パン!パン!
よく晴れた日曜日になった。
義隆くんと川内は朝のうちに自宅に帰っていった。
庭に布団を干して、六郎が布団叩きで埃を叩いている音である。
「今日はいい天気だから気持ちよく寝れるよ」
「はい」
返事をしながらも洗濯機が余程気になるのか、ガタガタ動いている洗濯機を見つめている。(相変わらず翔鶴のジャージ姿は可愛い、しかもポニーテールに纏めているのも可愛い)
「翔鶴ー」
「提督?なんでしょう?」
六郎に呼ばれ翔鶴が庭先に出てきた。
「この方角、海見えるでしょ?」
「あ、本当ですね」
「ここは海が近いんだよ」
「・・・・・・」
「・・・やっぱり海は嫌いかい?」
「そんなこと・・・」
「翔鶴やじいちゃん達が戦ってくれたから今の平和があると思っている」
六郎が翔鶴の腰に手を回した。翔鶴も六郎側に身体を預けた。
「よぅお二人さんおはよう!朝からいちゃいちゃしやがって、若いっていいねぇ!」
わはは!と笑いながら肉屋の親方が洗濯物を干しに出てきた。
「あ!おはようございます」
「おはようございます」
二人がちょっと離れた。
「ここから海が見えるべ?夏になったら花火も見れるしいい所だよ、夏になったら皆呼んでバーベキューでもやるべ」
「いいですね〜」
そんな会話をのんびりしていると…
キュゴオオオ・・・!
轟音を轟かせ航空自衛隊のF-4EJ改が飛んで行った。近くの航空自衛隊所属の戦闘機である。
「ファントムかー」
「凄い音!」
幼少の頃から見慣れた機体は六郎の一番好きな機体である。
ファントムが飛び去るのを見送り。
「親方、また後でー」
「おう、またなー」
松本さんに挨拶をし翔鶴の手を引いて家の中に入った。
洗濯機の方はそろそろ脱水が終わる頃であった。
「さっきの飛行機の音凄かったですね」
「ジェット機だからね~」
簡単にジェット機の構造とかを教えてあげながら洗濯物を干していく。
(女性物はちゃんと翔鶴さんが自分で干して頂きました)
一通り午前中にやることを済ませた六郎は久しぶりにPS3を起動させた。
「提督?どうされました?」
「翔鶴がジェット機に興味あるみたいだからね、テレビゲームだけどちょっと気分だけでも味わってもらえればとおもってね」
立ち上げてゲームはエー〇コン〇ットというフライトシューティングである。
「テレビってすごい機能が付いているんですね~」
「まぁそういうわけじゃないんだけどね・・・」
コントローラーを操作しハンガーを出す。
F-15J、F-2A、F-4G(WW)、F-4E、F-14A・・・そして最後にA6M5零戦が鎮座している。
・・・偏っているが自分の好きな戦闘機全部並べてあります。
「やってみる?」
「はい♪」
操作に慣れるためにチュートリアルを選びそのつど操作を説明していく。
「・・・そうそう横旋回する時は機体を傾けてピッチを上げるんだよ」
「・・・はい!」
いつものほんわか雰囲気ではなく凛々しい戦闘中の翔鶴みたいであった。
「キャンペーンゲームをやってみながら全体の操作を覚えるといいよ」
「あ、提督艦載機はどの飛行機ですか?」
「F-14だね。キャンペーンでは零戦使えないからね」
「でも格好いいです」
・・・そりゃあそうである。超時空要塞マクロスでの可変戦闘機VF-1バルキリーのモデルになり。そのおもちゃを在日米軍の戦闘機パイロットがそのおもちゃを本国の子供にお土産にしたら本国で大人気になった。
・・・そこからの飲み込みは速かった。
機体操作はさることながらミサイルのロックオンも機銃を使ってのドックファイトも爆弾の投下も覚えてしまった。
