ゴッドイーター2はマジ神ゲーでした。特にストーリーが。討伐アクションゲームでちょっと泣きそうになったの初めてですよ。
こちらの諸事情で更新を一時ストップしてしまい、申し訳ありませんでした。
以前のように毎日とまではいきませんが、今日から更新を再開いたします。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
感想お待ちしております。
ナツたち4人の
そして一方……敵の奇襲により森の中へと落とされてしまった他のメンバーたちは……
「いったぁ~」
「エルザとクロノは?」
「向こうのエルザとはやての所ね」
「ティアナとキャロも、向こうのナノハとフェイトと戦ってるっぽいな」
グレイたちが墜落の際に打ち付けた箇所を押さえながらもそんな会話をしていると……彼らのもとに一発の魔法弾が飛来した。
ドゴォォオン!!
「敵!!?」
「どこだ!?」
魔法弾を避けながら敵の場所を確認すると……森の奥から数十人もの王国兵が、雄叫びを上げながら姿を現した。
「こいつらゾロゾロと……」
「みんな、もうやめてよう」
「そう言ってやめてくれたら苦労はしねえんだけどな……」
「向こうはやる気満々」
「じゃあやるしかないわね!!!」
そう言って王国兵たちの前に立ち塞がるグレイとルーシィ、そしてルーテシアとアギト。しかし……
「うわぁ!!」
「ハッピー!!!」
「くっ」
「シャルル!!!」
何と王国兵はグレイたちを相手にはせず、真っ先にハッピーとシャルルを攻撃した。
「ヤロウ…」
「オラァ!!!」
そんな王国兵の軍団に向かって氷と炎で攻撃するグレイとアギト。しかしそれでも王国兵は、ハッピーとシャルルへの攻撃をやめない。
「何でハッピーとシャルルばっかり…」
「逃げたエクシードどもはほとんど|魔水晶に変えた」
そして王国兵の1人が言い放った言葉に、グレイたちは目を見開く。
「後はそこの2匹のみ!!」
「おとなしく我が国の魔力となれぇ!!」
「そんなものになるもんかーー!!」
エクシードを
「自分たちの魔力の為に、エクシードはどうなっても構わねえってのか……それがこの世界の人間なのか!!!!」
そう怒鳴りながらグレイは造りだした氷で多くの王国兵を吹き飛ばす。
「仲間はやらせねえぞ、クソヤロウども」
第百十五話
『大好きな友達のため』
ズドドドドドドドッ!!!!
一方……森の中で響き渡るいくつもの轟音。
「ハァァアアアアアア!!!!」
「アァァアアアアアア!!!!」
その正体はティアナのクロスファイアーシュートと、ナノハのパイロシューター……お互いの魔法弾を魔法弾で相殺するという激しい魔法銃撃戦であった。
「くっ…」
「……」
そして2人はほぼ同時に魔法弾の発射を止め、クロスミラージュとルシフェリオンを構えなおすと……
「ファントム・ブレイザー!!!!」
「ブラスト・ファイアー!!!!」
ドゴォォォォォォオオン!!!!
