少女からのダイビングボディプレスにより俺は再び真っ暗な世界(夢の世界)へ
やはり何もない、暗く静かで寂しい世界・・・
(これが、俺の世界か・・・ほんと何もねぇなぁ・・・)
記憶を失った訳ではないただ見たい思い出が無いのだ、幼少期に両親に捨てられて、貧しい生活というよりもうすでにヒモジィ生活、空腹を満たす為に路上の虫やネズミすら捕獲し食らった
俺は自分の惨めな人生に苦笑しながら下を向いた
(しかし、死ぬときってのは案外あっけないものなんだな)
そう思いながらふぅっと短く息を吐くと、頭上から誰かが俺を呼んでいる声が聞こえてきた、名前で呼ばれたわけではない、ただ 「おーい おーい」 としつこく問いかけてくる女の子の声がする
その声が聞こえるとほぼ同時ぐらいだったろうか、頭上から光が降り注ぎ、そして世界が揺れだした
(なんだ、なんだ?・・・うおおおいなんなんだ!?)
俺は頭上の光に吸い込まれるように一気に加速し、飲み込まれた
目が覚めると目の前にはセミロングの赤みがかった髪に水色の透き通った目(やや吊り上ってる)、少しくすんだ白色のローブを着ている、年の頃は15~6歳の少女が馬乗りで「おきろ~」やら「おーい」と声を上げながら俺の頬を左右に平手打ちしまくっていた
(痛い 痛い 痛い 痛い、なんなんだ 痛いしうるさいしやっぱ痛いしってああもううっとおしい)
「おひへるふぉ(起きてるよ)」
痛みでうまく発音できなかったが俺は起きてることをなんとか伝えようと声を出した
・・・
・・・・
・・・・・
しかし少女の平手打ちは止まらなかった
(やめねぇのかよ、まじでいい加減に・・・)
俺がそう思ってた矢崎だった、少女の頬が膨れて怒った表情に変わる
「これでも起きないならぁ~~~~」
少女は今まで平手打ちしていた右手を握りこみ拳を作って俺に振り下ろそうとしている
(やばいやばいやばい・・・なにがやばいってなんか俺の本能が物凄い警告音ならしてるだよ)
俺はその振り下ろされた拳を何とか首を動かして回避した、平手打ちで何度も往復させてくれたおかげだろうか最初は動かなった首は俺の意志通り動いてくれたのだ
直後に俺の右横を通り抜けた拳がベッドに直撃する、爆音のような音を立てて数十センチにわたりベッドが吹っ飛んでいた
「あ・・・力の加減まちがえちった、でもまぁ・・・いっか、起きたみたいだし」
明るい表情で舌をペロっと出し少女はそういうと振りぬいた拳を戻した
俺はベッドの無残状態を見て息を飲んで硬直していた
少女はパンパンっと手についた誇りを払いなぜか満足気に胸を張っている
「これでよしっと」
少女は馬乗りの体勢からささっと離脱し枕部分が破壊された無残な状態のベッドの横に立つとすぐに俺に向かって振り返り 「おはよ」 などと言ってきた
あまりの出来事に俺は硬直したまま反応できないでいた
少女はそんな俺の顔を覗き込むように顔を近づけてくる
ハっ!!っとして俺は痛みに耐えながら少女に言葉を発する
「痛っ!!・・ち、近い・・・」
少女はその言葉にビクっと体を硬直させてすぐに後ずさる
数秒間の沈黙、体が動かせない俺は少女をずっと見続けてるいるしかない状況・・・
少女は顔を赤くして俯いてモジモジしている
先程の子供のような笑顔でベッドを吹っ飛ばした時とちがいなんか視線が右往左往している