さて、今日も書類仕事を終えて、鎮守府内を散歩していたら、ほっぽちゃんがいた。
…え?
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
(;゚Д゚) …!?
なっ、なぜうちのような弱小クソナメクジ鎮守府にほっぽちゃんが?
アイエエエ!?ホッポチャン!?ホッポチャンナンデ!?
そう思って見ていると、俺の姿を見かけたほっぽちゃんが、こちらに走り寄ってくるではないか!
あかん、これ死んだわ…。
そう思いながら頭の中で辞世の句を考えていると、ぽふっ、という音と共に足とか腰あたりに軽い衝撃が。
ん?と思いながら下を見ると、ぷるぷる震えているほっぽちゃんが、涙を浮かべた目でこちらを見上げている。
その様子はまるで迷子になった子どものようでーーー。
うん、迷子?
もしかしてほっぽちゃん迷子なの?
そう思ってしゃがんで目線を合わせる。
そしてほっぽちゃんに迷子なの?と聞いてみると、言葉は理解しているのか、こくこくと頷きを返す。
そうかーほっぽちゃん迷子かー。
迷子なら仕方ないな。
とはいえさすがに鎮守府のなかの建物に入れる訳にはいかないので、桟橋のところまで連れてゆき、しばらく待ってもらうことにした。
そして一度執務室に戻り、本日二度目のパンチラをしているブッキーこと吹雪に釣りをしてくることを伝えた。
急に扉開けてごめんて…。驚きのあまりパンチラしてしまったんやね。ごめんね。
「まったくもう…。今日は見られてもいいのじゃないんですから、またにして下さい?」
はっはっは、ちょっと何言ってるか分かんないですね…。え、何?なんでこんなにも好感度高いの?俺がやったことなんて、ちょっと寮を直したりちゃんと給料出したり美味しいものが食べられるように間宮さんに土下座して来てもらうようにたのんだり農園で野菜育てたりしてるだけじゃん。
他の鎮守府みたいに深海棲艦を仲間にしたり、ロック装置の開発をしたり、人間艦娘化装置を作ったりなんかしてないぞ。
どういうことだ…。まるで意味がわからんぞ!(錯乱)
さて、急いで倉庫から釣竿と釣糸、適当な練り餌をひっつかみ、ほっぽちゃんの元へ。
ほっぽちゃんは桟橋に腰掛け、脚をブラブラさせていた。
退屈そうだったので、ついでに持ってきたルービックキューブ2×2を手渡し、こちらは釣竿を準備。
練り餌を投げ込んだところて、肘をクイクイ引っ張られたのでそちらを見ると、デキタ!と言わんばかりに色を揃えたルービックキューブ2×2を持ってこちらを見るほっぽちゃんが。
よーしよしえらいぞー!がんばったなー!なんて言いながら頭をワシャワシャ撫でてやると、キャー!みたいな顔(≧∇≦)で両手を上に上げながら喜んでいた。
また次のルービックキューブ2×2×3をポケットから取りだし、ルービックキューブ2×2と交換してやる。
またほっぽちゃんがルービックキューブに悩みだしたところでアタリが。
俺が軽く竿をひくと、なかなかの重みが。
お、これはぼちぼちか?なんて思いながら格闘。
ほっぽちゃんはそんな俺の様子が気になるのか、ルービックキューブの手を止めてこちらを見ていた。
格闘している途中でプツッ、という感触と共に糸が一気に軽くなり、針を見てみると餌だけ取られていた。残念。
再び練り餌をつけて投げ込む。意外と沿岸でも魚っているんだな、なんて思いながらぼーっと待つ。
隣では、ほっぽちゃんが同じように、俺と一緒にぼーっと海を見ていた。
なんだ、
それからも何度か来るアタリと、ぼちぼちの戦果をあげながら、ほっぽちゃんと共に釣りを楽しむ。傍目には、全然会話のない人間と深海棲艦の釣りという、訳のわからないことになっていただろう。訳がわからないよ。
そしてほっぽちゃんがルービックキューブ3×3に、俺が3匹ほど魚を釣り上げたあたりで夕方になった。
そろそろお迎えこないかなー、なんて気楽に思っていたが、視界に砲を構えた深海棲艦が見えた瞬間、竿を後ろに放り投げてほっぽちゃんの前に立つ。
黒っぽいシルエット、白い肌に2本のつのらしきもの。
黒いネグリジェのような格好に、背後には大きな口のみの本能的恐怖を煽る艤装。その両翼には主砲を備えた戦艦の厳つさが見てとれる。
あ、あれはまさか…!
なぜだ!何故奴ほどの大物がここに!
しかし、どんな敵であっても、
そう思いながら見ていても、いつまでたっても構えた主砲が飛んでこない。あれ?
そう思いながら後ろを見るも、ほっぽちゃんは俺の背後に隠れるようにして立っている。
やはり敵か。そう思いながら見ていると、なにやら困惑した様子の戦艦棲姫。
ん?どゆこと?
ほっぽちゃんにお迎え?と聞いてみるも、やはり俺の後ろに隠れたまま。
良くわからないでいると、ほっぽちゃんがたこやきに見える艦載機を戦艦棲姫に飛ばす。
なにやらやり取りをした後、たこやきがほっぽちゃんの元に戻ってきた。
そして気付くと、戦艦棲姫が主砲の狙いを全て俺たちから外してこちらへやってきた。
そして戦艦棲姫が俺の目の前にやってくると、ほっぽちゃんは戦艦棲姫の元へ駆け出した。
良かったねー、なんて思いながらほっぽちゃんを見ていると、戦艦棲姫が俺に向かって頭をペコリと下げてきた。
あ、いやこれはご丁寧に…。
そう思いながら俺もお辞儀を返す。
お辞儀をするのだポッター!
言葉こそ話さないが、どうやらほっぽちゃんを迎えに来たこと、ほっぽちゃんがお世話になったこと、主砲を向けたことを謝ってきたようだ。
なに、小さい子どもはみんなの宝やからね。気にしない気にしない。
ただ、あまりにも深海棲艦達と表だって仲良くするのは危険かもしれないので、ほっぽちゃんが遊びに来ても大丈夫な日には緑の旗を。遊びに来てはダメなときは赤の旗を揚げるようにすることを伝え、サヨナラした。
あ、ルービックキューブ3×3はプレゼントしました。まだまだいっぱいあるし。
そして俺は竿を片付け、戦果を持って意気揚々と鎮守府に戻っていった。
その話を夕食時に皆に伝えたら叱られた。なぜだ。
主人公はアホの子疑惑