艦これ、始めました   作:逸般ピーポー

6 / 18
実はまだメインメンバーが全然出せていない件。

今回別視点いれてます。分かる・・・よね?


艦これ5日目

「書類できたから、ここに置いておくぜ。」

 

「ああ」

 

最近は艦娘も順調に増えてきて、制圧した海域も広くなってきた。鎮守府近海だけでなく、製油所まで押さえられたことは俺の落ち着きに一役買っていた。

ちなみに今日の秘書艦は天龍。うちの秘書艦は持ち回り制である。

 

「くあー、疲れたなぁおい!」

 

「ふむ。こちらももうじき一段落する。この束が終わり次第休憩にするか」

 

時計はそろそろ三時頃を示そうとしている。一息つくにはちょうどいいだろう。

 

「そういえば天龍。お茶は淹れられるか?」

 

「お茶?お、お茶くらい淹れられるに決まってんだろ!」

 

「そうか。それなら俺のお茶を頼む」

 

「お、おう!」

 

そう言って天龍は湯沸室へ向かった。さて、残りの書類を片付けないとな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤバイヤバイヤバイ!つい勢いで淹れられるとか言っちまったけど、今まで一度もお茶淹れたこととかねえぞ・・・。

 

「どうすっかなぁ」

 

いつもそういうのは龍田がやってくれてたから、お茶の淹れ方なんてさっぱりだ。でも淹れられると言ったからには出さなきゃマズイ。

 

「うーん・・・。」

 

あ!そうか、龍田の奴に聞きゃあいいんだ!

俺たち天龍型には特有のヘッドセットがある。こいつは遠くにいても互いに連絡ができるすぐれものだ。まあ、世界水準軽く越えてるからな!

 

「龍田、聞こえるか?」

 

「あらぁ~、天龍ちゃんどうしたの~?」

 

「提督にお茶を出さなきゃいけねえんだけど、お茶の淹れ方がわかんねえんだ。助けてくれ!」

 

「あらぁ~?提督ったら、天龍ちゃんにお茶を汲めって言ったのかしらぁ~?」

 

そういうことにしておこう。

 

「そ、そうなんだよ!それで困っちまってさー」

 

「そうなの~?それはあとで提督とお話しないといけないわね~。お茶の方は~、私が言った通りにやってみて~。」

 

「あ、ああ・・・。」

 

龍田の指示通りにお湯を沸かし、蒸らし、濾す。

自分用のを一口飲んでみて、確かに美味しくできていた。龍田はいつもこんな面倒なことをさらっとやってたのか・・・。

 

「お茶いれたぜー」

 

「む、そうか。休憩にしよう。」

 

提督はそう言って机の書類を片付けた。提督の前に湯のみを置く。

 

「ふむ・・・。なかなかいいな。あれだけ大きく言うことはある」

 

提督はそう褒めてくれるが、正直罪悪感が半端じゃない。スマン提督、それほとんど龍田のおかげなんだ・・・。

 

提督が椅子の背もたれに体重を預けてゆったりしていたから、前から気になっていたことを聞いてみた。

 

「なあ提督、なんでうちの秘書艦はローテーションなんだ?俺は正直、前線行って剣振り回してた方が性に合ってんだけどよ。」

 

「まあ、たいした理由じゃない。いつ、何が起きても対応できるように。それと、全員をなるだけ平等に休ませるためだな。

 そうだな、例えば俺が突然大本営に呼び出された時に、当然秘書艦も連れていくことになるわけだ。

もしそのタイミングで深海凄艦が襲ってきたとして、そのときに資材量を把握している奴がいないのは問題だな。

それだけでなく、戦後処理に関しても行わなければいかん。

当然、秘書艦が固定だと迅速な対応ができなくなる。

 

そして対応が遅くなれば―――」

 

「通常業務に支障が出る・・・ってことか。」

 

「そういうことだ。とはいえ、あくまでそれは副次的な理由に過ぎん。一番は、平等に休ませるためだ。

秘書艦に向かない、戦闘能力が低い。それは大した問題にはならん。だが、秘書艦が出来ない、戦闘したことがない。これは大問題だ。ここはあくまで戦場で、いつなにがあってもおかしくないんだ。全員に戦闘経験をつませ、そして充分に休ませる。

俺は、少なくともその方針が間違いではないと思っている。理解できたか?」

 

「思ってたより、ずっといろいろ考えてんだな。」

 

提督はフン、と鼻をならした。

「それが戦場に出られない俺の仕事だからな。・・・さて、休憩は終わりだ。お茶美味かったぞ。」

 

提督がそう言って書類を捌き始めた時、執務室に龍田が入ってきた。

 

「提督~、ちょっといいかしらぁ~?」

 

「む?遠征は終わったのか。だが、旗艦は夕立だっただろう?何かあったか?」

 

「大ありよぉ~?提督、天龍ちゃんにお茶汲みを命じたそうじゃな~い。どういうことかしらぁ~?」

 

「ああ、さっきいただいたよ。なかなかの味だった。さすがにお茶くらい淹れられると言うだけはある。俺も何度かお茶をいれたことはあるが、まだあれほどではないからな。それがどうかしたか?」

 

龍田がこっちを振り向く。笑顔だが眼が笑っていない。怖い!

 

「天龍ちゃ~ん?」

 

「ち、違うんだ龍田!俺は・・・」

 

「じーっくりお話を聞かせてね~?提督、ごめんなさいね~?」

 

そう言って俺の襟首をつかんで引きずっていく。

 

「提督助けてくれ!」

 

俺はそう叫んだが、提督は不思議そうな顔をしてこっちを見ているだけだ。

 

「ちっくしょぉー・・・。」

 

俺は部屋まで連れて行かれた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

・・・なんだったんだ?

 

「提督さん、艦隊が戻ってきたっぽい!」

 

「ああ、お帰り。戦果の報告を頼む」

 

「作戦は大成功!戦果は上々っぽい?」

 

「ふむ、ご苦労だった。ゆっくり休むといい。」

 

「はーい!ところでさっき、龍田さんに天龍さんが引きずられていったけど、なにかあったっぽい?龍田さん、遠征中にも何か話してたし・・・。」

 

「さあな。俺にもよくわからん。」

 

 

 

次の日、天龍の目は泣き腫れていた。何をしたんだ龍田・・・。

 




天龍さんは龍田さんにン熱血指導ゥ!されました。
勝手に人のせいにしてはいけません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。