LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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今回でとりあえずエドラスでの戦いは終了です。エドラス編終了まではあと2話くらいかな?

感想お待ちしております。


バイバイ エドラス

 

 

 

 

 

 

魔力を巡る戦争を無くす為、アニマを逆展開しエドラスの全魔力をアースランドへと流したミストガン。

 

そして失いつつある魔力に混乱する国民を纏める為にミストガンが出した案とは……自分を世界の魔力を奪った〝悪〟とし、妹であるハヤテに処刑される事で彼女を〝英雄〟として新しい世界の王とする事であった。

 

 

「混乱してる民の前で、この混乱を引き起こした私を処刑するのだ。王国軍の総隊長として…王女として、混乱を鎮め皆を導け。魔法の無い世界…新たな世界の王となるのだ……ハヤテ」

 

 

真っ直ぐとハヤテの目を見据えながらそう言い放つミストガン。そんなミストガンに対してハヤテは……

 

 

 

「断る」

 

 

 

と…堂々とした態度でそう言い返したのである。

 

 

「ハヤテ……」

 

 

「大方、うぬを恨んでおる我ならば快く引き受けてくれると思ったのであろう。だが残念であったな、我はもう貴方を恨んではおらぬよ……兄上」

 

 

ミストガンを兄と呼びながら、ハヤテは言葉を続ける。

 

 

「兄上……貴方は本気でそう言っておるのか?」

 

 

「その覚悟がなければ、こんな事はしない」

 

 

「我には無理だ」

 

 

「ハヤテならできる」

 

 

「何を根拠にそう言っておるのだ!!?」

 

 

「お前はその若さで王国の全兵士を率いる程のカリスマ性を持ち、王女という肩書きに左右される事なく国民と正面から向き合える勇気と優しい心を持っている」

 

 

「兄上はその我に、身内を手にかけたという十字架を背負って生きろと言うのか!!!?」

 

 

「それを乗り越える強さを含め、ハヤテしかいないのだ。わかってくれ、誰かがやらなくてはならないんだ」

 

 

「ならば兄上がやればよい!!! 我よりも兄上こそ、王の器であろう!!!」

 

 

「私は世界を滅亡させた」

 

 

「我が何も知らぬと思っておるのか!? 兄上が単身でアースランドへ行ったのも、この事態を引き起こしたのも、全てはこの世界を想っての事であろう!!!

 

己の命を()してまでエドラスを想える兄上の強い意志こそ、今必要なのだ!!!

 

滅亡させたのが兄上ならば、兄上がその責任を取ればよい!!! それは死ぬ事ではなく、生きてこの世界を導く事だ!!!!」

 

 

力強く…真っ直ぐとミストガンにそう言い放つハヤテ。その眼には一片の揺らぎも無かった。

 

 

「それではこの混乱は鎮まらん」

 

 

しかしミストガンも己の考えを変えようとしない。すると、今まで黙っていたリリーが口を開く。

 

 

「オレが悪役になりましょう」

 

 

「!」

 

 

「オレはリニスと共にエクスタリアを追放され、人間と共に歩んできた。しかし今回の件で王国を裏切った、もうオレに帰る場所は無い。全ての〝悪〟となり、処刑される役はこのオレが」

 

 

「ならん!!!! キミとリニスは私の命の恩人だ!! 死ぬ事は許さない!!! キミは幸せにならなければならない!!!!」

 

 

「それは……王子にも言える事です」

 

 

「……………」

 

 

リニスのその言葉に、ミストガンは言葉を詰まらせる。そしてハヤテとリニスが再び口を開く。

 

 

「兄上がリリーとリニスの幸せを願うように、我らも兄上の幸せを願っておる」

 

 

「誰かが責任を取って死ぬなんて……不幸しか呼ばないんですよ」

 

 

「では、この混乱をどうやって鎮めれば……愚策だったか……」

 

 

「「「……………」」」

 

 

そう言って考え込むように顔を俯かせる4人。すると……

 

 

「ハヤテ様!! パンサー・リリー様!! 大変です!!」

 

 

1人の兵士が慌てたようすで部屋に駆け込んできた。

 

