IS〜新たなガンダム〜   作:ゼロインフィニティ

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映画編スタートです。
映画編ではテレビ編よりも、トレミークルー達との絡みがないです。


A wakening of the Trailblazer-Shun
飛来


ライナside

 

「よし、ようやく新型太陽炉が12基完成したな。先にきて下準備していた甲斐があったってもんだ」

 

「そうね、シュンとアリアに久し振りに会うのが楽しみだわ」

 

「この太陽炉を届けて、今作っている新型機に載せてやらないとな」

 

今回作られた新型太陽炉は、トライアドドライヴシステムを前提として作られたものだ。だから、最初から100%の同調ができる。勿論、ツインドライヴシステムでも問題はないし、シングルドライヴで使用もできる。ちなみに俺が乗る機体、GNF-CX111《コンバットストライクガンダム》には既に太陽炉を一基搭載している。

 

「それにしても、あまり会ったことないが刹那がトライアドドライヴシステムを積みたくないなんてな」

 

「イノベイターになった彼なりの理由があるんでしょう。その分あなたの機体に回せる太陽炉が出来たんだからいいじゃない」

 

「それは嬉しいがそれはそれ、これはこれだ。それにしてもシュンは知ってるのか?」

 

「何を?」

 

「アリアが戦おうとしていることだよ。自分でシュンの分と一緒に設計して、ラボに頼んで作ったって話じゃないか」

 

「知ってたらシュンは止めそうね」

 

「じゃあ、知らないか。まぁ、会った時に直接聞けば済むか。とにかく早くこいつを届けてやらないとな」

 

これから俺たちは地球圏に数人の仲間を残して帰還する。残るメンバー達で引き続き太陽炉を作るそうだ。

 

「さぁ、帰還組はそろそろ出発だ」

 

俺たちは帰還の準備に入った。オリジナルの太陽炉を届けるべく。

 

 

 

 

 

シュンside

 

 

俺とアリアは、この2年間トレミーのクルーと共に過ごしながら、世界中で起こっている争いの小さな火種を密かに消す、ということをしていた。その中でかつて武力介入した時に使われていた機体や、旧三国家群の機体を使ったりしていた。今は、ラボで開発中だった俺の新しい機体と、戻ってくるライナ達と乗る新しい戦艦がひとまず出来たとの報を受け、粒子貯蔵タンクを付けたヴァリアブルストライクでアリアとラボに向かっていた。ちなみにアリアは俺の膝の上に乗っている。

 

「ようやくオリジナル太陽炉を搭載する俺の新しい機体が完成か」

 

「完全に完成しているわけじゃないわよ。バックパックは、全部で3種類の予定なのに1つしか完成してないんだから」

 

「完成しているのは汎用タイプのバックパックなんだろ」

 

「そうよ。本当は近接戦闘と、射撃タイプも頼んでおいたんだけど、本体の開発で大分苦労したみたいなのよね。設計図は渡しておいたんだけど、実際に組み上げる中でいくつも問題が発生して、その度に連絡がきたわよ」

 

「なら、本体だけでも完成させてくれたラボの人達には感謝だな。バックパックも1つとはいえ完成させてくれたんだから。それに、今も残りのバックパックを作製中なんだろ?」

 

「ええ。それとシュンには言ってなかったけど、私も自分用の機体を作ったから」

 

俺は、この一言を受けて目が点になってフリーズしてしまった。少しして回復すると俺は、叫び声を上げた。

 

「な、な、なにぃぃぃぃいいい‼︎おいおい、どうゆう事だよ‼︎俺はそんなの聞いてないぞ」

 

「だって教えてないもの。教えたら止めるでしょう」

 

「当たり前だ。アリアは戦わなくていい。戦うのは俺だけで十分だ」

 

好きな人を危険に合わせたくないし、まして、人殺しで手を汚させたくないのだ。自分勝手な思いかもしれないが。

 

「シュンの手助けをしたいっていう気持ちも確かにあったわよ。でも、それだけが理由じゃないの。戦う事だけじゃなく、人と人との対話を行いたいって思ったの。だからその手助けが出来るようにと思って作ったのよ。私の中では両方とも大事。それに私だってイノベイターなのよ。人を誤解なくわかり合わせたいってシュンと同じように思ってる。だからそんなに怒らないで」

 

俺は少し考えた後、ため息をつきながら答えた。

 

「はぁ〜、わかったよ。この間はアリアに折れてもらったから今度は俺が折れるよ。ただあまり無茶はしないでくれよ」

 

「わかってるわよ。私のできる範囲でするだけだから」

 

「それにしても刹那が、トライアドシステムをつまなくていいなんてな。太陽炉はあったのに」

 

「刹那から理由を聞いた後に暫く落ち込んでたくせに」

 

「そ、それは言うなよ」

 

