恋姫†有双   作:生甘蕉

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四十二話  ちち?

「発情期? サカリがつくあれですか?」

「うん」

「それがなにか?」

 意図が読めないと、首を捻る愛紗。

「いや、南蛮の人間には発情期があるらしい」

「は?」

「まあ、人間と兎は年中発情してるっていうけど」

 だからバニーさんは兎なんじゃなかったっけ?

 ……今度バニースーツ作ってもらおう。誰が似合うかな?

 

「あの子たちにも発情期があると?」

 質問しながらも愛紗の顔は緩みっぱなしだ。

 その視線の先には、恋とともに庭で昼寝中の美以ちゃん、ミケちゃん、トラちゃん、シャムちゃんの南蛮娘たち。

 ねねがいないのは会議中なのかな。詠や猪々子、焔耶との攻略会議。あ、霞もか。

「だから、もしその時は愛紗も力を貸して」

「……美以たちにも手を出すつもりですか?」

 ギロリ、と俺を睨むがそれも一瞬。すぐにまた緩む愛紗の顔。

「たしかに美以ちゃんたち可愛いけどね。発情とかじゃなくて、好き同士じゃないと俺は嫌だし。……もし発情しちゃったら隔離して、男を近づけないようにして」

 それで駄目だったらその時考えよう。

 

 ……そういえばミケちゃん、トラちゃん、シャムちゃんのエッチイベントの記憶はあるけど、他の南蛮兵たち、ミケちゃんたちと同じ顔の量産型ちゃんたちはどうしたんだろう?

 発情期はあるはずだろうし、まさか全員一刀君が相手をしてたのか?

 それとも南蛮上層部だけが発情期が早く発生して、他はもっと後で発情期がくるとか?

 だいたい南蛮兵だけが女性のみで編成されてるというのもおかしい。

 もしかして、顔と格好は同じでも男が混じっているのか? それなら納得がいくけど……納得したくない。というか、確認したくない。詳しく調べない方がいいかもしれない。

 ……でも、南蛮兵が一気に発情期になったら大変だよなあ。

 

 

 蜀が南蛮を制圧したりシャオちゃんが嫁にきたりしてる間にも、華琳ちゃんは戦争の準備を進めていた。

 大規模な軍事行動を起こすべく、各地方に総動員令を発したとの情報が入っている。

 うちの軍師たちも蜀全土に緊急召集を掛ける。

 魏軍の目標が呉と判明するが、予断を許さない状況なのはかわらない。同盟国だし。

 内政に力を入れる桃香。

 兵、兵糧、軍資金。集めるものは多いが備えなければならない。

 やっと多少なりとも覚えた読み書きで、俺も政務を手伝おう!

 とはいえ、俺にできそうなことなんて限られてるんだけどね。

 

 量産型の南蛮兵ちゃんたち見ないなあと思ってたら、うじゃうじゃ出てきた。しかも仮面つけて。

 うん。華蝶仮面とむねむね団のイベントみたい。

 ……むう。今まで見なかった南蛮兵ちゃんたちがこんなに。ミケちゃんたちは召喚か分身を使ってるのかもしれないな。きっとそうだ。

 南蛮量産型ちゃんたちのことを考えるのを放棄して、仮面の戦いを眺める。

 恋も朱里も仮面つけてるし。白蓮まで。

 ……俺も作ろうかな、仮面。眼鏡奪われた時も使えそうだし。

 まあ、仮面つけても強くなるわけじゃないからやらないけどさ。

 

 イベント通りに華蝶仮面たちをフォローして、街の警備に取り込む。

 苦情対応以外の仕事できたかな?

 ……これも苦情対応かもしれないか。

 でも、賊は捕らえたけど、むねむね団は逃がしてしまった。

 後で麗羽をお仕置きしよう。

 ちっちゃいおっぱいを大きくしようとする邪悪な集団を許すわけにはいかない!