両者の放った強力な砲撃が衝突し、凄まじい爆発と衝撃を巻き起こした。
「うあっ!!」
「っ……!!」
その爆風と衝撃に吹き飛ばされつつも、倒れずに地面に着地する2人。すると、ナノハがゆっくりと口を開く。
「城で戦った時にも思いましたが……やはり強いですね、ティアナ・ランスター」
「それはどーも」
ナノハの賞賛の言葉に対しても一切気を抜かず、素っ気無く返すティアナ。
「フェイトやエルザ以外初めてですよ。王国の最新技術……〝カートリッジシステム〟を導入したルシフェリオンを手にした私と互角に戦えるのは……」
「カートリッジシステム?」
「魔力が尽きた武器に、瞬時に魔力を補給するシステムの事ですよ」
ナノハがそう言うと、彼女が手にするルシフェリオンから、何かがカシャンっと音を立てて排出される。そしてナノハは懐から何やら弾丸のようなモノを取り出し、それをルシフェリオンへと装填する。
「なるほど……どうりでさっきから魔力が尽きないと思ったわ。そんなシステムがあるなんてね」
「我が王…ハヤテが考案・開発したシステムです」
「そんな凄いシステムなのに……アンタたちは永遠の魔力を手に入れる為の武器としてしか使わないのね」
皮肉を込めたティアナの言葉……それに対してナノハは、特に表情を変えずに言い返した。
「私は永遠の魔力などに興味はありません」
「……なんですって?」
ナノハのその言葉に……ティアナは耳を疑ったのであった。
「私が戦う理由は我が王……ハヤテの為……ただそれだけです」
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして場所は移り……森の上空。
「どっかーーん!!」
ドカァァアアン!!!
「グオオォォオ!!!」
「きゃっ!!!」
そこではレギオンに乗ったフェイトがフリードに乗ったキャロへと体当たりをぶつけている光景があった。そしてその体当たりを喰らったフリードは軽く吹き飛ばされるが、すぐに空中で立て直した。
「フリード、大丈夫?」
「グオ!」
問題ないと言いたげにひと鳴きして心配そうなキャロに答えるフリード。
「フリード!! ブラストフレア!!!」
そしてフリードはレギオン目掛けて、口から数発の火球を発射する。
「甘いあまーい!!!」
しかしその火球は、フェイトが手にした蒼い雷を纏った大鎌によって全て切り裂かれた。
「そんな攻撃!!! ボクの武器…蒼雷のバルニフィカスの敵ではなーい!!!」
自身の武器であるバルニフィカスを高々と掲げて誇らしげにそう叫ぶフェイト。
「お返しいくよー!! スパーークッ!!!!」
そしてそのままフェイトは蒼い雷を纏った複数の魔法弾を、キャロとフリードへと放った。
「フリード、かわしてっ!!!」
キャロの指示にフリードは翼を大きくはためかせ、空中を縦横無尽に翔け回り、全ての魔法弾を回避した。しかし……
「スキありーー!!!」
「えっ!!?」
何と……回避した先にはレギオンから飛び降り、蒼い雷の大剣となったバルニフィカスを構えたフェイトが落下しながら迫ってきていた。
「一・刀・両・
「ラ…ラウンドシールド!!!!」
フリードに振り下ろされようとした大剣に対し、キャロは咄嗟に魔力の盾を張って防御し、フリードを守った。
「無駄無駄ァ!!!」
「っ…きゃああっ!!!」
しかしそれでフェイトの攻撃を防ぎ切る事は叶わず、それどころか逆に魔力の盾を破壊され、その衝撃で吹き飛ばれたキャロはフリードの背から落下してしまう。
「グオオオオオ!!!」
それを見たフリードはすぐさま落下していくキャロへと向かい、彼女を拾い上げる形で背に乗せた。
「あ…ありがとうフリード」
「グオッ!」
フリードの背にしがみ付きながら感謝と安堵の入り混じった言葉を口にするキャロ。
「思ったよりしぶといね」
