欲望にはチュウジツに!   作:猫毛布

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息抜き(5700字

遅れました(三日ぶり
真面目回。というか戦闘回はどうしてもボケれないので真面目になりがちですね。
いや、日常回も真面目ではあるんですけど……


そういえば、オリジナルISの名前が予定と違っててこの先の展開予想が大きく変わった作者がいるらしいッスよ。よくある間違いだから仕方ないね!!
まあ、アッチだと完全に悪オチルートだから多少はね?


オトコのユウジョー

「一回戦で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ」

「そうだな。俺もお前達が負ける心配をしなくてよさそうだ」

「どうしてお二人さんはそんなに喧嘩腰なんですかね……」

「あはは……」

 

 睨みあう織斑一夏とラウラ・ボーデヴィッヒ。その互いの後ろには夏野穂次とシャルル・デュノアがそれぞれ控えている。

 肩を落として面倒そうに、けれども相変わらずヘラヘラと笑いを浮かべて状況を楽しんでいる夏野穂次に対してシャルル・デュノアは決して油断を抱かない。

 既にアサルト・ライフルのセーフティは外れている。警戒はずっとしている。

 

 

 

 

 

 

「俺は穂次に勝てない?」

 

 数分前、織斑一夏はシャルル・デュノアによって放たれた言葉を復唱してまるで信じられないと言った様に言葉を吐き出した。

 そもそも、この発言に至るまでに一夏とシャルルによる作戦会議が行なわれていた。そもそも一回戦で当たるつもりも無く、シャルルから言ってしまえば穂次の実力を鑑みてその評価を下すつもりであった。

 けれど結果を見れば一回戦。相手の実力を見るには時間が無い。

 一夏とシャルルが立てていた作戦は夏野穂次を早期撃破しラウラ・ボーデヴィッヒに集中するという事。もしも、その作戦をこの学園の誰かに聞いたならば、当然の作戦として受け入れていただろう。それほどに当たり前な作戦で、誰にでも思いつくような作戦であった。夏野穂次だって「うわっ……俺の実力なさすぎ……」なんて冗談めいて言った事だろう。

 けれど、しかしである。シャルル、いいやシャルロット・デュノアだけは知っている。彼の努力を知っていた。

 

「一夏と穂次が戦えば、一夏は負けないよ」

「負けないだけ、か……ホント、矛盾みたいな話だな」

「中国の故事だね。一夏達の場合は刀盾って言った方がいいかも知れないけど」

「そっか……穂次と戦っても勝てないのか……」

「納得できない?」

「いや、なんというか、ちょっと嬉しい」

「え……ああ! そうだね!」

「友達、というか、ライバルみたいなモノだからな……」

「いいよね! 男の友情って!!」

「ああ! 当然シャルルもだぜ! まあ、今戦ったら俺がボロ負けするんだろうけど……」

 

 果たして織斑一夏は気付いていない。いいや、気付かない方がいいのだろう。彼とシャルルの間には決して理解出来ない壁があるのだけれど……まあ、気付かないのならば問題は無いだろう。

 

 ともかくとして、一夏と穂次が戦えば負けもしないし勝ちもしないという戦闘が続いてしまい、残るのはシャルルとラウラの戦いになる。

 そもそもシャルルがラウラに圧勝、もしくは勝てるという事実があったならばソレで問題などなかったのだけれど、ソレも無い。

 結果的に変則的ではあるが、シャルル自身が穂次を抑え、隙を見てラウラへとアタック。というのが基本的な戦略として立てられた。

 そこに一夏は否定を入れることはなかった。一夏だって自分の実力はわかっている。シャルルの方が上であり、更にそのシャルルが言うには自身と穂次は相性が最悪らしい。

 けれどもシャルルよりも実力が上であるラウラ相手ならば一夏とて多少は耐える事が出来るし、或いは一矢報いることも出来る。これも相性の問題である。

 

 

 

 さりとて、時間は戻り、目の前に表示されたカウントが減っていく。

 カウントがゼロになる前に穂次のIS、村雨がアラートを煩く鳴らし、危険を操縦者に告げる。アラートの内容は相手からのロックオンをされたという内容だ。

 穂次は展開され続けている盾を咄嗟に構えてゼロを表示された瞬間に放たれた銃弾を防ぐ。

 

