ここからは二人の生活を書いていきたいと思います。
まずは翔鶴さんの平日であります。
(このままグラ子出ずにイベ完走もせずに終わってしまいそうなろくろうであります)
第十一話 翔鶴さんの一日
「じゃ仕事いってくるね」
「はい、いってらっしゃいませ」
時間は朝の七時、玄関先で口付けを交わし
六郎は「いってきます」と笑顔で手を振り出かけていく。
「いってらっしゃい!」
翔鶴も手を振り見送った。
六郎のインプレッサのエンジンに火が入る音がし、走り去る音が遠くなって行った。発艦して行く艦載機を見送るように目をつむり町の喧騒に掻き消されまで耳を澄ませていた。
そして翔鶴は庭に回り洗濯機の脱水が終わるのをまっていた。
洗濯機がゴトンゴトンと動いている。
「そろそろかな~?」
翔鶴が六郎の元に来て約一週間が経った。
仕事に出かける六郎に寂しくなり泣きついてしまったり、帰ってくれば嬉しさの余りにやはり涙していたのだった。
出撃しては帰ってこない未帰還機に、そして六郎の祖父の事を重ねていたのだった。
「俺は絶対に翔鶴の元に帰ってくるからね」
翔鶴を優しく抱き締め頭を撫でながら睦言のように囁いた。
「ヒグッ、グズッ・・・はい」
そして優しく唇をかさねた。
「帰ってきたら、キスしてね」
「はい」
涙で顔を真っ赤にした翔鶴に、六郎も照れのせいか顔を真っ赤にしつつ海軍式の敬礼をし、出かけて行った。
「~~~♪~~~♪」
脱水の終わった洗濯物を物干し竿に掛けながら以前六郎の車の中で聴いてからのお気に入りになったUSGの曲の鼻歌を歌っている。
「今日もいい天気~」
洗濯物を掛け終え庭先から見える海を眺めながら大きく伸びをする。六郎に教えて貰ってから、翔鶴もお気に入りの場所になっていた。
「あ、掃除、掃除」
物置から箒を取りに向かった。
「おねえちゃんおはよ~」
「はい、おはよう」
「おねえちゃん、いえ~い」
「いえーい♪」
通学中の小学生とハイタッチ。
掃除をしながら通学している小学生達と戯れる。
六郎邸の庭に続く路地は小学校へ向かう通学路になっており、挨拶やハイタッチがいつの間にか日課になっていた。
地元小学生にも、ノリの良い美人なお姉さんとして認識されるようになったという。
そして時計が9時に指しかかろうとする頃。
「おはようございまーす、今日もよろしくお願いします!」
「あら、翔子ちゃんおはよう!今日もよろしくね♪」
アルバイト先の惣菜屋さんに到着。
薄いピンクのエプロン(女将さんの手縫い!デフォルメされた鶴と日の丸のアップリケ付き)に三角巾をし仕込みの手伝いから入っていく。
「はい、いらっしゃいませ!」
時折くるお客さんに笑顔で接客。
「・・・と、・・・と、・・・で500円になります!」
「ありがとうございました!」
「翔子ちゃん来てくれてからお店明るくなったわぁ~」
「いや、そんな・・・」
翔鶴は顔を真っ赤にして照れている。
家族経営のこの惣菜屋さん、寡黙な旦那さんと明るく女子力高い女将さん、地元の高校に通う娘さんで切り盛りしている。
そしてある意味戦場となるお昼に突入である。
「いらっしゃいませ!」
「…こちらで800円になります!」
「…200円のお返しになります!ありがとうございました!」
近所で働いている人や地元の高校生も買いに来るので大忙しである。
「惣菜屋にいるバイトの娘かわいいよな?」
「ああ!」
「放課後もいくべ」
買い物を済ませた数人の学ラン姿男子生徒が教室で買ってきた物を袋から取り出しつつ話し合っていた。
「翔子ちゃんって言うみたいだな」
「良く聞き出したな!」
「いや、おばちゃんがそう呼んでたのを聞いた」
男子生徒の隣のシマで友人達とお弁当を広げていた女子生徒の一人が反応する。
「あんたら、家で買い物してたの?」
惣菜屋の女将さんの娘で沙織という。女将さん似で料理が大好きで家に帰るとお店の手伝いもやっている。翔鶴が六郎の休みに合わせて休めるのはこの娘のお陰であると言っていい。
「そっか、沙織ん家だもんな。いつの間にあんな美人雇ったんだ?」
「近所に住んでる相馬さんって人の奥さんだよ(多分)」
「なんと…」