 

 

「なんですの皇一さん? 私をこんな所に呼び出して」

 なにか期待してるのか赤い顔の麗羽。

 呼び出した、と言っているが正確には呼び出したわけではない。麗羽と猪々子は現在、縛られている。

 麗羽はともかく、猪々子は暴れられたら危険なので星に捕縛を依頼、俺の部屋に連れてきてもらったのだ。

 あと斗詩は縛られていない。その必要ないしね。

 

「むねむね団禁止」

「なんのことですの?」

 む。とぼけるつもりか。

 ……マジで忘れてるんじゃなきゃいいけど。

「猪々子もなんで止めない?」

 麗羽と同じく趣味的な縛りを施された猪々子に問う。

 ……貧乳は大好きだけど、その縛り方は胸があった方が映えるかもしれない。

「だってさー」

「斗詩に苦労ばっかりかけないの」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

「斗詩……」

 即座に謝り出した不憫な嫁を抱き寄せて囁く。

「……もしかして昨日きたのって、俺としたかったのじゃなくて麗羽が馬鹿やりそうって教えにきてくれた?」

「……はい」

「そっか。早とちりしちゃってごめんね」

「い、いえ。……嬉しかったです」

 昨夜、初めてをもらったばかりの嫁とのいい雰囲気。

 予定通り麗羽へのお仕置きは食事抜きに決定しよう。さっさと斗詩としようと麗羽に猿轡をかます。

 猪々子はどうしようかな?

 

「ちょーっと待ちな!? なに? 斗詩、アニキとしちゃったっての? あたい抜きで!?」

「だって俺の嫁だし」

「ご主人様」

 抱き寄せたままの斗詩の頬がさらに真っ赤に。

 

「斗詩はあたいの嫁だ!」

 縛られたまま、もぞもぞ動き出す貧乳非ロリっ娘。

 顔を真っ赤にしてるのは、照れてるとかじゃなくて力んでるせいだろう。

 猪々子も怪力だしやばいかもしれない。

「たしかここを……」

 猪々子が暴れるようなら、と星が教えてくれた通りに猪々子を縛っている縄の一部を引く。

「ひぅ!」

 うん。猪々子から力が抜けた。敏感な場所にちょうど当たっている結び目が押し付けられているようだ。

 ふむ。なるほど。

 

 

 

「も、もう止め……」

 力んでるのとは別の真っ赤な顔で泣きそうになっている。

「これ以上やったらお漏らししちゃうかな?」

 猪々子もそんなイベントの記憶あったし。

 ここまでにしておこう。

「……せっかく、斗詩と二人でアニキんとこいこうと思ってたのに。斗詩いないから諦めたのにぃ……」

「文ちゃん……」

「今からでも遅くねえ! アニキ、チ●コ貸してくれ!」

 ……お仕置き続行決定。

「駄目。俺のは嫁専用だから」

「そんなこと言わずに。あたいと斗詩のためにケチケチしねえでさあ」

 俺は双頭バ●ブじゃない!

「……わかった。猪々子はそこで見てるように」

 猪々子にも猿轡して、俺の方は眼鏡を外して、と。

 

 

「斗詩、斗詩ぃー」

 猿轡を解いた途端、猪々子マジ泣き。

 うん。猪々子の前でいちゃいちゃたっぷりに斗詩を可愛がった甲斐があったな。

 ……俺ってこんなにSだったけ?

「つ、次は私ですのね?」

 麗羽の猿轡も解いたんだけど、なに言ってんの?

「いや。だって俺のは嫁専用だし」

「なにをおっしゃってますの? それではお仕置きにならないですわ!」

「むねむね団のことは認めるんだ?」

「なんのことですの?」

 もっかい猿轡。

 

「ご主人様、文ちゃんのことも……」

 自分の胸で泣きじゃくる猪々子に同情したのだろう、斗詩が俺にそう言ってくる。

「そうだそうだ斗詩の言う通りだ!」

 ……あんまり反省してない?

「斗詩に迷惑かけない?」

「お、おう」

「俺の嫁になる?」

「なるなる!」

 やっぱり反省してないよね?