「ヒッ、いきなり撃つなんておっそろしいなぁ」

「ゴメンね。穂次を落とさないとボーデヴィッヒさんの相手は辛いみたい」

「ま、そうだろなぁ……まあ、コッチの仕事も似たようなモノだし、良ければ傍観するってどうッスかね?」

「イイ案だね。じゃあ君はアッチで見てればいいよ」

「それはイイ案だけど、生憎銀髪の美少女のお仕事をこなさないと怒られるからな」

「嬉しいんでしょ?」

「言わせるなよ」

 

 ヘラリと笑った穂次は踏み込んだ(・・・・・)。拳を握り締め、宙を蹴り、シャルルへと接近を挑む。けれど、シャルルは容易く距離を開けてトリガーを絞る。放たれた弾丸は容易く盾で防がれてしまうが、それでいい。お互い、既に仕事を開始している。

 

『それじゃあ一夏』

『んじゃ、ボーデヴィッヒさん』

『『あとはよろしく』』

 

 まったく別の声、別の人物、秘匿通信で入った言葉に一夏は笑い、ラウラは当然と言わんばかりに鼻を鳴らした。

 

「一応、宣言しといてやるよ。勝つのは、俺たちだ!」

「ぬかせ。勝つのは、私だ!」

 

 黒と白の戦闘の幕が切って落とされた。

 

 

 

 戦闘に置いて、シャルル・デュノアは一切の慢心も、油断もしていなかった。そもそも学園内で言われている穂次の印象というモノをシャルルは否定した。

 基本的に穂次の印象というモノは馬鹿者、剽軽者、或いはお調子者、変態という印象だった。変態という所は流石にシャルルも同意するしかなかったけれど、他の印象に関しては信じることはなかった。

 彼は努力を続けている。

 彼は努力を知っている。

 才能が無い、という事は彼自身の言葉であるから、きっと彼に才能なんて物はないのだろう。ソレを努力で補おうとしている事をシャルロット・デュノアだけは知っていた。

 だからこそ努力しないお調子者であるセカンドはシャルロットの前にいない。いるのはヘラヘラと笑ってはいるけれど、努力に裏付けされた実力と自信を持つ夏野穂次だけが、彼女の前に居た。

 

 対して穂次はと言えばかなり困惑していた。

 当初の予定では一夏とシャルルの相手を同時にして「ぐわーやられたー」なんて言う簡単なお仕事な筈だったのに、気が付けば超警戒しているシャルル君が目の前にいるのだ。穂次の目の前は真っ暗になった。心の中では倒れた穂次を抱き上げている穂次が必死に「ジョーイさん! ジョーイさんはいませんかー!!」と叫んでいる。当然、ソレが外に出て行くことはない。

 

 互いにそんな思考をしながらも、攻めあぐねているシャルルとそもそも攻める気もない穂次。穂次にしてみればアサルト・ライフルからショットガン、更に頑張って接近してもナイフで応戦されて離れられるというシャルルの技量に舌を巻くばかりである。コレが公式戦でもなければ「スゲースゲー!!」とテンションをあげてシャルルを賞賛した事だろう。

 

 シャルルにしてみれば目算よりも随分と激しくない戦いである、といったところである。確かに攻撃の幾つかに驚くような攻撃はある。けれどもその全ては蹴りや拳といった格闘メインであり、中距離を主としているシャルルにとって恐れるに値しない攻撃といってもよかった。

 そもそも、穂次の空中移動がシャルルにとっては異常の一言であった。シャルル……いいや、ISをそれなりに動かせる者達にしても穂次の動きは異端であるといえた。ソレが特に優れているという訳ではない。むしろ欠点だらけ。

 空を飛べるIS。PICにより慣性は消され、バーニアによる推進を得れば空を自由に飛ぶ事が出来る。

 けれど穂次の場合、穂次のIS、村雨の場合は飛べる、ではなくて()べる。

 宙にまるで地面でもあるかの様に踏み込み、足裏に付随されているバーニアが噴き出して推進を得る。そうしてようやく飛行できる。いいや、跳んでいる、と言った方が正しいのだろう。

 踏み込む事によって人間の筋力、力の動きは脚を伝わり上半身へと向かう。けれどそれは人間単位の話であり、今二人の彼とその他彼女達が操縦しているISに置いてはまったく意味のなさない話だ。

