・シンデレラガールズ×首都高バトルについて
厳密に言えば、首都高バトルの要素の方が大きいです。
ただ、今まで首都高バトルを題材にした創作物だと、ライバルがオマケみたいな部分は多かった気がします。
そこで、あえてライバルキャラを重要な人物とする事で、首都高バトルの世界観を再現できる気がしました。単純な敵キャラとしての登場じゃ、面白く無さそうでしたので……。
・首都高バトルゲーム本編=首都高全盛期
物語序盤で、ゲーム本編のアフターと言う事は分って頂いたと思います。
中盤では、ダイングスターこと魚住が、過去の事を語るシーンがあります。この時点で、何人かは首都高を降りていると言っています。明確には、シャドウアイズ、ユウウツな天使、パープルメテオ、迅帝……等。
何故降りているかと言うと、現実の走り屋の場合でも栄枯衰退は必然だと思います。何よりも、ゲームのライバル達のその後を書きたかったという点は大きいです。
・原田美世のモチーフ
主人公なのですが、明確なモデルはありません。強いて上げれば、湾岸ミッドナイトの秋川レイナが近いかもしれませんが、そこまで似せていません。ただ、カート経験者というバックボーンを付ける事で、ドラテク面でもメカニック面でも、英才教育されていたという設定です。
もっとも、アイドルとしては……な設定になりましたが……。
車に関しては、R33スカイラインGT-Rのチューニングカーの中でも、マインズのデモカーを参考にしました。筑波59秒台、最高速300kmオーバー、ゼロヨン10秒台etc……。
どんなステージでも速くて壊れないトータルバランスの高さで、キングオブチューニングカーと呼ばれていました。自分の中でも、すごく好きな一台です。
・内藤健二のモデル
内藤のモデルとしては、スクートの小関氏を参考にしました。ちなみに小関氏は元F3000のメカニックで、内藤は元GTマシンのメカニックという設定です。
作中では「アマさんにしごかれた」や「アマさんやカワノさんに教わった」と言うセリフで解ったかと思いますが、内藤は元々RE雨宮のメカニックだったという設定です。
アマさんは、ロータリーの神様こと雨宮勇美氏で、カワノさんとは、RSファインの代表の河野高男氏の事です。
ちなみに、RSファインはRE雨宮がスーパーGTに参戦していた頃のメンテナンスガレージで、現在はGSR初音ミクSLSのメンテナンスを務めています。この河野高男さんも、RE雨宮で修行したメカニックだったりします。
作中のマシンも、往年のRE雨宮の最高速仕様のFCをモチーフにしました。
・岩崎基矢のモデル
明確なモデルとしては、GT300ドライバーの谷口信輝さんと、湾岸ミッドナイトの朝倉アキオを足した様な感じです。
谷口信輝さんと言えば、峠の走り屋からGT300チャンピオンに成り上がった事で有名です。元走り屋のレーサーとして名高い方なので、岩崎のモデルにはうってつけでした。D1初代チャンプとしても有名ですが、それ以前からレース活動をやっていたことは、あまり知られていません。
恐らく、首都高バトルをやってた人だと序盤でその正体はバレバレです。伏線も解りやすいし……。なので、どういう形で原田美世と絡んでいくかと言う点に重点を置きました。
マシンに関しては、R34GT-Rのチューニングカーの中でも、特にパワー志向の強いデモカーを参考にしました。
・菊地真一のモデル
アイマス本家のマコリンこと菊地真のお父さんを使いました。一応レーサーって設定なので、これこそ使うしかない人物です。
現GT300ドライバーの飯田章さんと、2012年に亡くなった故中嶋修(OSAMU)さんをモデルにしてます。
飯田章さんと言えば、V-OPTの水戸納豆レーシングで有名ですが、日産、トヨタ、ホンダとGT500のワークスチームを渡り歩いた一流ドライバーとしても知られています。他にもルマンの優勝など、輝かしい戦歴の持ち主です。
故・中嶋修さんは自らチームを立ち上げ、FNやGT、スーパー耐久で活躍したドライバーの一人です。決して有力なチームではありませんでしたが、心からレースを愛していたレーシングドライバーでした。
菊地は元ホンダワークスドライバーなので、愛車もFD2シビックタイプRを転がしています。
・緒方明子のモデル
人物に具体的な元ネタはありません。うる覚えですが、首都高バトルゼロの時の職業がファッションデザイナーだった記憶があったので、ファッションモデル関係で346プロに関われる設定にしました。
マシンのスープラは、70最高速全盛期のマシンを参考にしました。現役でも、GT-Rに渡り合える70スープラが存在してると聞きますが……資料が見つかりませんでした。
・君嶋陽平のモデル
人物のモチーフは、湾岸ミッドナイトのイシダヨシアキなのは、多分簡単に解ったと思います。アイドル関係に関わりやすい設定でしたし……。
