LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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久しぶりの完全オフなので調子に乗って書き続けたら3話分くらい溜まったので、またまた1時間置きの一挙更新です。

感想お待ちしております。


進撃のマカロフ

 

 

 

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の聖地、天狼島で開催されたS級魔導士昇格試験。

 

その一次試験を突破した10組中6組のチーム。彼らはそれぞれの想いを胸に、二次試験へと挑む。

 

そんな最中……レビィ・ガジル・ルーテシアのチームは、島に潜入していた闇ギルド界最強の悪魔の心臓(グリモアハート)の魔導士、ヨマズとカワズと遭遇する。

 

そして彼らと交戦したガジルはガリューと共にボロボロに傷つきながらも、ギルドへの想いを乗せた一撃により辛くも勝利を収めたのであった。

 

 

「「ガジルーーー!!!!」」

 

 

そこへ、エルザとなのはとジュビアを引き連れたレビィとルーテシアがやって来る。

 

 

「これは…」

 

 

「一体…」

 

 

「ガジル君…」

 

 

「ガジル!! しっかりして!!」

 

 

「ガジル!!!」

 

 

その光景を見て愕然とするエルザとなのはとジュビア。そして力尽きて地面に倒れるガジルに駆け寄るレビィとルーテシア。すると、同じく倒れているヨマズが口を開く。

 

 

「ぬはは…もう終わり…だ。直に本体が上陸する。拙者が足元にも及ばぬ魔導士たちが、やって来るぞ……〝煉獄の七眷属〟」

 

 

「七眷属…!?」

 

 

ヨマズのその言葉を聞いて、息を呑む一同。

 

 

「試験は一時中止だ。総員戦闘配備!!!! コンディションレッド!!!! 迎撃態勢に入れ!!!!」

 

 

そう叫びながら、エルザは島に散らばるメンバーを集めるために、赤い信号弾を空へと放ったのであった。

 

 

そしてその信号弾を見たマカロフは驚愕と共に愕然とする。

 

 

「敵…じゃと? なぜこの島に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第143話

『進撃のマカロフ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が主、あれは……」

 

 

「赤い信号弾……ということは」

 

 

「この島に敵が来るって訳やね。大事な試験の最中やのに……!!」

 

 

空に浮かぶ赤い信号弾を見て、はやては悔しそうに奥歯を噛み締めるが、すぐに表情を引き締める。

 

 

「まあ、とやかく言うててもしゃーないわ。今はとりあず緊急時の集合場所まで行こか」

 

 

「「はい」」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「赤い信号弾か。どうやら敵の襲撃があるようだ」

 

 

「試験はどうなるんだヨ、オイ」

 

 

「さすがに一時中断って事ね」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「………まさかさっきの奴か?」

 

 

「どうだろう? あれは敵の襲撃の合図……これから攻めて来るって事だよ」

 

 

「かと言って、さっきの奴等が敵の仲間だって可能性も0じゃないけどね」

 

 

「どこのどいつだか知らねえが、妖精の尻尾(オレたち)にケンカを売る気か。返り討ちにしてやんぞ」

 

 

「そうね」

 

 

「あいさー!」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「何でこんな時に……これが最後の試験なのに!! ギルドを抜けるつもりでのぞんでるのに!!」

 

 

「カナ」

 

 

「今はそんな事言ってる場合じゃ…」

 

 

「冗談じゃない!! 私は試験を続けるよ!!! 邪魔できるもんならやってみなさい!!!」

 

 

カナは憤慨しながらそう叫ぶ。するとそこへ、物陰に隠れていたグレイチームの3人がやって来る。

 

 

「落ち着けよカナ」

 

 

「みんな同じ気持ちだよ」

 

 

「そうですよ」

 

 

「グレイ! ロキ!! エリオ!!」

 

 

「何でここに…」

 

 

「君たちの跡をつけて──」

 

 

「偶然見つけたんだ、今!! そんな事どうでもいいだろ」

 