若い学生らしく大袈裟なアクションでガックリ肩を落とした。
「旦那ってどんな人なんだ?」
「30は超えてるからおじさんだよ?毎年八朔祭でライブやってるじゃん?ベース弾いてる」
「あー、分かったロン毛でゴツくて顔怖い人だ」
そりゃあ世代が一回りも違うと分からない事もあるだろう。
「あのバンド、みんな上手いよな?」
「ドラム酒屋のおじさんでしょ?」
「そうそう!」
「ギタボ外人だからまた反則なんだよな」
美人なお姉さんの話しは何処へやら、男子学生たちはバンドの話で盛り上がっていた。
「翔子ちゃんお疲れ様、賄い出来たらからお昼休みにしましょう」
お店のカウンターの中に小さいテーブルと折りたたみ椅子を出し遅目の昼食に入った。
「ありがとうございます」
女将さんが作ったのは正しく定番カレーライスである。
いただきます、と手を合わせスプーンてひとすくいし口に運ぶ。
「すごーい!美味しいです」
「うふふ、ありがとう。実は夕べのカレーの温め直しだけど美味しいでしょ?」
「美味しい」
またひとすくいし口に運ぶ翔鶴。
惣菜屋のドアの前には『休憩中デス』とカードが立てかかっている。
翔鶴は女将さんに教えてもらっている料理のレシピをびっちりと書き込んでいる。
チィン!翔鶴のiPadにメッセンジャーの着信音が鳴った。
「六郎さんからた♪」
トートバッグからiPadを取り出しアイコンをタップすると雄大な川の写真と利根川と短く書いてあった。
翔鶴も文字を入力し返信。
『お仕事ご苦労様です。何時位に帰宅しますか?』
少し待つと六郎からの返信が来た。
『ありがとう、6時半から7時には帰れます』
仕事柄時間を読むのが上手い六郎は大体書いた時間に帰ってくる。
「あら?ラブレター?」
休憩中の女将さんが出てきて翔鶴のiPad内の六郎とのやり取りを覗き込む。
「ロクちゃんももうちょっと気の利いた写真でも送ればいいのに」
笑う女将さんに
「ロクさん実直ですから」
と翔鶴が答えた。
女将さんは休憩中は旦那さんと仲良く昼寝を日課にしている。
「夕方の準備始めましょ」
「はい♪」
夜の営業に向けての準備が始まる。
「お母さんただいまー!あ、翔子さんお疲れ様ー!」
学校が終わり娘の沙織が帰ってくると一段と賑やかになる。
「沙織ちゃんおかえりなさい」
「はいおかえり!」
カウンターにいる女将さんと翔鶴が声を掛けた。
しばらくすると制服にエプロンに三角巾という、好きな人には堪らない出で立ちで沙織が出てきた。
「翔子さんよろしくね!」
「わたしの方こそ、ヨロシクね!」
そして夜の部の営業が始まった。
〜時間は6時半少し回った所〜
駐車場に車を停めて真っ直ぐ家に行かずに翔鶴の働いている惣菜屋へ向かった。
「いや〜店員さん可愛いよな〜」
地元の高校生達の話し声をききながら路地を歩く。
「こんばんは〜」
「あ、ロクちゃんおかえり〜!」
「翔子ちゃん!今日はここまででいいよ〜!」
「はーい」
奥の方から翔鶴の声が聞こえた。
「翔子さんまたね!」
「うん」
娘の沙織ちゃんの声も聞こえた。
「いつもすみません」
夕飯のオカズを手に取りながら女将さんと話す。
「いいのよいいのよ、花嫁修業という名のアルバイトなんだから」
600円ね、といい代金を渡した。
「ロクさんお待たせしました!」
「翔子もお疲れ様」
「あ、翔子ちゃん!来週は水曜はお店お休みだからねー!月曜からヨロシクね!」
「バイバーイ」
女将さんが手を振る、沙織ちゃんも表に出てきて見送ってくれた。
「ありがとうございましたー!」
翔鶴も手を振り帰し六郎の腕に手を絡めるようにし、二人並んで歩いてく。
街灯が写す二人の影が一つになっていた。
わりとがっつりと登場していただきました。惣菜屋の娘沙織ちゃん(キャラ的にはほぼまんまであります)
仕事に出かける、帰宅する・・・これって空母の発艦と着艦に似ていますよね。
というわけでイチャラブになりましたw
ここまで書いてて季節って季節出てなかったからこのまま今後のコラボの為に時間軸合わせて行っちゃおうかな!?
そして沢山のお気に入り登録、感想ありがとうございます!評価もいただきまして・・・今後も精進していきたいと思います!!