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ティアナとナノハ…キャロとフェイト…エルザとエルザ…クロノとハヤテ……それぞれの激闘はすでに
しかし……
『フハハハハハ! 地に堕ちよドラゴン!! 絶対的な魔導兵器ドロマ・アニムがある限り、我が軍は不滅なり!!』
そこには、ドロマ・アニムの前に倒れ伏すナツたち
第百十七話
『オレはここに立っている』
『ハア!!!!』
ドドドドドドッ!!!!
「ぐああーっ!」
「うあっ!」
『もっと魔力を集めよ!!!! 空よ、大地よ!!!! ドロマ・アニムに魔力を集めよ!!!!』
吼えるようにそう言い放ちながらドロマ・アニムは追い討ちをかけるように爆撃を放ち、4人を吹き飛ばす。
「くっ」
「
「!!!」
「ガキども!! お前らもだ」
「僕たちも!?」
「よ…4人で同時に!?」
「何が起こるかわからねえから控えておきたかったが、やるしかねえ!!!」
「はい!!!」
「わかりました!!!」
「おし!!!」
ガジルの提案に乗り、4人は一斉に己の口へと魔力を集中する。
「火竜の…」
「鉄竜の…」
「天竜の…」
「雷竜の…」
同時に目一杯に大きく息を吸い込んで頬を膨らまし……
「「「「咆哮!!!!!!」」」」
火・鉄・天・雷…それぞれ4つのドラゴンの
『!』
そしてその4つのブレスはドロマ・アニムに向かいながら交じり合って1つとなり……
ドゴォォォォォオオオオン!!!!!
直径数メートルにも及ぶ大爆発を起こし、その威力は周囲の木々や岩を吹き飛ばし、更地に変えるほどであった。
「やったか」
その威力を見て笑みを浮かべながらそう呟くガジル。しかし……
『フハハハハハハ!!』
「!!!」
「上だ!!!!」
笑い声が聞こえてきた方向へと視線を向けると、そこには空高く跳躍してブレスを回避したドロマ・アニムの姿があった。
「あの大きさであんな跳躍力が…」
「そんな…4人同時の咆哮が……当たらない」
それを見て落胆の声を上げるエリオとウェンディ。
「もう一度だ!」
『させんよ! 竜騎拡散砲!!!!』
ズドドドドドドドドッ!!!!
ドロマ・アニムはそのまま空中から拡散する爆撃砲をナツたちへと放った。
「うあああああ!」
「きゃああああ!」
『ハハハハハハ!』
そしてドロマ・アニムが地面に着地する頃には、4人は地面に力無く倒れていた。
「うう…ぐぅ…」
「あっ…うぐっ…」
「がはっ…ゲホゲホ」
「マズイ…もう…魔力が……」
『尽きたようだな』
苦しげに呻き、血反吐を吐きながら地面に倒れ伏す4人にそう言い放つファウスト。
『いくら無限の魔導士といえど、一度尽きた魔力はしばらく回復せんだろう。おとなしく我が世界の魔力となれ、態度次第ではそれなりの待遇を考えてやってもよいぞ』
「(もう……ダメだ…立ち上がれない)」
「(体に力が…入らない……)」
「(ここまで…か…)」
ファウストの声を聞きながら戦意を失いつつあるウェンディ、エリオ、ガジルの3人。しかし……
「あきらめんな」
そんな3人の耳に…ナツの声が響く。
「まだ終わってねえ、かかってこいやコノヤロウ……」
そう言いながらナツはゆっくりと体を起こし……
「オレは、ここに立ってるぞ!!!!!」
雄叫びに似た声を上げながら、しっかりと立ち上がった。
『ええい!!! どこまで強情な小僧じゃ!!!!』
「んがっ!」
そんなナツに向かって踏み潰すように足を振り下ろすドロマ・アニム。しかしナツはそれでも倒れず、その巨大な足を受け止める。
「ナツさん」
「ナツ…さん…」
「バカヤロウ……魔力がねえんじゃ、どうしようもねえ」
「ひねり出す!!!! 明日の分をひねり出すんだ!!!!!」
力強い眼差しでそう言い放つと、ナツは受け止めていたドロマ・アニムの足をゆっくりと持ち上げ……
「オラァ!!!!」
「ぬう!」
そのまま足を投げ飛ばし、ドロマ・アニムの体勢を崩させる。
「
そんなナツの姿を呆然と見ているガジルたち3人。