「わ~これ本当に面白いですね♪」
「・・・喜んでもらえて嬉しいよ」
もうね、こんなに上達するとは思わなかったよ。
翔鶴が「えい!!えい!!」とかわいい掛け声しながら敵機を撃墜していく。
テレビの前に正座して旋回する時は旋回する方に身体を傾けてるのが可愛い。
一服しながら、翔鶴の後ろ姿を眺めながら一息入れる。
・・・こんなに充実した日曜の午前中はなかったな。
「提督!わたしMVP取れちゃいました♪」
「マジかい!?スゲぇ」
エヘヘとはにかむ翔鶴はやっぱり可愛い。
・・・やっぱり才能あるのか?あっというまに六郎より上達してしまった。
・・・キーンコーンカーンコーン。
翔鶴のゲーム眺めていたらあっという間に昼飯の時間になってしまった。
「翔鶴、ご飯買いにでかけよう」
「はーい・・・電源ポチ」
テレビとPS3を落とし、六郎に着いていく。
ガラガラと玄関を開けて出てくると翔鶴は六郎を手を握って買い物用のトートバックを手に下げる。
「お惣菜屋さんにいくよ?」
「あの豚汁のお店ですよね?わたし行きたかったです」
そんな会話をしながら地元の商店街を目指し二人で歩いていった。
いつもお世話になってる総菜屋さんにきた。
「こんちわ~」
「あらロクちゃんいらっしゃい・・・松っちゃんから聞いてたけど彼女?」
「あ、はい翔子です」
「翔子です、よろしくおねがいします」
六郎に紹介された翔鶴が挨拶をした。
「あらら~本当にかわいい娘ね~」
「いや、そんな・・・」
顔を真っ赤にして照れ照れの翔鶴であった。
翔鶴とおばちゃんが話してるあいだに
おかずを物色している六郎。
「・・・メンチカツと、ハムカツ・・・きんぴらごぼうに揚げ餃子にポテサラかな?」
パックを手に店内を眺めていると
「ロクさん・・・わたしここでアルバイトさせてもらえます!」
「えぇ!?おばちゃんいいの?」
「仕出しの仕事も増えて店で動いてくれる子欲しかったし・・・ロクちゃん平日は仕事でいないでしょ?」
「そうなんですよ」
六郎は翔鶴が来てからずーっと考えていた。
平日は仕事に出かけてしまうので日中は翔鶴の相手を出来ない。家に閉じ込めておくのも可哀想だ。それにこっちに来たのだから戦う以外の事も教えてあげたい。艦娘といっても人を好きになれるし、怒ったり泣いたり笑ったり出来るのだから・・・
「翔子ちゃん!これからは男の胃袋をぎっちり首輪かけて鎖で繋がないと女としてはだめよ?」
「はい!頑張ります!」
翔鶴は思わず海軍式の敬礼をやっている。
「うふふ、教えがいのある娘だわ~」
「俺の方からもよろしくお願いします」
「明日九時にここに来てね!詳しく話すから後でロクちゃんにも話してあげてね」
「わかりました♪」
こんな感じで翔鶴のアルバイト先が決まった。
「明日からよろしくお願いします」
会計を済ませ翔鶴がおばちゃんに頭を下げた。
「いいのよ~あたしにとってもロクちゃんは息子みたいなもんだし、翔子ちゃんも娘みたいなものだもん」
バイバイと手を振るおばちゃんに翔鶴と六郎は頭を下げてから家路についた。
・・・総菜屋さんのアルバイトが始まると瞬く間に料理の腕を挙げていった翔鶴。
それにあの美しいルックスのお陰もあってか、地元の高校生や中学生が部活帰りに買い食いにくる人気店であったが看板娘を一目見ようと今にもまして繁盛するようになったとか。
「今度翔子ちゃんメイドさんのコスプレする?」
「普通の格好のままでいいです」
「あら残念」
女子力の超絶高いおばちゃんのお店でのアルバイトが決まりました!
今後も緩くニッチにお話進めていこうと考えております。