同じく拾われる形でレギオンの背に乗ったフェイトがそう言い放つ。そんなフェイトを強く見据えながら、キャロも負けじと言い返す。
「ギルドのみんなを助ける為にも……負ける訳にはいかないんです」
「ふーん……まぁ、負けられないのはボクも一緒だけどね」
「永遠の魔力の為にですか?」
「違うよ」
「!」
キャロの言葉に対し、フェイトは即座に否定の言葉を口にした。それを聞いたキャロは目を見開く。
「ボクが負けられない理由は王様の為さ。王様の為ならボクは誰が相手だろうと戦うし、王様の為なら永遠の魔力だって手に入れる。ボクやナノハはいつだって王様の……ハヤテの為に戦ってるんだ」
◆◇◆◇◆◇◆◇
場所は戻って……森の中。
そこではティアナとナノハの激しい魔法銃撃戦が繰り広げられていた。そんな中で、ティアナはナノハの魔法弾を回避しながら彼女に問い掛ける。
「どういう事よ!!? 永遠の魔力に興味がないだなんて!!!」
「言葉の通りですよ。私自身…永遠の魔力などに興味がないのです」
ティアナが放つ魔法弾を相殺しながら、淡々とした口調でそう言い放つナノハ。
永遠の魔力を手に入れる為に、王国側は総力を挙げて戦っている……にも関わらず、王国に所属するナノハはそれに興味ないと言い切ったのだ。
「アンタたち王国は、それを手に入れる為に戦ってるんじゃないの!!?」
「そうですよ。国王を筆頭にした全ての王国の人間は、それを望んでいます。しかし私とフェイトにとって永遠の魔力など……目的の為の過程でしかありません」
「くっ……過程ですって?」
ナノハはティアナが放った砲撃を回避しながらそう答え、お返しと言わんばかりに砲撃を放つ。ティアナはそれに毒づきながらも横に飛び、側転の要領で地面に着地する。
「
「はい。それこそが私とフェイトが戦う意義であり……私たちの──願い!!!」
そう言い放つと同時に、ナノハは一気にティアナへと接近し、先端に炎を纏ったルシフェリオンを振り下ろした。
ガキィィィイイン!!!!
「う…ぐっ……!!!」
対するティアナはそれをクロスミラージュの2つの銃身で受け止める。
そしてそのままクロスミラージュとルシフェリオンでギリギリとせめぎ合うティアナとナノハ。それに必死に耐えながらも、ティアナはナノハに問い掛ける。
「アンタが…そうまでして叶えたい目的って……願いって…一体なに!?」
「今は語る必要はありません」
「!!」
そう答えながらナノハはルシフェリオンを引き、そのまま先端をティアナへと突きつけ……
「ブラスト・ファイアー!!!!」
スドォォォオオオオン!!!!
そして……ほぼゼロ距離で砲撃を放つ。
「きゃあああああああっ!!!!」
当然それを避ける術を持たなかったティアナは直撃を喰らって吹き飛ばされ、そのまま後方にあった木へと背中を強く打ち付けた。
「あと少し……あともう少しで私たちの悲願が叶うのです。邪魔をしないでいただきたい」
「ぐっ……そういう訳には…いかないのよ」
体中に走る痛みに耐えながらも、ティアナは木を支えにしてゆっくりと立ち上がる。
「アンタの言う願いが何なのかは知らないけど……その願いの為に私の仲間の命が犠牲になるっていうのなら、私はそれを全力で邪魔するわ……最後までね」
ボロボロになりながらも、ニッと口元に笑みを浮かべてそう言い放つティアナ。そしてそれを聞いたナノハは、静かにルシフェリオンを構える。
「ならばこの場で……あなたを殲滅するだけです」
「やってみなさいよ。今度こそ見せてあげるわ、私の
◆◇◆◇◆◇◆◇
場所は再び……森の上空。
「ボクとナノハが戦う理由はいつだって、王様の為なんだ!!!」
「きゃあっ!!!」
「グオオッ!!!」
フェイトのレギオンによる体当たりを喰らい、吹き飛ばされるキャロとフリード。そして空中で体勢を立て直しつつも、フェイトに問い掛ける。