 

「アニマの件ならわかっておる。見ての通り我らが……」

 

 

「止めようとなさっているのですね」

 

 

「いや……そうではない」

 

 

兵士の言葉をハヤテは否定するが、兵士は構わず用件を伝える。

 

 

「それより、城下で暴れてる者たちが……街を次々と破壊して……」

 

 

「予想以上に酷い混乱のようだな。早く何とかしなくては……」

 

 

「今は暴徒を止めるのが先です」

 

 

「暴徒を止め、国民の安全を確保しなければ」

 

 

「そうだな。これ以上広がる前に手を打とう」

 

 

「あの……こちらの方は?」

 

 

「気にするでない。さっさと案内せい」

 

 

「はっ!!」

 

 

そしてミストガンたち4人は兵士に案内され、街のようすが見えるバルコニーへと足を運んだ。

 

 

「暴徒の数は?」

 

 

「4人です!」

 

 

「たった4人だと!? 何故すぐに取り押さえんのだ!!」

 

 

「そ…それが…物凄く強くて……」

 

 

兵士にそう言われ、ハヤテたちはその暴徒の姿を確認する。

 

 

「ガハハハハハハハハ!!!!」

 

 

そして、高い屋根の上で笑い声を上げている1人の暴徒の姿を見て、彼らは目を見開いた。何故なら……

 

 

 

 

 

「我が名は大魔王ドラグニル!!!!! この世界の魔力はオレ様が頂いたァァ!!!!!」

 

 

 

 

 

その暴徒の正体とは……黒いマントを羽織り、頭には角のような装飾を身に着けた……ナツであったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百十八話話

『バイバイ エドラス』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な……」

 

 

「奴は…」

 

 

「アースランドの…」

 

 

「ナツ…」

 

 

街で暴れているナツの姿を見て、驚愕する4人。その間にも、ナツの暴動は続く。

 

 

「貴様等の王はオレ様が仕留めたァ!!!! 特別命だけは助けてやったがなァ、ガハハハハハ!!!」

 

 

「陛下ー!!!」

 

 

「イヤー!」

 

 

「王様が~!」

 

 

「何て酷い事を~!」

 

 

ナツの隣で縛られているファウストを見て、悲鳴を上げる国民達。

 

 

「レッドフォックス!! マーベル!! モンディアル!! 我が下僕たちよ!!! 街を破壊せよ!!!!」

 

 

そんなナツの指示によって、残り3人の暴徒であるガジル、ウェンディ、エリオも行動を開始する。

 

 

「ギヒヒ!」

 

 

「ハァァア!」

 

 

ドガガガガガガガッ!!!

 

 

「何だアイツはー!」

 

 

「腕が剣になってる!!!」

 

 

「あっちは体から電気を出してるぞ!!!」

 

 

「街がーーーーっ!」

 

 

腕を鋼鉄の剣に変形させたガジルと、体から雷を放電させているエリオが、街の建物を次々と破壊する。

 

 

「がおーーっ!!」

 

 

「!」

 

 

そしてウェンディも、街の子供を怖がらせようと威嚇するが、あまり怖くないのか子供の反応は薄い。

 

 

「(ギロッ)」

 

 

「ぴゃー!!」

 

 

しかしそんなウェンディをフォローするように、彼女の後ろからガジルが恐ろしい形相で子供を睨み、子供は悲鳴を上げながら走っていった。

 

 

「(ごめんなさい…)」

 

 

そうとは知らないウェンディは、心の中で謝罪する。

 

 

「何をしているんだ!! よさないか!!」

 

 

「もっと街を破壊するんだー下僕どもー!」

 

 

「下僕下僕うるせーぞコノヤロウ!!!」

 

 

「いいからやるのじゃ」

 

 

「口調変わってますよ」

 

 

ミストガンは城からそう叫ぶが、その声はナツたちの耳には届かない。

 

 

「(あ奴等、まさか……)」

 

 

そしてそれを見ていたハヤテは、彼らの行動の意味を理解する。それはハヤテだけでなく、リリーとリニスも同じであった。

 

 

「あいつらがエドラスの魔力を奪ったのか!」

 

