さて、質問が来る前に、トライアドストライクの完成していなかったバックパックはすでに完成し、アマタノオロチに搭載しています。
帰還
シュンside
ELSとの戦いが終わって約四ヶ月がたった。その間に世界は、また新たな火種を抱えることとなった。何故なら、ELSと共存したハイブリッド・イノベイターと呼ばれるもの達の登場。そして、イノベイターへと覚醒するものが急激に増え始めたのだ。それによって、旧人類と新人類(イノベイター)との軋轢が生じ始めたのだ。新連邦政府も何とかそれを緩和しようと動いているが、なかなか効果が上がらない。それは、当然の事なのかもしれない。人は、他者と違うところを羨んだり、妬んだりする。まして、自分より上の人を見るとどうしても嫉妬してしまう。自分と他者は、別人なのだから同じになろうと思わなければいいのに、と思うのは自分がイノベイターだからだろうか?
俺達CBもELSとの戦いで、トレミーに残っている太陽炉が一基しか残っていない。刹那も対話の旅へと向かい、アレルヤとマリーさんは、再び自分のルーツを探す旅へと戻り、トレミーにはガンダムマイスターがロックオンしか残っていない。俺達の乗るアマタノオロチには、全機が帰還しているから太陽炉が、艦に搭載しているのも含めて十基ある。このトレミーの深刻な太陽炉不足に、このアマタノオロチに搭載されている二基をトレミー側に渡した。(外した後に大型GNコンデンサーに付け替えた)そして、木星に残っていた仲間達が作った太陽炉が一基、こちらに渡された。理由は、アリアがトライアドシステムの出力に耐えられるようになった時の為、だそうだ。
俺達は二隻ある戦艦を宇宙と地上に一隻ずつ配備した。宇宙にはトレミー、地上にはアマタノオロチだ。俺達は地上での活動メインにして動いている。今は、旧人類と新人類の小規模な争いに介入するということをしているのだ。
そんな時だ。ある地域で異常な重力場を検知した俺達は、そのポイントを調査する事になった。何故ならそのポイントが、かつてイオリア・シュヘンベルクがいた場所であったからだ。
「なぁ、ライナ。確かにここで重力場を検知したんだよな」
「ああ、そうだ」
「だけど、今は反応がないな」
「少し、この辺りを探索だ」
「了解」
俺とライナは周辺を探し始めた。すると、何かの装置のような物を見つけた。全部が黒で塗られているが、所々錆びたりしている。
「ライナ!何にかの装置らしきものを見つけた」
「了解だ。取り敢えずそいつを持ち帰ろう」
俺はその装置らしき物を機体の手の平に乗せて帰還した。
アリアside
私は、サリーさんと一緒にシュン達が持って帰ってきた装置を調べた。そして、解析が終わった後に、
「調査しに行って、壊れた装置を持って帰ってきたの?」
「目星物なんかなかったんだよ。なぁ、ライナ」
「しょうがないだろ。本当に何もなかったんだから」
「それより、これが何の装置か分かったのか?」
「いや、それがね………」
「何で言葉を濁すんだよ」
「シュンちゃん怒らないの」
「サリーさん、わざとちゃん付けするのは止めて下さい」
俺は、男なのにちゃん付けされたのに少々怒っていた。
「和ませようと思っただけよ。その装置について結論から言うと、年月が経ち過ぎてよくわからなかったわ」
「それでわからなかったから、ヴェーダの中に情報がないか検索中なのよ」
“検索、終了しました”
「アリスを使っていたのか」
「アリスはヴェーダの小型ターミナルユニットとリンクしているから、ヴェーダ内の情報検索に向いているの」
アリアからの答えに内心成る程、と思いながらアリスに検索結果を聞いた。
「で、アリス、結果は?」
“はい。これは、約二百年前にイオリア・シュヘンベルクが作りし《ワールドムーブメント》と言う装置です。詳細はヴェーダに拒否された為不明ですが、この装置は、並行世界の情報を取得する事や、人を別の世界へ送る為のものらしいです。ただ、開発当初は動かなかったようです。現在も動かないようですね”
「そのようだな」
「取り敢えずこいつの解析を………」
ライナが続きを言おうとしたその時、装置が急に動き出し船全体が光に包まれた。
「な、何だ!この光は‼︎」
「これは、俺がこの世界に来た時に包まれた光………」
それを最後に、俺達の意識は途切れた。
束side