「どうしてそこまで、この世界のはやてさんに拘るんですか!!?」
「決まってる!!! 王様がボクとナノハの全てだからだ!!!」
そう言って再び蒼雷の大剣を構えてレギオンで突撃してくるフェイト。そしてその攻撃をキャロとフリードは宙を旋回しながら回避する。
「だから王様の為ならボクたちはどんな敵とも戦うし、王様が望むなら永遠の魔力だって手に入れるんだ!!! 側近としてだけじゃない……王様の──ハヤテの友達として!!!!」
「っ…友…達……?」
フェイトのその言葉に、キャロは一瞬呆気に取られる。しかしその一瞬が…大きな隙を生んでしまった。当然、それを見逃すフェイトではない。
「今だ!!! パワー極限!!!!」
フェイトがバルニフィカスを高々と掲げると、彼女の周囲に巨大な蒼雷の球体が複数生成され、それぞれがゴロゴロと轟音を鳴らしている。
「轟雷爆滅!!!!」
そして次の瞬間、その蒼雷の球体からそれぞれ雷の
「あっ……!!!」
それを見て回避が間に合わないと悟ったキャロは、これから来るであろう衝撃に備えて強く眼を閉じる。すると……
「グオオオオオッ!!!」
「えっ!? フリード何を……きゃっ!!」
なんと……突然フリードが自身の体を激しく振り動かし、背に乗っていたキャロを振り落としてしまったのだ。
そうなると必然的に……複数の雷の剣は全てフリードの体へと突き刺さった。
「グオォォォォオオオオオッ!!!!」
「フリードォォオーー!!!!」
フリードの苦痛の雄叫びに、キャロは落下しながら涙を浮かべる。そして……
「
ピシャァァアアアアアアアン!!!!
「グォォォオオオオオッ!!!!」
雷の剣から伝わる激しい蒼い雷電が……フリードを襲ったのであった。
「きゃあああっ!!!!」
その際に発生した衝撃により、キャロは落下スピードを速めて森の中へと落ちていく。
そして落下した際に木の枝などがクッションとなって多少勢いは和らいだが、それでもキャロは強く地面に打ちつけられた。
「うぅっ……」
体を打ち付けられたキャロは痛みに耐えながら小さく呻く。すると、彼女の目の前には何かがドサリと音を立てて落ちてきた。
「あっ……フ…フリード!!!!」
それは体中がコゲ…力なく横たわっている小竜姿のフリードであった。
「フリード…私を庇って……!!!」
自分を背から振り落とし、身を挺して守ってくれたフリードに対し、キャロは涙を流しながらフリードの傷ついた体を抱き締めた。
ズシィィイン!
「!!」
「よっと」
すると、レギオンに乗ったフェイトがキャロの目の前に着陸し、レギオンの背から地面へと降り立った。。
「狙いは外しちゃったけど……その竜は倒せたから、まーいっか」
そう言いながら蒼雷を纏う大剣形態となったバルニフィカスを手に、ゆっくりとキャロに歩み寄るフェイト。それに対しキャロは、フリードを抱えて後退りながら考え込む。
「(どうしよう……フリードが戦えなくなった今……私が召喚できるのは〝あの子〟だけ……でもあの子は……!!!)」
そう考えるキャロの脳裏には……自分が生まれ育った里を半壊させ、故郷を追放される原因となった召喚竜の事が浮かんでいた。
「(ダメッ!!! あの子の力は私じゃまだ制御できない……もしまた暴走したら、今度こそ私は……!!!)」
しかしキャロはすぐにその考えを打ち消すように頭を横に振い…その表情はまるで怯えているようであった。
するとその時……
『キャロよ……何を怯える必要がある?』
「!!」
そんなキャロの頭に……ある人物の言葉が浮かんでくる。その人物とは……
「(マスター…………マスター…ローバウル)」
以前所属していたギルド……今は亡き
それと同時に……ローバウルとの昔の会話がキャロの脳裏に浮かんできた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
