終わりの目処が立ち次第お知らせしたいと思います。
一夏side
敵を追い払った後、俺はCBの脱出艇へと近づきながらアリスに通信回線を開かせた。
「こちらヴァリアブルストライク、そちらは無事ですか?」
「ああ、こちらは君のおかげで命拾いしたよ。だが、それはこちらの最重要機密だ。悪いが一緒に近くの基地までついてきてもらう。」
「わかりました。後からついて行きます。」
そう言って俺は通信を切った。
ライナside
通信回線を開くとまだ子供と言える位の少年が乗っていて驚いた。
「それにしても彼、どう考えても素人よね。パイロットスーツ着てなかったし。」
「そうだなサリー。しかし、これから彼をどうするかが問題だ。昔ならすぐに口封じをしただろうが今は違うからな。彼の身元も調べないと。」
それにしてもさっきの戦闘から考えると恐らく彼は俺以上のモビルスーツパイロットとしての素質がある。何とか仲間に引き込めないだろうか?いや、しかし子供を戦争に巻き込むのは、でも………。
と俺は基地に着くまで悶々と悩んでいた。
一夏side
CB脱出艇と接触してから30分後位した後、目的の基地へと到着した。
細かい制御をアリスに任せてモビルスーツハンガーに機体を固定した。『とりあえず話をしないとな』と思いながらハッチを開けて降りた。するとこの機体が置いてあった基地のリーダーとサブリーダーらしき男女2人が近づいてきた。
「よぉ、ボウズ、さっきはありがとな。俺はあの基地のリーダーだったライナ・ヴェザリウスだ。」
「私はサブリーダーだったサリー・ヴェザリウスよ。よろしくね。」
「俺は織斑一夏です。あれは自分が見過ごせないと思ったからやっただけです。後、機体を勝手に使ってすみませんでした。」
「まぁ、それはあんま気にすんな。こっちはおかげで命拾いしたんだからな。それにあの機体は破壊されるのを覚悟していたんだ。だから、それが戻って来ただけで結果オーライさ。」
「そうよ。だからあんまり気にしないの。」
「はぁ、わかりました。あの俺はこれから…」
「ライナ!」
「ちょっとすまん」と言うとライナはコックピットへと向かった。
ライナside
「どうした?」
「それが機体のO.S.にロックがかかっていてパイロット変更出来ないんですよ。しかもそれがAIの方でロックをかけているみたいでして。」
「データは取れるか?」
「一応取ることはできますが、システムへの根幹へは無理ですね。」
システムに自我を持たせたのは失敗だったか?いやしかし、本人のセンスもあるが、素人が実戦であれだけ動けていたということは能力的には良いということか。とりあえず一夏に話を聞いてみないとな。
「なぁ、一夏。お前どうやってうちの基地に入ってあいつを動かした?」
「それが…」
俺は一夏の話が最初は信じられなかった。なんせ、こことは別のMSの代わりにISがある世界から気が付いたらあの場所に居たってことを。だがそれはすぐに信用に値することがわかった。世界中探しても『織斑一夏』という名前がないのだ。そこで俺は一つ提案をしてみた。
「一夏、お前CBに入らないか?」
一夏side
ライナさんにいきなり『CBに入らないか?』と問われ内心結構驚いた。
「何故です?」
「ヴァリアブルストライクガンダムがうちの機密でそれを動かしてしまったから、っていうのは建前だ。お前には戸籍がない。この世界の事もよくわからない状態だ。それに今の時代、子供が1人で生きていくのは辛いだろうからな。」
あの言葉はライナの親切からきたものだったのか。周りから酷い扱いを受けていた俺にとってはとても嬉しいことだった。
「それにな、お前は俺以上のモビルスーツパイロットとしての素質がある。お前が望めば俺とサリーが鍛えてやる。」
これには驚いた。今まで『才能がある』と言われたものは何一つなかったのだから。少し考えてから俺は口を開いた。
「正直、アロウズのやる事には同調出来ないと思っています。でも、CBが正しいのかもよくわかりません。だから、少しこの世界を見て回って、それからきちんと答えを出したいと思います。」
「最もだな。その年でしっかりとした考えを持ってる。大したもんだ。だったらこんなのはどうだ。とりあえずCBに入ってあの機体をしっかり動かせる様になったら少し世界を見てくるといい。」
「そんなこと出来るんですか?」
「実際問題あいつには一夏、お前しか乗れなくなっちまったんだ。それなら地上での機体性能、武装のチェックと言うことにすれば問題ない。」
これは俺にとってありがたかった。実質の猶予が与えられたのだから。「よろしくお願いします。」そう言って俺はひとまずCBに入った。それから俺は施設のあちこちを案内された後、これからの自分の部屋へと案内された。C.Bでは基本名前を本名ではなくコードネームで呼ぶらしいらしいので俺にも後で与えられることになった。部屋に入ると俺は今日の戦闘の事を思い出していた。
『俺はあの戦闘で確かに3人の人を殺した。あの時の俺は、あの脱出艇を守りたいと思ったし、自分も生き残りたいと思ったからこそ俺は戦った。でも、戦闘の事を思い出すと罪悪感と共に段々息苦しくなっていった。このままでは自分が倒れると思い、ライナの所へと行こうと思った。聞けばライナは元々テストパイロット兼技術者らしいのでこういう時どうすれば良いかというアドバイスを貰おうかと思い部屋を出た。半ばぼーっとしていたので通路から人が来るのに気が付かず、ぶつかってしまった。まさかこれが俺にとって運命の出会いになるとは、この時は微塵も思わなかった。
アリアside
マズイ。ヴァリアブルストライクガンダムのバックパックの調整に夢中でライナからバックパックの説明をしてくれと頼まれていた事をすっかり忘れていた。私は慌てていたので前を向いていなかった。だから、パイロット用の部屋から出てきた人に気が付かないでぶつかってしまった。まさかこれが運命の出会いになるなんて、この時は全く思ってもみなかった。
一夏side
「いって〜」
「いった〜い」
「「あ、ゴメンなさい。周りを見ていなかったもので。………………。ぷ、あははは。」」
「ゴメン、大丈夫だった?」
「ええ、大丈夫よ。そっちは?」
「こっちも平気。」
「あ、私はこれから用事があるからこれで。ゴメンね〜〜。」
と言いながら女の子は司令室の方へ向かった。
しばらく俺は呆然としていた。
「俺と同じ位の子だったな。」
と呟いてから、俺もライナの所へと向かおうとしていた事を思い出し彼女と同じ方向へと向かった。
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