IS〜新たなガンダム〜   作:ゼロインフィニティ

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今回はほぼ原作通りです。使い回しも出てくると思います。


※前回の補足

シュンの細胞異常が緩やかなのはシュンも又、イノベイターへと変革しようとしているです。だた、刹那ほどオリジナルのGN粒子を浴びていないので刹那より変革が遅れているため細胞障害の進行が速いのです。

因みに、今回の出撃で装備中のバックパックはtype00です。


ブレイク・ピラー

アロウズside

 

『電力供給93%』

 

衛星兵器メメントモリの発射準備は着々と進んでいる。

 

私、アーサー・グッドマンはオペレーターからの報告を聞き、ニヤリと笑った。私は愉悦感で一杯だった。それは『刮目して見よ、一世紀以上かけて建造された人類の叡智の滅びる様をな……』と呟いてしまうほどのものだった。それを破ったのはオペレーターからの声だった。

 

『モビルスーツ2機、接近して来ます』

 

モビルスーツ?

 

せっかくいい気分だったというのに。

 

オペレーターからの次の報告によると、2個付きと何度か報告のあった未確認ガンダムだった。

 

「エンプラス、防衛部隊を出させろ」

 

私の乗っている艦の他に、もう一隻、護衛艦がいる。そこには新型モビルアーマーの《エンプラス》がいた。せっかく新型モビルアーマーとワンマンアーミーを乗せてきたのだ、実戦テストをやらせてやろう、と人の悪い笑みを浮かべた。

 

シュンside

 

「『敵だ』」

 

俺と刹那はすぐに反応した。いかにダブルオーライザーとはいえ、高度一万キロメートルにある低軌道ステーションまでは到達できない。そこで俺たちはスメラギさんのミッションプラン通りに可能な限り上昇し、そこからトランザムライザーを使い衛星兵器を破壊しようとしていた。今頃オーライザーに乗っている沙慈・クロスロードがライザーシステムの調整をしているであろう時に襲撃を受けた。ガンダムの二倍以上はあろうかという大型モビルアーマーだった。その後方からは長距離用ビームライフルを構えた敵の後続部隊がいた。

俺たちは敵の粒子ビームをかわし、機体を退かせた。それと交差するように通り過ぎ、敵は旋回してくる。敵の動きが速すぎてこちらの攻撃が当たらない。時間もないので俺は、

 

「刹那、ここは任せろ。お前たちは衛星兵器の破壊を頼む」

 

『了解』

 

そして俺はダブルオーライザーを後ろに敵モビルアーマーと対峙した。

 

俺はビームピストルモードのGNマルチビームライフルで応戦していた。敵の動きが速いので連射能力が劣るメインウェポンのGNマルチキャノンは使えなかった。だが、敵のGNフィールドが厚く威力の弱いピストルモードではダメージを与えられなかった。何度かの攻防の後、敵が突っ込んできたのを飛び上がるように避けすぐに反転したが、相手の方が速く、機体の両脇からワイヤーの様な物が射出され、それに捕まった。すると高圧の電流が流れてきた。

 

「ぐうううううっっ、がぁぁぁぁぁぁ」

 

皮膚という皮膚が一斉に爆ぜたような電撃がくる。

 

点滅する視界の中、モニターを見ると敵モビルアーマーの中央が開き、大型ビーム砲が出現する。敵はワイヤーを回収しながら近づいてくる。『このままでは殺られる』そう思い俺は切り札のトランザムを使った。トランザムを起動させると同時に肩のGNキャノンと腕のGNマルチキャノンを敵へと向けた。敵はワイヤーロープを回収しながらこっちに迫ってきている。それはその先に必ず敵がいるということだ。俺はそのまま最大出力のGNキャノン、GNマルチキャノンを撃った。一瞬の抵抗があったがトライアングルシステムの出力にトランザムが付与された出力には敵の高出力GNフィールドをいとも簡単に破り破壊した。それと同時に刹那たちも衛星兵器を破壊したようだった。

 

 

 

 

いや……、したはずだった。俺は刹那の『……や………やめろ……!やめろぉぉぉぉぉっっ‼︎』という声を聞いた。

 

アリアside

 

私達は軌道エレベーターが敵の衛星兵器による攻撃で破壊されていくのを目の当たりにした。シュン達は衛星兵器の破壊には成功したようだったが、止める事は出来なかったようだ。

 