―6年前―
『キャロよ…お前は何故ウェンディとエリオ以外のギルドの者と、なぶら距離を取ろうとする?』
『だって……だって私は……』
『……まだ自分の力が恐ろしいのか?』
『…………(コクン)』
『キャロよ……何を怯える必要がある?』
『!?』
『確かにお前の持つ〝真竜〟の力はなぶら強大なものじゃ。かつてお前がその力を制御できず、暴走して故郷を半壊させてしまった事も知っておる』
『……………』
『じゃがな……その〝力〟そのものが〝悪〟なのではない』
『え?』
『〝力〟そのものに善悪の区別はない……あるのは人の心のみ……人の心次第で〝力〟は善にも悪にも染まる。ワシはその事をよく知っておる……よく…な』
『マスター……?』
『なぶら……キャロ、お前は優しい。己の力に恐れつつも、それにワシらを巻き込まない為に距離を置こうとする程にな。そんななぶら優しいお前の力が、どうして〝悪〟と言い切れる』
『で…でも……私のこの力のせいで、里が…みんなが……!!』
『それはお前がまだ、自分の力を信じきれておらぬからじゃ』
『自分の力を……信じる?』
『なぶら。キャロ、お前はその力をどう使いたいのじゃ?』
『どう…って……?』
『もしその力を制御し、自由に扱えるようになったら、お前はどうしたい?』
『そ…それは……』
『それは?』
『み…みんなを……ウェンディちゃんやエリオ君…それにマスターやギルドのみんなを……守りたいです!!!』
『なぶらいい答えじゃ。その想いを胸に秘め、己の力を信じさえすれば、きっと力は応えてくれるハズじゃ。頑張るんじゃぞ…キャロ』
『は…はいっ!!!』
◆◇◆◇◆◇◆◇
「(そうだ……マスターローバウルのあの言葉のお陰で、私は不安定だったフリードの力を制御できるようになったんだ)」
ローバウルのを思い出したキャロは、閉じていた目をゆっくりと開く。
「(それでもやっぱり怖くてずっと避けてきてたけど……今はもう怖いなんて言ってる場合じゃない……ウェンディちゃんとエリオ君…ナツさんやティアナさんたち…ギルドのみんな……そしてシャルルちゃんとハッピーちゃんの故郷を守る為には……あの子の力が必要なんだ!!!!)」
そしてその開いた目には……ゆるぎない覚悟が映し出されていた。そんなキャロの目を見たフェイトは、怪訝な表情を浮かべる。
「まだやる気かい? この状況でボクに勝てると思ってるの?」
そんなフェイトの言葉に反応せず、キャロはゆっくりと口を開く。
「天地貫く劫火の咆哮……逞けき大地の
「な…なに!!?」
キャロが召喚魔法の詠唱を口にすると同時に彼女の後ろに巨大な魔法陣が展開され、それを見たフェイトは目を見開いて驚愕する。
「竜騎招来……天地轟鳴!!!」
そして……
「来よ……ヴォルテール!!!!!」
キャロがそう叫んだ瞬間……魔法陣から現れたのは、黒と赤を併せ持つ15メートルは優に越える巨体を持つ、アルザスの神と呼ばれし飛竜……真竜ヴォルテールであった。
「今まで出してあげられなくてゴメンね……こんな臆病な私だけど……お願い、仲間を守る為に力を貸して……ヴォルテール」
「ガァァアアォォオオオオオッ!!!!!」
キャロの言葉に応える様に、天地を震わせる程の咆哮を上げるヴォルテール。
「な…なな……なんだコイツ……!!?」
現れたヴォルテールの姿を見て、愕然とするフェイト。よく見るとバルニフィカスを握るその手は僅かに震えていた。
「今の私の魔力じゃ、この子は長く出してはおけない……だから先に謝っておきます、ごめんなさい。物凄く手荒で手短に終わらせます」
そんなフェイトに向かって、キャロはそう言い放ったのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
ズドォォォオオン!!!
