実況パワフルプロ野球〜覇堂高校編〜   作:シド兄

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第5話 覚悟

「なんでなんですか!監督!」

昼休みに入り金原さんにだけは練習試合を行う理由を伝えようとして探していたら金原さんと監督が話しているとこを目撃した。

「なんでなんですか!せっかく有望な一年生も入ってきてこれからって時に…!」

「わしも今日校長にいわれで驚いたのだが既に決定事項らしい。」

「…どうしたんですか?」

「!球一くん!」

「何があったんですか?教えてください。」

「…今朝、校長から話があってのう、野球部は今年限りで新入部員を取らないようにすることになるそうじゃ。」

「!それってつまり僕たちの代が最後になるってことですか!?」

「…単刀直入に言うとそういうことじゃ。」

「理由をきいてもいいですか?」

「すまんのう。理由はわしも聞かされておらんのじゃ。」

 

冗談じゃない!

 

「自分が校長先生と話してきます!校長先生はどちらに?」

「おれっちも納得できません!一度話を伺いたいです。」

「…そうじゃな。一度話を聞いてみるかのう。」

 

 

 

 

 

「野球部が今年限りで新入部員を取らないようにするってどういうことですか?校長先生。」

「言葉通りだよ。君は木場球一くんだったかな。確かに君たちの代には一番迷惑がかかってしまうのは申し訳ないと思うが既に学校側の決定事項なのでな。」

「どうしてなんですか!理由を聞かない限りは納得しかねます!」

「君は…そうか木場嵐士くんの弟だね?いいだろう。理由を聞かせよう。

君は君のお兄さんがいた頃の野球部を知っているかね?」

「はい。もちろんです。甲子園優勝した時のあの兄のチームはすごいつよかったですから。」

「そうだね。強いチームだったよ。強いだけじゃなくあのチームのメンバーは人柄もよくクラスではムードメーカーとしてまとめてくれる子も多くいた。強いだけじゃなくあそこまで素晴らしい野球部を私は過去も未来も存在しないんじゃないかと考えている。

木場嵐士くんがチームを引っ張り小波大輝くんがチームを支え周りのメンバーはそれに応えるかのように努力を惜しまなかった。あの野球部は今でも我が校の誇りだよ。」

「はい。自分もそう思います。だからこそわからないんです。野球部をなくすということは今後そういうチームは覇道高校から絶対に出てこなくなってしまうのに。」

「そう、あの野球部は何よりも輝いていた。いや輝きすぎたのだよ。」

「どういうことですか?」

「強豪校だったチームが強豪校じゃなくなってしまうのはそう珍しいことじゃない。だから最近の我が校の野球部が甲子園に行けていないというのは普通に考えて、おかしくないことではある。だが、世間の人はそう考えてくれる人など少ない。応援してくれる人はありがたいものだが時に無責任でもある。

話を戻すとね、嵐士くんがいた頃と今の野球部のギャップが激しすぎだということだ。」

「…それが野球部を無くす原因なんですか?」

「ああ、そうだ。現に金原くんたちの代の練習をみていると練習をさせられているという風にしか感じない。それは君も金原くんもうすうす感じていることだろう?」

「それは…」

「君たちもある意味被害者なのかもしれない。嵐士くんの代と比べられ批判され落ちた強豪などと言われ続けられたらモチベーションも低下するだろう。このままゆるりと堕落していくならいっそなるべく早くに、というわけだ。

どうかね?理解してくれたかな?」

「はい、理解はしました。」

「うむ、そうか理解が早くて助かるよ。」

「つまり、兄貴達の代より僕たちの代が輝けばいいんですね?」

「…君もあの野球部をみていたならそれがいかに困難なことかわかるだろう?」

「はい。それはわかっています。だけどやってみなくちゃわからないじゃないですか。」

「すまないがもう決定事項でな、そうそう覆せるものじゃないのだよ。」

 

「校長先生、なら一つ勝負しませんか?」

「勝負だと?」

「はい、僕たちが勝ったら野球部は存続、負けたら僕にできることならなんでもします。」

「話にならんな。私が受けるメリットがなさすぎる。」

「お願いします!一度でいいのでチャンスを下さい!」

 

俺はそう言い頭を下げた。

「おれっち…僕からもお願いします!僕にできることでもなんでもします!」

 

金原さんもそう言い頭を下げた。

 

「、、ふむ。確かに球一くん達には少し理不尽だったし、一度だけチャンスを与えよう。」

「!本当ですか!ありがとうございます!」

「勝負内容は今年の夏、私に君たちの可能性を見してくれ。そうだな、具体的なラインとしては甲子園出場したら野球部は存続させよう。」

「甲子園出場…」

 

