初陣〜ガンダム起動!〜
一夏side
「う、う〜ん。ここは?俺は確か誘拐されて、殺されかけて、そして…。ダメだ、こっから先が思い出せない。」
意識がはっきりしてきたところで手を動かそうとすると重力が無く、手足が縛られていないのに気が付いた。辺りを見回すと薄暗く、よく見えなかった。目が慣れてくると血が漂っているのが見えたり、腕が千切れている死体が見え、気持ち悪くなってしまった。
ドゴォーン
「な、なんだ。どこからか攻撃でも受けているのか?」
この爆発の中、俺はどうすればいいのか分からなかった。重力が無いということは一歩間違えると宇宙空間に放り出されて即死だ。
途方に暮れていると何処からか、声が聞こえてきた。俺はその声に導かれるように地面を蹴り、声のする方へ向かうとそこには、巨大な人型兵器が静かに佇んでいた。それに俺が近づくと、まるで俺に反応するかのようにコックピットハッチが開いた。そのまま中に入るといきなりハッチが閉まり、俺はビックリした。
「な、何で急に閉まるんだよ!」
思わずそう叫んでしまった。その次の瞬間、
“音声による言語認識完了。言語設定を日本語へと変更”
と音声が流れ、同じ内容が画面に現れていた。
その後、合成音声によって
“あなたは力を欲しますか?”
それは画面にも現れていた。『YES』『NO』の表示と共に…。
ライナside
「よし。これであらかたデータの破棄は終わった。後はサリーからの連絡を…」
ピピピピ、ピッ
「どうしたサリー。機体はどうした?」
「それが格納庫へ向かう通路全てに緊急遮断ハッチが降りていて中々向こうへ行けないのよ。格納庫と連絡も取れないし。ここまで完全に遮断するとなると、敵の狙いは新型機の奪取じゃないかしら?」
「なに!それならもう時間がない。残念だがこの基地諸共機体を爆破するしかないな。あれはこちらの最重要機密の塊だからな。こっちはすぐに自爆シークエンスを開始する。そっちもすぐに脱出艇へ。」
「わかったわ。ライナも気を付けて。」
俺は通信を切るとすぐに自爆シークエンスを開始して、脱出艇へと向かった。
アロウズside
「よし、あらかた敵の砲台は潰した。1個小隊は現宙域で警戒しつつ待機。残りの2個小隊は私と共に、基地内部へと進入し、情報にあった敵の新型機の捜索と奪取だ。」
「「「「了解。」」」」
そして私は、2個小隊共に二手に別れて基地内部へと進入した。
一夏side
『あなたは力を欲しますか?』こうシステムに問われて、確かに俺は力が欲しいと思った。だけど、理由なき力は唯の暴力だと身を持って知っているから、ここが何処なのか、何の為に戦うかはっきりしないと力が欲しいと素直に言えなかった。
俺の心情を察したかどうかは知らないが、機体が勝手にここを攻めてきている組織アロウズとこの機体を作った組織CBの事を映像と共に簡単に教えてきた。アロウズ情報の中にオートマトンと呼ばれる殺戮兵器で罪なき人が蹂躙される映像があった。それを見たとき俺は思わず吐きそうになった。今も、この機体が送ってくるのか、この基地にいる人の悲鳴や悲しみが聞こえてくるのを感じている気がした。気のせいかもしれないけれどこれを放っておくことは出来ないと思った。
だから俺は、決意した。
「俺は力が欲しい。力のない人を守る為の力が!」
そう言いながら俺は『YES』のボタンを押すと網膜スキャンされ、パイロット登録が終わると、機体が起動し始めた。
“ようこそ、マスター。私は自動学習試作AIアリスです。あなたの機体操縦をサポートします。”
「よろしく、アリス。早速だけどこいつの動かし方と武装は?」
“現在使用可能なのはGNマルチキャノン、GNマルチビームライフル、GNビームサーベル、GNレールガンです。操縦方法は…”
俺はアリスからの説明を聞きながら機体のOSを立ち上げていった。
全て立ち上げ終わるとGNドライブの駆動がコックピットまで伝わってきた。アリスの説明を聞いていたけど、操縦桿を握ると何となく動かし方が頭に流れてくる気がして、出来ると思った。
「アリスのおかげで一通りはわかった。やれるだけやってやるさ。アリス、サポートは任せたよ。」
“了解です。”
「そう言えばこいつの名前は?」
“ヴァリアブルストライクガンダムです。”
「わかった。ヴァリアブルストライクガンダム、織斑一夏、いくぜ!」
GNマルチキャノンでハッチを吹き飛ばしながら俺は宇宙へと向かった。
アロウズside