「(明日の分……)」
すると、ガジルの目に再び闘志が宿る。
『身分をわきまえよクソどもがあ!!!!』
「ぐああああ!」
『ワシを誰だと思っておるかーーー!!!!』
そう叫びながらドロマ・アニムでナツを吹き飛ばすファウスト。すると敵の接近を知らせるセンサーが反応し、そちらへと目を向けると、そこには腕を鉄棒に変えたガジルが接近していた。
「(力を合わせる必要なんかねえ!!!! 力は…願いは……
──繋げればいい!!!!)」
そしてガジルは鉄棒へと変えた腕を、そのまま思いっきりドロマ・アニムの足へと突き刺した。
『足を…』
「ロックした!! これで空中には逃げられねえ!!」
ガジルは鉄棒の腕でドロマ・アニムの足を突き破って地面へと突き刺し、そのまま地中でさらに腕を変形させて抜けなくして跳躍を封じたのである。
『おのれ…』
ファウストは何とか動かそうとするが、よほど地面深くに突き刺さっているのか、ビクともしなかった。
「行けェ
吹き飛ばされて未だに空中にいるナツに向かってそう言い放つガジル。それを聞いたナツは、エリオとウェンディに向かって叫ぶ。
「エリオーーー!!!! ウェンディーーー!!!! オレに向かって咆哮だ!!!!」
「え?」
「何を…?」
「立ち上がれ!!!!」
最初は戸惑った2人だが、ナツのその言葉を聞いた瞬間、迷いが消えた。
「行こうウェンディ……ナツさんを信じて!!!!」
「うん!!!」
そしてエリオとウェンディも、ゆっくりと立ち上がる。
『こしゃくな、離れんか…』
「放すかよクズ野郎ォォ!」
ドロマ・アニムが逃げられないようにしっかりと固定するガジル。
「天竜の…」
「雷竜の…」
そしてエリオとウェンディは最後の魔力を振り絞り……
「「咆哮!!!!」」
ナツに向かって渾身のブレスを放った。
『な!?』
そしてそれを受けたナツは、両手に炎を纏いながらグルグルと体を回転させ、同時に炎だけでなく雷も纏い始める。
「(ヤロウ…小娘の
そう…ナツはウェンディの竜巻のようなブレスを利用して自身の〝炎〟とエリオと〝雷〟を混ぜ合わせて破壊力を増幅させ、さらには螺旋回転による突破力も底上げさせたのだ。
「うわあああああああ!」
「はああああああああ!」
「うおおおおおおおお!」
「火竜の……」
そして……
「劍角!!!!」
ガジル…ウェンディ…エリオの3人の補助を受けたナツは、そのままドロマ・アニムへと向かって飛んでいく。
「(これは……
それを見たファウストは自分の目を疑った。
何故なら彼の目にはナツたちの姿が……4頭のドラゴンに見えたのだから。
そうしてファウストが呆然としている間にも、ナツはドロマ・アニムの中心部を貫いて機能を停止させ……同時に操縦席にいたファウストをも引っ張り出したのであった。
「ふぎい!」
そのまま投げ捨てられ、地面に叩きつけられるファウスト。
「ひっ、ひぃい!」
ファウストは尻餅をつきながら、怯えた表情でナツたちを見る。
「(ワシはこんなものを欲しがっていたのか……)」
そんなファウストの目には……炎の竜…鋼鉄の竜…天空の竜…雷の竜…それぞれ4頭の巨大なドラゴンが映っていた。
「た…助けてくれ……」
その言葉を最後に…ファウストは恐怖のあまり意識を手放したのであった。
それを見たナツたち4人は勝利を確信し、笑みを浮かべた。
「かーっはっはっはーーっ!!! 王様やっつけたぞーーーっ!!! こーゆーの何てゆーんだっけ? チェックメイトか」
「それは王様をやっつける前ですよ。こう言うときは確か……下剋上です!!!」
「それもたぶん違うよエリオ君」
「ギヒッ、バカどもが」
そう言って勝利を喜び合う4人。すると……
ゴゴゴゴゴゴゴ……!!
「!」
「地震?」
突然地面が揺れ始める。
「ま…まさか敵の増援!? 冗談じゃねえぞ……さすがに、ま…魔力がカラッポだぜ」
「ち…違います……アレ…」
「「「!!!」」」
ウェンディの視線を追って見てみるとそこには……
ズゴォォォォオオオオオ…!!!
