LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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最近バイトや就活などで忙しく、執筆する時間があまり取れていません。

これから更新するスピードがさらに落ちるかもしれませんが、どうかご容赦ください。


感想お待ちしております。


追憶のラクサス

 

 

 

 

 

「ウオオオオオオオオオオオッ!!!!」

 

 

雄叫びを上げながら、体中から激しい雷光を放つ男……ラクサス。

 

 

「な…なんやあの人……」

 

 

「私と同じ……電気の変換資質?」

 

 

「でも…何だかちょっと怖いの」

 

 

そんなラクサスの姿を見て、様々な反応を見せる管理局組。そんな4人に、ティアナが説明するように口を開いた。

 

 

「あいつの名前はラクサス。私たちの世界の魔導士で、強力な雷魔法の使い手よ」

 

 

「あの人が……ラクサスさん……僕と同じ魔法を使う人」

 

 

ティアナの説明を聞いていたエリオが、そう呟く。

 

 

「でも、どうしてラクサスがこんな所に……」

 

 

「たぶん…あれは闇の欠片だからだと思う」

 

 

「闇の欠片…ですか?」

 

 

ハッピーの問い掛けにフェイトが答え、リニスがさらに問い掛ける。

 

 

「今この街には、闇の欠片っていうプログラムみたいなモノが散らばってるんや。しかもその欠片は人の記憶を読み取って、読み取った人物…もしくは記憶の中の人の姿を再生してしまうんや」

 

 

「じゃあ、あの時のナツのニセモノも……」

 

 

「僕が戦ったあの兄弟も……」

 

 

「私たちの記憶から読み取った闇の欠片だったって訳ね」

 

 

はやての説明に、これまでこの世界で出会ったかつての敵たちの謎に合点がいったティアナたち。

 

 

「んなこたァどうでもいい!! ニセモンだろーが何だろーが、またラクサスと戦えるんだ!!!」

 

 

自身の手のひらに拳を打ち付け、嬉しそうな笑みを浮かべながらそう言うナツ。

 

 

「待ってください!!!」

 

 

すると、そんなナツに向かって、エリオが叫ぶ。

 

 

 

「ラクサスさんとは……僕が戦います!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百二十五話

『追憶のラクサス』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然ラクサスと戦うと言い出したエリオに、ナツが突っかかる。

 

 

「アァ!!? 何言ってんだエリオ!!! ラクサスとはオレが戦うんだ!!!」

 

 

「いえ、僕に戦わせてください!!! 同じ魔法の使い手として、ラクサスさんと戦ってみたいんです!!! たとえナツさんでもこれだけは譲れません!!!」

 

 

そんな言い合いをしながら睨み合うナツとエリオに、見かねたティアナが口を挟む。

 

 

「2人で一緒に戦えばいいじゃない」

 

 

「ダメだ!! 前はギルドを守る為に仕方なくガジルと共闘したからな、今度こそ1対1(サシ)で勝負するんだ!!!」

 

 

「僕も戦うなら1対1がいいです!!!」

 

 

「……ハァ」

 

 

「段々エリオがナツに似てきたわね……」

 

 

それでもまったく譲らない2人にティアナとシャルルは呆れたように溜息をつき、そう呟く。すると、その会話を聞いていたヴィータが口を開く。

 

 

「残念だがオメェらの出る幕はねーよ。闇の欠片はをぶっ潰すのが、アタシらの仕事なんだからな!!!」

 

 

「なのは、援護お願い!!」

 

 

「うん、任せて!!」

 

 

ヴィータがそう言い、フェイトのその言葉になのはは頷き、フェイトとヴィータはバルディッシュとグラーフアイゼンをそれぞれ構えてラクサスへと突撃していった。

 

 

「フェイトとヴィータの奴!! 抜け駆けしやがった!!!」

 

 

ナツがそう騒いでいる間にも、フェイトとヴィータの2人はラクサスに向かって接近していく。

 

 

「アクセルシューター!! シュート!!!」

 

 

「喰らいやがれ!!! テートリヒ・シュラーク!!!!」

 

 

「ハァァアアア!!!」

 

 

勢いのついたバルディッシュとグラーフアイゼンを振るうフェイトとヴィータ、そして彼女の後方からラクサスへといくつもの魔法弾を発射するなのは。しかし……

 

 

「ウオオオオオッ!!!」

 

 

ズドォォォオオオン!!!

