※注意
ナツたちとヒューズたちの戦いは完全にカットいたします。
理由としましては、話の都合上ナツ側や敵側にリリカルキャラがいないからです。
基本的にこの小説はリリカルキャラが絡まないシーンや、ストーリーの進行上で絶対に必要なシーン以外はカットいたします。
もしそれで書いてしまったらただの原作丸写しになってしまいますので。
ですので途中から展開がすごく早くなってしまうかもしれませんが、どうかご了承ください。
感想お待ちしております。
エドラス王国・王宮。
「陛下、王女…全ての準備が整いました。コードETD最終段階でしゅ」
「ようやくか……父上」
「うむ」
バイロの報告にハヤテはそう呟き、ファウストは目の前にある祭壇に向かって手を合わせると……
「さらば、神よ」
と…言い放ったのであった。
第百十一話
『オレのネコ』
「
「その鎖を発射するのが……この〝竜鎖砲〟か」
「カッコイイーー!!!」
そう言ってファウスト、ハヤテ、フェイト、バイロがやって来た部屋ある巨大な大砲のような兵器……〝竜鎖砲〟が、その砲口を
「さあ陛下、竜鎖砲起動の鍵を」
「陛下!!お待ちください!!!」
「!」
バイロが竜鎖砲の鍵をファウストに手渡そうとしたその時、ココがピポポポっと足音を立てながら走ってきた。
「これ!! ココ!! 陛下の御前では走り回るなとあれほど言って…」
「あの
そうファウストに進言するココに対し、ファウストは……
「それがどうした?」
と…冷たく言い放った。その言葉にココは、一瞬言葉を失いながらも、声を絞り出す。
「な…仲間…ですよ」
「くだらぬ」
「ココよ! 大局の為の犠牲はつきものなのだぞ!!」
「でも……私はリリーもリニスも死んじゃイヤだ!!」
「別にいーじゃん。正直ボクあいつら嫌いだしー」
ハヤテ、バイロ、フェイトがそう言うとココは……
「イヤです!!」
「な…何を!!」
なんと竜鎖砲の鍵をバイロから奪い取って逃げてしまった。
「まったく……情に流された愚か者め」
すると、ハヤテはそんなココに向かって手にしていた十字の剣のような杖を振るう。その瞬間……ココの両足に黒い
「きゃうあ!!」
両足を攻撃され、その場に倒れるココ。
「うぬは昔から走るのが好きであったな」
「うう…」
「我はそんなうぬの姿を見るのはキライではなかった」
そう言ってハヤテは再び杖を振るい、追い討ちをかけるようにココの両足を攻撃する。
「いだあぁぁぁあああい!!!」
そんな容赦のないハヤテを見て、バイロは一瞬ビクリと体を振るわせた。そしてそんなココに向かって、ファウストが鋭い目付きで言い放つ。
「鍵を渡しなさい」
しかしそれでもココは鍵を渡さず、ボロボロの足のまま走り去ってしまった。
「チッ……」
「バイロ!!! 追え!!! 今すぐに!!!」
「は…はひっ」
そんなココの姿にハヤテは舌打ちし、ファウストは怒りの表情でバイロに命令を下したのであった。
「ボクも行こうか?」
「いや…バイロ1人で十分であろう。それにうぬは仮にも我と父上の護衛なのだ。ナノハがおらぬ今、我らを守るのはうぬしかおらぬのだ」
「護衛なんていなくても王様は強いくせに」
「たわけ、世間体の問題なのだ」
「ふーん……でもナノハ、どこ行っちゃったんだろうね?」
「さあな。いい遊び相手でも見つけたのではないか」
◇◆◇◆◇◆◇
「(痛い…痛いよう……走るのがこんなにつらいのは初めてだよう。私だって永遠の魔力が欲しい、でもリリーとリニスが死んじゃうのはイヤだ!!! どうしよう!! どうしよう!!!)」