 利点などない移動方法。攻撃手段の少なさ。そしてその拙さ。全てを以ってして、ようやくシャルルは穂次に評価を下す。

 

 弱い。けれども倒そうとすれば時間が掛かるだろう。だがしかし、それだけだ。倒す事を考えなければ……それこそ、一夏へのフォローを考えたならば。

 

 頭の中で様々な思考が巡り、シャルロット、いいやシャルル・デュノアは決断した。

 決断してみれば後は早かった。そもそもシャルルには時間など無い。あと一分も経たない内に一夏は落ちてしまうことは明らかだった。対してシャルルも穂次もどちらもエネルギーはそれほど減っていない。むしろ穂次などシールドで防いでいるからなのかエネルギーの減りなど無いようだ。

 

 ボーデヴィッヒさんを落とす為にアレ(・・)は必須だから……。使える武装は少ない……でもいける。

 

 果たしてそれは自分の実力からの自信なのか、それとも対戦相手である変態の弱さからの結論なのか。きっとどちらもなのだろう。

 

 シャルルはグレネードを取り出して宙へと放り投げた。穂次は一瞬だけキョトンとした。それもそうだ、そのグレネードのピンが外れていなかったからだ。

 

 ミス? いいやありえない。少なくとも自分が仕出かしそうなミスをシャルルがする訳が無い。

 

 一瞬の思考の後、咄嗟に、踏み出してしまった穂次。ミスではない、コレは罠である。そう断じたにも関わらず、穂次は踏み出した。踏み出してしまった。

 その踏み込み動作に合わせる様にシャルルの腕が上がる。持っているのはアサルト・ライフル。

 

「ちょっ、ま」

「ごめんね」

 

 踏み込んだことによってグレネードに近付くしかない穂次の顔が驚きと悲壮に包まれる。何か言っていた様な気がするが、シャルルは聞かないフリをした。

 アサルトライフルから吐き出された弾丸は螺旋回転の軌跡を残しながら宙を走り、グレネードへと命中した。

 

 瞬間、轟音。黒々とした煙が穂次を包み、けれども穂次の視界は真っ白に染まった。

 

 さて、流石にアレで穂次を落としたとは思ってはいないシャルル。あの爆炎の中に一斉掃射というのも思考に過ぎったが、そんな事をしている暇もない。身体を翻すように泳がせて一夏の元へと移動した。

 

「……ふん。やはりセカンドはその程度か」

「穂次はよくやってたと思うよ」

「さ、これで二対一だぜ」

「ふん……元々アレは数に含んでない」

 

 ラウラにしてみれば本当に穂次に期待などしていなかった。している訳が無い。アレは何の実力も持っていないのだ。

 実力も無いくせに、へらへら笑い、挙句の果てには馬鹿にしても何も言い返せない。そんな男に何も期待などする必要は無い。

 だからこそ、ラウラにとっての本番は今からになる。意識を入れ替える訳ではない。なんせラウラ・ボーデヴィッヒにとって戦闘とはそういうモノなのだ。

 

「行くぞ、シャルル!」

「うんッ!」

 

 シャルルの射撃に合わせて一夏が動き出す。極光を纏った剣を構えての突進。シャルルの射撃はレールカノンの砲身へと当たり、射線をズラした。

 ラウラは思わず舌打ちをした。一夏一人ならば容易かった。シャルル一人でも恐らく対処は出来ただろう。けれども二人になれば、面倒極まりない。

 

「無駄な、事をッ!」

 

 ラウラの手が上がり一夏へと向けられる。瞬間、一夏の動きが静止した。まるで網にでも引っ掛かった様に。PIC、能動的に相手の慣性を消せる機能であり、相応に集中力を必要とする武装。もしも一対一ならば、コレで勝負が決まっていた。けれどもコレは――

 

「――俺たちはふたり組なんだぜ?」

「ッ!?」

 

 コレはタッグマッチなのだ。

 ラウラの横へと回り込んだシャルルによるショットガンの射撃。一撃、二撃、ワンマガジンを撃ちつくすようにトリガーを絞る。放たれた弾丸は複数に散りラウラへと当たる。当たりはしたが、ダメージとしては随分とお粗末だ。弾丸の集束率からして、精々つぶてが当たった程度かもしれない。けれど、それだけで良かった。