 

 

「なっ!!?」

 

 

「えっ!!?」

 

 

ラクサスの雄叫びと共に、2人の攻撃は力尽くで上から地面に押さえ込まれ、なのはの魔法弾は雷で掻き消されてしまった。

 

 

「なんだコイツ……ビクともしねえ……」

 

 

そう言ってヴィータが愕然としていると、今まで黙っていたラクサスがゆっくりと口を開く。

 

 

「テメェらもオレに逆らおうってのか? だったら……」

 

 

「っ……フェイト!! 離れろ!!!」

 

 

「!!?」

 

 

ラクサスからただならぬ殺気を感じたヴィータはフェイトにそう叫び、その声を聞いたフェイトはすぐさま武器を引いて、ヴィータと共にその場から飛び退く。

 

 

「消えろォ!!!!」

 

 

その瞬間、2人が先程まで立っていた場所に激しい雷が落とされ、そこには小さなクレーターが出来上がる。

 

 

「「っ……」」

 

 

その威力とクレーターを見て、2人は僅かに息を呑む。

 

 

「逃がすかァ!!!!」

 

 

「しまっ──ぐああぁぁあああああああ!!!!」

 

 

「ああああああああああああああっ!!!!」

 

 

「フェイトちゃん!!!」

 

 

「ヴィータ!!!」

 

 

それが一瞬の隙となり、ラクサスの激しい(いかずち)が落とされ、その場に倒れるフェイトとヴィータ。

 

 

「オレに逆らう奴ァ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)には必要ねえ!!!」

 

 

「がっ!!」

 

 

「うああっ!!!」

 

 

ラクサスはそんなヴィータにもまったく容赦はせず、追い討ちを掛けるように倒れている彼女たちの体を蹴り飛ばす。

 

 

「フェイトちゃん!!!」

 

 

「もうやめてぇ!!! フェイトちゃんとヴィータに、これ以上酷い事せんとって!!!!」

 

 

見かねたはやてがラクサスに向かってそう叫ぶが……

 

 

「うるせえよ!!! ザコどもが高ェとこからオレを見下ろしてんじゃねえ!!!!」

 

 

それに逆上したラクサスは、今度はなのはとはやての2人に向かって雷撃を放つ。

 

 

「きゃっ!!」

 

 

「うっ!!」

 

 

それを何とか回避する2人。そしてすぐにデバイスを構え……

 

 

「ディバインバスター!!!」

 

 

「クラウ・ソラス!!!」

 

 

ラクサスに向かって強力な魔法を放って反撃する。

 

 

「うざってえんだよ!!!!」

 

 

しかしそんな攻撃も、ラクサスの雷の前に掻き消されてしまう。

 

 

「オレの妖精の尻尾(フェアリーテイル)に逆らう奴ァ、全員殺してやるァァ!!!」

 

 

「「ひっ…!!」」

 

 

ラクサスの修羅が如き形相と凄まじい殺気に、なのはとはやてが堪りかねて小さく悲鳴を漏らし、その動きを硬直させた。

 

 

「まずはコイツらだ……」

 

 

そう言うと、ラクサスは目の前で倒れているフェイトヴィータの2人をギロリと睨む。

 

 

「くっ…くそ……体が…痺れて……」

 

 

「動か…ない……」

 

 

何とかその場から動こうとする2人だが、先程の雷で体がマヒしてしまい、思うように体を動かす事が出来なかった。

 

 

「消え失せろォオオ!!!!」

 

 

そしてそんな2人に向かって再び雷撃を放つラクサス。

 

 

「やめてぇええ!!!」

 

 

「ヴィータァ!!!!」

 

 

「くっ…!!」

 

 

「っ……!!」

 

 

はやてとなのはの悲鳴に似た叫びが響き渡り、そしてフェイトとヴィータが迫る雷を見て身構えるように目を閉じたその時……

 

 

「ファントム・ブレイザー!!!!」

 

 

ズドォォォオオオン!!!

