主人公は狂犬?   作:ミルクせんべい

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気づかぬ犬と気づく猫

ミルクSide

 

僕はあの悪魔二人組をさっさと始末して白河美咲と黒猫を家まで連れ帰った。

 

といっても犬の姿のままだと不味いので人間の姿に化けていったミルけど…

 

そうして家に連れ帰ると、顔をなめて白河美咲を起こす。

 

最初は混乱していたミルけど、すぐに落ち着きを取り戻して状況を確認する当たりさすがといったところだミルな。

 

さて、そろそろ黒猫も起きそうだし、交渉開始と行くミルか。

 

まあ僕はただの犬として傍観するだけミルけど。

 

美咲Side

 

私は、何か生暖かい感触が顔にしたので目を覚ますと、そこにはミルクが私の顔をなめている風景が見えた。

 

もしかしたら自分は夢を見たいたのかもしれないとも思ったが、ミルクのそばに黒猫の姿が見えたのでその考えを捨てた。

 

すると、黒歌が目を覚まし私たちを警戒し始めた。

 

「待って、私たちは敵じゃないわ、安心して。」

 

そう私は言うが向こうは全く警戒を解いてはくれない。

 

それも当然といえば、当然だった。

 

今まで悪魔の追っ手たちに追われて意識を失い、起きたら見知らぬ場所にいて、そこにいる人物が「安心しろ。」といっても無理な話である。

 

だから、私はゆっくり、警戒を解いていくように長い時間をかけて交渉を始めた。

 

だけど、結局黒歌は警戒を解いてはくれなかった。

 

私は、夜ご飯の時間だったので、一旦黒歌の前から離れた。

 

黒歌Side

 

私が目を覚ますと、そこはどこかの家のようだった。

 

あたりを見渡すと、一人の人間、そして一匹の間抜けそうな犬・・・

 

違う!!

 

普通の妖怪や悪魔…たちなら、わからなかっただろうが、仙術を身に着けている私にはわかる。

 

この犬、ただものじゃない!

 

一見ふわふわした雰囲気だが、その中には確かな強者の発する覇気が感じられる。

 

そして、見るものを圧倒するほどの黒くどろどろとした狂気が感じられる。

 

いったい何者?

 

その場の人間の話を聞いている場合ではない。

 

今はどうにかしてこの犬から逃れるすべを考えなければ…

 

そう私が考えているといつの間にか人間はいなくなっており、あの犬と二人っきりになっていた。

 

今こそ仕掛けるチャンスでは、そう思った私が身構えると。

 

「警戒するのはやめてくれないか?俺は君と話をしたいだけだ。」

 

その犬が私に話しかけてきた。

 

そしてその瞬間、今までその犬が発していた雰囲気が突如激変し、顔つきもどこか凛としていた。

 

ミルクSide

 

俺は、今、黒猫と対峙し交渉を開始していた。

 

…ん?話し方がいつもと違うって?

 

俺としてはこっちが素なんだがな、

 

いつものしゃべり方は、あっちの方が気が楽で相手と付き合いやすいからだ。

 

だが、この黒猫にいつもの口調で話しかけても本気にはしてくれないだろう。

 

だから、今回の交渉はこっちでやらせてもらう。

 

「とにかく、警戒をやめてくれ。俺は本当に君に危害を加える気ははない。」

 

「信用できないニャ、あなたからは危険なにおいがするニャ。」

 

やれやれ困ったお嬢さんだ。

 

「助けた恩人に対しその態度はないんじゃないか?」

 

「そのことについては感謝してるニャ。でもそれとこれとは話が別ニャ。」

 

さて、どうするかな。このままだと、勝手に逃げ出される危険がある。

 

そうすれば、またこの子は追っ手に追われることになる。それは避けたい。

 

「どうすれば信じてくれるのかな?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

返事なし…か。

 

仕方ない、ちょっと強引だけど…

 

「君がどうして追われているかはわかってるよ、SS級はぐれ悪魔の黒歌。」

 

そういったとたんに黒歌は体を震わせる。

 

「…だから、なんにゃ」

 

「同情する気はないが、君がこういう状況になっていることには納得できないからな。お前が良ければ、お前の無実を俺が証明してやる。お前は何も悪くないんだからな。」

 

一瞬黒歌は目を見開くが、すぐにまた、俺をにらみ返す。

 

「信用できないニャ、それにあなたには何のメリットがあるニャ?」

 

「メリットがあろうがなかろうが、関係ない。俺はやりたいことをやるだけだ。そして、その今やりたいことがお前の無実の罪を晴らすことってだけだ!」

 

「…///」

 

すると黒歌は顔を赤くしながら、そっぽを向いてしまった。

 

やはり、いきなりこんなことを言っても何様と思われるだけか…

 

しょうがない。

 

「黒歌、今から君の無実を証明しに行く。」

 

「…え?」

 

俺は黒歌に四の五の言わせずにいつもの大きさに戻ると黒歌を抱きかかえて空間を切り裂き冥界へと移動した。

 

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 

冥界へと移動した俺はすぐに辞書で、はぐれ悪魔認定をやめさせる方法を調べ魔王のいる、城へと向かった。

 

城の前には門番などがいたが、軽くひねり倒して。

 

どんどん奥へと進んでいく。

 

そしてとうとう、魔王たちがいる部屋へと殴り込んだ。

 

すると、そこには、ずいぶん見知った顔があった。

 

「ミルク君かい?今回の騒動の犯人は?」

 

確か、サーゼクスという人だったはずだ。

 

まあ、久しぶりの再会は後にして、

 

「魔王様、今回はあなたに頼みがあってきた。」

 

サーゼクスは俺の素の口調を知らないので唖然としている。

 

「な、なんだい?」

 

「黒歌のはぐれ認定を取り消してほしい。」

 

そういうと、サーゼクスは先ほどの魔王らしい威厳ある顔つきに戻り、

 

「なぜだね?」

 

俺は無言で、証拠を提出する。

 

「…これは!」

 

そこには、黒歌の主がどんなに悪いやつか、どんな犯罪をしていたか、そして、眷属たちの証言など。決定的な証言がそろっていた。

 

「わかった。今ここでSS級はぐれ悪魔黒歌のはぐれ認定を解除する!」

 

俺は信じられないという顔をしている黒歌に一言。

 

「よかったな。」

 

といった。そのあと泣き出してしまい、なだめるのが大変だったが。

 

白河美咲の家に戻ってくると、俺は黒歌にこれからどうするか、尋ねた。

 

「私はどこも行く当てがないニャ、白音とも会いづらいし、しばらく私をここにおいてくれないかニャ?」

 

俺は、もちろんといい。白河美咲への説得へも協力するといった。

 

一方そのころ冥界では、

 

「あのミルク・ホワイトという男め、やってくれる。」

 

「せっかく、魔王たちを私たちのゆうことを聞く若手から選び、私たちの時代が来たと思ったのに。」

 

「ミルク・ホワイトを、もっと警戒する必要がありそうですな。」

 

「まったくだ、これでは、奴を白き狂犬と広めた意味がない。」

 

ミルクは気づかない。この騒動がきっかけで、悪魔の上層部に更に危険視されたことなど。

 

ミルク・ホワイト活動記録

 

黒歌のはぐれ悪魔認定を解除する。

 

上層部に更に危険視される。

 

 




いろいろ、まだまだなところが多いですが応援よろしくお願いします。

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