「きゃあああっ!!!」
「くぅうううっ!!!」
森の中に響く爆発音と、その爆風によって吹き飛ばされたティアナとナノハの叫び。そして両者は空中で体勢を立て直し、少々地面を削りながらも着地する。
「ハァ…ハァ…ハァ……」
「フゥ…フゥ…フゥ……」
互いの姿から視線をそらさず、静かに呼吸を整える。すると、ナノハがゆっくりと口を開く。
「ここまで追い込まれるとは……やはり強いですね。こんなに心が滾るのは久しぶりです」
「やっぱりなのはさんだけあって強いわね。とっておきを見せるヒマがまるでないわ」
無表情だがどこか楽しげな声色でそう言うナノハと、笑みを浮かべながら軽く毒づくティアナ。
「ですが、もうカートリッジも残り少ない……次で終わらせます」
そう言うと、ナノハは輪の形にした指を銜えて大きく指笛を鳴らす。すると……
「グオオオオオッ!!!」
ティアナが撃墜したハズのナノハのレギオンが、彼女の指笛に反応して雄叫びを上げなら飛来してきた。
そしてナノハはレギオンの背に飛び乗ると、そのまま空高く上昇する。
「逃げる気?」
「逃げる? とんでもありません。これはただの下準備ですよ、我が最強の一撃の為に……カートリッジロード」
そう言うと、ナノハは残ったカートリッジを全てルシフェリオンへと装填し、切っ先をティアナへと向けて構える。
「集え…赤星……全てを焼き消す
その瞬間……ルシフェリオンの先端に強大な魔力が集束される。
「集束砲……!! なのはさんのスターライトブレイカーと同等かそれ以上の……」
その集束される魔力を見てティアナは驚いたようにそう呟くが、その口元には笑みが浮かんでいた。
「でもちょうどいいわ……私の新しい魔法も集束砲なのよ。なのはさんのマネ事じゃない……兄さんが残してくれた、私だけの集束砲」
そう言うと同時に、ティアナはナノハに向かってクロスミラージュの2つの銃口を向ける。
「ハァァァアアアアアア!!!!」
ティアナは雄叫びを上げながら体内の全魔力を解放し、銃口へと集束させる。
ティアナとナノハ……両者の武器をお互いに向け合いながら凄まじい高密度の魔力が集束していき……
……ついに、魔力の集束が終わった。
「
「豪熱滅砕……ルシフェリオン──」
そして……
「「ブレイカァーーーーー!!!!!」」
ティアナのスターレイヴブレイカーとナノハのルシフェリオンブレイカー……両者の凄まじい集束砲が激突し、言葉では言い表せない程の衝撃が響き渡る。
「「アァァァアアアアアアッ!!!!」」
ぶつかり合う両者の集束は拮抗し、互いに激しくせめぎ合う。
そして終わりは……突然にやってきた。
「行っ…けぇぇえええええ!!!!」
「なっ!!!?」
今までの拮抗が崩れ、ティアナの集束砲がナノハの集束砲を押し返し始める。
「私は…負ける訳には……!!! 王の為に……私たちの願いの為に……!!!」
「アンタが何を背負って戦ってるのは知らないけど……こっちも色々と背負ってんのよ」
動揺しているナノハにティアナがそう言い放つと同時に……ティアナの集束砲がナノハの集束砲を打ち消し、そのままレギオンもろともナノハを飲み込んだ。
「くっ…あ……!!!」
集束砲に飲まれ、ボロボロの姿となったナノハは……そのままレギオンと共にティアナの目の前へと墜落した。
「ぐっ…体が……」
「ハァー…ハァー…ハァー…私の…勝ちね」
そう言って勝利を収めたティアナが荒くなった呼吸を整えていると……
ドガァァァアアアン!!!!
