「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「潰されそ…」
「うギギ…」
「オォォオ…!!!」
「ふんばれぇっ!!!!」
「絶対に…止めるのよっ!!!」
「んんーーっ!!!」
「グオオオオ!」
「んがぁぁああ!!!」
「っ……!!!」
「なんとしても止めるんだ!!!!」
雄叫びを上げながら迫り来る浮遊島を押し返そうとしているナツたち
「無駄な事を!!!」
「人間の力では、どうする事もできません」
そんな彼ら見て、そう言い放つリリーとリニス。すると……
ガコォン!
「シャルル!!」
街の方から飛んできたシャルルも加わり、浮遊島を押し始める。
「私は諦めない!!!
シャルルがそう叫んだその時、同じく街から飛んできたナディも、浮遊島を押し始めた。
「うあーーーーー!!!!」
「アンタ…」
「ぼきゅも守りたいんだよ……きっとみんなも」
ナディがそう言うと……街の方角から、羽を広げた多くのエクシードたちと彼らに抱えられたウェンディが、こちらへと向かって飛んできた。
その光景を見て、ハッピーとシャルル……そしてリリーとリニスは目を見開いた。
「自分たちの国は自分たちで守るんだ!!!!」
「危険をおかしてこの国と民を守り続けてきた女王様の為にも!!」
「ウェンディさん、シャルルさん、さっきはごめんなさい!!」
「みんな!! 今はこれを何とかしよう!!!」
その中には、片翼ながらも必死に飛ぼうとしているシャゴットの姿もあった。
「シャゴット!!! そんな翼じゃ無理だよ!」
「いいえ……やらなきゃいけないのです、私たちに出来る事を!!!」
そしてその光景を見ていたリリーとリニスは……昔の事を思い出していた。
『リリー!! リニス!! なぜ人間の子供などを救った!?』
『大きなケガをしていたので……』
『バカモノ!! それをエクスタリアにつれてくるとは何たる不始末!!!』
『ですが……人間の子供とはいえ、ケガをしている者を放って置くことは私やリリーには……』
『掟を忘れた訳ではあるまいな!!!』
『キサマらを堕天とし、エクスタリアから追放する!!!』
『バカな!!!』
『こんな…事で……!?』
そうしてエクスタリアを追放されたリリーとリニスは王国軍に拾われ、現在の地位まで登り詰め、そしてエクスタリアを憎みながら生きていた。
そう……憎んでいたハズだった。
するとその時、とうとうシャゴットが飛び続けられずに落ちてしまった。
「ああ!」
「シャゴット!!」
「女王!!」
そんなシャゴットを……羽を広げたリリーが助け、その隣を同じく羽を広げたリニスが並走するように並ぶ。
「リリー…リニス……」
「お久しぶりです、女王シャゴット」
「ウソをつくのに疲れたのかい?」
「ごめんなさい……私……」
「オレたちもさ。どんなに憎もうとしても、エクスタリアはオレの国なんだ」
「たとえ追放されたとしても……故郷を憎む事なんて…私たちにはできなかった」
「リリー…リニス…」
涙を流し、懺悔するように言葉を紡ぐリリーとリニス。
「けどもう無理です……これだけのエクシードのみなさんが束になっても、浮遊島は止められない!!!」
「すまねえ!!!! オレたちのせいだ!!!! オレとリニスなら止められた!!!! 人間たちを止められたんだ!!!!」
「思いはきっと届くわ」
涙を流すリリーとリニスに、優しくそう言うシャゴット。
そしてエクスタリアのエクシードが1つとなり、浮遊島を押し返し始める。
「私たちも押すのよ!!!」
「あいさ!!!」
その中には、ラッキーとマールの姿もあった。
「止まれぇぇぇーーーーーっ!!!!!」
「みんながんばれー!!!」
「押せー!!!」
「オレたちならできるぞー!!」
「お願い!! 止まってぇぇっ!!!」
ナツ…ハッピー…グレイ…ティアナ…ルーシィ…エルザ…ウェンディ…エリオ…キャロ…シャルル…フリード…ガジル…ルーテシア…アギト…ガリュー…ココ…レギオン…そしてナディたちエクスタリアの全エクシードが一丸となって浮遊島を必死に押している。
そしてその想いと力が伝わったのか……徐々にエクスタリアから浮遊島が離れていく。
「
「押し返されていく……」
その光景を見て呆然とそう呟くリリーとリニス。
そして次の瞬間……突然
「うあ!」
「何!?」
「きゃあ!」
「がっ!」
「くっ!」
「あああ!」
「これは…!?」
「うわっ!」
その光によって浮遊島から弾かれるように吹き飛ばされるナツたちとエクシードたち。
そしてその
第百十三話
『
そして光の柱が消えると……その浮遊島から
「
「ど…どうなったの!?」
「ギルドのみんなはどこに!!?」
あまりの出来事に困惑しているグレイ、ルーシィ、ティアナ。すると……
「心配はいらない」
「アースランドに帰ったのだ」
「!!!」
突然聞こえてきた声に、その場にいた全員がそちらに視線を向けると、そこには……
「全てを元に戻すだけの巨大なアニマの残痕を探し、遅くなった事を詫びよう」
「そして…キミたちの力がなければ僕たちは間に合わなかった。感謝する」
「ミストガン!!! クロノ!!!」
その人物とは……大きなワシのような鳥に乗った、
「おお!!!」
「元に戻したって……」
「そうだ、僕とミストガンでかき集めた巨大アニマの残痕……それを使って
「そしてアニマを通った
その言葉を聞いた全員は、表情を綻ばせる。
「やったのか!?」
「オレたち…エクスタリアを守れたのか…!?」
そして……
オォォォォォオオオオオオオ!!!!!
