ファウストが操る、禁式と呼ばれるドラゴンの強化装甲……ドロマ・アニム。
その機械仕掛けのドラゴン相手に……ナツ、ウェンディ、ガジル、エリオの4人の
「行くぞ
「またお前と共闘かよ!」
「僕との共闘も2回目ですね」
「援護します!」
そう言うと、ウェンディは援護の為の魔法を発動する。
「天を駆ける俊足なる風を! バーニア!!!!」
ウェンディが他の3人にスピード強化の魔法をかけると、ナツたちは光に包まれ、素早いスピードでドロマ・アニムへと駆けていく。
『おのれ小僧ども! このワシを誰だと思っておるかァー!!!!』
そう言ってナツたちに向かって口から砲撃を放つドロマ・アニム。しかし人はそれを強化されたスピードで、ナツは右…ガジルは左…エリオは上へとそれぞれ回避する。
そしてそのまま一気にドロマ・アニムへと接近し……
「火竜の鉄拳!!!!」
「鉄竜棍!!!!」
「雷竜閃!!!!」
炎の拳、鋼鉄の棍棒、雷の槍による一撃をそれぞれ叩き込んだ。
『魔法を通さぬハズのドロマ・アニムが、微量とはいえダメージを受けている!?』
「何だこの硬さは!?」
微量とはいえ魔法でダメージを受けた事にファウストは驚愕し、対して装甲のあまりの硬さに毒づくガジル。
すると、ウェンディが再び魔法を発動する。
「天を切り裂く剛腕なる力を……アームズ!!!!」
その瞬間、先程とはまた違った光がナツたち3人を包み込む。
「!」
「これは…」
「攻撃力強化の魔法です!!!」
「おっしゃあ!!!!」
攻撃力が増加された事により、3人は更なる追撃をドロマ・アニムに叩き込む。
『くっ、あの小娘か! 竜騎弾発射!!!!』
すると、サポート魔法を使うウェンディに目を付けたファウストは、ドロマ・アニムの背中から大量のミサイルを彼女目掛けて発射する。
「しまった!!! ウェンディが!!!!」
「私なら大丈夫です! バーニア!!!」
ウェンディが狙われた事によって動揺するナツだが、ウェンディは自身にスピード強化の魔法をかけて、そのスピードでミサイルを回避する。
しかし、何発かのミサイルはカクンっと起動を変えて、ウェンディへと向かった。
「!!」
「追尾型!?」
『フハハハハハハハ!』
「きゃっ」
するとウェンディは、逃げる途中ですてーんと転んでしまった。そしてウェンディにミサイルが迫ったその時……
「ハァァァアア!!!」
ドゴォォォォオン!!!
彼女とミサイルの間に割って入ったエリオが、ストラーダでミサイルを次々と破壊した。
「ウェンディは僕が守る」
「エリオ君!!!」
『まだまだァ!』
「出させるか!!!!」
再びミサイルを放とうとしたドロマ・アニムの背中の発射口を、ガジルが叩き潰した。
『ぬうう! 小賢しい!!!』
「ぐおっ!」
しかしその直後、ドロマ・アニムの尻尾を叩きつけられる。
そしてエリオとウェンディのもとへと迫る2発のミサイル。
「!!」
「まだ2発残ってた!!」
「任せろ!!! うおおおおおっ!!!」
そう言っていつの間にか2人の近くまで来ていたナツが、そのミサイルに向かって突撃する。
「ナツさん!!! ダメ!!!!」
「さっきまでの奴とは違います!!!!」
「!!」
ズガガガガガガガガガッ!!!!