車両の方は、NSXチューンで有名なレボリューションのデモカーを参考にしました。ちなみに、作中のマシンを作ろうと思うと、都内の高級マンションが購入できる位につぎ込まないと作れない様です。
かの有名なNSXワンメイクの走り屋チーム、レチャーズのリーダーのマシンがそのレベルだそうです。
・魚住静太のモデル
人物としては特にモデルはありません。首都高を降りた走り屋として、美世に忠告をする形で出しました。
首都高バトルゼロでの職業はパチンコ店の店長だった気がしますが、青年実業家に変えました。その方が、346プロと関係を持たせやすかったので……。
マシン自体は作中には出ませんでしたが、フルチューンGTOの参考として、ピットロードMのデモカーとビーレーシングのデモカーを参考にしました。どちらも、筑波1分フラットの速さを誇るマシンです。
・藤巻直樹のモデル
具体的なモデルは、ガレージSIFTの元代表、竹内栄二さんです。スクート小関さんと共に、その筋じゃ有名な人ですね。GT-Rのメカニックとしても名高い方です。
元N1メカニックで、菊地真一の古い仲間で、迅帝の師匠……。藤巻は、岩崎、そして美世を、菊地真一に結び付けるキーマンとして、登場させました。
作中にマシンも登場することはありませんが、具体的なスペックは一通り考えていました。
・小ネタについて
首都高バトルもそうですが、色々な所から小ネタを突っ込んでます。
・岩崎のプレゼント
岩崎が美世の誕生日にプレゼントした大仏のキーホルダー……。首都高バトルシリーズを通して、迅帝のステッカーは大仏でした。
・岩崎のV35スカイラインクーペの事
首都高バトルXの時、岩崎は青のV35クーペに乗っていたので、普段の足はV35のクーペって設定です。
フルチューンの車での自走は、はっきり言って死ぬほど辛いです。なので、普段乗りはノーマルカーです。
街道の時は、インプレッサじゃなかったかって?
レースデビュー時は、インプレッサでダートラをやってたって所まで考えていましたが、そこまで書けませんでした……。
・藤巻のスキンヘッド
藤巻のスキンヘッドという頭から、美世は「親父さん」というフレーズを思い浮かべたシーンですが。これはサイバーフォーミュラシリーズの、チームSUGOの監督「車田鉄一郎」の愛称です。
・東郷あいさんのパンテーラ
走る事は有りませんでしたが、あいさんはパンテーラに乗っています。完全に趣味です。
デ・トマソ・パンテーラといえば、あの“サーキットの狼”時代のスーパーカーとして有名ですが、国内のチューニングカーでもかなり有名でした。
初めて谷田部で300kmオーバーを記録した、光永パンテーラなんかは特に著名です。
何故乗っているかは、謎のままって事で……。
・美世の左足ブレーキ
幼少からカートでトレーニングしている近代モータースポーツでは、F1等のフォーミュラーもGTも左足ブレーキが主流です。
しかし、これらは2ペダルでの話なので、3ペダルでも左足ブレーキを使う人は居るのか?
厳密に言えば、使う人はいます。昔のラリーでは当然の様に使っていますし、実際ツーリングカーのレーサーも状況に応じて、使かう方は多いです。
ただし、ブレーキの負担と燃費の悪化を考えると、多用するのは難しいそうです。GTドライバーの立川祐路さんの左足ブレーキは、アクセルとブレーキの動力を器用に使い分けていた事は特に有名です。
・君嶋NSXのディフューザーの脱落
これは、ベストモータリング誌のテストで、本当にあった話です。
かつての谷田部高速周回路で、F40の最高速テストをしていた時、300キロ付近でアンダーパネルが脱落した事がありました……。
これも、一歩間違えば大クラッシュに繋がる、恐ろしい出来事です……。
・ユウウツな天使のカメオ出演
首都高バトルシリーズの中でも、非常に人気のあるライバルの一人ですが。この物語では、何故か魚住の秘書を務めています。
しかし、ユウウツな天使こと黒江世津子の本業は、当時から秘書でした。恐らく、ヘッドバンティングしたんでしょう(笑)
・美世の星座
9章で、美世が病院から抜け出してきた時、内藤はテレビの占いを見ていました。
原田美世は、さそり座の女です。さそり座の女は、執念深いと言われるそうですが……本当でしょうかね?
・実は……。
元々はレーシングラグーンで書こうとしてましたが、断念しました。
理由その1。レーシングラグーンのストーリー自体が複雑すぎる。
理由その2。あの濃い人物たちが、ラグーン語で語るから面白いのであって、単にレーラグとモバマスの人物を入れ替えただけでは、100パーセントつまらないでしょうね。
理由その3。原田美世が、難波恭司のポジションになる事は必須……。だから止めました。
余談ですが、神崎蘭子のフレーズに三点リーダーを多用すると、ラグーン語っぽくなります。
『……皆の者。
…………闇に……飲まれよ……』