LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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今回は3話連続投稿です。3話目にだいぶ時間を掛けてしまいましたが、何とか完成しました。

例のごとく1時間置きに1話ずつ投稿します。

それから、ストーリーの都合上によりカプリコ戦と華院戦はカットいたします。

理由としましてはカプリコ戦は星霊同士の戦いですのでリリカルキャラを絡ませる事はできませんし、華院戦では2対1の戦いでしたから、ここにさらに人数を割くのはどうかと思いまして。

以上の理由からカプリコと華院の戦いはカットしますので、かなり展開が速いかと思いますが、どうかご了承ください!!!


感想お待ちしております。


大魔法世界

 

 

 

 

 

 

悪魔の心臓(グリモアハート)の煉獄の七眷属と、無限の欲望(アンリミテッドデザイア)のナンバーズとシーズンの前に次々と敗れていく妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

そんな中、唯一勝利したナツはマカロフと共に駆け付けたウェンディの治療を受けていた。

 

 

「ハァ、ハァ……」

 

 

「ウェンディ、大丈夫ですか?」

 

 

「私は平気…だけど2人とも何で……治癒の魔法が効かないの!!?」

 

 

リニスの言葉に答えながら2人に治癒魔法をかけるウェンディだが、2人のキズは一向に良くならない。

 

 

「マスターの方はキズが深すぎるみたいね……このケガじゃいくら天空魔法でも……」

 

 

「でもナツの方は原因がわからない……まるで何かが治癒の邪魔をしてるみたいに……」

 

 

「ナツ…マスター……」

 

 

治癒魔法が効かない原因を推測するシャルルとティアナ、そしてそんなナツとマカロフを見て涙ぐむハッピー。すると、マカロフの目がゆっくりと開かれる。

 

 

「ウェンディ…か……」

 

 

「マスター!!」

 

 

「気がついたのか!!」

 

 

弱弱しくだが口を開くマカロフを見て、ウェンディとアギトが顔を覗き込む。

 

 

「ワシ…らを……見つけて……く…れたのか…」

 

 

「いいえ、ティアナさんがここへ案内してくれたんです」

 

 

マカロフの問い掛けに、キャロがそう答える。

 

 

「そう…か……ウェンディ…ワシは…いい……うっ…ナツを…頼…む…」

 

 

「ダメです!!! 絶対!!! 絶対私が何とかします!!! 2人とも私が絶対助けます!!!!」

 

 

目尻にに涙を浮かべながらも、力強くそう言い放つウェンディ。

 

 

「ナツの…マフラーを…元に…戻せる……かね…? そのマフラーに染み付いている邪気が……ナツの治癒の邪魔をしておる…のじゃ…」

 

 

「やってみます!!!」

 

 

マカロフの言葉通りに、ウェンディはさっそくナツのマフラーの邪気を払う為に魔法をかける。

 

 

「ねえハッピー……ナツのあの黒くなったマフラーって……」

 

 

「うん、さっき話した黒髪の不気味な奴にやられたんだ……」

 

 

「もしかしてその男が……」

 

 

悪魔の心臓(グリモアハート)が探している……伝説の黒魔導士ゼレフ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第147話

『大魔法世界』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……伝説の黒魔導士ゼレフと対面している煉獄の七眷属の1人、ウルティア。

 

 

「(ゼレフ……!! あれほど求めた……ゼレフが今……私の目の前に……)」

 

 

長年ゼレフを追い求めていたゼレフを発見した事で、歓喜の表情を浮かべるウルティア。

 

 

「君たちが欲するものは、僕の力か」

 

 

「あなたの存在全てでございます、ゼレフ卿」

 

 

ゼレフにひれ伏すように跪きながら、ウルティアはそう言い放つ。

 

 

「僕はこの時代において何かを成すつもりはない。争いも人が死ぬのも見たくない。今すぐこの島への攻撃をやめて出て行くんだ」

 

 

しかしゼレフのその言葉を聞いて、ウルティアの表情が驚愕へと変わる。

 

 

「(争いも人が死ぬのも見たくない? 意識があるのに自覚がない……これがゼレフ? これが眠っている状態だというの?)」

 

 

彼女の心中で目の前のゼレフに対する疑念が渦巻く中、ゼレフはさらに言葉を発する。

 

 

「僕は……怒っているんだ」

 

 

ぞぞぞぞぞっ!!!