 

「大魔王ドラグニル!!」

 

 

「許せねえ!!! 魔力を返せー!!!」

 

 

「やだね」

 

 

武器を手に取る国民たちにナツはそう言い放つ。

 

 

「オレ様に逆らう奴は全員……」

 

 

そして口から炎を噴き、それを見た国民たちは震え上がる。すると……

 

 

 

「よせーーー!!!! ナツーーー!!!」

 

 

 

「!」

 

 

城からのミストガンの叫びが、響き渡った。

 

 

「今の誰だ?」

 

 

「あそこだ、城に居るぞ」

 

 

「誰なんだ」

 

 

聞こえてきた声の主であるミストガンの姿を見て、戸惑う国民たち。

 

 

「バカなマネはよせ……王は倒れた、これ以上王都に攻撃など……」

 

 

「ファイアー!!!!」

 

 

「よせ!!!」

 

 

ミストガンの言葉など意にも介さず炎を噴き、街を破壊するナツ。

 

 

「お前にオレが止められるかな、エドラスの王子さんよォ」

 

 

「王子!? 王子だって!?」

 

 

「7年前に行方不明になった……ジェラール王子……!?」

 

 

「…………」

 

 

そしてナツの言葉にざわめく国民たち。

 

 

「なぜ奴等がここにいるんだ」

 

 

「ぼ…ぼきゅたちが知らせたんだ」

 

 

「彼の計画は、事前に聞いていたからね」

 

 

「「ナディ様」」

 

 

「うぬは……!!」

 

 

リリーの疑問に答えたのは、いつの間にかやって来ていたクロノとナディであった。

 

 

「来いよ。来ねえとこの街を跡形もなく消してやる」

 

 

そう言い放つナツを、静かに睨むミストガン。

 

 

「(悪役と英雄……だが……!!)」

 

 

「魔戦部隊はどうしたんだよ……」

 

 

「このままじゃ王様が殺されちゃう」

 

 

「あの王子とか言われてる奴…本物か?」

 

 

「どちらにせよ、あんなバケモノ倒せるのかよ!!」

 

 

「(国民はまだ、兄上を信用しておらぬ)」

 

 

「ナツ!! そこを動くな!!!」

 

 

「ナツではない。大魔王ドラグニルだ」

 

 

そう言って手摺りを乗り越え、ナツの元へと向かって行くミストガン。

 

 

「ハヤテ様、これで彼らは王子を英雄に仕立てるつもりでしょうが……」

 

 

「ああ……だがこれはあくまでも茶番だ。もし倒れたフリなどがバレれば、取り返しがつかなくなる」

 

 

「まさか死ぬつもりでは……」

 

 

「その心配はいらないさ」

 

 

周囲に聞こえないように小声でそんな会話をしているリニス、ハヤテ、リリーにクロノがそう言うと、続けてナディも口を開いた。

 

 

「リ…リリーとリニスも覚悟しておいた方がいいよ。これからぼきゅたちに起こる……出来事を」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「王子? この人が?」

 

 

「あの魔王とかいう奴と戦うつもりなのか? 相手は火を吹くようなバケモノだぞ」

 

 

ざわついている国民たちの前を走り抜けながら、ミストガンは真っ直ぐにナツへと向かう。

 

 

「バカ者め、お前のやろうとしている事はわかってる。だが、この状況を収拾できる訳がない」

 

 

国民やハヤテたちが見守る中、ナツへと立ち向かうミストガン。

 

 

「眠れ…!!」

 

 

そしてミストガンは杖を振るい、ナツに眠りの魔法をかけようとするが……

 

 

フシュウ…

 

 

「(魔力が……アニマに……)」

 

 

その杖の魔力がアニマへと吸い込まれてしまった。

 

 

「どうした? 魔法が無えと怖ェか」

 

 

「くっ」

 

 

「そうだよなァ!!!! 魔法は力だ!!!!!」

 

 

ドゴォォオン!!!