ナツたちやエクシードたちは盛大なる歓喜の声を上げた。
「リリー、リニス、君たちに助けられた命だ……2人の故郷を守れてよかった」
そう言って顔を覆っていた覆面を外すミストガン。
そう……昔リリーとリニスが助けた人間の子供とは、この世界のジェラール……ミストガンだったのである。
「ええ……」
「ありがとうございます」
「「王子」」
それに対してリリーとリニスは、涙を流しながらそう言った。
「王子が帰ってきたよう」
「「王子!?」」
ミストガンが王国の王子だと聞いて、驚愕するティアナとルーシィ。
「そしてクロノ……アースランドで出来た、私の唯一の友……今回の事も含め、キミには何度も助けられた。ありがとう」
「気にするな。仲間が困っていれば手を貸す……それが僕たちのギルドだろ?」
そう言って、ミストガンとクロノは硬い握手を交わした。
だがその時……
ズドォォオン!!!
突然飛来した砲撃が……リリーの腹部を貫いた。
「リリーー!!!」
そしてその光景に全員が愕然としていると……
「まだだ!!! まだ終わらんぞーーーーっ!!!!」
砲撃を撃った張本人であろうエドエルザが、多くの兵とレギオンを引き連れてやって来ていた。
「向こうのエルザ!」
「テメェよくも!」
「誰か……2人を助けて!!!」
「私が行きます!!!!」
落ちていくリリーを、リニスが助けに向かった。
「スカーレットォォォ!!!!」
「ナイトウォーカー」
そして睨み合う2人のエルザを、ミストガンが制した。
「エドラス王国王子であるこの私に刃を向けるつもりか、エルザ・ナイトウォーカー」
「くっ!」
「王子!?」
ミストガンのその言葉にエドエルザは顔を歪め、エルザは普通に驚いた。
「笑わせるな……ジェラール・K・クローディア」
するとそこへ……ひと際大きなレギオンに乗ったハヤテが現れた。その後ろには、同じくレギオンに乗ったナノハとフェイトの姿もある。
「ハヤテか」
「久しいな兄上……いや、今はそう呼ぶのでさえ虫唾が走る。我はもう貴様を兄などとは思わぬし、ましてや王子を名乗るなど片腹痛いわっ!!!」
『その通りだ』
「!!!」
すると、どこからか拡声器を使ったようなファウストの声が響き渡る。
『7年も行方をくらませておいて、よくおめおめと戻ってこれたものだ。貴様が
「この声、どこから…」
「オイ!!! 姿を現せ!!」
声の出所を周囲を探すが、ファウストの姿はどこにもない。
「あなたのアニマ計画は失敗したんだ。もう戦う意味などないだろう」
『意味? 戦う意味だと? これは戦いではない、王に仇なす者への報復…一方的な殲滅』
ズゥゥウン!