「ん、レーダーに反応。これは敵の新型機だろうな。脱出艇じゃこんな動き無理だしな。とりあえず隊長に連絡を…。」
「ん、どうした?」
「レーダーに反応が。おそらく敵の新型機ではないかと。今真っ直ぐこっちに…。う、うわー。」
「味方機の反応ロストだと。くっ、全機基地から緊急離脱だ。」
「「「「了解。」」」」
一夏side
俺は今、人を殺した。手が震えてる。けど、今はまだ立ち止まる訳にはいかない。
“基地の自爆が始まりました。急いで脱出して下さい。”
俺は敵の機体の残骸を少し見て、基地から脱出した。
アロウズside
やはり自爆してきたか。こちらももうすぐ脱出完了するのだがこの爆発で部下が2人も死ぬとは。仇は取ってやるぞ。
一夏side
外へ出ると宇宙への感動に浸っている暇などなく、すぐに攻撃を受けた。
「アリス、敵の編成は?」
“アヘッド1、ジンクスⅢが5機です"
「初陣にはキツイな。脱出艇は?」
“基地の後方から2隻脱出しました。そちらが発見されるとすぐに堕とされてしまいます。”
やっぱこっちに引きつけないとダメ、か。そう思いながら俺は敵へ向かっていきGNマルチキャノンのトリガーを引いた。
敵は予想外の攻撃範囲と威力だったのかシールドごとジンクスⅢ2機を撃墜した。
残り1機を今度は左のGNマルチキャノンで狙おうとしたら、基地側から脱出してきたアヘッドとジンクスⅢ2機がビームを撃ってきた。
「くそ、流石に訓練されてる。さっきは向こうの油断で墜とせたが今度はそうもいかないか。」
俺は上下左右の感覚がわからなくなりつつも、アリスのサポートを受けて何とかあちこちからくる敵のオレンジ色の粒子ビームを避けていた。
CBside
俺たちは基地の爆発に紛れて脱出をばれないよう慣性航行で離脱を図っていた。
「おい、ライナ。」
「何だ。」
「ヴァリアブルストライクガンダムのシグナルが出ているぞ。」
「何!そんな馬鹿な。パイロットは誰だ!」
「それがわからん。機体側で通信を拒否しているみたいで。」
そう話している内にヴァリアブルストライクガンダムはジンクスⅢ2機を撃墜した。
「いくらAIの支援があるとは言ってもあの動き素人がやるのは無理だ。」
あのガンダムは残りの敵4機のビームを目まぐるしく回避しているのだ。まず、素人には無理だろう。
「まずい、向こうのジンクスⅢに気付かれた。急いで離脱だ。」
「了解だ。何とか逃げられればいいが。だが、ガンダムはどうする?」
「どうすることも出来ないな。俺たちが行けば戦闘の邪魔になる。」
そう言って俺たちはエンジンを最大出力で点火し離脱し始めた。
一夏side
“敵に脱出艇の存在を気づかれました。”
ビームの弾幕を避けながら俺はアリスの報告を聞いた。
「アリスもっと機体出力は上がらないのか?」
現在この機体にはリミッターが掛かっており、トライアングルシステムではなくツインドライヴシステムで稼働している。
“上げることは不可能ではないですが、まだ一度も使ったことがなく、同調が上手くいかず最悪の場合GNドライヴが停止します。トラザムシステムも調整が済んでいないので使用不可です。”
手詰まりだと思った。けど今、力を使わないであの脱出艇にいる人達が死んでしまうのは嫌だった。
「アリス。トライアングルシステム起動だ。」
“いいんですね?”
「ああ。やってくれ。」
“了解です。システム、ツインドライヴからトライアングルへ移行。トライアングルシステム起動します。”
システムが不安定な為か一度機体が止まってしまいそこから再び動き出した。敵も急に止まったのは罠かもしれないと思ったのか様子を見ている。脱出艇へ向かおうとしていた機体も同様だ。
「応えてくれガンダム。俺に、あそこにいる人達を守る為の力を、俺に貸してくれ‼︎」
グォン、グォン、グググォーン
GNドライヴがさっきとは桁違いに動いている。画面を見ると同調率100%と出ている。そしてここからではわからないがガンダムフェイスを覆っていたカバーがなくなり、正しくガンダムと呼べる姿になっているだろう。敵もこの粒子放出量に動揺している。俺はこの隙に脱出艇へと向かおうとしていたジンクスⅢをビームサーベルを抜き胴体から真っ二つに切り裂いた。この間の速度は気絶しそうなくらい凄まじかった。味方が撃墜されるのを見た敵は、これ以上の損害は出したくないのか母艦と共に撤退した。
戦闘シーンの描写難しいな。書いていく内に上手くなるかな?
次回はOO世界の設定集の予定です。ネタバレの可能性大です。