 

さすがにずっと3人の跡をつけて来ていたとは言えないので、ロキの言葉を制したグレイが代わりにそう答える。

 

 

「とにかく、この島に敵が来たのなら試験どころではありません」

 

 

「緊急時の集合場所まで行こう。今は情報が少なすぎる」

 

 

「そうだね、そこに行けば他のメンバーとも合流できるかもしれない」

 

 

「一体…何が起きるっていうの?」

 

 

「……………」

 

 

エリオ、ロキ、ユーノ、ルーシィがそれぞれそう言葉を口にする中、カナだけが思いつめたような表情をして沈黙していたのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「エルザさん、これからどうします?」

 

 

「とりあえずメストとウェンディとキャロを探そう」

 

 

「そうだね、キャンプの場所がわからなくて迷ってるのかも」

 

 

「私とルーテシアはガジルをキャンプまで連れてくね」

 

 

「ガリュー、お願い」

 

 

「(コクリ)」

 

 

そう言うと、レビィとルーテシアはガジルをガリューに担がせてキャンプへと向かったのであった。

 

 

それを見送ったエルザたちは、倒れているヨマズに歩み寄る。

 

 

「さて……お前たちの目的を聞こうか」

 

 

「フン、誰が貴様等なんぞに…」

 

 

 

ゴッ!!!!!

 

 

 

「ゼレフ…だ。伝説の黒魔導士ゼレフ」

 

 

黙秘を貫こうとしたヨマズであったが、エルザの容赦のない拳骨によりあっさりとその目的を白状した。

 

そしてそれを聞いた3人は驚愕する。

 

 

「そのゼレフがこの島にいる」

 

 

「バカな!!!!」

 

 

「ゼレフというのは、確か何百年も昔の人間……」

 

 

「400年なり」

 

 

「そんな昔の人が生きているって言うの!!?」

 

 

「ありえん!!! 生きているハズがない!!! だって……」

 

 

その言葉を聞いて力強く否定するエルザ。

 

何故なら、かつてジェラールはそのゼレフを蘇らせる為に楽園の塔を造り上げ、その生涯を捧げようとしていたのだ。

 

 

「生きていたのだよ、400年間ずーっとな。ただ…マスターハデスは今のゼレフの状態を『眠っている』と言っておられたがな」

 

 

「信じられない話です……」

 

 

「あの伝説とも呼ばれる黒魔導士ゼレフが…この島に」

 

 

「ゼレフが目を覚ました時、この世界は完全なる闇へと染まる」

 

 

「バカな事を……ここは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の聖地。妖精の加護に包まれた島で、狼藉を働くつもりか」

 

 

「直に到着するマスターハデス直属部隊、煉獄の七眷属を甘くみない方がよいぞ。さらに今回の作戦には、協力者として奴等も加わっている」

 

 

「奴等?」

 

 

無限の欲望(アンリミテッドデザイア)だ」

 

 

「「「!!!」」」

 

 

かつて戦ったマスタージェイル率いる無限の欲望(アンリミテッドデザイア)の名を聞き、エルザたちは驚愕で目を見開く。

 

 

「バカな!!! バラム同盟の2つのギルドが手を組んだというのか!!!?」

 

 

「一体なんの為に!!?」

 

 

「さあな、奴等の目的は拙者も知らん。だが、この最強の同盟に死角はない」

 

 

そこまで言うと、ヨマズはメンバーたちの名前を告げる。

 

 

「時魔導士のウルティア。ラスティローズ。拙者たちのボス、カプリコ様。華院=ヒカル。ザンクロウ。メルディ。そして、くくく……あと1人は、すでにこの島に」

 

 

「何だと!!?」

 

 

「「!!」」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃……メスト、ウェンディ、キャロの3人は……

 

 

「あの、メストさん! あの信号弾は何の合図でしたっけ?」

 

 