「「!!!」」
突然森の奥から巨大な物体と人影が木々を薙ぎ倒しながら吹き飛んできたである。そしてその人影と物体が倒れているナノハの近くで止まると、ナノハはその人影の名を呟いた。
「フェイ…ト……?」
「きゅう~……」
その人影とは、目を回して戦闘不能に陥っているフェイトであった。因みに巨大な物体とは、彼女のレギオンである。
「ティアナさ~ん!」
「キャロ?」
すると、そのフェイトが飛んできた方向から、キャロがトテトテと駆け寄ってきた。
「あっ、ティアナさんも勝ったんですね!!」
「え…ええ……っていうかアンタ、こっちのフェイトさんを倒したの? 中々やるわね」
「えへへ……」
ティアナの言葉にキャロが照れ臭そうに笑っていると……倒れているナノハがポツリと口を開いた。
「フェイトも……敗れてしまいましたか。もう少し…あともう少しで私たちの願いが……!!!」
声を震わせながらそう呟くナノハを見て、ティアナが彼女に問い掛ける。
「ねえ……アンタたちの言う永遠の魔力よりも大切な願いって、一体何なの?」
「……敗者に黙秘権はありませんね」
そう前置きをしてから、ナノハは静かに語り始めた。
「私とフェイト…そして王は子供の頃からの付き合い……いわゆる幼馴染みというものです。王…いえ、ハヤテはエドラス王女の身でありながら、度々城を抜け出しては私やフェイトとよく遊んでくれました。
王女でありながら、決して飾らず聡明で、いつも優しい笑顔のハヤテが…私もフェイトも大好きでした。ですが……とある出来事を境にハヤテは変わってしまった。
それ以来ハヤテの笑顔から優しさは消え、王女という立場でありながら魔戦部隊に入隊し、毎日血の滲むような訓練を重ねておりました。
当然、私とフェイトはもうやめるように言いましたが、ハヤテは……このエドラスに永遠の魔力をもたらす時まで、自分は決して止まらないと……そう言っておりました。
だから私とフェイトは決めたのです。昔のハヤテが戻ってくるまで、私たちが臣下としてハヤテを支えると……私たちの大好きだったハヤテの優しい笑顔をもう1度見る為に……だから私たちは戦ったのです……王の悲願を叶える為に……
そして──大好きな
その言葉を最後に、語りを終えるナノハ。そしてその語りを聞いたティアナとキャロは……
「クスッ……」
「フフッ……」
と…同時に笑みを零したのであった。
「何が可笑しいのですか?」
「いいえ、可笑しいんじゃないわ……安心したのよ。アンタたちは私の知ってるなのはさんとフェイトさんの2人とは、性格も考え方もまったく違う。だけど、1つだけ変わらないものがあった。仲間を…友達を想うその心……たとえ世界が違っても、なのはさんはなのはさんだった」
「そうですね……やり方そのものには賛同できませんけど、その気持ちはよくわかります」
そう言うと、ティアナは倒れているナノハのもとへと歩み寄って彼女の側で屈む。
「大丈夫よ。アンタたちの想いは、こっちのはやてさんにしっかりと届いてるわ」
「……王の事を知ったような口を」
「そうね……確かに私はこっちのはやてさんの事は何も知らない。でも、何となくそんな気がするのよ。アースランドでのアンタたちを…ギルドの仲良し3人娘を長い事見てきたせいかしら?」
「……………」
優しい笑顔を浮かべてそう言うティアナを、ただ呆然と見ているナノハ。やがて、小さくフッと笑みを浮かべる。
「何となくとは、随分と曖昧な言葉です。ですが……不思議と悪い気分ではありません。何となくですが」
その言葉を聞いて、ティアナとキャロも笑い合う。
「しかし、私たちが敗れたからといって王国側の有利は変わりません。こちらにはまだ100を越える兵士と、妖精狩りのエルザ…ドロマ・アニム…そして魔戦部隊総隊長である我が王、ハヤテがいるのですから」
「兵士はともかく、そっちの心配はしてないわよ。こっちにも同じエルザさんがいるし、ドロマ・アニムはうちの4人の
そう言ってティアナは一呼吸置いた後……再び口を開く。
「ギルダーツに次ぐ
つづく