艦これ、始めました   作:逸般ピーポー

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艦これやってて抑えきれなくなった想いが炸裂したから書いてみるテスト。駄文注意、この作品は深く考えないず思いつきによって見切り発車いたします。危険ですので過度な期待はしないでください。

感想、不満や文句、ご意見など受け付けております。比叡さん可愛い。


プロローグ

夏も終わりに近づき、俺は退屈していた。夏のうちにやっておきたいことの大半は終え、今から何かを始めるには微妙に短く、しかし休むだけには少し退屈なそんな難しい時期だ。

今年で学生も終わる。しかし就職できるあてが見つからない。

いや完全にないわけではないのだが、なんだか嫌な予感がする話だった。こういうときの勘というのは馬鹿にならないもので、「虫のしらせはいい知らせ」などということばすらあるのだ。それゆえ断るつもりなのだが、そうするとさてどうしよう、となるのだ。本当にどうしよっかなー、などと思って、ふと思い出した。

 

そういえば最近、海軍が一般人から提督とかいうのを募集しているらしい。なんでも、提督になるのはさして難しくなく、無事に提督になれれば衣食住は保障され、かわいい女の子たちと関わることができ、上位の戦果を挙げたものには特別報酬が出るという。正直夢のような話だが、無論これには理由がある。

現在海は深海棲艦というよくわからないゲテモノに占拠されており、シーレーン、つまり海路がすべて使用できない状態らしい。らしいというのは、俺が海の無い県に住んでいて、直接見たわけではないからなのだが。

そして提督となるなら無論、海軍所属となるわけで、機密とか守秘義務とか、まあ脱一般人するわけだ。当然人生の決まりかねない大事であるので、思うように集まらないのが現状らしい。

一時期かなり人が集まったらしいのだが、大切にしていた子が轟沈したり、戦場の最前線である鎮守府や泊地が攻撃されたりで、精神がおかしくなったり、再起不能な大怪我をした提督が多く出るといったことがあり、このことも集まりの悪さに拍車をかけているようだ。

ちなみに提督には18歳以上なら誰でもなれるらしく、数こそ少ないものの女性の提督もいたり、リストラされたリーマンもいるそうだ。変わったところだとエリート街道まっしぐらの国家公務員が、退屈な人生はつまらないから、という理由で提督になったツワモノもいるらしい。

提督には自室が用意されるので、待遇としては悪くないはずなのだが、命掛けであることやいつまで戦闘が続くかわからないこと、海軍のサポートがほとんど皆無に等しいのはやはり大きなデメリットなのだろう。

 

まあそんな感じなので、ふつうならば選ばない選択肢のひとつだが、昨今はそうも言ってられない事情があるのだ。

10年ほど前、正規雇用が経費として見られていた。しかし当時は経費削減が当たり前、という風潮だったこともあり、正規雇用の数はどんどん減少。

ついには正規雇用の枠はなくなり、派遣社員が会社の人員のほぼすべてとなってしまった。

もちろんそれで問題がおきないはずがなく、一時は本当に混乱を極めた。

その後、政府の政策と、残っていた正社員と役員達の必死の努力により、正規雇用枠は再び設けられたものの、こんなこともあり、正社員をとることによるリスクを極力減らすため、正社員による新人の紹介制度がだんだん広まっていった。信頼できる正社員に、新人となりうる人員を連れてきてもらうのだ。

その後しばらくして、少子化による社員数の減少が浮き彫りになり、派遣社員は更に数を減らしていき、会社の数や規模は縮小していった。

 

現在、世間はそんな状態なので就職というのは本当に難しいのだ。そして俺が紹介してもらえたのは一社のみ、その会社の事業内容はありふれたものだったが、あまりよくない噂を聞くという。それに加えて虫の知らせというか嫌な予感とくれば、俺の取れる選択肢はほぼなくなる。まさに進退きわまれりである。

それならいっそ、一世一代の大博打、というのも案外悪くないかもしれない。

 

「提督業、やってみるかなぁ」




ちゃんと次話から艦これする予定です。のんびりお待ちください。

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