 

 

「「「!!?」」」

 

 

横から飛んできたティアナの砲撃が、ラクサスの雷と衝突し、相殺させた。

 

 

「ハッピー!!! リニス」

 

 

「あいさ!!!」

 

 

「はい!!!」

 

 

ティアナの声に答えるように羽を広げて猛スピードで飛んできたハッピーとリニスが、そのスピードのままフェイトとヴィータを抱えてその場から離れる。

 

 

「ナツ!! エリオ!!! 今だよ!!!」

 

 

「おう!!!」

 

 

「はい!!!」

 

 

いつの間にかビルの屋上に着地していたナツとエリオは、ハッピーの声に応えながらラクサスへと駆け出す。

 

 

「火竜の…」

 

 

「雷竜の…」

 

 

「「鉄拳!!!!」」

 

 

そしてそのまま、それぞれ炎と雷を纏った拳をラクサスの腹部へと叩き込む。

 

 

「ぐっ……!!!」

 

 

それを喰らったラクサスは、表情を歪ませ勢いよく後ずさって行く。

 

 

「テメェ……!!!」

 

 

そしてすぐに、ナツとエリオをギロリと睨む。

 

 

「余所見してんじゃねえよラクサス……テメェの相手はオレだぁ!!!」

 

 

「いえ……僕です!!!」

 

 

それに対して、ナツとエリオはそう言い放ったのであった。

 

 

「ヴィータ!! 大丈夫か!!?」

 

 

「フェイトちゃん!!!」

 

 

一方…ハッピーとリニスが救出したフェイトとヴィータに、なのはとはやてが駆け寄る。そんな2人に対して、フェイトとヴィータは割りと平気なようすで答える。

 

 

「ああ…何とかな……けどまだ体中が痺れて、動けやしねえ」

 

 

「ごめんね…心配かけて……」

 

 

「あんまり無理しない方がいいよ、ラクサスの魔法はかなり強力だからね」

 

 

「しばらくは私たちが抱えて飛行しますので、お2人は回復に専念してください」

 

 

「……悪いな、青ネコ」

 

 

「ありがとう……えっと……リニス」

 

 

未だにマヒで体の自由が利かない2人にハッピーとリニスがそう忠告し、それに対して2人は感謝の言葉を述べる。

 

 

「にしても、あの雷男は何モンだよ? やたら強ェし…あんな強力な雷を起こす魔法なんて見た事ねえ」

 

 

「言ったでしょ……あいつはラクサス、私たちの世界の魔導士で、私が知る限りでもトップクラスの実力を持つ男よ」

 

 

ヴィータの問い掛けに対し、ティアナがそう答える。

 

 

「そ…そんなに強いんですか?」

 

 

「少なくともアンタたち全員が束になって掛かっても、勝つのは難しいわね」

 

 

「そんな……」

 

 

なのはの問いに答えたティアナの言葉を聞いて、フェイトが表情を暗くさせる。

 

 

「だから、今はあの2人に任せておきなさい」

 

 

「そんな事……!! せめて私たちも一緒に戦って──」

 

 

「じゃあ……どうやってあの戦いの中に入る気?」

 

 

「え……?」

 

 

ティアナにそう言われ、なのはは彼女が指差す方向をへと視線を移すと……

 

 

「どらぁぁああああ!!!!」

 

 

「オォォオオオオオ!!!!」

 

 

「このガキどもがァ……!!!」

 

 

雄叫びを上げながらパンチやキックなどの打撃を放つナツとエリオの猛攻を、うざったそうに顔を歪めながら捌いているラクサスの姿があった。

 

 

「エリオ!! 手ェ出すなっつってんだろ!! ラクサスを倒すのはオレだっ!!!」

 

 

「そういう訳にはいきません!!! 僕と同じ雷の滅竜魔法の使い手と戦える機会なんて、そうそうありませんから!!!」

 

 

そんな言い合いをしながらも、ラクサスに攻撃を加えるナツとエリオ。そんな2人に対し、ラクサスが怒鳴るように言い放つ。

 

 

「しゃらくせえんだよ!!!!」

 

 

「うおっ!?」

 

 

それと同時にラクサスは体中から雷を放電し、その衝撃によってナツは後方へと下がってしまう。

 

 

「僕に雷は効きません!!!」

 

 

すると、その衝撃から逃れたエリオが持ち前のスピードで一気にラクサスへと飛び掛る。

 

 

「雷竜の鉄拳!!!!」

 

 

「っ…」

 

 

「と……旋尾!!!」

 

 

「ぬぐっ!」

 

 

そのまま雷を纏った拳と回し蹴りを連続でラクサスへと叩き込むエリオ。しかし……

 

 

「んなモンが効くかァ!!!!」

 

 

「がはっ!!!」

 

 

ラクサスに目立ったダメージは無く、逆に殴り返されて吹き飛ばされるエリオ。

 

 

「火竜の……」

 

 

「!!」

 

 

「翼撃!!!!」

 

 

「ぐおおおっ!!!」

 

 

その瞬間、ラクサスの背後からナツの両腕に纏った炎が襲いかかる。

 

 

「お前の相手はオレだって言ってんだろ!!! ラクサス!!!!」

 

 

「いい加減わずらわしいんだよ!!! ナツァア!!!!」

 

 

ラクサスはそう叫ぶと同時に、ナツに向かって手をかざす。

 

 

「スパーキンブリッド!!!!」

 

 

ドガァァアアアアン!!!