「ん? えーと…あれ…? 知りたい!! とてつもなく知りたい!!」

 

 

「えー!? メストさんも忘れちゃったんですか?」

 

 

キャロの問い掛けに答える事ができず、何故かその場の石に噛り付くメスト。

 

 

「(………マズイな。本隊が来る前に動くか……)」

 

 

そして内心でそう呟くメスト。すると……

 

 

「ウェンディーーー!!! キャローーー!!!」

 

 

「「!」」

 

 

「すぐにそいつから離れなさい!!!」

 

 

「シャルル!! リリー!!」

 

 

「リニスちゃんにアギトちゃんまで!?」

 

 

突然空からやって来たシャルル、リリー、リニス、アギトの4人がメストの目の前に降り立つ。

 

 

「メスト!? あんた一体何者なの!?」

 

 

「え? な…何者って……オレはミストガンの弟子で……」

 

 

ドゴッ!!!

 

 

そう答えたメストの顔の横に元の姿…戦闘モードシフトとなったリリーの拳が叩き込まれ、さらに眼前にはアギトの炎を灯した手が突きつけられる。

 

その後ろでは、人間形態となったリニスがウェンディとキャロを守るように立っている。

 

 

「すっ呆けてんじゃねえ、もうネタは上がってんだよ」

 

 

王子(ミストガン)がこの世界で弟子を取るハズがない。この世界からいなくなった人間を使ったまではよかったが、設定を誤ったな、メストとやら」

 

 

そう言い放つリリーとアギトを見て、冷や汗を流すメスト。

 

 

「ちょっと!! 何なのみんな急に!!」

 

 

「メストさんに何を!?」

 

 

「あんたたちは黙ってなさい」

 

 

抗議の声を上げるウェンディとキャロをシャルルが黙らせる。

 

 

「メスト……あなたは誰ですか?」

 

 

「な…何の事だ……」

 

 

「あなたはおそらく、人の記憶を操作する魔法の使い手です。ギルドのメンバーに魔法をかけて、自分がギルドの一員である事を装った。考えてみれば王子(ミストガン)の事を含め、不審な点だらけです。あなたと接点を持つ人の名前も出てきません」

 

 

「……………」

 

 

「その上、ギルドの信号弾の意味も知らないようでは言い逃れできませんよ」

 

 

リニスの追い詰めるかのような言葉に、顔を俯かせるメスト。すると……

 

 

シュンッ

 

 

「「なっ!?」」

 

 

「消えた!!」

 

 

なんと、メストを取り押さえていたリリーとアギトの目の前から彼の姿が消える。

 

 

「いや違う!!! 瞬間移動の魔法だ!!!」

 

 

「しまったァ!!! リニス後ろだ!!!」

 

 

「!!?」

 

 

その瞬間、メストはウェンディとキャロの2人と、リニスの間に姿を現す。

 

 

「あん」

 

 

「きゃっ」

 

 

「キャロ!!! ウェンディーーー!!!」

 

 

「くっ!!」

 

 

そしてメストはウェンディとキャロの体をがっしりと掴む。そして……

 

 

「危ない!!!!」

 

 

ズドドドドドドドッ!!!!

 

 

「「「!!?」」」

 

 

メストが2人の体を引っ張ると、その瞬間今の今までウェンディとキャロが立っていた場所が数度の爆発を起こした。

 

 

「攻撃!?」

 

 

「どこから!?」

 

 

「(2人を……守った!?)」

 

 

突然攻撃にリリーとリニスは驚愕し、メストが2人を守った事に疑問を抱くシャルル。

 

 

「誰だ!? 出て来い!!」

 

 

そしてメストがそう言い放ったその時……

 

 

「よくぞ見破ったものだ」

 

 

目の前にあった木がもごっと膨らみ、人の顔を象る。

 

 

「「ひっ」」

 

 

「木から人が!?」

 

 

「何モンだテメェ!!!」

 

 