 

 

「!!!」

 

 

その瞬間、彼女の背筋に凄まじい悪寒が走り、顔を上げて怒りに染まったゼレフの顔を見ると、その不気味なプレッシャーに恐怖を抱いたのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ドガァァアアッ!!!!

 

 

「ひいっ!」

 

 

「ぬおっ!」

 

 

「くっ!」

 

 

一方その頃……森で七眷属の1人であるラスティローズと戦闘を繰り広げるエルフマン、エバーグリーン、ザフィーラの3人は、彼が召喚した2本の角を持つ怪物に苦戦していた。

 

 

「何だァ!? この怪物はァ!?」

 

 

「アンタがそれ言う!?」

 

 

「オレの守護聖獣、迅雷のベルクーサス」

 

 

「二つ名までついてやがる!!」

 

 

そう言ってベルクーサスの攻撃を回避し続けるエルフマンたち。

 

 

「妖精機銃レブラホーン!!!!」

 

 

それに対して無数の針のような魔法弾を掃射するエバーグリーン。しかしそれを受けたベルクーサスは、特にダメージを負った様子はない。

 

 

「効いてない!? ひっ!!」

 

 

「テオォォォオオオ!!!!」

 

 

そしてエバーグリーンに向けて振るわれたベルクーサスの巨大な腕を、間に割って入ったザフィーラが受け止める。

 

 

「こいつは任せろ。守護の獣同士、相手になってやる!!!」

 

 

そう言うとザフィーラは受け止めていたベルクーサスの腕をガッと絡め取り……

 

 

「テオォオアアアアアア!!!!」

 

 

ズドォォォオオオン!!!!

 

 

そのまま背負い投げのようにベルクーサスの体を持ち上げ、地面に叩き付けた。

 

 

「スゴ…」

 

 

「エバーグリーン!!!」

 

 

その光景に驚愕しているエバーグリーンのもとに、ビーストソウルとなったエルフマンが駆け寄る。

 

 

「何してんだ!!! ザフィーラがあの怪物を抑えてる間に石化させちまえばいいじゃねーか!!」

 

 

「人間じゃない奴には無理!!」

 

 

「バカヤロウ!! 本体の方だ!! あの郒の方!!」

 

 

「眼鏡してんじゃない!! 無理よ!!」

 

 

「使えねーなァ!!!」

 

 

「アンタから先に石になりたいの!?」

 

 

「愛し合う2人がすれ違う時…それは」

 

 

「「愛し合ってねえよ!!!!」」

 

 

「お前たちいい加減戦えっ!!!!」

 

 

いつまでも漫才のようなやり取りをしてる2人にザフィーラが怒鳴る。

 

 

「アンタはザフィーラと一緒にそれを止めといて!!!」

 

 

「エバーグリーン!」

 

 

そう言うと、エバーグリーンはラスティローズに向かって駆け出す。

 

 

「(奴の魔法の正体は見切った!!! ルーシィやキャロと同じ召喚系の魔法!!! 召喚系の魔法を使う者の弱点は明白、本体は弱い!!!!)」

 

 

そしてラスティローズの目の前で鱗粉を撒き散らし、それに紛れて姿を眩ませるエバーグリーン。

 

因みにこの時、島にいる星霊魔導士と竜召喚士がクシャミをしたのは余談である。

 

 

「(もらった!!!)」

 

 

そして死角からラスティローズに攻撃を加えようとしたその時……

 

 

「オレは冥界の王。この腕は全てを切り裂く漆黒の剣。散れ、闇の彼方へ」

 

 

「きゃああああああ!」

 

 

ラスティローズの腕が、黒く鋭い爪へと変化し、その腕でエバーグリーンの体を切り裂いた。

 

 

「エバーグリーン!! ぐああっ!!!」

 

 

「しまった!! ぐううっ!!!」

 

 

その光景に気を取られてしまったエルフマンとザフィーラは、ベルクーサスの攻撃で地面に叩き付けられる。

 

 

「く……な…何なんだその魔法は…」

 

 

「クズに教えたところで、理解は難しいだろうな。クズには」

 

 

「何だと!!?」

 

 

「魔道の深淵に近づきすぎた魔法だ。その為、この魔法には強力な副作用が…なんという悲劇的(カタストロフィック)な運命」

 

 

「…………」

 

 

彼のナルシスト発言に対し、もやはツッコム者はいなかった。

 

 