そんな思いを胸に、両足に走る激痛をガマンしながら鍵を持って通路を駆けるココ。
後に彼女はナツ、グレイ、ルーシィと遭遇し…その3人とヒューズ、シュガーボーイ、バイロの3人による竜鎖砲の鍵を巡る戦いが行なわれるのだが、それはまた
◇◆◇◆◇◆◇
エクスタリア。
そこにはエクシードたちを避難させる為にやって来た、ウェンディとシャルルの姿があった。
当然、人間であるウェンディと堕天と呼ばれるシャルルがやってきた事に、街のエクシードたちはざわつき始めている。
「女王様に会わせてください。このエクスタリアに危険が迫っています」
ウェンディがそう言うと、群集を掻き分けてナディが2人のもとにやって来た。
「き…君たち困るよー!! 堕天と人間はエクスタリアへの進入は禁止だよ」
「そんな事言ってる場合じゃないの。あんたたち、命が惜しかったら言う事を聞きなさい」
「キミを追いかけたニチヤさんたちはどうなったんだよぅ」
「王国軍に
シャルルがそう言うと、周囲のエクシードたちがバカにしたように大声で笑い始めた。
「「「あはははははっ!!!!」」」
「我がエクスタリアの近衛師団が人間なんかにやられるわけがねー」
「寝言言ってんじゃないよー」
バカにするエクシードたちとは違い、ナディはそれを聞いて顔色を悪くさせていた。
「本当なの!!! 王国軍は次にここを攻撃する!!!」
「どーでもいいね」
「女王様が魔法で全て吹っ飛ばすさ」
「そーだそーだ!」
「みんな逃げなきゃ大変な事になるのよ!!!」
「黙れ人間ー!!!」
ガコン!
「あう!」
「ウェンディ!!!」
1人のエクシードが投げた石が、ウェンディの頭部に直撃する。それに続いて、他のエクシードたちも2人に罵声を浴びせながら石を投げ始めた。
「女王様の魔力も知らねーくせに!!!」
「オレたちはエクシード!! 人間より偉いんだ!!!」
「人間と堕天は出てけー!」
「ここは女王の治める国、エクスタリア!」
「人間には負けない!!!」
「女王様がいる限り!」
それでもウェンディは負けずに、エクシードたちに叫ぶ。
「そんなに人間が嫌いなら私を好きにして!!! でもシャルルは違う!!! あなたたちの仲間でしょ!!!!」
「ウェンディ……」
「「「出ーてーけっ! 出ーてーけっ! 出ーてーけっ! 出ーてーけっ! 出ーてーけっ!」」」
それでもエクシードたちはまったく耳を貸さず、2人に向かって石を投げ続けた。
「どうして……」
そんな彼らに、シャルルは涙を流したのであった。
◇◆◇◆◇◆◇
その頃…王都上空の
「ハァァァアアア!!!」
ガキィィィイン!!!
「くっ……!!」
そこではエリオが振るったストラーダの一撃がリニスのステッキと交差し、その威力にリニスは顔をしかめる。
「うん、やっぱりストラーダの方が使いやすい」
そう言ってエリオはストラーダを構え直すと、再びリニスへと向かう。
「雷竜閃!!!」
「ハッ」
そして電撃を纏ったストラーダを横薙ぎに振るうが、リニスはバック転とバック宙返りという軽快な動きでそれを回避する。
「スピンセイバー!!!」
そしてそのままリニスはステッキを振るい、金色に輝く光輪の刃を放つ。
「こんなもの!! 雷竜槍・
それに対してエリオは電撃を纏ったストラーダを落雷のような勢いで振り下ろし、光輪の刃を粉砕する。
「雷竜槍・貫穿!!!」
そしてすぐに、電撃を纏ったストラーダの鋭い突きを放つ。
「!」
リニスはそれを咄嗟に横に飛んで回避する。
「雷竜の放電!!!!」
しかしエリオは間髪入れずに右手から雷撃を放った。
「ジェットスマッシャー!!!」
ズドォォォォオオン!!!
