艦これ、始めました   作:逸般ピーポー

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艦これ3日目

「司令官がクズ?どういうことだ」

 

「少し長くなるけど、」

 

叢雲はそう前置きして話はじめた。

 

「ここの前任の司令官の艦隊は高錬度なことで知られていたけど、やり方が問題だったのよ。普通、海域を制圧するまで艦隊を出撃させる時って補給や入渠(にゅうきょ)が必要になってくるものよね。だからこそ資源のやりくりに頭を悩ませる提督が多いんだけど。

でもここの司令官は、資源を節約し、自らの功績を立てることだけに腐心してたみたいで、資源の無駄だからと大破でも進軍を命じたり傷ついた子達の入渠を認めなかった。食事にいたっては、兵器に食事など必要ないといって一切与えなかった。

それだけでなく、海域制圧までに足を引っ張った艦娘は、その艦隊の旗艦に雷撃処分させていたわ。信じられる?ついさっきまで共に戦っていた仲間を、喜ぶ暇もなくその場で撃たなければいけないのよ?

もちろん脱走しようとした艦娘は何人もいた。けれど、脱走しようとした艦娘は他の艦娘たちが取り押さえるのよ。なぜなら、"脱走しようとする者がいるとは情けない""そのようなことが起きるのは風紀が乱れているからだ""軟弱な貴様らに喝を入れてやる"

・・・そう言って、取り押さえた艦娘の子以外を問答無用で体罰を与えたわ。自ら殴る蹴るだけじゃなく、脱走にまったく関与していない艦娘たちにいろいろ命令していたみたいよ。気を失うまで殴らせる、身動きできないようにして何日も放置する、新しい主砲の的にする、何を言われても「私の責任です」と言わせる・・・。

 

そんな状況が続けば精神が麻痺してしまうわ。自分が逃げれば仲間につらい思いをさせてしまう。自分が足を引っ張れば処分される。艦娘が減ったら建造で新しい子がきて、その子を不幸の連鎖に巻き込んでしまう・・・ってね。

 

もっとも、深海凄艦がここの鎮守府を襲って、ほとんどの艦娘たちは轟沈していったから、新たな犠牲者は出なくなったしもうつらい思いをしなくてすむようになった。

そういう意味では、攻めてきた深海凄艦たちは彼女たちにとって、救いだったかもしれないわね・・・。」

 

ちょっと予想以上にヘビーだった。だが、こういうことは提督をやるには知っておかなければいけないことだろう。俺がそんな残酷な人間にならないためにも、間違いを起こさないためにも・・・。

 

「そういえば、その前任の提督はどうなったんだ?処分されたのか?」

 

「ああ、深海凄艦に襲われてそのまま死亡したわ。扱いは殉職になるけど、死後の特進等はなし。やってきたことがことだから特進なしだけど、戦果を多く出してきたこと、それに海軍としては今回のことを公にするわけにはいかないから殉職扱いさせるしかなかったみたいね。」

 

「だが、その戦果も艦娘たちが命を削って叩き出したものなんだがな・・・。」

 

ソファの背もたれに体重を預ける。なんだかどっと疲れてしまったな・・・。これまでのこともだが、これからのことも考えなきゃならんし。はぁ・・・。俺やっていけるかなあ。

 

「さっき、生き残った5名がうちに来るって言ってたよな。誰がくるんだ?」

 

「私が知っているのは不知火と若葉だけね。あとの三人はまた後で連絡がくるんじゃないかしら?」

 

「そうか。まぁ、それに関しては後回しでいいだろう。とりあえず、今日やらなければいけないことを教えてくれ。何かあるだろう?」

 

「いいわ、書類の書き方や判を押すもの押さないもの、基本的な事柄を叩き込んであげる。ちゃんとやりなさい、でないと酸素魚雷をくらわせるわよ!」

 

その後叢雲に基本的なことだけでなく、仕草や動作の教訓まで受けた。その後無事間宮さんを迎え、食堂の責任者として働いてもらうことになった。つ、疲れた・・・。




はい。かなりキツイお話です。これを押さえないといけないけど全然筆が乗らず、予定よりさらに遅くなりました。すいません。

あと秋イベ、半分ほど終わりましたね。みなさん調子はどうでしょう。筆者は初心者提督なで今回が初イベなので、とりあえずクリア優先してます。なので全く掘れてません。グラ子ェ・・・

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