディは考え、テイルホワイトのフィギュアを部下に配り、自分たちで見つけることを待っていた。

 しかし、部下から最初に聞こえてきたきた言葉はシャークギルディの望む言葉ではなかった。

 

「隊長! 私のテイルホワイトの腰の装備の造形が間違っていますぞ!」

 

 部下からきた言葉はテイルホワイトのフィギュアの出来が悪いということを意味していた。

 それを皮切りにして、大ホールのあちこちのエレメリアンからテイルホワイトのフィギュアに対しての文句が飛び交うようになった。

 

「私のは左手の装備が…」

「我のは色が違う」

「なんと…ツインテールの長さが左右で違います!」

 

 次々と上がる自分の前にあるフィギュアへの文句。

 何人かの意見を静かに聞いていたシャークギルディは突然立ち上がり自分の前にあるフィギュアを上へ高々と持ち上げる。

 

「急遽作らせた物ゆえ、各隊員不満もあるだろう。しかし、装備の色が違うからといって弱点が見つけられるのか!? 顔が現実とかけ離れていたからといって、テイルホワイトの弱点を見つけられぬと言うのか━━━ッ!!」

 

 将として、部下たちのフィギュアに対する不満も充分にシャークギルディは理解していた。 しかし、今はそんなことをしてる場合ではない。 クラーケギルディがすぐに見つけてしまったテイルホワイトの弱点をすぐにでも部下たちに気づいてもらいたい。 その一心で自らの心を鬼とし、部下たちに厳しい言葉を浴びせた。

 若者ながら一部隊を任されているからこそ、クラーケギルディに期待されているからこそ、将としての責任を全うする、そう決意した。

 しかし、彼の掲げているテイルホワイトのフィギュアは完璧というほど綺麗に、丁寧に作られていた。

 そのフィギュアをさらに高く掲げシャークギルディは話す。

 

「テイルホワイトの属性力を奪った者にはこのフィギュアと今までのテイルホワイトの戦闘データから抽出した最良の動画を進呈するぞ」

 

 そのシャークギルディの言葉に大ホールにいるエレメリアン達の目が変わった。

 先ほどまでうるさいほどだった大ホールはシャークギルディが話した瞬間から静寂が訪れ、皆熱心にテイルホワイトを研究し始めていた。

 静かになった周りの雰囲気を確かめシャークギルディは装飾されすぎた椅子から立ち上がり、大ホールの中央から離れて座っているあるエレメリアンの元へ歩いてくる。

 あるエレメリアンの前に立つとシャークギルディは少し躊躇いながら口を開く。

 

「……コーラルギルディよ。次はお前が出撃するのだ」

 

 コーラルギルディ。

 ピンク色でゴツゴツしながらトゲトゲしい体だが、体はシャープでそれはまるで女性を思わせる体型をしている。

 コーラルギルディは他のエレメリアンのようにテイルホワイトのフィギュアを観察しておらず、粗末に扱っていた。

 その代わりコーラルギルディが読んでいるのは何やら男と男が絡み合っている表紙の本だ。

 

「ええ? アタシがぁ?」

「うむ。 他の隊員がテイルホワイトの弱点を見つけられない以上、アルティメギル四頂軍の一つ、貴の三葉(ノー・ブル・クラブ)に所属していたこともあり、実力もある貴様に頼るしか他はあるまい」

 

 シャークギルディの放った言葉を聞き、興味なさげに「ふーん」と返事をするとコーラルギルディはそっぽを向き口笛を吹き始めた。

 一部隊の隊長に対し、いかに無礼な行為をしているか、シャークギルディは理解しているだろうが何も言わない。

 

「ま、いいかな。 その代わり帰ってきたら美味しい展開をヨロシクお願いしますよ? 隊長さん」

 

 本をヒラヒラさせてそう言うとコーラルギルディは席を立ち、手に持っていた本を置くと歩き始めた。

 シャークギルディはその言葉の意味を理解しているのだろう。 体をブルブルっと震わせ、廊下に消えていくコーラルギルディを見送った。

 

「やはり一度でも貴の三葉に行くと興味を持ってしまうものか…」

 

 コーラルギルディが置いていった本をみて、シャークギルディはぽつりと声を漏らした。

 

 

 ボタンを押させまいと新たな決意を心に固めてそのおおよそ三秒後、基地のアラームが鳴った。

 アラームを聞きフレーヌさんは急いで階段を上がりキーボードのようなものカシャカシャ操作しだす。

 

「エレメリアンが出現しました!」

「まさか、クラーケギルディ?」

 

 志乃がフレーヌさんに質問する。

 前と同じようなパターンだしクラーケギルディが何かしらの準備をしてきたと考えるのは何ら不思議ではない。しかし、私はクラーケギルディじゃないと確信していた。

 

「ううん。成長して相見えるとか言ってたしクラーケギルディじゃないと思う。さすがに早すぎるでしょ?」

「確かに属性力はクラーケギルディほど大きくはありませんが気をつけてください」

 

 うん、とフレーヌさんの言葉に私は頷き一旦深呼吸をし、私は変身コードを呟く。

 

「テイルオン……!」

 

 全身が光に包まれ、私はテイルホワイトに変身した。

 なるほど、確かに言われた通りクラーケギルディに壊された装甲もしっかりと新品同様修正されている。 ここまでくると科学じゃなくて魔法なんじゃないだろうか。

 手の感触を確かめるため、動かしたあと拳を握りしめ空間跳躍カタパルトに入った。

 フレーヌさんが「転送っ!」と叫ぶと周りが光に包まれ、やがて私はエレメリアンが出現したといわれた男子校に転送された。

 男子校、男子校に転送?