その瞬間……その2つのミサイルは大爆発を起こした。
「うあああああ!」
「うわああああ!」
「きゃああああ!」
その爆発に巻き込まれてしまうナツ、ウェンディ、エリオの3人。しかし……
「あああああああああ!!!!」
『何だと!!? 爆炎を…』
ナツが爆発で発生した炎をガブガブと食い……
『こいつは尻尾を食ってる!!!?』
先程叩きつけられた尻尾にしがみ付き、そのまま鉄製の尻尾をガジガジと食べているガジル。
「(デタラメだ!!!! これが
「強ェな……ドラゴンっていうだけあって」
「正確には竜騎士……ですけどね」
「一国の王だというのに護衛もつけないなんて、よほど自信があるんだ」
「燃えてきた」
「(これが
ナツたちの魔法と力とデタラメさを目の当たりにして、ファウストは驚愕する。
「(…………だが!!!! だからこそ我が物に……)」
「何だ!?」
「色が変わってく!」
「白から…黒に!?」
すると、ドロマ・アニムの白い装甲が…段々と黒く染まっていく。
「(こやつらがいれば、もう一度アニマ計画を実現できる!!!! 永遠の魔力の為にこの4人を捕獲……
いや……こやつらはもはや兵器!!!! 鹵獲じゃ!!!! 多少のパーツの破損は仕方あるまい……)」
そしてついに……ドロマ・アニムの全身が……真っ黒に染まった。
『まずは貴様等全員の戦意を無くしてやろう!!!!! ドロマ・アニム黒天の力をもってなァ!!!!!』
そう言い放ちながら黒天となったドロマ・アニムの咆哮は、ナツたち4人の周囲の空気をビリビリと震わせたのであった。
第百十四話
『最後の総力戦』
そんなナツたちを、ミストガンは遠く離れた木の影から見守っていた。その近くには、リニスによって支えられているリリーの姿もあった。
「すまない、ナツ」
「王子……何のマネですか? あなたはさっき、わざとやられた」
そんなリリーの問い掛けに対して、ミストガンは微笑を浮かべるだけだったが、それだけでリニスは察した。
「リリーを助ける為に…?」
「ケガは大丈夫か?」
「このくらい何とも……クッ!」
「やせ我慢しないでくださいリリー!」
「ドロマ・アニムはナツたちに任せる他ない。私たちには他にやる事がある」
「「やる事?」」
「最後の仕事だ。それには君たちの力が必要になる」
そう言い放つミストガンを見て、リリーとリニスは怪訝な表情を浮かべたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
一方……エクシードを守る為に王国軍を追っていたエルザたち。
「追いついた!!!! 王国軍だ!!!!」
「けど数が多いぞ!!! どうすんだ!!?」
「行くしかなかろう!! 私たちがやらねば、エクシードがやられる!!!」
そう言って王国軍を追いかけるエルザたちだが……
「待っていたぞ、スカーレット」
「塵芥ども」
「!」
そんな彼女たちの前に、エドエルザ、ハヤテ、ナノハ、フェイトがそれぞれレギオンに乗って立ち塞がっていた。
「待っていた……だと?」
「っ……まさかっ!!!」
その言葉を聞いて何かを感づいたクロノは、慌てて地上の方を見る。すると地上の森の中から、複数の光が映った。
「罠だ!!! 伏兵が潜んでいた!!! すぐに旋回するんだ!!!」
「フ…フリード!!!」
「グオオ!」
クロノの言葉を聞いて、すぐにフリードを旋回させるキャロ。しかしレギオンの方は間に合わず……
ズドドドドド!!!