すると、突然地響きのような足音が響き渡る。
「な……何アレ!!?」
「!!!」
『ワシの前に立ちはだかるのなら、たとえ貴様でも消してくれる、跡形も無くなァ』
「父上…」
『父ではない、ワシはエドラス王である。そうだ…貴様を始末すれば、
ズゥゥウン…ズゥゥウン……
そんな言葉と共に、段々と近づいてくる足音。
『また巨大な
そしてついに……その姿を現した。
『フハハハハハハッ!!!! 王の力に不可能はない!!!! 王の力は絶対なのだ!!!!』
それはまるで……ドラゴンのような装甲をした兵器であった。
「ドロマ・アニム…」
それを見て、誰かがポツリとその名を呟いた。
「ドロマ・アニム……こっちの言葉で竜騎士の意味。ドラゴンの強化装甲だと!!?」
「ドラゴン…」
「言われてみればそんな形ですね…」
ミストガンの言葉に、ナツとエリオがそう呟く。
「強化装甲って何ですか!?」
「
キャロの問い掛けに、ココがそう説明する。
『我が兵たちよ、エクシードを捕らえよ!!』
「「「はっ!」」」
「マズイ!! 逃げるんだ!!!」
「「「わーーーっ!」」」
ミストガンの警告に、エクシードたちは散り散りに飛んで逃げていく。
「逃がすでないっ!!!」
しかしハヤテの号令により、1人の兵が何やら照明のようなモノで、光を照射する。
「うわーー!」
すると、その光を浴びてしまった何人かのエクシードたちは、ネコ型の
「逃げろー!!!」
「捕まったら
「エライこっちゃ!!」
「うわー!」
「みんな…!!! 逃げて…!!! 生き延びるのよ!!!」
「さあシャゴット!! 私たちも行こう」
それを見たエクシードたちは、大急ぎで逃げて行った。
「逃がすなぁっ!!! 全軍エクシードを捕らえよ!!!!」
「「「はっ!!!」」」
そう言ってハヤテとエドエルザが率いる魔戦部隊は、逃げていくエクシードを追って行った。
「王国軍からエクシードを守るんだ!! ナイトウォーカーたちを追撃する!」
「そうだね」
「ええ……ここまで来たら、全部守ってやるわよ」
「はい!!」
「ガジルのネコを傷つけた王国……許さない」
「いやまだそうなったわけじゃねからな、ルールー」
「あのデカブツはどうする?」
「相手にするだけ無駄だよう、魔法が効かないんだから」
「かわしながら行くしかないな……それに今のエクシードたちは無防備だ、僕たちが守らないと」
「よし!!! 行くぞ!!!」
そう言って、フリードとレギオン、そして大鷲に乗った面々は、エクシードを追いかけていった魔戦部隊の後を追った。
因みに大鷲にはミストガン…フリードに乗っているのはキャロ、ティアナ、クロノの3人…あとは全員レギオンに乗っている。
『人間は1人として逃がさん!!! 全員この場で死んでもらう!!!
消えろォォオオオオオオオ!!!!』
そう言って口から砲撃を放つ、ファウストが操縦するドロマ・アニム。
その砲撃を、ミストガンが杖を用いた魔法陣で防御する。
「ミストガン!!!」
『ミストガン? それが
「エルザ!! クロノ!! 今のうちに行け!!!」
「しかし…」
「行くんだ!!!」
そう言うとミストガンは、反撃を開始する。
「三重魔法陣・鏡水!!!!」
そして3つの魔法陣を展開し、防いでいた砲撃をドロマ・アニムへと跳ね返した。
『跳ね返し……ぬう!』
それをモロの直撃するドロマ・アニムだが……その装甲にはキズ1つついていなかった。
『ドロマ・アニムに魔法は効かん!!!』
「がっ!!!」
そして再び放たれた砲撃を、ミストガンは直撃してしまう。
「ぐああああああ!!!!」
「「ミストガン!!!」」
そしてミストガンは……そのまま地上の森の中へと落ちていった。
『ファーハッハッハーーーッ!!!! 貴様には地を這う姿が似合っておるぞ!!!! そのまま地上でのたれ死ぬがよいわーーっ!!!』
そう言うと、ドロマ・アニムは標的をエルザたちへと変更する。
『次は貴様らだァ!』
「くそ!!! あれをかわしながら戦うのは無理だ!!!!」
「……いいえ、大丈夫よ」
毒づくグレイに、小さくそう言い放つティアナ。
すると……
ドゴッ!!!
『何!!?』
突然ドロマ・アニムの上首あたりに、爆撃のような攻撃が下る。
ズドンッ!!!
『ぬおっ!』
ズバンッ!!!
『おわっ!』
さらに続けざまに首や背中に……強力な鋼鉄の打撃と、落雷のような突撃を叩き込まれる。
『誰だ!!? 魔法の効かんハズのドロマ・アニムに攻撃を加えておる者は!!!?』
正体不明の敵に連続で攻撃を叩き込まれ、動揺するファウスト。そして……
「天竜の…咆哮!!!!!」
『ぐおおおおおっ!!!!』
まるで竜巻のようなブレスを叩き込まれ、後方へと吹き飛ばされるドロマ・アニム。
「やるじゃねーかウェンディ」
「いいえ……3人の攻撃の方がダメージとしては有効です」
「それでもやらないよりは全然マシだよ」
「ヤロウ……よくもオレのネコを」
そんなドロマ・アニムの前に、先程の攻撃を加えた4人……ナツ、ウェンディ、ガジル、エリオが立ち塞がった。
「ナツ!!!」
「ウェンディ!!!」
「ガジル」
「エリオ君!!!」
そんな4人の名を叫ぶハッピーとシャルル、そしてルーテシアとキャロ。そんな彼らに向かって、ナツが言い放つ。
「行け。ネコたちを守るんだ」
その言葉に、代表してエルザとクロノが頷いた。
「そっちは4人で大丈夫なの!!?」
「問題ねえさ」
そう問い掛けるルーシィに対してそう答えるグレイ。そしてそれに続くように…アギト、ティアナ、ルーテシアの順で口を開いた。
「だな。相手はドラゴン」
「倒せるのは……あの4人だけよ」
「ドラゴン狩りの魔導士」
──
つづく
エドジェラールとファウストのファミリーネームが公式になかった為、ハヤテと同じにしました。