 

「ねえフレーヌさん。 今まで女の子の属性力を狙ってたことしかないと思うんだけど…」

『うーん、エレメリアンと遭遇して言動を見ないとよくわかりませんね』

 

 とりあえず私は男子校の中庭から屋上までひとっ飛びし、屋上に着地した。

 屋上から校内を見渡すとガラス張りにされている屋内プールにエレメリアンを発見し、すぐさまプールへと向かう。プールへの入り口の扉を開け私はエレメリアンに向かって叫んだ。

 

「二日間現れないで、しかも今度は男子校に現れるとか何考えてるわけ?」

 

 屋上から見たときは気づかなかったがプールサイドにいる今回のエレメリアン、体の色がピンクで今までに倒してきたやつと比べるとやけにシャープな体型をしている。これって男の体っていうより、女っぽいような……。

 

「ふんっ! いつ来ようがどこに出ようがアタシの勝手でしょう?」

 

 ア、アタシ!?

 目の前のエレメリアンは確かに自分のことをアタシと言った。

 どうやら女型のエレメリアンで間違いなさそうだ。 女型なら男子校に現れた理由も異性の属性力を欲しているためだとなんとなくわかる。

 

『まさか女型のエレメリアンがいたとは…』

 

 フレーヌさんもどうやら知らなかったらしく驚きの声を上げていた。

 女型のエレメリアンは頬を少し痒いた後、口を開いた。

 

「アタシの名前はコーラルギルディ! この世で最も美しくかつ、誰もが持つ可能性のある雀斑(フレークル)をこよなく愛する者よ」

 

 コーラルギルディ、確か……珊瑚のことか。 しかし、フレークルの意味がよくわからない。

 

『フレークルは雀斑。ニッチな属性力を持ったエレメリアンもいるもんだねー』

 

 志乃が感心したように話した。

 雀斑か、確かに雀斑が好きって人はあまり見ないかも。 ……勝手な意見だけど。

 でもなんで志乃はそんなことを知っているのか……謎だ。

 フレークルについてと何故志乃がフレークルについて知っているのかを考えているとコーラルギルディが口を開いた。

 

「さあ、さっさとあんたの属性力。いただこうかしら! 基地じゃ美味しい展開が……ジュルリ♪」

 

 コーラルギルディは口のような部分から涎のような物を垂らしそれを腕で拭う。 拭った手を背中にまわし、何本もある棘から一本を引き抜き私に突きつけてきた。

 武器を使うエレメリアン。 これも今までにないタイプだ。

 私はリボンに触りアバランチクローを手に装備……。

 

(え…)

 

 できなかった。

 確かにクローが手に装備される感覚はあったのだが、手を見るとクローは装備されていない。

 もう一度、私はリボンを触るも今度はクローが手に装備される感覚さえなかった。

 

「あれ?いつもの武器を使わないわけ。随分とアタシも舐められたもんねえ」

 

 コーラルギルディがそう言い、手を少し上げると後ろに黒い渦ができ中から例のモケモケがぞろぞろ出てきた。

 

「なんか拍子抜けしちゃったし、今日は帰るわ。 あとはヨロシクね」

「ちょ、まちなさい!」

 

 私の言葉を無視してそう言うとコーラルギルディは極彩色のゲートを出現させ、モケモケを残しゲートへと消えていった。

 残ったのは渦から出てきたモケモケおおよそ三十体から四十体といったところが私の周りをぐるっと囲んでいる。

 

「とりあえず殴るしかないか!」

 

 構えをとると360度から一斉にモケモケがモケモケ言いながら私に迫ってきた。 ……構えをとるまで待っていてくれたのかな。 変な考えをした所為で微妙に力が抜けそうになるがなんとか踏みとどまり、全力でモケモケを殴る、蹴る。

 

(なんか前よりもモケモケが強くなってるような…)

 

 初めて変身したときは一撃だったのに今は二、三発攻撃しないとモケモケを倒せなくなっている。

 モケモケを一体ずつ地道に二発、三発攻撃し倒していきようやく残り一体となった。

 

「ていっ!」

「モ、モケ━━━━ッ!?」

 

 今まで倒してきた分の渾身のパンチをお見舞いすると最後の一体は一発で爆散した。

 ふう、と一息ついたところでフレーヌさんに話しかける。

 

「なんかモケモケが強くなってる気がするんだけど…」

『……』

 

 何故かフレーヌさんは返事をしなかった。

 

「まあいいわ。基地に戻してくれる?」

 

 フレーヌさんにそう言うと再び視界が光で覆われ、次に目を開けると変身は解かれ、先ほどまでいた男子校ではなく基地に戻ってきていた。

 




どうも皆さん、阿部いりまさです。
今回はこれといって特に書くこともなく、しかし後書きを空白にするのもなと思い書いています。
……本当に書くことがないので皆さんにお礼をいいお別れです。
いつもこの小説を読んでいただき本当にありがとうございます。 原作をまだ読んでいない方がいらっしゃいましたら俺ツイはもっと熱く、もっと面白い作品ですのでどうか読んでみてはいかがでしょうか?
それでは。
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