「グアアアアッ!!!!」
「うわぁ!」
「きゃあ!」
「レギピョン!」
「ああっ!」
「うおっ!」
「っ……!」
伏兵の攻撃をモロに喰らってしまったレギオンは墜落し、それに乗っていたグレイたちも空中に投げ出されてしまった。
「2人を持ち上げるのは、ム…無理だわ」
「スマネェ、シャルル」
「レギピョ~ン」
「お…おも…重たい~!」
「ハッピー頑張って!」
「ルールー! 飛べる召喚蟲を…」
「落下しながらは無理」
ハッピーとシャルルが何とか持ち上げて飛ぼうとするが、流石に無理らしく、落ちるスピードが弱まった程度であった。
「あれ? エルザは?」
気がつくと、同じレギオンに乗っていたハズのエルザの姿がなかった。
「うわぁ!」
「!!」
すると1人の兵とレギオンがやられ、そちらを見てみると……そこにはレギオンの首に鎖を巻きつけ、落下をまぬがれたエルザの姿があった。
「スカーレット……!!!」
「そろそろ決着をつけようか、ナイトウォーカー」
「全員地上へ降りろ!!! こいつは私1人でやる!!!!」
「「「はっ!」」」
エドエルザはそう指示を出してから、エルザと相対する。
「お前はエルザでありながら、
「お前もエルザでありながら、我が王に牙を剥いた」
「「エルザは2人もいらない」」
そして両者は、お互いに剣と槍を構え……
「「この勝負!!!! どちらかが消えるまでだ!!!!!」」
激突したのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
そしてその様子を見ていたハヤテは、忌々しげに舌打ちをする。
「チッ……塵芥どもめ。まぁよい、向こうはエルザは任せるとしよう。我は地上へと落ちて行った者共を血祭りに……」
「悪いがそう言う訳にはいかない」
「!!?」
後ろから聞こえてきた声に振り返ると、そこにはいつの間にかレギオンに乗り移っていた、クロノが立っていた。
「貴様……誰の許可を得て我のレギオンに乗っておる。万死に値する行為ぞ」
「それはすまないな……目の前で友がやられるのを見ては、内心穏やかではいられないんだ」
「あの売国奴の友だと?」
「売国奴なんかじゃない……彼は純粋に国を…この世界を…救いたいと願って行動していただけだ」
「戯言をぬかすなっ!!!!」
そう言ってハヤテは杖を振るい、黒い砲撃を放ってきた。
バチィイン!!!
それに対してクロノは、愛用の杖であるS2Uを構え、魔力のシールドでそれを防いだ。
「まずは貴様から血祭りに上げてやる……!! エドラス国王女にして魔戦部隊総隊長…ハヤテ・K・クローディアと、新技術によって開発された禁忌の魔導書……〝闇の書〟の力を思い知るがいい!!!」
「
◆◇◆◇◆◇◆◇
「王…今援護を」
ハヤテが戦闘を開始したのを見て、ナノハはレギオンと共にハヤテのもとへと向かおうとする。
だがその時……
「ファントム・ブレイザー!!!!」
ズドォォオオオン!!!!
「グオオオオオッ!!!」
「!!?」
突如飛来したオレンジ色の砲撃にレギオンが直撃し、そのまま地上へと落下してしいくナノハ。そして砲撃が飛んできた方向に視線を送るとそこには……
「ティアナ・ランスター……!!!」
クロスミラージュを構えたティアナが、同じく落下しながら得意気な笑みを浮かべていた。
「地上へ降りるわよナノハ・スタークス……そこで決着をつけるわ」
「……いいでしょう、今度こそ殲滅してさしあげます」
そう言って……ティアナとナノハは地上の森の中へと落ちていったのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして唯一空に残ったキャロとフリード。
「フリード、落ちちゃったみんなを助けに行こう!!!」
「グオオ!!」
キャロの言葉にフリードが頷き、地上へ向かおうとしたその時……
ドォォオオン!!!
「きゃっ!」
「グオッ!!?」
突然横から飛んできたレギオンに体当たりをぶつけられた。
「やっほー♪ また会ったね~♪」
「……フェイトさん」
そのレギオンの背には、フェイトが乗っていた。
「キミのその竜、強そうだねー。ボクのレギオンとどっちが強いか勝負しようよー!!!」
そう言って子供のような視線を向けてくるフェイトに対してキャロは……
「……望むところです」
と…真っ直ぐとした瞳で言い放ったのであった。
エルザvsエルザ
クロノvsハヤテ
ティアナvsナノハ
キャロ&フリードvsフェイト&レギオン
最後の総力戦が始まったのであった。
つづく