本当にレポート多くて全然書く暇取れない…
放課後、2人は第二アリーナへと到着していた。2人が着く頃には既に鈴が待っていた。
「遅いわよ!」
「仕方ないだろ。こっちは数日休んでいた時の補習があったんだから」
「そんなの知らないわよ!」
こんな友達同士で話すようなやり取りを聞いていると、とても朝に嫌悪な雰囲気になっていたとは思えない。そんな光景にアリアは、微かに笑っていた。
「ま、遅れたのは事実だからな。悪かったな」
「さ、先に謝られちゃうと私の立場ないじゃない。わたしが全くそんなこと思ってないのに勝負したいから挑発して。私の方こそ悪かったわ。あんたの仲間を侮辱したりして。そして、ありがと。勝負を受けてくれて」
シュンは、鈴の性格であれば後で謝ってくることはわかっていた。しかし、ワザと挑発にのった事に気付かれていたことには驚いていた。そんなやりとりをしながら2人は共に向かい合い、ISを展開した。
「アリア、下がっていてくれ」
「もちろん。やり過ぎには気を付けてね。最近やったばかりなんだから」
アリアに痛いところを言われたがシュンは反論しなかった。事実であるし、ここで文句を言おうものならアリアの毒舌地獄の始まりである事は明白だったからである。前に一度やらかした時の毒舌でもう懲りていた。アリアがフィールドから抜けたのを確認すると、2人は空に舞い上がって、同じ高さで止まった。
「開始の合図は?」
「そんなのはいらない。いつでもかかってこい!」
鈴の公平に始めようとするのを無視して、自信ありげにシュンがいつでもいいと言ったことで、鈴は叩き潰そうと思った。だが、シュンの隙を見つけることが出来ず、攻めに行くことが出来なかった。
「ん?どうした、攻めにこないのか?」
「うっさい!ほっとけバカ!いつ攻めるかなんて私の勝手でしょ!」
ほんの一瞬、こちらをバカにしたようなシュンの言葉に怒りから目を離してしまった。次の瞬間、アラームが鳴り、鈴は咄嗟に避ける。さっきまでいた場所にビームが走っていた。
「悪いな。隙だらけだったもんで遠慮なく攻撃させて貰った」
「やってくれるじゃない。そうでなくちゃ面白くないわ」
先制攻撃をされたにもかかわらず、鈴はどこか楽しそうだった。それに対してシュンは、そんな鈴の様子に不安を覚えていた。鈴の攻撃はシュンに当たらない。視認が不可能な龍砲が全く当たらないことに楽しさとは別で鈴は焦りを感じて始めていた。双天牙月を使って接近戦を試みてもビームの弾幕で近寄ることが出来ていなかった。
「どうした。そんなものか、鈴。俺が知ってるお前ならもっと強いはずだ」
「はぁ?あんた何言ってるの。私達初対面じゃない」
「そうだったな。今のは忘れてくれ。う、わ、す、すまないアリア。次から気を付けるから。折檻?ちょ、ま。それは勘弁してくれ!」
うっかりシュンが口を滑らしたのをアリスから報告を受けたアリアからのお達しに、シュンは戦闘の後に折檻を受ける事になってしまった。
「はぁ〜。(俺が悪いがあそこまで怒らなくても)ちょっとこれ以上時間をかけられなくなった。悪いがすぐに決めさせてもらう」
「今まで手を抜いていたって言うの?」
「そうだ。望み通り接近戦で決める。やりたかったんだろ?」
それを言い終わるとtype2のGN対艦刀を引き抜き、両手に持って鈴の
甲龍目掛けて振り下ろした。さっきまでとは打って変わった速さに目が追いつかなかった鈴は咄嗟に双天牙月を掲げることで防いだ。しかし、自らより上空からのスピードを付けた攻撃を受け止め切れずに地上まで叩き落とされてしまった。
「ぐはぁ!」
ISによる操縦者の保護があるとはいえ、勢いと衝撃を殺しきることは出来ず、鈴は肺から空気を吐き出した。起き上がろうとした時には目の前に剣を突き付けられていた。
「私の負けね。それがあんたの本気?」
「ひとつ教えておく。俺が本気で戦うのは、自らの理念を貫く時と、大切な人を守る時だけだ」