 

 

そう言って自分が立っていた屋根に炎の拳を叩き込み、建物を倒壊させるナツ。

 

 

「ナツさん! やり過ぎですよ!」

 

 

「いや、あれくらいで丁度いいんだよ」

 

 

「これで強大な魔力を持つ〝悪〟に、魔力を持たない〝英雄〟が立ち向かう構図になるんだ」

 

 

そう言うと、ガジルたち3人も行く末を見守った。

 

 

「もうよせ、ナツ。私は英雄にはなれないし、お前も倒れたフリなどこの群集には通じんぞ」

 

 

ナツに向かってそう言うミストガンだが、対するナツはニヤリと笑みを浮かべると……

 

 

「勝負だぁ!!!!!」

 

 

「ぐ!」

 

 

思いっきりミストガンを殴り飛ばした。それを見て悲鳴を上げる国民たち。

 

 

「茶番だ!! こんな事で民を1つになど……できるものかーーーっ!!!!」

 

 

そう言ってミストガンもナツに向かって拳を振るうが、それはナツの手によって受け止められてしまう。

 

 

「本気で来いよ」

 

 

そしてナツのその言葉に一瞬呆気に取られるミストガンだが……

 

 

「ぬぉぉっ!!!」

 

 

「ふが!」

 

 

すぐさま体を捻り、回し蹴りをナツに叩き込む。その瞬間国民は歓声を上げ、ミストガンに声援を送る。

 

 

「ギャラリーも乗ってきたぞ!!」

 

 

「バカモノ!! やらせなんだから今ので倒れておけ」

 

 

「やなこった!!!」

 

 

そう言って今度はミストガンの腹部に拳を叩き込むナツ。

 

 

「これはオレ流の妖精の尻尾(フェアリーテイル)式壮行会だ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)を抜ける者には3つの掟を伝えなきゃならねえ」

 

 

ナツはミストガンと戦いながら、彼にギルドの掟を伝える。

 

 

「1つ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の不利益になる情報は生涯他言してはならない。2つ…何だっけ?」

 

 

「過去の依頼者に濫りに接触し、個人的な利益を生んではならない」

 

 

「そうそう」

 

 

そこまで言うとナツは、一番言いたかった言葉を伝える。

 

 

「3つ。たとえ道は違えど、強く力の限り生きなければならない。決して自らの命を小さなものとして見てはならない。愛した友の事を」

 

 

「生涯忘れてはならない」

 

 

ドンッ!!!

 

 

そう言い終えると同時に、両者の拳はお互いの顔面に叩き込まれた。

 

 

「届いたか? ギルドの精神があれば、できねえ事なんかねえ!!」

 

 

そして踏み止まるミストガンに対して、ゆっくりと倒れ始めるナツ。

 

 

 

「また会えるといいな、ミストガン」

 

 

 

その言葉を最後に……ナツは笑顔で倒れたのであった。

 

 

「ナツ…」

 

 

その瞬間、国民から大歓声が上がる。

 

 

「王子が勝ったぞー!」

 

 

「やったー!」

 

 

「スゲー!!」

 

 

「王子ー!!!」

 

 

すると……

 

 

キィィィィイン

 

 

「お前…体が……」

 

 

突然ナツの体を淡い光が包み込み始める。

 

 

「始まった」

 

 

「さーて、ハデに苦しんでやるか」

 

 

「あともう一芝居ですね」

 

 

しかもそれはナツだけでなく、ガジルたち3人も同じであった。いや…4人だけではない。

 

 

「これは一体…」

 

 

「どうなって…」

 

 

「リリー…リニス…うぬら……」

 

 

突然輝き始めた体にリリーとリニスが戸惑っていると、同じく体を輝かせたクロノとナディが説明する。

 

 

「逆展開させたアニマは、この世界に存在する全て(・・)の魔力をアースランドへと流す」

 

 

「つまり、体内に魔力を持つぼきゅたちエクシードや滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)たちは、みんなアースランドへ流れるんだ」

 

 

「何だと!!?」

 

 

「そんな事が…!!?」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「な…なに?」

 

 

「うわ!」

 

 

「何だ何だ!?」

 

 

「体が…」

 

 

「アニマに吸い寄せられてる」

 

 