いっくんが行方不明になってから二年半がたったけど一向にその行方を掴めない。ちーちゃんとは、音信不通にしている。理由は、第二回モンド・グロッソの時にいっくんが誘拐された時のやり取りがきっかけだ。
回想
「いっくーん」
私はいっくんが誘拐されて、監禁されている場所に向かい、たどり着いた。そこには男二人が倒れているだけだった。私は倒れている男の内の一人を引張叩いて、無理矢理意識を覚醒させた。
「うっ」
「おい、いっくんをどこにやったのかな?」
我ながら、中々ドスの効いた声だったと思う。
「いっくん?誰の事だ?げっ!お前は篠ノ之束」
「織斑一夏の事だよ」
「あ、あいつなら変な光に包まれて消えたようだぜ。俺だって今、あんたに起こされて分かった事なんだからな」
「ふぅーん、じゃあ君はもういいよ」
私は男の鳩尾に拳をめり込ませて再び気絶させた。
「いちかぁぁぁぁ〜」
ちーちゃんが暮桜を纏った状態でいっくんの名前を呼びながらやって来た。
「ちーちゃん」
「束か、一夏はどこだ」
「私もわからない。知ってたとしても教えないと思うけど」
「なに?どういう事だ束」
ちーちゃんは、怪訝そうに聞いてくる。
「だって、ちーちゃんはいっくんがどれだけ努力していたか知らないでしょ。それに成績自体も二人よりちょっと劣っているだけでいじめられているのだって」
「私は一夏からいじめの事は聞いていないが、一夏なら出来ると信じ………「でも、褒めてあげる事しなかったよね、認めてあげなかったよね」ああ、した記憶がない…な。だが、春樹は、同じ事をしても何も言わなかったぞ。」
「いっくんとはっくんは違う人間だよ。そんな事も分かってないの?それにいじめの発端を作ったのは………いや、これはちーちゃんが自分で調べてね。私の口から言う事じゃないから」
回想終了
私はその言葉を最後にちーちゃんの前から消えた。そして、この約二年半の間ずっと探し続けていたが、手がかりが全くなかった。
そんな時だ。急に異常な重力場を検知した。そしたら、その検知した場所付近にいっくんの反応が突然出てきたのだ。
「いっくん!ようやく見つけた。今から迎えに行くからね」
私は急ぎ反応のあった場所へと向かった。
シュンside
「うっ」
こ、ここは?あ、そうかイオリア・シュヘンベルクが作った装置が急に動き出して、その光に包まれたのか。
「おい、みんな起きてくれ」
俺は取り敢えず周りに倒れている仲間達を起こした。
「う〜ん、あっシュン」
「おはよ、アリア」
「何があったんだよ、シュン」
ライナが頭を振りながら聞いてくる。
「俺に聞かれても。俺だってさっき気がついたばかりなんだよ、ライナ」
「ライナ、私達はあの装置が出した光に包まれた、だったでしょ」
「ああ、そうだったな」
ライナの質問には、サリーさんが答え、その後、俺達は現状の確認をすることにした。
「アリス、現在地はどこだ?」
“私達の現在地は、サハラ砂漠です。それと、ヴェーダとのリンクが切れていますが、小型ターミナルユニットでもある程度までは問題なく演算処理が出来るので、人類同士の対話なら問題ないです”
「サハラ砂漠だって!一体いつの間に移動したんだ?それより、ヴェーダとのリンクが切れているだったな」
俺は、アリスから告げられたことに驚いたが、それよりもヴェーダと接続出来ていないことの方がかなり問題がある。
“はい、ヴェーダに接続出来ません”
「ヴェーダとのリンクが切れているのは問題だが、取り敢えずは情報収集だ。俺達が気を失っている間に変化した事がないか調べるんだ」
「「「了解(ええ)」」」
「それも大事だけど、ブリッジにいるメンバーも、俺達みたいに気を失っているんじゃないか?そしたら、気を失う前は、光学迷彩を起動していなかったから、今は監視衛星から丸見えなんじゃないか?」
「「「あっ………」」」
俺以外の全員がその事を忘れていたらしく、固まってしまった。その中で一番最初に復帰したライナが指示を出し始めた。
「そうだな。まずは艦内クルーを手分けして起こして、光学迷彩を起動するか」
俺達は艦内クルーを起こし、光学迷彩を起動した後、現状を把握する為に情報を集め始めた。
それから少し時間が経った後、俺は調べていくうちに一つの単語を見つけ、目を大きく見開いて呟いた。
「こ、ここは、俺のいた世界…………」
そう。俺は、ISと言う単語を見つけた。
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