 ……なんだろう、今日の俺はやっぱりSモードなのかな?

 

「斗詩、斗詩ぃ」

 猪々子再びマジ泣き。

 猪々子も嫁にしたんだけど、斗詩といっしょにじゃなくて。一人で双子の相手してもらった。

 大好きな斗詩の目の前で初めてを、しかも縛られたまま両方同時に奪われるという。

 身体もそうだけど精神的に堪えたはず。

「文ちゃん、ご主人様、どうだった?」

 斗詩が笑顔でそう聞いてくるもんだから、さらに泣いちゃってるし。……斗詩もわかっててやってるっぽいなあ。

 

「あ、あたい、斗詩じゃないやつの嫁に……」

 ひっくひっくと泣き続ける猪々子。

「反省したかな?」

 俺の嫁になったのは認識したみたい。でも「ひっ」って俺を怖がるのはショックだ。

 そこまで激しく……しちゃったかな?

「こんなあたい、斗詩に見られたくないよぅ……」

 普段気の強い娘に怯えた目で震えながら言われるとゾクゾクくる。

 じゃなくて!

 やりすぎた!!

 嫁となった以上、ここまでやっちゃマズイよね。

 

「安心して」

 斗詩にキスしてから優しく猪々子の唇を奪う。

「斗詩も猪々子も俺のお嫁さんだから」

 斗詩と協力して猪々子の縄を解く。

 

 

「へへ。斗詩ぃ……アニキぃ」

 すりすりと顔を擦りつけながら、俺と斗詩との余韻に浸っている猪々子。

 ふう。猪々子の瞳からハイライトが失われる事態は避けられたようだ。

「本当に文ちゃんを感じるんですね、ご主人様」

 俺の双子の機能に驚いている斗詩。そういえばずっと一人で俺の相手をしてたんだっけ。

 

「つ、次こそ私の番ですのね!」

 あ、麗羽まだいたんだっけ。

「お仕置き終了。猪々子に酷いことしちゃった」

「ううん。アニキならいいんだぜ。なんたってあたい、アニキのお嫁さんだし!」

「文ちゃんたら」

 元気になった猪々子を斗詩と二人で撫でる。

 

「わ、私は?」

「だから終了。もういいよ」

 麗羽の縄を解いた。麗羽は暴れてないから跡にはなってないな。

 これ以上Sモードやったら、戻れなくなりそうだし。

「ず、ずるいですわ! 文醜さん、顔良さん!」

 泣きながら麗羽は部屋を出て行った。

「あーあ、泣かせちゃった」

「あれはないですよぅ」

 ……猪々子や麗羽に辛くあたったのは、せっかくやる気を出して政務を手伝おうとしたのに、回されてくる仕事が麗羽の苦情対応ばかりだったというのは、ほんのちょっとしか関係してない。はずだ、たぶん。

 いくら俺が美羽ちゃんの保護者扱いで、美羽ちゃんと斗詩が俺の嫁だからって、袁家関係の問題全部よこさないでほしい。

 ……麗羽が問題起こしすぎなんだよな。たしかこういうのは白蓮担当だったはずと記憶がいってるけど、白蓮にはちゃんとした政務手伝ってもらってた方がはかどるんだよなあ。

 

 麗羽の世話まかせっきりだったのって白蓮飼い殺し状態じゃん。

 軍師たちはそれ狙ってたのかな。桃香の兄貴……姉貴分って立場が微妙だから。

 ……そう思ってたけど、袁家の対処はハードすぎる仕事でした。白蓮凄い!

 

 

 

 泣かせちゃってからなんか麗羽がおとなしくなったみたい。

 余計な仕事が減ってほっとしながら、この先をみんなと相談する。

 といっても未だ記憶が不完全な俺には、赤壁で勝つ、ぐらいしかわからない。

 赤壁ってたしか、朱里ちゃんが風おこして勝つぐらいしか思い出せない。

 ……その後は?