「そう」
鈴の返答は、落胆の色を滲ませたものだった。
「アリーナの整備は勝負を挑んできた鈴がやっといてくれよ。じゃあな」
シュンはISを解除し、アリーナを出てアリアと合流した。
『鈴、今度弾達とさあ』、『どうしたんだよ、鈴』。さっきのあいつ、シュン・エルガスターと言う2人目のIS操縦者の声や喋り方を聞いて昔一緒に遊んだりしていた一夏のことをアリーナの整備をしながら思い出していた。あいつは別人の筈なのにどうも一夏と被って見えてしまっていた。あいつが一夏ではないと、頭ではわかっているものの、本当にそうなのか何度も考えているうちに、鈴は確かめずにいられなくなっていた。ダラダラとやっていたアリーナの整備をとっと終わらせると、先に出て行ったアリアとシュンのことを探しに向かった。
アリアとシュンが機体の整備をする為に整備室に向かっている中、2人はアリーナにいた時から感じていた視線を向けている何者かへとアイコンタクトの後、シュンが後ろへと振り向きながら話しかけた。
「おい、そこにいるのはわかってる。コソコソしてないで出てきたらどうだ?」
2人は共に拳銃を構えていた。その人物は自分の不利を認め、素直に2人の前へと出て来た。
「はぁ〜い。お姉さんのことに気付くなんて流石、と言えばいいのかしら?エルガスター君にフィルネストさん?」
そんな言葉とともに扇子に『お見事』などと書かれた物を広げて出てきたのは水色の髪をした女子生徒だった。
「世辞なんて要らないわ。私達が聞きたいのは何故監視していたかよ。何となく想像はつくけどもね」
肩を竦めながらアリアが言うと、諦めたかのようにその人物は話した。
「な〜にその反応。貴方達、反応薄いわよ。まあいいわ。私が貴方達を嗅ぎまわってたのは、貴方達の素性がよくわからなかったからよ。それでも2人目の男性IS操縦者にも護衛が必要でしょ。だから、せめてあなたの身の回りの事だけでも知っておこうと思ったのよ、エルガスター君♪」
「余計なお世話だ。それが政府からの表向きの命令なのはわかっている。お前達
水色の髪の女子生徒、更識楯無はその一言に驚いていた。自分が嗅ぎ回っていることに気付かれていることには薄々感じていた。たが、世界中のどの国でもトップシークレット扱いになっていることを、一企業代表が知っていることはおかしいことだった。さらに、カンだと言っていたが、更識家の目的の一部であっても知っていたことに、楯無は自らの警戒レベルを一気に上げた。
「なんで、貴方がその事をしっているのかしら?それはどこの国でもトップシークレット扱いのはずよ」
更識からふざけた様な雰囲気が消えたのを感じた2人は真面目に答えることにした。もちろん、嘘と真実を織り交ぜて。
「それは、調べたからに他ならないわ。確かにセキュリティーは厳しいかもしれないけれど、絶対ではないわ」
「一介の企業にそんなことが出来るはずが…。まさか篠ノ之束!」
それの問いに対して2人は答えなかった。
「俺達のことを嗅ぎ回るのなら好きにしろ。だが、それ相応の覚悟で当たることだ。更識家第17代目当主、更識刀奈」
「‼︎」
それだけ言って2人は整備室へと向かった。
2人の去った方向を楯無は暫く見つめていた。最後のシュンの一言、自らの本当の名を言われた時は、流石にドキッとした。身内以外は知らない筈の名だったからだ。彼ら2人は、非常にわかりにくいが殺気を放っていた。それも喉元に刃を向けられている感覚ではなく、鋭く研いだ一本の針を心臓の直前で止められている様な感覚だった。彼らが去った後、自分が大量の冷や汗をかいていたのに気付いた楯無は、今後は今以上に慎重に調査することを心に決めた。
戦闘描写薄いのは勘弁して下さい。久しぶりに書いて感覚が鈍ってしまったのもありますし、いい描写が思いつきませんでした。
すいません!言い訳ですm(__)m