確かに俺は刹那から理由を聞いた後に落ち込んだ。だってさ、『対話を行える範囲が広がるのはいいが、過剰な力は余計な争いを生む』なんて言われたら俺の機体はどうなる?3基の太陽炉を積むだぞ。流石にちょっと否定された感があって俺は、つい先日まで落ち込んでいた。

 

そんな会話をしている内にラボに到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「お久しぶりです、リンダさん。後、数日ぶりですイアン(さん)」」

 

「儂の事をついでの事のように言うな‼︎」

 

「まあまあ、あなた。そんな事を話す為に呼んだわけじゃないでしょ」

 

「リンダ❗️お前まで流すのか!この似たようなやりとり、何だか昔を思い出すぞ。まあいい、とりあえず例の機体は完成している。刹那の乗るダブルオークアンタと同様にな。後は、太陽炉を搭載するだけだ」

 

そこには新たな対話の為の機体が三機、静かに並んでいた。

 

「私達がトレミーから離れたあと、トレミーが未確認物体に襲われたって聞きましたけど、大丈夫だったんですか?」

 

「そっちは問題ない。復活したティエリアのおかげで大丈夫だったそうだ。それとその未確認物体は、連邦政府にELSと名付けられたらしいぞ。そして、ELSには意志があるらしい」

 

「イアン、それはどういことだ?」

 

「儂も詳しい事はわからんが、なんでも刹那が何かを感じ取ったらしい。そこからティエリアがELSに意志があると言ったらしいんだ」

 

俺は、イアンからの言葉を受けて考え込んだ。じゃあ、これがイオリア・シュヘンベルクの言った来たるべき対話の時か?それならELSとの遭遇時のことも考えておかないとな。そんな事を考えつつも話は続いた。

 

「それより、新しい戦艦の方はどうなってるの?」

 

「そっちも完成はしているが、太陽炉を載っけないとな。一応大型艦船GNバズーカの試射用に一発分の粒子チャージはされているぞ。後で見るか?」

 

「いいえ、乗る時に見るから今はいいわ。結局後は、試射してから太陽炉を搭載しての最終調整なのね」

 

俺達は、ライナ達が到着するまで新しい機体のスペックを頭に叩き込んでいた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーー

 

アリアside

 

ワァーン、ワァーン、ワァーン。

 

突然警報が鳴り始めた。私とシュンは、急いでこのラボの司令室に向かった。

 

「どうした!何があった!」

 

「ライナ達の乗る輸送艦が、こないだトレミーの方で戦闘があったELSと戦闘状態に陥ったみたいなんだ」

 

モニターに映るその戦闘は、圧倒的な数のELSを相手に輸送艦を守りながら戦闘するライナが苦戦している様子だった。ELSは軽く万を超えている。

 

「俺が出て援護する。そして可能なら対話を試みる」

 

「シュン!」

 

私は嫌な予感がして思わずシュンを呼び止めた。

 

「どうしたんだアリア。早くライナの援護に行かないと」

 

「何だか嫌な予感がするの。だから……」

 

「わかってる、無理はしない。それに対話を試みるのは同じイノベイターの刹那が何かを感じ取ったと聞いたからだ。逆の立場だったら刹那も対話を試みるだろう。だから俺もやってみるんだ」

 

そう言うとシュンは機体に向かって行った。

私にはまだ不安が残っていた。今の私には力がない。

私はとにかくシュンの無事を祈った。

 

 

 

 

シュンside

 

『カタパルトに移動を確認、リニアボルテージが230から730を突破。ヴァリアブルストライクをリニアフィールドに固定。射出タイミングをシュン・エルガスターに譲渡します』

 

少々声が震えているアリアのアナウンスを聞きながら、type04装備での発進準備が完了した。

 

「了解。シュン・エルガスター、ヴァリアブルストライク、出るぜ」

 

俺は射出によるGを感じながら宇宙に出ると同時に飛行形態に変形して、ライナが戦っている戦場へと向かった。

 

 

 

 

 

ライナside

 

「くそ、数が多い」

 

俺は、ELSの大群を相手に太陽炉を乗せた輸送艦を守りながら大立ち回りをしていた。

 

「Eセンサーに新たな反応!これは………ヴァリアブルストライク!ってことはシュンか!」

 

『ライナ、無事か?』

 

「ああ、大丈夫だ。ちょっとキツかったけどな」

 

俺はシュンからの通信に反応しながらもELSとの戦闘を続行していた。時に斬り裂き、ビームを放ちながらとにかく大事なものを積んだ輸送艦を守っていた。そんな時、シュンがこちらに近づけば近づくほど、ELS達がシュンの方へと向かって行っていた。

 

 

 

シュンside

 

「ライナ、今から援護……………ぐっ、な、何だ?この頭を貫くような痛みは」

 

俺はELSに近づくに連れてどんどん頭が痛くなっていった。それは、ライフルを向けたりすると余計に痛みが増してくる。

 