 

「魏を倒すまで戦うことになるのかな?」

「いえ、それは無理でしょう」

「……天下三分の計、だっけ?」

 三国が争わないで済むようになる状態が、蜀の目指す目標。

 それが達成できればクリア扱いになるのかな?

 二周目まではクリアできなかったけど、クリアできたらどうなるんだろう?

「十年後の俺は、最後どうなるって言ってた?」

「戦いが終わったら結婚式をしようとよく仰ってました」

 うん。それは聞いたよ雛里ちゃん。

 結婚式エンドがあるのかな?

「元の世界に戻るつもりはなかったみたいだったのかな?」

「え? ご主人様、天へ帰っちゃうの?」

 驚いた顔で桃香が俺を見る。

 桃香だけじゃない。みんながじっと俺を見ていた。

 

「いや、せっかくお嫁さんになった娘を残して帰るつもりなんか、全くないし」

 帰る方法もわからないしね。

「そ、そうだよね」

「ご家族に会いたいという思いはないのですか?」

「みんなを紹介したいってのはある。俺のお嫁さんだって」

 みんな一斉に赤くなっちゃった。

 でも、もしもそれができたとしても問題なんだよなあ。

「もし戻れても十年後の世界じゃ、俺大変だろうな。本人証明とかできないかもしれない」

 帰れても困るだろうなあ。

 せめて記憶だけでも全部復活してればなんとかなるかもしれないけどさ……。

 

 

 

「ご主人様……」

「ありがとう愛紗。おかげで助かった」

 泣きそうな愛紗の頬を撫でる。

「そうおっしゃいますが、私は役に立てませんでした」

「そんなことないさ」

「そうにゃ」

「元気だすにょ」

 ミケとトラも愛紗を慰める。シャムは寝てる。

「愛紗と兄が手伝ってくれたからみんなの発情期おさまったのにゃ!」

 

 結局、美以ちゃん、ミケちゃんトラちゃんシャムちゃんたちの発情期は隔離してもやり過ごすことができず、四人とも俺の嫁になることに。

 愛紗にも事前に説明してあったので怒るどころか、南蛮娘の発情期が始まった時に居合わせたんで参加してもらった。

 ……だから落ち込んでるんだけど。

 美以ちゃんたちが慰めてくれるんですぐに復活してくれるといいな。

 ……肉球総攻撃いいなあ。復活前に蕩けちゃいそうな気もする。

 

「鈴々だってしたいのだ!」

 愛紗は元気になったんだけど、美以ちゃんの初体験のことが鈴々ちゃんにばれちゃって大喧嘩してしまった。

 それで再び落ち込んで……桃香といっしょに元気づけた。

「ご主人様、鈴々ちゃんもいっしょにしようか?」

「そんなことしたら、愛紗がまた落ち込んじゃうんじゃない?」

 鈴々ちゃんのことは……まず季衣ちゃんに相談したい。仲あんまりよくないみたいだから。

 季衣ちゃんに嫌われてまで、鈴々ちゃんに手を出すつもりはない。

 

 

 

 魏と呉の戦いが本格的に始まる前に俺たちは孫策と会うことにした。

「よくも顔を出せたものね」

 あれ?

 なんかすごい睨んでいるんですけど。

 この人が孫策、だよね。

 

「なんで怒ってるの?」

 困った顔の蓮華に聞いてみる。

「それが私にも……」

 蓮華にもわからないのか。仕方ない。

 怖いけど、直接本人に聞いてみよう。耐えてる方がもっと辛いし。

「も、もしかして、妹さんに手を出したこと、怒ってるの?」

 声、震えちゃったよ。

 

「……それもあるわ」

「ほ、他にも?」

 ……声、裏返っちゃった。だって目つきがさらに厳しくなるんだもん。怖いよう。

「冥琳も大喬ちゃんも私のよ!」

 はあ、と冥琳が大きくため息。……でもその頬は赤い。大喬ちゃんも真っ赤になってるし。

 