「オレの名はアズマ。悪魔の心臓(グリモアハート)、煉獄の七眷属の1人」

 

 

アギトの警戒するかのような問い掛けに、木から現れる人物…アズマはそう答える。

 

 

「グリモアハート!?」

 

 

「闇ギルドよ」

 

 

「それもただの闇ギルドじゃねえ…バラム同盟の一角だ」

 

 

「さっきの信号弾は、敵の襲撃を知らせるものか」

 

 

「フム、今更遅いと言っておこうか……」

 

 

「一体……何がどうなっているんだ!?」

 

 

リリーがそう叫ぶと、メストがゆっくりと口を開く。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の聖地に侵入すれば、キナくさい話の1つや2つ出ると思ってたんだがな。黒魔導士ゼレフに悪魔の心臓(グリモアハート)…こんなでけェヤマにありつけるとァついてるぜ」

 

 

「(ゼレフ?)」

 

 

「あんた一体…!!?」

 

 

「まだ気づかねえのか? オレは評議院の人間だ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)を潰せるネタを掴む為に潜入してたのさ」

 

 

「評議院!?」

 

 

「マジかよ!?」

 

 

「そんな…」

 

 

メストの正体が評議院の人間だと聞いて、驚愕する一同。

 

 

「これはこれは」

 

 

「だがそれもここまでだ。あの所在地不明の悪魔の心臓(グリモアハート)がこの島にやってくるとはな。ふはははは、これを潰せば出世の道も夢じゃない。万が一にも備え、評議院強行検束部隊の本隊……戦闘艦をすぐそこに配備しておいて正解だった。一斉検挙だ、悪魔の心臓を握り潰してやる」

 

 

そう言い放つメストの視線の先には、彼が配備したと言う評議院の戦闘艦がすぐそこまで迫ってきていた。しかし……

 

 

「戦闘艦? アレの事かね」

 

 

ドゴォォォォオオオオン!!!!

 

 

アズマがそう言ったその瞬間……戦闘艦が大爆発を起こし、粉々に砕け散った。

 

 

「な!?」

 

 

「え?」

 

 

「爆発!?」

 

 

「な…何をしたの!?」

 

 

「船が…バカな…」

 

 

一瞬で戦闘艦を粉々に爆散させた事に、驚愕する一同。

 

 

「フム。では改めて……そろそろ仕事を始めてもいいかね? 役人さん」

 

 

「全員下がってろ」

 

 

そう言ってリリーは地面に降り立ったアズマに対して警戒心を強めながら、彼を睨み付けたのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その頃……メイビスの墓。

 

 

「メイビス…妖精の尻尾(フェアリーテイル)初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンよ。ギルドの聖地たるこの島に敵を招くとは……なんと失望させてしまった事か……全てはワシの責任。この報いは必ず受ける。

 

だから……ガキどもだけは守ってくれ」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は戻り、煉獄の七眷属の1人であるアズマと対峙するリリーたち。

 

 

「な…何をしたの?」

 

 

「船が一瞬で爆発しちゃった…」

 

 

「評議院の戦闘艦が…こうもあっさり」

 

 

評議院の戦闘艦がほんの一瞬で爆破された事に愕然とする一同。

 

 

「オオオオオオオオ!!」

 

 

「ハァァアアアアア!!」

 

 

「リリー!! リニス!!」

 

 

すると、リリーとリニスは目の前に立つアズマに向かって駆け出していく。

 

 

「ブレビー」

 

 

ドゴォオ!

 

 

アズマはそんな2人に向かって手をかざし、リリーとリニスは爆発を喰らわせる。

 

しかしリリーとリニスは怯む事無く、爆煙の中を突っ切った。

 

 

「ラァ!!!」

 

 

「セイッ!!!」

 

 

そしてそのままリリーはアズマの顎を殴り飛ばし、リニスは追い討ちをかけるようにアズマの腹部に蹴りを叩き込む。

 

 

「フム」

 

 

「「!!!」」

 

 

しかしアズマは特にダメージを喰らったようすもなく、静かにリリーとリニスを見据える。その瞬間、2人の周囲に小さく輝く光の玉が出現し……

 

 

スガァァァアアアン!!!!