「こ、これが、刹那の言っていたものなのか」

 

この痛みは何かを訴えてきている気がする。俺のイノベイターとしての勘と刹那からの情報で、この考えは的を射ている気がする。

 

「ライナ、俺はこれからELSとの対話を試みる。一旦下がってくれ」

 

『何だと!それは危険だ。せめてもう少し情報を集めてからでも…』

 

「頼む、俺を信じてくれ。俺のイノベイターとしての直感が、対話できると言っている気がするんだ」

 

戦闘しながら、ライナは一瞬考え込んだ。

 

『わかった。シュン、お前を信じる。ただし、ヤバイと思ったらすぐに介入するからな』

 

「わかった」

 

俺は、脳量子波を最大にまで高めた。すると戦艦や、ライナに向かっていたELS達がこちらに集まってきた。

 

「これから、ライザーシステムとトランザムを使い意識領域の拡大を行う。そして、ELSとの対話を試みる」

 

俺は、ライザーシステムをアリスに作動させ、completeの画面が出ると同時に起動した。

 

「トランザム!トランザムバースト起動!」

 

機体が赤色に発光し、緑色の粒子が大量に放出し始めた。

 

「お前達は何しに来た。何が目的だ。頼む、答えてくれーーーーーーーーー」

 

直後、俺はさっきと比べ物にならない位の激しい痛みが、俺の頭を駆け抜けた。これ以上何も考えることが出来ない。

 

「ぐっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

俺は叫び声を上げると同時に意識が消えた。

 

 

 

ライナside

 

通信からシュンの叫び声が聞こえてきた。

 

『ぐっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』

 

「どうした、何があった」

 

シュンからの応答がない。あれっきり声が聞こえてこない。ヴァリアブルストライクの方を見るとELSに取り憑かれ既に侵食され始めている。

 

「あれはマズイ」

 

俺は急いで侵食されている頭部をGNソードⅡ改のビームを撃って破壊し、続けてELSの群れをGNビームサーベルⅡで切り裂いたり、避けたりしながら近づいた。そして侵食された両腕を肩から切り離し、機体本体を回収した。だが、それで終わらなかった。シュンの脳量子波に惹かれてくるのか、こちらに向かってくる。今の俺は攻撃できない。シュンの機体を両腕で持っている為、攻撃手段が頭部のGNバルカンしかない。この武装は牽制とミサイル迎撃用な為、十分な効果を上げられない。

 

『ライナ』

 

「アリアか、今は忙しいんだ。後にしてくれ」

 

俺は、戦闘の最中、それもかなりまずい時に通信を入れられて集中を遮られたもんだから、少しイライラしながら答えた。

 

『いいから聞いて。今私達の方で新型戦艦の大型GNバズーカの発射準備をしているの。確実成功させる為の調整が、後180秒必要なの。準備が完了したら教えるから、何とか持ち堪えて』

 

それで通信は終わった。が、

 

「無茶言ってくれる。もう一機抱えながら避けるのはかなりキツイんだがな」

 

しかし、これしか方法がないのも事実だ。輸送艦には武装が付いていないし、開発した新型機もまだ太陽炉を搭載していないから使えない。

 

「全く、こりゃジリ貧だぜ」

 

俺は愚痴りながらも何とか避けていた。やはり数が多い中での回避運動を続けるから、俺の精神力は限界に近かった。シュンの機体を抱えている分の負担が大きい。単独ならここまで精神的疲労が出てこないようにしているはずなんだがな。俺は180秒という時間が一時間、いや、それ以上の時間がかかっているように感じていた。そして、ようやく待っていた知らせがきた。

 

『ライナ、準備が完了したわ。これから送るポイントに全てのELSを射線上に誘き寄せて』

 

「了解だ」

 

俺は指定されたポイントに機体を向かわせた。

 

 

 

 

「指定ポイントに到着」

 

後ろを見ると次々とELSが来る。失敗は許されない。

 

『発射と同時にトランザムで避けて』

 

「また、無茶を言ってくれる。ならタイミングは任せた。アリア、頼むぜ」

 

それから次々来るELS達全てが射線上に収まるまで俺は更に回避し続けた。

 

『いきます。3、2、1、今です』

 

「トランザム!」

 

俺はアリアからの合図でトランザムを起動し、一気に射線上から離脱した。その直後、巨大なビームが宇宙空間を駆け抜け、射線上にいたELS達を全て、跡形もなく消し飛ばした。

 

「シュン、大丈夫か、返事をしてくれ」

 

シュンからの応答は、やはりない。俺は輸送艦より先にラボへと向かい、シュンを医療用カプセルに入れた。




次回で映画編終了。これでようやくほぼOO世界の分の話が終わる。

書いた後に、太陽炉12基はやり過ぎたかなと思ってしまった。そこを指摘するコメントが多かったら、戦艦はトレミーと同じコンデンサーに変えるかもしれないな…………
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