そう聞き金原さんと監督の顔は曇った。無理もない話だ。

うちの地区は全国でも類を見ないくらいの激戦区だ。

昨年の甲子園出場校のあかつきと帝王、その2校には一歩及ばないが古豪のパワフル高校など他にも油断のならない高校が山ほどいる。その中を勝ち抜いて甲子園に行くなど限りなく不可能に近いだろう。でも…

「わかりました。甲子園ですね、必ず今年行ってみせます。」

「ほう、随分と自信があるようだな。」

「自信なんてないです。正直限りなく0に近い可能性でしょう。でも、0じゃありません!」

「よかろう。ではそういうことだ。頑張ってくれたまえ。」

「はい、失礼しました!」

「し、失礼しました!」

 

パタンと扉が閉まって二人の生徒が校長室からとおのいていったのを確認してから二人は会話をはじめた。

「…校長よ、少し厳しすぎじゃないかのう。」

「茂木監督。球一くんの目を見たかね?」

「は?」

「いい目だったよ。真っ直ぐで現実から目を背けずにちゃんと受け入れている。嵐士くんにそっくりだ。」

「はぁ。」

「彼ならひょっとするとひょっとするかもしれんぞ?」

 

そう言って校長は少し懐かしむかのように楽しげに笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

校長先生との話が終わり、金原さんと二人で歩いていた。

 

「球一くん、本当に大丈夫なの?甲子園なんて。」

「正直厳しいと思います。特に、今のままじゃ。でもあのまま潰れるよりは可能性が残った今の方がずっといいです。」

「それはそうかもしれないけど…大丈夫なのかなあ。」

「迷わずに進みましょう!とりあえず練習あるのみです!」

「そうだね。でもまずみんなにこのことは伝えないと。」

「その必要はねーぜ?金原キャプテンさんよぉ」

 

下駄箱にたどり着くと野球部2.3年生と思われる野球部員が全員集まっていた。

「みんな!どうして?」

「どうしてもこうしてもさっきの校長室での話おれたちきいちゃったんだよねー。」

「そーそー、何が甲子園だ。今の俺らがいけるかっつーの!」

 

「じゃあ、先輩達はなんのために野球してるんですか?」

 

「あぁ!?…テメェだれだよ。」

「今年野球部に入部させていただく予定の木場球一です。」

「ほー、後輩のくせに俺らに意見しようってのか?」

「すいません。まだ入部させていただく 予定 ですので。」

「チッ、クソ生意気だな。」

「まあ、待てよ。よお坊主あまり先輩おこらしちゃだめだぜえ?」

「すいません。先輩だと思えなかったもので。」

「ククッ、い〜度胸だなぁ。なあ坊主さっき校長室での話を聞く前にな、俺らにはグラウンドで教頭からはなしがあったんだよ。聞きたいか?聞きたいよなぁ?

教えてやるよ!さっきの話にプラスしてな俺らは野球部辞めるってことだ!」

「、え?」

「い〜いねぇ、やっと後輩らしい反応みせたじゃねえか。

まあ、かいつまんで言うとな、これから先練習でなくても部活に所属したことにしといてやるし、大会の日だけベンチにいてくれればいいって言われてな。そんなこと聞いたら練習すんのもばかばかしいだろ?」

「そーそー!大学の推薦とか欲しいから今まで惰性で部活やってたけどよぉ、今辞めても推薦に影響しないようにしてやるとも言われてな。別に甲子園なんで行きたくもねーし、野球部なんて俺らが卒業する前に潰れてくれなきゃ別にいいしな。」

「つーわけで甲子園には一年生だけで言ってくれや。

ま、無理だと思うけどな〜?」

 

それを聞いて俺は少し笑ってしまった。

「どーした?可能性がさらに絶望的になっておかしくつさなったか?」

「いえいえ、逆ですよ。可能性が倍増されて嬉しくなったんです。」

「あぁ?こいつ、ついにおかしくなったな。いい精神科おしえてやろーかぁ?」

「ちげーねーや。」

 

その先輩達は嘲笑を浮かべながら俺のことを見ていたがその人達に向かって俺はこう返した。

 

「やってみせますよ。一年生だけで。」

 

それを聞いた2.3年生達は呆れたような可哀想な奴を見るような目で

「ま、せいぜい努力するんだな。」

 

と言って全員去っていった。

 

 

 

 

2.3年生が去ったあと俺と金原さんはグラウンドに向かった。そこには俺が集めたメンバーと矢部くんと3年生と思しき人がいた。

 

「あ!球一くん!」

広巳が俺を発見して声をあげたのを機に全員がこっちに気づいた。

 

 

 

 

 




とりあえず一旦ここで切ります。次回からはメンバー紹介も含めて練習しているとこを書ければなぁと思います。
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