艦これ、始めました   作:逸般ピーポー

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愛情溢れているくせに素直になれない大井さんが描きたかったんや


艦これ12日目

やあ。

最近みんなは良く寝られているかな?

ぐっすりだぜ!って人も、しっかり寝られてないなぁ、って人も聞いてほしい。

 

 

最近不思議なことが起きるんだ。

普段の俺はけっこう寝相が悪い。特に暖かくなってくると、掛け布団を蹴飛ばしていたり、腹が出ていることが当たり前になるんだ。

 

 

そして俺がいる柱島泊地というのは、俺の地元よりだいぶん南にあるのもあって、基本的にここに着任してからは、朝には掛け布団が散らかっていた。

 

そう。掛け布団はどっか行き、ひどいときには自分が敷き布団からはみ出して、畳の上に胸から下が転がっていたりしたんだ。

 

 

それがここ2、3日はそんなことがまったくない。

 

着衣が乱れていることもないし、敷き布団からはみ出していることもないし、掛け布団はしっかりとかけられている。

初めは叢雲のオカン属性が発動したのかと思って、本人に確認してみた。

しかし叢雲が言うには、叢雲はそんなことはしてないというし、大体の駆逐艦は夜はぐっすり寝てるので、駆逐艦じゃないと思うわ、とのこと。

 

 

なるほど。

駆逐艦は違うみたい、と。

 

 

うーん、叢雲か不知火あたりが第一候補だったんだよなぁ。

そうすると、皆目見当がつかない。

ゴーヤ、鳳翔さんの潜水艦寮と空母寮は、執務室の隣にある我が自室からは遠く離れているし、二人とも朝早くから活動するために夜は早い。

 

可能性としては重巡か軽巡か?

でも青葉なら新聞のネタにでもするだろうし。

摩耶様は相変わらず、俺には割りと悪態をついてきたりするし。

 

軽巡だと、夜戦大好き川内が候補か?

那珂ちゃんは「アイドルはお肌のケアも大事なんだよー!」とか言って、超が付くほどの健康的な生活をしてるし、神通も駆逐艦たちの教官で朝早い。

 

球磨型は良くわからん。

あとは長良と五十鈴か。

五十鈴はともかく、長良はスポーツ選手みたいな生活してるから、夜遅くまで起きているタイプじゃないし。

 

 

少なくとも俺が執務室を閉めるのは夜遅くだし、その後俺が寝た後というと深夜になる。

その時間まで起きている可能性があるとしたら、とりあえずは川内くらいか。

 

 

もしくは艦娘は全員寝てて、実は心霊現象だったり…。

もしもそうだったら、と考えるとブルッとくる。

あかんねん、俺そういう幽霊系苦手やねん。

 

 

何故かエセ関西弁みたいになりつつ、まあでも困ったり迷惑な訳じゃないので放置で。

 

 

 

 

これから夏にかけて、風邪をひかないようにしてくれているなら、めっちゃ心優しい親切な幽霊やね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大井です。

最近私が管理してるお野菜の多くが芽を出しました。このままいけば、早くて夏にいくつかの野菜とすいかが収穫できそうです。

 

この鎮守府はまだまだ足りないものばかり。

艦隊の戦力も。錬度も。資源も、食糧も、人員も、設備も。

そんな中でも、提督は、まあ、私が認める程度には頑張っています。

 

私達にこまめに声をかけ、体調を気にかけ、コミュニケーションを大切にしています。

それでいて、書類は全て早めに終わらせて、今は潜水艦の寮だったかしら?

設備の補修をしたり。

 

ああ、そういえばドックの補修も提督がされたんですっけ。

 

本当、あの人は…。

私達にはしっかり休みを取れ、なんて言っておきながら。

ちゃんと自分は休んでいるのかしら。

 

 

そう思って、こっそり夜の12時過ぎに自室に失礼しようと思ったら、まだ電気がついてるじゃない。

しかも大体消灯するのはその時間。

 

 

まったく。

人に言う前に自分がしっかり休まないとダメじゃない。

そんなことを思いながら、こっそり提督の自室に失礼した。

 

これが、提督の匂い…。

 

はっ、いけないいけない。

私は、提督がちゃんと休んでいるか確認するために来てるの。

 

さて、提督は…。

 

あら。

布団はくちゃくちゃ、寝相もヒドイ。

そっと提督を起こさないように布団の上に戻して、布団をかける。

 

なんだかうなされているみたい。

やっぱり、大変なのかしら。

毎日のように眉間にしわを寄せて考え事をしているのも。私達に心配させないように、私達の前では気丈に振る舞っているのも。

 

提督。

私は、知ってるんですよ。

 

 

ゆっくりと提督の手を握る。

 

「提督…。私はここに居ますよ。

あなたのおそばに…」

 

 

提督の唸り声が無くなるまで、私は提督の手を握っていた。

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