 ラウラの集中を切らすだけでよかったのだ。

 

「くっ……!」

「これで、終わりだッ!!」

 

 極光。白い剣が掲げ上げられ、その斬撃は絶対必中であっただろう。そして一撃必殺になったであろう。

 突如降って来た黄色いISに阻まれなければ、の話であったが。

 

「ッ! 穂次ぃ!!」

「ハハッ。お前が言ったんだぜ? 俺たちも二人組なんだぜ!!」

 

 必殺の剣が盾に阻まれる。どれほど出力を上げたとしてもその盾が破られることなどない。なんせこの盾は高出力(・・・)のエネ(・・・)ルギー(・・・)を防ぐ為の盾なのだから。

 穂次の登場を一番驚いてしまったのはラウラであった。頭の中が混乱する。どうしてコレは自分を助けたのだろうか。馬鹿なのだろうか。馬鹿だった。

 いいや、ともかくとして、混乱は瞬時に解けた。けれど、それも遅かった。

 

「だから、僕達は穂次をずっと警戒してたんだよッ!」

 

 ラウラは一夏に意識が行き、穂次は一撃必殺の刃を抑えている。

 ずっと一夏とシャルルは二対二の戦闘で考えていた。だからこそ、穂次という盾が邪魔でしかなかった。何をするにしても穂次の盾が邪魔だった。

 だからこそ、その穂次を止める為の手段を相談した。それも、もしも穂次が強ければ、という前提条件で話合った。

 どうすれば穂次を止めれるのか。答えなど簡単だった。必殺の刃は穂次にしか止める事は出来ないだろう。そう直感したのは一夏だった。

 それは織斑一夏としての直感ではない。

 穂次と友人である一夏だからこそ。

 穂次をライバルと言える一夏だからこそ!!

 

 瞬時加速でラウラへと接近を果たしたシャルル。そのシャルルの腕にはリボルバーと杭が融合を果たした武器が露出している。六九口径パイルバンカー《灰色の鱗殻》。

 

「『盾殺し(シールド・ピアース)』……ッ!?」

「え?」

 

 ラウラの驚きの声と共に漏れ出した通称に穂次の背筋が凍る。通称が彼をぶち抜く為だけのモノだったのから仕方が無いといえばそうだろう。

 突き出された拳はラウラの腹部を捉え、同時にパイルバンカー内部の火薬が炸裂する。

 火薬の爆破による推進を得て、撃音を響かせ杭がラウラへと打ち込まれる。

 

「ぐぅぅぅ!」

 

 ISのエネルギーシールドで相殺しきれなかった衝撃がラウラを貫く。その一撃で終わったのならば一夏達は負けていただろう。

 《灰色の鱗殻》のリボルバー部分が回転する。同時にそれは次弾の装填が完了した事を意味した。

 撃音。またリボルバーが回転し、撃音が響いた。

 続けざまの三撃により、ラウラのISに紫電が走り、IS強制解除の兆候が見えた。

 

 

 

 

 そして、異変は起きた。




>>仏「いいよね! オトコの友情って!!」
 あ……ふーん

>>二号「銀髪美少女に怒られる」
仏「嬉しいんでしょ?」
二号「あったりめぇよ!!」

>>戦闘展開早くないッスかね……
 仕様です。
 二次創作書き手の力量不足ですな。精神関係の屁理屈の方がスキナンデスヨー

>>いい所で終わりすぎじゃないっすか?
 エタらないからイケルイケル。


>>村雨特異点
 空は跳ぶ。踏み込みの動作をしないと加速できない。普通に飛ぶことも可能だが、速度を出すなら踏み込め。

 盾は本文で出てきているけれど、コンセプトは高出力のエネルギーを防ぐ盾。ギミックは次に出せる……かなぁ。
 零落白夜を抑えれるの? という質問には「盾にISのバリアエネルギー使ってると思ってんの?」と返すつもりです。だからそんな馬鹿げた重箱の隅を突く様な事はやめるんだ。イイネ?


>>前書きの失敗
 よくある村雨と村正の間違い。「妖刀ムラサメカッケー!! ふぅ↑↑!!」とかやろうとしたけど、気付いたら間違えてた。美少女から以外の罵りは受け付けない。いいな、絶対罵るなよ!! 罵った瞬間に君らは美少女になるんだからな!!
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