「……同衾を断っているのでな、伯符は欲求不満なのだ」

「……なんで断ってるの?」

 思い出してないけれど、蓮華やシャオちゃんの話では孫策と冥琳は恋人のように仲がよかったはずだ。大喬ちゃんは孫策の嫁だし。

 

「あんたのせいよ!」

 俺を指差す孫策。

 うん。剣で示されなくてよかった。へたり込むどころか、失禁してたかもしれん。

「伯符は手加減が効かぬ時がある。……処女を奪われては困るのでな」

「……俺のため?」

 こくりと頷く冥琳と大喬ちゃん。ついでに小喬ちゃんと穏も頷いていた。

「あ、ありがとう」

 うわ、なんか照れるけど嬉しい。

 

「乙女じゃないと駄目なんて小さい男ね」

 くっ。重要なとこなのに、小さいとか言うな!

「そう言うな。雪蓮とてそれを知ってるからこそ、いまだに生娘ではないか」

 冥琳の暴露に孫策が赤くなった。

「な、なに言ってるのよ冥琳」

「え? だって一刀君とは?」

 妹たちに一刀君の子を産めと進めてたんだから、自分から率先するとかはなかったの?

 

「皇一殿、伯符は道場の記憶が残っているようなのだ」

「……そんなものは知らないと言ったでしょ」

 たしか、二周目までは孫策が道場主だったんだっけ。

「隠して……いや、もしかして俺と同じように忘れてるのか? なにかきっかけがあれば思い出すのかも」

 冥琳が頷く。

「だから皇一殿、伯符を抱いてやってくれ」

 

「冥琳!?」

 冥琳の提案に俺だけでなく、孫策までもが驚いている。

「なんでそうなるのさ。別にエッチしなくたって俺、みんなの記憶戻ってるよ」

 冥琳と穏、それに孫策の記憶はまだだけど。

「……道場にいた者で、皇一殿と関係を持っていないのは伯符だけだ」

 孫堅もだけど、言わない方がよさそう。

「引継ぎで思い出すってこと?」

「可能性はあるだろう」

「でも、二周目で引継いだ娘たちは、一周目の記憶はなかったよ」

 冥琳だって一周目の記憶、なかったよね。

「ああ。実際に試してみるしかない」

 

「急にそんなこと言われても……」

 いくら処女でもなんか孫策、怖い。失われた記憶の中に孫策を恐れてる部分があるのかもしれない。

「なに? 私じゃ不満だとでも?」

 乗り気じゃなかったのに、文句つけてきたし。俺の心でも読んでるの?

「……よ、嫁になってくれない女は無理」

「ふん」

 ぷいとそっぽを向かれた。あまり追求して、俺の嫁に、って流れは嫌なんだろう。

「今すぐ、道場のこと思い出す必要はないでしょ。きっとそのうち思い出すよ、俺みたいに」

 俺もその話を打ち切った。

 

 

「……伝えねばならぬことがある」

 重苦しい雰囲気で冥琳が口を開く。

「苦肉の策なのだが」

 ああ、たしか黄蓋が裏切ったフリをするという作戦だったはず。

「うん。雛里ちゃんもやらない方がいいと言ってた」

 二周目でも失敗してるからって。

 

「それなんだが……」

 孫策と顔を見合わせる冥琳。

「黄蓋殿は苦肉の策どころか、戦えなくなったのだ」

「……え? 無事なの?」

 呉にはまだ、死んでなければなんとかできるほどの名医と聞いている華佗がいるはず。なのに戦えないってことは……。

 

「たぶんあんたが考えているのと真逆の方向ね」

「真逆?」

 ニヤリと孫策が笑った。

「孫呉は天の血を授かったわ」

「天の血……え? それって……」

 

 俺の嫁が避けてたせいで、種馬の仕事ができないと思っていた一刀君。

 孫策も道場の記憶のせいか、一刀君との関係はなかったらしい。

 だが、呉の女性キャラ残る一人黄蓋は一刀君を避けなかった。

 ……ということは、つまり。

 

「おめでた!?」

 

 


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