「レーザーがピラーに着弾!ピラーの外装部が、オートパージ(細かいパーツに分かれていくこと)されています。」

 

フェルトさんが悲鳴じみた声でスメラギさんに報告していた。ミレイナもフェルトさんと同じ様な怯えた表情をうかべている。

 

「スメラギさん………。このまま何もしない訳にはいかないですよ」

 

「ええ、わかってるわ。成層圏より上の破片は断熱圧縮による空力加熱で燃え尽きる。でも、それより下は……地上に落ちる……」

 

私達は皆息を呑んだ。オートパージによる外装落下は万を軽く超えるだろう。そうなれば地上には多くの被害が出る。

 

これをスメラギさんはどうするのだろうか?

 

モニターを見ると真っ先に動き出したのはガンダム達だった。その中でも、ロックオンが最も早かった。

するとスメラギさんは艦長席に付いているコンソールを操作し、オープン回線で顔映像と共に現空域にいる全てのモビルスーツへと話し始めた。

 

『データにある空域に浸入してくるピラーを破壊して下さい。その下は人口密集区域です。このままでは何千何万という命が消えてしまいます。どうかお願い!みんなを助けて!』

 

スメラギさんの覚悟が伝わってきた。顔映像を出すということは後日戦闘データから身元を割り出され全世界に指名手配されてしまう。それでも顔を見せることで誠意を、切実な願いを示したのだろう。

 

するとどうだろうか。徐々に敵味方関係なくピラー迎撃に参加していった。互いが互いにフォローしあっていた。そこに言葉はない。あくまでも一時の協力なのだから。それを見たラッセは『皮肉だな。だが、悪くない』そう言った。

 

 

そう、これは奇跡でもなんでもない。人が分かり合うために必要な一つの目的の為に手を取り合うという人が元々持っている可能性の力なのだと思った。そしてそれは、親のいなかった私には、人と人が手に取り合う姿が美しく愛おしいとも思った。

 

途中、地上に戻ってきたシュンと刹那も迎撃に参加していた。

 

 

シュンside

 

地上に戻って来ると目を疑う様な光景があった。数多く降り注ぐピラーを所属組織関係なくフォローしながら迎撃していたのだ。その中にはアロウズもいた。

 

「しかし、これは酷いな。」

 

俺はこいつの機動力を生かし、一番遠い場所で迎撃しているアレルヤの援護へと向かった。先程の戦闘でトランザムを使った影響で粒子残量が2/3弱になっていた。これ位ならまだ戦闘も行える。迎撃するには十分な程だ。俺は合流するルート上に存在するピラーをことごとく破壊していった。合流後も機体を上に向け全ての武装を使い、ピラーの落下が終わるまで迎撃し続けた……。

 

 

 

 

 

夕方の赤い光の元、地上にはピラーの破片が数多く突き刺さっていた。何とか人口密集区域の直撃を避けたが酷いありさまだった。死傷者もまだ報道されていないが多数出ただろう。

 

俺は守りきれなかった。あそこにいた人達を。別に自分が神だとは言わない。俺だって人間だ。出来ることには限界がある。だが今回のことで一つわかったことがあった。それは、人は必ず分かり合えるということだ。『人を守りたい』、その純粋な想いで陣営に関係なく、あの場にいた者はピラーの迎撃にあっていたのだから。それは誰もが持っている当たり前の感情で行動の理由なのだ。それをいつか、誤解なくお互いを理解し合えるようになったら争いがなくなる。そういう可能性を見ることができた様な気がした。そしてそれは、未来への希望の光だ。俺はまだ、人がわかり合えることが出来ると知り、俺の世界が大きく変わったような気がした。俺の兄弟達が何を考えていいるのかわからず俺は無意識に拒絶してきていた。わかり合おうともせずにいたからこそ、俺の今までの世界の見方が大きく変わったのだ。

 

 

もう会うことはないだろうが、千冬姉と春樹の行動を理解し、いつの日か分かり合えることが出来るかもしれないとも思った。それが俺を守る為のものであれば。納得するのがいくら難しかったとしても。

 

 

 

 

 

そして、この軌道エレベーター崩壊事件は、後の世に《ブレイク・ピラー》と呼ばれるようになる。

あれから4ヶ月の月日が流れようとしていた。




いかがでしたか?

次回はブレイクピラーから4ヶ月経つ間シュンが何をしていたのかを書く予定です。
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