 

 

「ぐああああああ!」

 

 

「ああああああっ!」

 

 

その光の玉が爆発し、2人は再び爆炎に身を包まれてしまう。

 

 

「くっ!」

 

 

「「きゃあ!」」

 

 

「うおっ!」

 

 

「あう!」

 

 

さらにその爆風は、近くにいたウェンディたちをも吹き飛ばす程であった。

 

 

「ぬう……」

 

 

「リリーには剣…私には杖があれば、もう少しまともに戦えるのですが……」

 

 

そう言いながらも、爆煙の中から傷つきながらも立っている姿を現すリリーとリニス。

 

 

「リリー!! リニス!! 剛腕(アームズ)×瞬足(バーニア)!!!!」

 

 

「おおっ」

 

 

「ウェンディの強化魔法!」

 

 

するとウェンディが、2人に攻撃力強化とスピード強化の魔法を付与する。

 

 

「(これなら!!!!)」

 

 

「(あの爆発魔法をかわせる!!!!)」

 

 

それを受けたリリーとリニスは再びアズマへと突撃し、強化魔法と(エーラ)を駆使して彼の爆発魔法を回避しながら接近戦を仕掛ける。

 

 

「来よ!! 我が竜…フリードリヒ!!!」

 

 

「グオオオオオォォォォォォォ!!!!」

 

 

リリーとリニスがアズマの気を引いているその間に、キャロは自身の相棒であるフリードを召喚する。

 

 

「メストさん!! 私とキャロちゃんに作戦があります!! 力を貸してください!!」

 

 

「! な…何を言ってる? オレは評議院の人間だぞ」

 

 

「今はそんなの関係ありません!!」

 

 

「私たちは妖精の尻尾(フェアリーテイル)を守りたいんです!!! その為には、メストさんの力が必要なんです!!!!」

 

 

「オレは出世の為に、お前たちのギルドを潰しにきたんだぞ!!!!」

 

 

「「かまいません!!!! 絶対潰されたりしないから!!!!」」

 

 

ウェンディとキャロの力強いその言葉に、メストはただ愕然と目を見開いた。

 

 

ドガガガガガッ!

 

 

「くう!」

 

 

「この…!」

 

 

アズマの爆発魔法を間一髪でかわし続けるリリーとリニス。

 

 

「リリー!! リニス!! 空へ!!」

 

 

「「!」」

 

 

そこへ飛んでくるシャルルの指示。

 

 

「ウム!!」

 

 

「はい!!」

 

 

それを聞いた2人はすぐに意図を理解し、翼を広げて上空へと飛び立った。

 

 

「どこへ逃げてもオレの爆発は届くがね」

 

 

「させません!!!」

 

 

「!!」

 

 

リリーとリニスに向かって手をかざそうとするアズマの目の前に、フリードに乗ったキャロが立ち塞がる。

 

 

「フリード!! ブラストフレア!!!」

 

 

「グオオオオッ!!!」

 

 

そしてフリードの口からアズマへと向かって放たれる巨大な火球。

 

 

「無駄な事を」

 

 

それを見たアズマは特に慌てる素振りも見せず、手をかざすターゲットを迫り来る火球へと変える。するとその時……

 

 

「(瞬間移動(ダイレクトライン)!!!!)」

 

 

瞬間移動の魔法によって音もなくアズマの背後に現れるメストと、彼に抱えられたウェンディとアギト。

 

 

「(キャロちゃんとフリードの攻撃に気を取られてるスキに……)」

 

 

「(アタシとウェンディのゼロ距離攻撃での挟み撃ち!!!)」

 

 

「(今はコイツを排除する方が得策だ)」

 