 

 

「ぐあああああああっ!!!」

 

 

そしてその手から雷の魔法弾を連続で発射し、その爆風でナツを吹き飛ばす。すると……

 

 

「ナツさん!!! 足!!!!」

 

 

「!! おうっ!!!」

 

 

突然聞こえてきたエリオの声に、ナツは咄嗟に空中で体制を立て直し、炎を纏った足を構える。すると、何とその足にストラーダを構えたエリオが着地する。

 

 

「お願いします!!!」

 

 

「おっしゃあ!!!!」

 

 

そしてナツはその足を思いっきり振るい、ラクサスに向かってエリオを炎の爆風と共に蹴り出した。

 

 

「って…ありゃ!?」

 

 

その瞬間、ナツは自分の行なった行動に目を丸くする。

 

 

「雷竜槍……」

 

 

そしてナツに蹴り出されたエリオはストラーダを構え、その勢いのままラクサスへと向かって行き……

 

 

「十字閃!!!!」

 

 

「ぐおおおっ!!!!」

 

 

すれ違い様に、ラクサスの体を十字に切りつけた。

 

 

「ナツさん、ナイスアシストです!!!」

 

 

「んがーっ!!! ついやっちまったーー!!!」

 

 

してやったりの笑顔でサムズアップするエリオと、それを見て悔しそうに頭を抱えながら叫ぶナツ。

 

 

「とは言ったものの……全然効いてないんですけどね」

 

 

「だな……」

 

 

嘆息混じりにそう言うナツとエリオの目の前には、先程の攻撃をまともに喰らったにも関わらず、平然と立っているラクサスの姿があった。

 

 

「このガキどもがァ……跡形もなく消してやるァ!!!!」

 

 

ラクサスが激昂したようにそう叫ぶと、同時に彼の犬歯が牙のように尖り、腕にはまるで竜の鱗のような模様が浮かび上がる。

 

 

「ようやく本気になったな」

 

 

「そうでないと…困ります」

 

 

それを見たナツとエリオは、嬉しそうにニッと口角を吊り上げ、拳とストラーダをそれぞれ構えたのであった。

 

 

そして……その戦いを空から観戦していたなのはは、愕然とした表情で口を開いた。

 

 

「何…アレ……」

 

 

そんななのはの呟きに続くように、同じく愕然としているフェイトとはやても声を漏らす。

 

 

「私ら……夢でも見てるんか?」

 

 

「アレは本当に…魔法なの?」

 

 

そんな彼女たちの呟きに対し、ティアナが口を開く。

 

 

「これで分かったでしょ? あの3人の戦いはアンタたちが入り込める余地は無いのよ。もし巻き込まれたら、タダじゃ済まないわよ」

 

 

「でも……!!」

 

 

「なのは…やめとけ」

 

 

ティアナの言葉を聞いても、それでも何か言おうとしたなのはを、ヴィータが止めた。

 

 

「少しとはいえ直に戦ったアタシには分かる……あのラクサスって奴……スッゲェ殺気でアタシに攻撃してきやがった。青ネコやこいつらが助けてくれなかったら、アタシとフェイトは死んでたかもしれねえ」

 

 

「「!!!」」

 

 

「…………」

 

 

『死』という言葉に、なのはとはやてが僅かに体を震わせ、フェイトは顔を俯かせる。そしてヴィータの言葉は続く。

 

 

「アタシはベルカの騎士だから、ああいう殺気を持った相手は慣れてる。けどはやて達は、自分に『敵意』を向けてる相手とは戦った事はあるけど、自分に強い『殺意』を向けてる相手とは戦った事がねえ。だからさっきあいつに『殺してやる』って叫ばれた時、ビビッて体が動かなくなったんだろ」

 

 

「………………」

 

 

「それは………」

 

 

「アタシも動けねーし、局員としては情けねーけど……今はあいつらに任せようぜ」

 