「だが……オレたちがゼレフを手に入れる時、その悲劇(カタストロフィー)は終わり、新たな魔法の時代がやって来る」

 

 

そう言ってラスティローズの手元には、エルフマンたちが出会った不気味な黒髪の男……ゼレフの姿が映し出された。

 

 

「(あいつはあの時の…)」

 

 

「(あの不気味な男が…ゼレフ!?)」

 

 

「(あの…伝説上の黒魔導士……!? いや…今…この島にゼレフが……いる!!?)」

 

 

この島で会った謎の黒髪の男が伝説のゼレフだと知り、驚愕するエルフマンたち3人。

 

 

 

「大魔法世界。混沌と闇が支配する〝魔法〟本来の世界」

 

 

 

そんな3人に対し、ラスティローズは再び口を開く。

 

 

「魔法を持たぬ者は生きられない。いや、生きられたとしても地獄。素晴らしいだろう!!? オレたちだけの世界!!! 魔法を使えんゴミどもは存在しない!!!!

 

魔力なき者は消滅する!!!! 魔導士だけの理想郷!!!! オレはこの時を待っていた!!!! ずっと待っていたんだー!!!!」

 

 

頬を高揚させ、興奮気味にそう力説するラスティローズの言葉に……エルフマンたちは愕然とする。

 

 

「バ…バカな……」

 

 

「狂っている…そんな世界など……」

 

 

「そんな事…ある訳……ある訳がない!!!!」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ハア、ハア、ハア」

 

 

「あ…うあ……」

 

 

その頃……ボロボロに傷つき、辛そうに息を荒げているウルティア。そんな彼女の目の前には、さらにボロボロの姿で力なく地面に倒れ付すゼレフの姿があった。

 

 

「いくら伝説の黒魔導士といえど……眠ってる状態じゃてんで話にならないわね。七眷属の長をナメんじゃないわよ」

 

 

「が…ぐはっ」

 

 

「大丈夫よゼレフ卿。あなたを起こす鍵は、我々が持っているから」

 

 

「やめ……」

 

 

そこまで言いかけて、力尽きたゼレフは意識を失ったのであった。

 

 

 

「手に入れた…くくく……私はゼレフを手に入れたぁぁぁーーーー!!!!!」

 

 

 

そしてウルティアのそんな叫びが、森に響き渡ったのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は戻り、ラスティローズの前に倒れ伏すエルフマンたち3人。すると、エルフマンとザフィーラが傷ついた体をゆっくりと起こしながら口を開く。

 

 

「魔力なき者を消し去り、魔導士だけの世界を作るだと? ふざけんなよ」

 

 

「この世界に存在する魔導士はほんの1割……それ以外の9割は魔法を持たぬ者たちなのだぞ」

 

 

「そうだ。大魔法世界ではその9割は生きられない」

 

 

「そんな事させるかよォ!!」

 

 

「だって必要か? 魔法を使えん人間など、灯をともせぬ蝋燭と同じ、必要性がない」

 

 

「互いに助け合ってるこそ成立してるんだろうが!!! この世界はァ!!!!」

 

 

「助け合う? ギルドの事か……それはエゴだ。力なき者から富を貪っているすぎない」

 

 

「それは違う。魔法を持つ者と持たぬ者……互いが互いを必要としているのだ。我ら魔導士は力を与え、一般人はその力に応じた報酬を出す。そうして長年積み重ねた信頼が世界を構築し、ギルドが生まれたのだ」

 

 

「クス……」

 

 

ザフィーラのその言葉を聞いて、ラスティローズは小バカにしたように笑う。

 

 

「テメェがギルドを笑うんじゃねえよ。生きる為に必死にあがいてきた魔導士を穢すんじゃねぇ!!!!」

 

 

「所詮……お前らには理解できんよ。魔導の深淵にも近づけず…ゼレフの本当の恐怖を知らないお前らにはな……ゼレフが真の力を見せる時、お前たちはただ!!! ただただ平伏する事しかできなくなる」

 

 

「たとえどんな恐怖が襲おうとも、我ら妖精の尻尾(フェアリーテイル)は決して屈する事はない!!!!」

 

 

「どんな闇にも光を照らす、巨人の蝋燭だからなァ!!!!」

 

 

力強くそう言い放ちながら、エルフマンとザフィーラはラスティローズへと向かって駆け出す。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)か。名前のわりに優雅(エレガント)ではないね」

 

 

「ぐぉあ!」

 