空に浮かぶいくつもの浮遊島が、轟音と共に地上へと落下している光景が広がっていた。
「浮いてる島が……落ちてきた……」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「な…何よ…コレ?」
「浮遊島が…次々と……」
その光景は、すでに戦いを終えたティアナとキャロの目にも確認できていた。そしてその光景に2人が愕然としていると、倒れているナノハが口を開いた。
「エドラスの浮遊島は全て、この世界の魔力で浮いております。それが落下し始めていると言う事はつまり……この世界から魔力が失われていってるのです」
ナノハの言う通り……エドラスの各地から魔力が、空へと流れていっていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
王都城内・アニマの部屋
「「王子…」」
「これでよいのだ。魔力があるから人は争う、だから魔力をこの世界から消滅させる。
逆展開させた
新たな世界の為、エドラスは一度滅ぶのだ」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「うわぁ……!! 急に武器が使えなくなった!」
「どうなってんだコレはーー!!」
「こっちもだ!」
「わーーっ!! どうしよう!!」
「武器が壊れた!」
一方…魔力が失われつつある事で武器が次々と使用不能になっていく事に、戦っていた王国軍と
「武器が…オレの武器が…」
「落ち着けよ!!」
「何が起こってんだよ…コレ…?」
「終わるんだ……世界が終わるんだよう」
「シャルル…」
「……………」
エドラスの人間はこの事態に絶望に似た表情を浮かべ、アースランド組はそれを見て困惑する。
「た…退却だー!!!」
「武器が使えねえんじゃ戦えねー!」
すると、王国軍は全員武器を捨てて走り去っていった。
「王国軍が……」
「逃げた」
「オイ!! やったぞオメーら!!」
王国軍を退けた事に喜ぶグレイだが……
「ひいい!」
「魔力が無くなる…」
「オレたちの世界から……魔力が……」
「消えていく……」
「どうしよう、どうしよう…」
「だぁーーーー!!!!」
「みんな!! 落ち着いて!! 大丈夫だから!!!」
「大丈夫なモンか!!! この世界の魔力が消えちまうんだぞ、全部!!!! 魔導士ギルドはどうなっちまうんだよ!!!!」
そんなルーシィに、エドルーシィが掴みかかって怒鳴る。
「終わった…」
「戦いには勝ったけど…僕たちは世界に負けたんだね…ティアちゃん……」
「うん……私たちが一番恐れていた魔力の枯渇……それが…現実に…」
「うわーー!! 魔法が無くなる!!! 魔力が消えていくーーー!!!」
「もうダメだー!!!」
「助けてー!」
「オレたちはどうすれば……」
「世界の終わりだー!!!」
「エドラスの最後だようーー!!!!」
失われていく魔力に……エドラスの魔導士たちはただただ混乱するしかなかったのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
その混乱は王都の城下町でも起こっていた。魔力が無くなっていくことに国民は恐怖し…混乱し…絶望していった。
そして場所は戻って王都城内のアニマの部屋。
「ま…まさか本当にやってしまうとは…」
「王子の言う通り、確かにこれでしばらく戦争は起きません。しかし…」
「わかっている」
リニスの言いたい事が分かっているかのように、ミストガンは言葉を続ける。
「国民は皆、混乱している。変化する世界に素早く順応できる人間はそういない。だからこそ、新しい指導者が必要となる。新しい世界の新しい王。不安に怯える民をまとめ、皆を幸せに導く新たな王が」
「なるほど、それを王子が…」
「いや……私ではない」
「え?」
リリーの言葉をミストガンは否定し、それに首を傾げるリニス。
「この世界と共に歩んでこなかった私には無理だ。そしてその権利もない。混乱した群衆を纏める為には〝悪役〟と〝英雄〟が必要なのだ」
「悪役と英雄?」
「この世界を混乱に陥れた悪を晒し、処刑する者こそ英雄となり、その英雄は民を一つにまとめ王となる」
「で…ではその悪と英雄は誰が……?」
「…………」
リニスの問い掛けに答えず、ミストガンは黙ったまま部屋の出入り口の方へと視線を移す。
「そこに居るのだろう──ハヤテ」
そしてミストガンが出入り口に向かって呼び掛けると……
「……………」
「ハヤテ様!?」
出入り口の影に隠れていたハヤテが姿を現し、それを見たリリーは驚く。
「どうやってここに?」
「……クロノと言う男に…魔法でここへ飛ばされたのだ……」
「そう…私が事前にクロノに頼んでおいた」
そう言うと、ミストガンとハヤテは視線を合わせる。
「話は聞いていたな?」
「…………ああ」
「では……私の言いたい事もわかるな?」
「…………」
ミストガンの問い掛けに、押し黙るように口を噤むハヤテ。
「王子…何を……」
「もう気付いているだろう? エドラス王に反旗を翻し、世界の魔力を奪った私こそが〝悪〟。他者を思いやれる優しい心と、人々を引き付けるカリスマ性を併せ持つハヤテこそ〝英雄〟にふさわしい」
リニスの問い掛けに対してそう言い放つミストガン。
「世界を滅ぼした私をキミが処刑するんだ。そしてキミがこの世界の王となれ……ハヤテ」
つづく