それに対してリニスはステッキから金色の砲撃を放ち、エリオの雷撃を相殺する。
「ハァアア!!!」
そしてリニスはエリオに接近し、金色の魔力を纏ったステッキで攻撃を仕掛ける。
「オォォオ!!!」
対するエリオもストラーダを構えて迎え撃つ。
ガキィィイイン!!!
両者の武器が激突し、甲高い金属音が響く。
その音を皮切りに両者の激しい武器のぶつかり合いが始まった。槍とステッキが衝突するたびに金属音と衝撃が周囲に響き渡る。
「スピアッ!!!」
「なっ!? ぐあっ!!!」
するとリニスがステッキを振り上げて攻撃すると同時に、金色の魔力の槍が放たれ、エリオはそれを喰らって一瞬怯む。
その一瞬の隙が生まれたエリオに、リニスはステッキの先端を突き出し……
「ブラストッ!!!」
ドガァァァァアン!!!
「ぐあぁぁあああ!!!」
魔力による爆発で、エリオを吹き飛ばす。
「ぐうっ……!!」
歯を食い縛り、空中で体制を立て直して地面を抉りながらも着地するエリオ。そんなエリオを見て、リニスが口を開く。
「子供の割にはしぶといですね」
「これでも
そう言ってエリオはストラーダを構えてリニスへと振るう。
「そんな単調な攻撃は私には当たりませんよ」
しかしリニスはその軽やかなステップと反射神経…時にはバック転や宙返りなどで、エリオの攻撃を全て回避している。
「何て身軽なんだ……」
エリオはリニスの身軽な動きに小さく毒づく。
「だったら……!!」
すると、エリオはストラーダを構え直し……
「雷竜槍・落雷!!!!」
リニスへと目掛けて、雷を落とした。
「無駄です」
しかしリニスはそれも後ろへと飛んでかわした。
「今だ!! 雷竜槍……投擲!!!」
その瞬間、エリオは電撃を纏ったストラーダを力一杯リニス目掛けて投げつけた。
「!!?」
リニスが地面に着地した瞬間には、すでにストラーダは眼前へと迫っていた。
「くっ……!!」
それでもリニスは空高く跳躍して、ストラーダを回避した。だが……それこそがエリオの狙いだった。
「いくら身軽でも、空中じゃ身動き取れませんよね?」
「しまっ──」
リニスがエリオの策略に感づいた頃には、時既に遅く……
「雷竜の咆哮ッ!!!!」
エリオの渾身のブレスが……リニスを飲み込んだ。
「やったぁ!!!」
「あいさー!!!」
それを見たキャロとハッピーが歓喜の声を上げる。しかし……
「……あれ?」
エリオはふと、違和感に気がつく。
そして爆煙が晴れると……そこにリニスの姿はなく、彼女が被っていた帽子だけがパサリと落ちてきた。
「い…いない?」
「まさかエリオ……勢い余って……」
「いや殺してないから!!! ガジルさんじゃあるまいし!!!」
「どういう意味だ小僧!!!」
向こうでリリーと戦っているガジルから怒鳴り声が聞こえたが、エリオは普通に無視した。
バサッ……
「!!」
すると、空から何やら羽ばたくような音が聞こえ、エリオがそちらへと視線を移すと……
「ハァ…ハァ……危ない所でした」
そこには何と……背中には翼……頭には猫耳を生やしたリニスの姿あった。
「猫耳!!? それにあの羽……まさか
「えっ!? じゃあひょっとして……」
「キミもエクシード!!?」
その姿を見たエリオとキャロとハッピーの言葉に対して、リニスはゆっくりと口を開く。
「ええ……確かに私はエクシード……今は人間として暮らしていますけどね」
そう言ってリニスが自分はエクシードだという事を肯定する。
「何で人間の姿を……」
「私には何故か生まれつき、人間に変身する能力があるのです」
そう言って自身の事を簡単に説明するリニス。すると……
ガキィィィイイン!!!