 

「がはっ!」

 

 

それに対しラスティローズは、右手を再び鋭い爪…漆黒の剣へと変化させ、2人の体を切り裂く。

 

 

「大魔法世界においても、君たちのようなクズは必要ないな」

 

 

「オレはクズでもいい!!!! だが仲間をクズと言うのは許せねえ!!!! 漢として許さねえ!!!!」

 

 

「へぇ」

 

 

「うおおおおおおっ!!!!」

 

 

そして再び振るわれた漆黒の剣による一撃を、エルフマンは切り裂かれながらも受け止めた。

 

 

「エルフマン!!」

 

 

「!」

 

 

「つかまえた…接収(テイクオーバー)の基本は相手をよく知る事、だよな姉ちゃん。この〝腕〟もらったぞ」

 

 

「!!!」

 

 

「オォォオオオオッ!」

 

 

すると、エルフマンの右腕がラスティローズのものと同じ漆黒の剣へと変形する。

 

 

「オレの漆黒の剣が!!?」

 

 

「喰らえぇぇーーー!!!!」

 

 

「左手に宿りしは、全てを退ける黄金の盾!!!!」

 

 

ガキィィィイイン!!!!

 

 

しかしエルフマンが振るった漆黒の剣は、ラスティローズの左手に出現した黄金の盾によって防がれてしまった。

 

 

「甘かったな、そう簡単には…」

 

 

そこまで言いかけたラスティローズだが、その瞬間エルフマンが彼のかけていた眼鏡を奪い取った。

 

 

「!?」

 

 

「本当の目的はお前の眼鏡だ!!!」

 

 

そう言ってラスティローズの眼鏡を握り潰すエルフマン。

 

 

「ザフィーラ!!!」

 

 

「ああっ!! 縛れ!!! 鋼の軛!!!!」

 

 

「なっ!? ぐっ…!!」

 

 

さらに地面から出現したザフィーラの魔力で生成された白銀の軛がラスティローズの体を固定する。

 

 

「固定したぞ!!! 今だっ!!!」

 

 

「エバ!!!!」

 

 

「ええ!!! 私を〝エバ〟って略していいのは雷神衆とラクサスだけよ。だけど今回は特別、認めてあげる」

 

 

そう言ってエバーグリーンは眼鏡を外し、ラスティローズを睨みつける。

 

 

「な!!」

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)を侮辱した者の口を、この私が二度と開けぬ石像にする事ができるんだから!」

 

 

「しまったぁあああっ!!!」

 

 

石化眼(ストーンアイズ)!!!!!」

 

 

「あああああああっ!」

 

 

そしてエバーグリーンの石化眼(ストーンアイズ)によって、ラスティローズの体は石へと変えられる……事はなかった。

 

 

「……なーんてね! ぷっ」

 

 

「「「!!?」」」

 

 

バキィンッ!!!

 

 

「なっ!? 鋼の軛が!!?」

 

 

ドガガッ!!!

 

 

「ぐあぁあっ!」

 

 

「ごはぁっ!!」

 

 

「きゃああああああ!」

 

 

ザフィーラの拘束を漆黒の剣で破壊し、さらにそのままエルフマンとザフィーラを地面に叩きつけ、エバーグリーンの体を切り裂いた。

 

 

「な…なぜだ……」

 

 

「なぜ私の石化眼(ストーンアイズ)が」

 

 

「効いていない…!!?」

 

 

驚愕しながらもラスティローズへと視線を移す3人。だがそこには、先ほどエルフマンが破壊したハズの眼鏡をかけたラスティローズの姿があった。

 

 

「眼鏡!? オレは確かに……」

 

 

「オレの魔法は想像力……〝具現のアーク〟願うものは全て具現化される」

 

 

そう言い放つラスティローズの周囲には、彼が魔法で具現化したいくつもの眼鏡が浮遊していた。

 

 

「願うものを全て…具現化させる魔法だと……!?」

 

 

「そ…そんなバカげた魔法……」

 

 

「願い事の具現は魔道の根源に通ずる。もちろんいくつかの限度と制約はあるがな。無敵にして無敗の魔法!!!! 今まで破られた事は一度もねえ!!!!」

 

 

常識ハズレのラスティローズの魔法に、言葉を失うエルフマンたち。

 

 

「いでよディンギルの塔。愚かなる妖精にその悲しみの全てをぶつけ、土に還れ!!!!」

 