時を同じくしてルーシィやハッピー、ルーテシアたちアースランド組の体も輝き始めていた。

 

 

「そっか……あのアニマはエドラスにある魔力全てを…つまりあたしたちを追い出すつもりなんだ」

 

 

「本当にこの世界から魔力が消えるって事なんだ……」

 

 

「何もかも……」

 

 

それを聞いて暗い表情をするギルドの面々に向かって、グレイが口を開く。

 

 

「そんな顔するなよ。ギルドってのは魔力がねーとやっていけねーのか?」

 

 

そう言うと、グレイは自身の胸に刻まれたギルドマークをドンッと叩き……

 

 

 

「仲間が入れば、それがギルドだ」

 

 

 

と…言い放ったのであった。

 

 

「ばいばいエドルーシィ!!!! もう一つの妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!!!」

 

 

その瞬間アースランド組は、空へと流されていき、お互いに手を振り合いながら別れる2つの妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

 

「聞こえてるかわかんねーけど、この世界のアタシたちも元気でなー!!!」

 

 

「……さようなら」

 

 

この場にはいないが、王都にいるであろうエドラスの自分たちに別れを告げるアギトとルーテシア。

 

 

「みんなぁ、またね~!!!」

 

 

「何言ってんの、もう会えないのよ、二度と」

 

 

「うわぁーん、ばいば~い!」

 

 

「だらしないわね、泣くんじゃないわよ」

 

 

そう言うシャルルの目にも、涙が滲んでいた。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「きゃっ」

 

 

「わっ!」

 

 

体を輝かせたティアナとキャロは、空に吸い寄せられるかのようにフワリと浮かぶ。すると、それを見ていたナノハがゆっくりと体を起こす。

 

 

「どうやら、お別れのようですね…ティアナ・ランスター」

 

 

「そのようね……ナノハさん」

 

 

「あの…フェイトさんが起きたら、よろしくお伝えください」

 

 

「だそうですよ…フェイト」

 

 

「……うっさい、早く行っちゃえ」

 

 

倒れた体勢のまま、拗ねたような口調でそう言うフェイトにキャロとナノハは苦笑を浮かべる。そしてナノハは再びティアナと視線を合わせると……

 

 

「お元気で」

 

 

「そっちもね」

 

 

お互いに微笑みながらそう言いあったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そして…エルザの方も……

 

 

「スカーレット」

 

 

「ナイトウォーカー」

 

 

そう言って視線を交差させる2人のエルザ。

 

 

「いや…元気でな」

 

 

「「エルザ」」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ぐわああああ!」

 

 

「きゃああああ!」

 

 

「わあああああ!」

 

 

「うあああああ!」

 

 

苦しむフリをしながら空へと流れていくナツたち4人。

 

 

「(ま…まさか人間までも吸い込むとは……想定外だ)」

 

 

その光景に呆然としていると、彼の目に、同じく空へと流されていくクロノ、リリー、リニスの姿が映った。

 

 

「(王子……変化に素早く順応する必要なんてありません。もっとゆっくりでいいのです)」

 

 

「(たとえ歩くような速さでも、人はその一歩で、未来へと向かっていけるのですから)」

 

 

「(この世界の未来は……これからさ)」

 

 

「(ああ…)」

 

 

「「(さようなら、王子)」」

 

 

「(元気でな……親友(ミストガン))」

 

 

「(さよならリリー、さよならリニス、そしてさよなら……親愛なる友よ)」

 

 

たとえ言葉にしなくても4人の想いは通じ合い、それぞれ別れを告げた。

 

 

「(ナツ…ガジル…ウェンディ…エリオ……そして我が家族(フェアリーテイル))」

 

 

そしてついに……アニマは全ての魔力をアースランドへと吸収し、消滅したのであった。

 

 

 

 

 

「魔王ドラグニルはこの私が倒したぞ!!!!! 魔力など無くても、我々人間は生きていける!!!!!」

 

 

 

 

 

アースランドへと帰った彼らは…その後のエドラスを知らない。

 

 

しかし、みんな強く生きていると信じていた。

 

 

大切なものが何かを……知っている世界だから。

 

 

 

 

 

つづく

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