ひと際甲高い金属音が聞こえ、エリオとリニス以外がそちらへと視線を向けると……そこにはリリーの大剣による一撃を腕で受け止めているガジルの姿があった。
「チッ」
「鉄をも砕く我が剣を腕で受け止めるとは、アースランドの魔法には驚かされる」
「あいにく鉄竜の鱗はただの鉄じゃねえ。それより、オマエもあの女もネコの仲間なんだろ? 何で王国軍にいやがる」
そう問い掛けると、リリーはガジルに向かって大剣を……リニスはエリオに向かってステッキを構える。
「昔の話だ。オレたちは故郷を捨てた!!!!」
「あの偽りの国を!!!!」
そう言ってリリーは再びガジルに大剣を振り下ろし、リニスは魔力を纏ったステッキをエリオへと振るった。
ガジルはそれを腕をクロスさせて受け止め、エリオもストラーダでガードする。
「(偽りの国?)」
ハッピーの頭にはリニスが言い放った言葉が引っ掛かっていた。
「はみ出し者って訳か。いいねえ、オレやルーテシアと同じだ」
そう言うと、ガジルはニッと笑みを浮かべる。
「ギヒヒ…気に入った!」
すると、ガジルが受け止めている大剣に、バキバキと亀裂が入る。
「コイツをオレのネコにする」
そしてガジルはリリーの大剣の刀身を粉々に砕き……そう言い放った。
「はあ!!!?」
「まだ諦めてなかったのかよ!!?」
ガジルのその発言に驚愕するハッピーとアギト。
「オレのバスターマアムが!!?」
「まずはどっちが強ェか教えてやらねえとな!」
「ぐぁ!」
武器が破壊されたリリーが驚愕している間に、ガジルは鋼鉄の拳をリリーに連続で叩き込む。
「ギヒヒヒヒ!!!!
「!」
ガジルのその言葉にエリオが反応する。
「(コイツ……)」
そして……
「鉄竜の咆哮!!!!!」
「ぐああああああ!!!!」
鋼鉄の破片を含んだブレスを喰らわせ、リリーを地面へと叩きつける。
その時のガジルの表情は……とても凶悪であった。
「ガジルの顔が怖いよ~!」
「ただでさえ人相悪いしな……」
「そんな事ない……カッコイイ」
「あはは……」
そんな会話をしている間に、ガジルは地面へと着地する。すると……
「(──強い!!!)」
「ぐおっ!」
爆煙の中からリリーが飛び出してきて、ガジルに拳を叩き込む。
「「ガジル!!!」」
「ギヒッ」
ドンッ!!!!
しかしガジルも負けじと拳を突き出し、両者の見事なクロスカウンターが決まった。その際の2人の表情は……どこか楽しげであった。
一方…リニスとの交戦を再開したエリオ。
「テェェエエエイ!!!!」
「ハァァアアアア!!!!」
電撃と魔力をそれぞれ纏った両者の武器が激突し、先程までよりも激しい攻防戦が繰り広げられていた。
「僕……実は少しだけ……羨ましかった」
「?」
ストラーダを振るいながら語り始めたエリオに、リニスは怪訝な表情を浮かべながらステッキを振るいつつ、耳を傾ける。
「ナツさんにはハッピー…ウェンディにはシャルル……そんな自慢の相棒がいる2人が…同じ
エリオはストラーダを横薙ぎに振るい、リニスはそれを羽を広げて空へと回避する。
「そしてキミがエクシードだと知った時、胸が高鳴った。こんなに強いキミが相棒だったら、どんなに心強いだろうって」
「何が言いたいのですか?」
そう問い掛けながら、リニスは上空へと飛んでエリオから距離を取った。
「そうだね……さっきのガジルさんの言葉を借りると──」
そしてエリオはその問い掛けに対し、ニッと口角を吊り上げ……
「──気に入った、キミを僕のネコにする」
と…言い放った。
「なあ!!?」
「エリオ君まで!!?」
当然驚愕するハッピーとキャロ。
そしてそんなエリオの言葉に、リニスはしばらく呆然としたあと……
「……おもしろい子ですね」
と言って、僅かにクスッと微笑み……ステッキを構えたのであった。
つづく
リニス、エクシード化。