 

「私も……ヴィータと同意見…かな。私たちじゃ、あの人には……勝てない」

 

 

ヴィータとフェイトの発言に言葉を詰まらせ、落ち込んだように俯くなのはとはやて。

 

 

「そんな顔しないの。別にアンタたちが足手まといって訳じゃないわ。偉そうに言ってる私も、あの戦いに乗り込む度胸はないんだから」

 

 

「ナツたちの魔法はオイラたちの世界でも規格外の部類に入るからね」

 

 

「あの戦いに割り込める奴なんて、そうそう居ないわよ」

 

 

「ですね」

 

 

そんな3人を元気付けるように、口々にそう言うティアナたちアースランド組。

 

 

「それよりアンタたちのさっきの通信、少し聞こえたんだけど……闇の欠片とかいう奴の反応が2つあるとか言ってなかった?」

 

 

その言葉に、なのは達はハッと顔を上げる。

 

 

「そうだった!! 確かクロノ君が、巨大な闇の欠片反応が2つって!!」

 

 

「1つがあのラクサスって人やとしたら、まだもう1つ闇の欠片がこの街にあるって事やん!!!」

 

 

「バルディッシュ!!!」

 

 

【ここから北西の方角に、反応を確認】

 

 

なのはとはやてが慌てた様子でそう叫び、フェイトは愛機であるバルディッシュに確認を取る。

 

 

「ここから北西の方角だって」

 

 

「情けない話やけど…あの怖い人はあの2人に任せて、私となのはちゃんはそっちを当たろう」

 

 

「うん!」

 

 

「私とシャルルも行くわ」

 

 

意気揚々と現場へ向かおうとするなのはとはやてに、ティアナがそう名乗り出る。

 

 

「もしかしたらそいつも、私たちの記憶から再生された奴かもしれないでしょ? 私たちが戦ってきた奴の中には、平気で人を殺すような奴もいるわ。そういう奴等と戦ってきた人間が1人でも居たほうがいいでしょ?」

 

 

「……せやな。お姉さんの言う通りや」

 

 

「うん」

 

 

ティアナの言葉に納得したなのはとはやては、ティアナに向かって頭を下げる。

 

 

「私たちに力を貸してください」

 

 

「お願いします」

 

 

「言われなくてもそのつもりよ。こちらこそ、よろしくお願いするわ。あと、私の事はティアナでいいわ」

 

 

そんな2人に対し、ティアナは快く了承する。

 

 

「ハッピーとリニスは、ケガ人2人を頼むわね」

 

 

「あい」

 

 

「承知しました」

 

 

「ヴィータ、大人しくしとるんやで」

 

 

「フェイトちゃんもね」

 

 

「うん」

 

 

「わかってるよ!」

 

 

動けない2人と、そんな2人を抱えているハッピーとリニスはこの場で待機となった。

 

 

「シャルル、気をつけてね」

 

 

「心配無用よ、まったく」

 

 

「フフ♪素直じゃないですね」

 

 

ハッピーの心配する言葉に素っ気無く答えるシャルルだが、どことなく嬉しそうにしていたのをリニスには見破られていた。

 

 

「じゃあ行きましょう」

 

 

「ええ」

 

 

「「はい!!」」

 

 

そして、ティアナの号令と共に、彼女たち3人は北西の方角にある現場へと飛んでいった。

 

 

「あの…あの人たちに何か言わなくてもよかったんですか?」

 

 

その途中で、なのははそう言ってラクサスと戦っているナツとエリオを指差しながら問い掛ける。その問いに対してティアナは……

 

 

「ええ。今あの2人はラクサスに集中してるから邪魔したくないし……それに何より──信じてるから」

 

 

と……力強くそう答えたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃……ナツとエリオがラクサスと戦っている場所から北西の方角にあるビルの屋上。

 

 

そこでは…1人の青年が佇んでいた。

 

 

「ここは……どこだ?

 

 

何故……オレはここにいる?

 

 

オレは──死んだハズだ」

 

 

青年以外に誰もいない空間で、ただ1人呟く。

 

 

「!……この魔力は……」

 

 

すると、青年は何かに気がついたかのように空の向こうへと視線を移す。

 

 

「近づいてくるこの魔力の感じ……まさか……お前なのか──」

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ティア」

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




今回ヴィータがなのは達に言った言葉はあくまで作者の主観です。ご了承ください。
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