 

「がはァ!」

 

 

「ぐあァ!」

 

 

「きゃああ!」

 

 

すると、ラスティローズは大地から巨大な塔を具現化させ、その塔の壁に3人の体を取り込んだ。

 

 

「なんだこれは……!!! 動けねえ!!!!」

 

 

「エルフ…マン…」

 

 

「エバ!!! しっかりしろ!!!」

 

 

「ごめんね…」

 

 

「!」

 

 

「私がパートナーじゃなかったら……アンタはS級魔導士になれてたかもしれない。こんな奴に負ける事もなかったかもしれない……」

 

 

そんなエバーグリーンの謝罪の言葉に、エルフマンは呆気に取られるが、すぐに口元に笑みを浮かべる。

 

 

「バカヤロウ…お前がいたから……ここまでこれたんじゃねえか……」

 

 

「エルフマン……」

 

 

「もちろん……ザフィーラもな」

 

 

「……ああ。盾の守護獣として役に立てたのなら本望だ」

 

 

「ありがとう、エバ…ザフィーラ……」

 

 

そしてそんなパートナー2人に……感謝の言葉を口にした。

 

 

「散れ、闇の彼方へ」

 

 

ドゴォォォオオオオン!!!!

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「!!!」

 

 

「「ナツさん!!」」

 

 

「「ナツ!!!」」

 

 

その頃、ザンクロウとの死闘の末に気を失っていたナツは、突然がばっと勢い良く体を起こす。そんな彼の姿を見たウェンディとキャロ、そしてティアナとハッピーが安堵の声を上げる。

 

 

「じっちゃんは!!?」

 

 

「ここにいる」

 

 

「まだ何とも言えない状態ですが……」

 

 

ナツの問いにそう答えるリリーとリニスの視線の先には、未だに横たわる傷ついたマカロフの姿がある。

 

 

「あれ!? マフラー……」

 

 

「ウェンディが元に戻してくれたのよ」

 

 

「ありがとな、ウェンディ」

 

 

「いえ…」

 

 

大事なマフラーを元に戻してくれたウェンディに感謝するナツ。

 

 

「! このニオイ!!!」

 

 

「「「!!!」」」

 

 

すると、何かのニオイに気がついたナツは勢い良く立ち上がる。

 

 

「急にどうしたのよ?」

 

 

「憶えてるぞ…何でアイツがここに……」

 

 

「誰の事だよ?」

 

 

「ウェンディ…アンタも同じニオイを?」

 

 

「わかんない…私はみんなのニオイが散漫してて、場所の特定ができない」

 

 

「ナツ? 誰のニオイを感じたの?」

 

 

「ガルナ島で会ったアイツだ!!!!」

 

 

「ガルナ島?」

 

 

ナツの言うアイツとは……以前ガルナ島でナツと戦い敗れ、その姿を消した仮面の男……ザルティである。零帝リオン率いる零帝一味として振舞いながらも、裏ではデリオラを手に入れようと暗躍していた謎多き男である。

 

 

「近ェぞ!!!!」

 

 

「ナツさん!!」

 

 

「ナツー!!」

 

 

「ちょっとナツ!!!」

 

 

そんなザルティのニオイを感じ取ったナツは、そのニオイを追って一目散に走っていってしまった。

 

 

「ったくあのバカ……!! ハッピー!! すぐにナツを追って!!! 私も後で合流するから!!!」

 

 

「あいさー!!」

 

 

ティアナの指示を聞き、ハッピーは翼を広げてナツを追っていった。

 

 

「他のみんなはここで待機。私がナツを連れ戻して来るまで絶対に動いちゃダメよ。もし何かあったら、すぐにアギトの閃光弾で知らせて」

 

 

「はいっ!」

 

 

「わかりました!」

 

 

「OK」

 

 

「了解だ」

 

 

「こっちは任せておいてください」

 

 

「気をつけなさいよ」

 

 

「ありがとう。それじゃあ行ってくる!!!」

 

 

仲間たちの了承を得て、ティアナはもうすでに見えなくなってしまっているナツを追って、森の中へと走っていったのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ゼレフ…あなたは私のもの。誰にも渡さない、私はあなたを世界の王にする。大魔法世界の為に……」

 

 

一方でゼレフを手に入れたウルティアは……気を失っているゼレフの体を愛おしそうに抱きしめながら、そう呟いていたのであった。

 

 

 

 

 

つづく

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