 

「(行ける!!)」

 

 

「(もらった!!)」

 

 

「(天竜の咆哮!!!!)」

 

 

「(フレネンスヒューガ!!!!)」

 

 

誰もがこの作戦は成功すると確信したその時……

 

 

「つまらんね」

 

 

アズマのそんな声が聞こえてくる。そして次の瞬間……

 

 

 

「タワーバースト!!!!!」

 

 

 

アズマを中心に凄まじい大爆発が巻き起こり、巨大な炎の塔が全てを飲み込んだのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そんな立ち上る巨大な炎の塔を、偶然少し離れた場所まで来ていたナツとティアナとハッピーが目撃する。

 

 

「何だありゃ?」

 

 

「炎の塔?」

 

 

「今回の試験でナツ以外にあんな炎を出せる人はいなかったハズよ」

 

 

「敵にちげぇねえ!!!」

 

 

その塔の発信源を敵だと判断したナツたちは、急いでその場所へと向かって行った。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「このギルドはネコや子供ばかりなのかね」

 

 

炎の塔が消え、ただ1人立っているアズマの眼科には、傷つき倒れ伏している面々の姿があった。

 

 

「(これが噂に聞く、煉獄の七眷属……こんなのがあと6人も……妖精の尻尾(フェアリーテイル)に勝ち目は無い……)」

 

 

地面に倒れるメストは恐怖に震えながらも、そう悟ったのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃……天狼島へと針路を進める悪魔の心臓(グリモアハート)の魔導艇。

 

 

「ウルティアさん、いつになく気合い入ってんな」

 

 

「当然だ。(メエ)もこれを戦争と心得る」

 

 

戦闘用の服へと着替えたウルティアを見てそう話すザンクロウとカプリコ。

 

 

「もうすぐ妖精の島だ!! ワクワクすんなぁオイ!!!」

 

 

「楽しみなのは結構だが、オレたちの目的を忘れるなよエスターテ。セッテ、オットー、ディードも固有武装の最終チェックを怠るなよ」

 

 

「心得ております、インヴェルノ兄様」

 

 

「大丈夫、最終チェックはさっき済ませた」

 

 

「武装並びにISに異常無し。問題はありません」

 

 

無限の欲望(アンリミテッドデザイア)のシーズンとナンバーズの面々も、そんな会話を繰り広げる。

 

 

「行こう。戦いという名の楽園(エデン)へ」

 

 

「じ…じじじ…じ…自分も」

 

 

「ウル! あれ!!」

 

 

「私をウルと呼ぶな」

 

 

「ご…ごめんなさい」

 

 

ウルティアに凄まじい剣幕で睨まれながらそう言われ、しゅんっとするメルディ。

 

 

「そんなナーバスになるなってば! で? どうした? メルディ」

 

 

「見えてきた、妖精の島」

 

 

ザンクロウの問いにそう答えるメルディの視線の先には……目的地である天狼島が映っており、他の面々もその島の姿を確認する。

 

 

だがその時……

 

 

「!?」

 

 

「あれは何だい?」

 

 

「あれは……」

 

 

そんな船の針路の前に……1人の巨人が立ち塞がる。

 

 

その巨人こそ……巨人(ジャイアント)の魔法により巨大化し、憤怒の表情を浮かべたマスターマカロフであった。

 

 

「巨人…」

 

 

「ウーウェ…」

 

 

「マジかよ」

 

 

「でかい」

 

 

「とんでもねーなありゃあ……」

 

 

「規格外だ」

 

 

そんなマカロフの姿に、さすがの七眷属やシーズンのメンバーも戦慄する。

 

 

「マカロフ…」

 

 

ただ1人……ニタリと笑みを浮かべているマスターハデスを除いて……

 

 

そしてマカロフは、目の前に向かって威圧感と怒りを込めて言い放つ。

 

 

 

 

 

「消えろ」

 

 

 

 

 

つづく

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