今夏に発売予定らしいですが、妖精の尻尾誕生秘話やスピンオフ漫画など、嬉しい内容が盛り沢山のようですので、発売が待ち遠しいですね。
以上、ZEROの最近テンションが上がった話でした。
さて、前回の最後に明らかになったインヴェルノとエスターテの正体ですが、大体みなさんが想像していた通りだと思いますので、今回は彼らの説明は簡潔に済ませて戦闘シーンに力を入れてみました。
いつもと比べて短めですが、ご了承ください。
感想お待ちしております。
闇ギルド
天狼島でその2人と死闘を繰り広げていたエリオとなのは。だがその戦いの中で……隠されていたインヴェルノとエスターテの素顔が明らかになった。
それは彼らのよく知る
第156話
『不屈の心』
「どうして…グレイと同じ顔を……!!?」
大きく目を見開いて愕然とし、唇を震わせながらそう言葉を口にするなのは……そんななのはの目の前には、彼女の同期であり、ギルドの中でも絶対的な信頼と好意を寄せている男……グレイとそっくりの顔立ちをしたエスターテが佇んでいる。
相違点を挙げるとすれば…灼熱の炎を連想させる赤い髪と、額のキズの有無くらいだろう。それ以外の目付きや髪型…顔の輪郭にいたるまで、何もかもがそっくりであった。
「あーそっか……そういやオレのオリジナルも
「オリジナル……?」
エスターテが思い出したようにポンッと手を叩きながらそう言った言葉に、驚愕から怪訝な表情へと変わるなのは。そんななのはの疑問に答えるように、再びエスターテが口を開く。
「簡単に言えば、オレは〝プロジェクトF〟によって造られたグレイ・フルバスターのクローンだ」
「クローン……!!?」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ナツさんの……クローン!!?」
「そう……お前たちのギルドで言えば、フェイト・テスタロッサと同じ存在だ」
一方エリオの方も……透き通った氷を連想させる水色の髪と…見るもの全てを凍て付かせるような冷め切った瞳以外は、ナツとまったく同じ顔立ちをしたインヴェルノから同じ説明を受けていた。
「以前お前たちが我々のギルドと聖王のクローンをめぐって行われたゲーム……マスタージェイルはそのゲームの際にナツ・ドラグニルの血液を入手し、そのDNAを基に〝プロジェクトF〟が行われ、オレが造られた」
「プロジェクトF……確か、黒魔術を信仰する魔法教団によって生み出された〝人間を造る魔法〟」
「その通り。そしてマスタージェイルの改造で、オレは常人を遥かに越える身体能力を持つ戦闘機人となった。それによりオレはナツ・ドラグニルを……オリジナルを超える存在となったんだ!!!!」
拳を強く握り締め、その拳に冷気を纏いながら高らかにそう言い放つインヴェルノの言葉を聞いて、エリオはピクリと反応を示した。
「ナツさんを……超える?」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「グレイを超える存在?」
「そうだ……ナンバーズが魔力を使わない魔法〝IS〟に特化した戦闘機人なら、オレたちシーズンは戦闘機人でありながら純粋な魔導士としての力を手にした新型の戦闘機人。そのオレはオリジナルなんざとっくに超越したんだ!!!!」
そう言い放ちながら「アハハハハッ!!!」と、高らかに笑い声を上げるエスターテに対してなのはは、鋭い目付きでキッと彼を睨みながら少し低めの声で言い返す。
「……ふざけないで。あなたにグレイは超えられない……あなたはグレイの足元にも及ばないよ」
「……アァ?」
なのはのその言葉を聞いた瞬間、エスターテの笑い声がピタリと止まり…ギロリと彼女を睨みつける。
「オレの力が……オリジナルの足元にも及ばないだと?」
「確かにあなたは強いよ。だけどグレイは、それ以上に強いモノを持ってる」
「オレの力以上に強いモノ?」
「それが分からないなら…グレイどころか私にも勝てやしないよ」
「……言ってくれるじゃねえか、ナノハ・タカマチィ!!!」
「!!」
逆上したようにそう言い放つとエスターテはその場から駆け出し、両手に炎を灯しながらそのまま勢いをつけてなのはに飛び掛る。
「フレイムメイク〝
「…………」
そして炎の造形魔法によって造り出された灼熱の斧が勢いよく振り下ろされるが、なのははそれを横に構えたレイジングハートでガードする。
「足元にも及ばねえのはオリジナルの方だ!!! オレはオリジナルの戦闘能力も造形スキルも取り込んで、全てオレの力へと昇華した!!!!」
「うぐっ…!!」
興奮したように叫びながら、エスターテは後ろに押すようにガラ空きとなっているなのはの腹部に蹴りを入れ、彼女を後退させる。
「これがその証拠だ!!! フレイムメイク……」
そして表情を歪めて腹部を押さえているなのはに対し、手のひらに拳を乗せる構えを取り……
「〝
「!!?」
造形魔法で造り出したいくつもの火の鳥を、なのは目掛けて放った。
「プロテクション!!!」
それに対し、なのははすぐさま張った桜色の魔力のバリアで防ぐが……
「フレイムメイク〝
「うあぁぁあああああ!!!」
エスターテが続けざまに造り出した真っ赤に燃え盛る牛の突進がバリアが突き破り、そのままなのはをも吹き飛ばされてしまう。
「どうだ。オリジナルと違ってオレは武器や物体に特化した〝静の造形魔法〟だけじゃなく生物を模した〝動の造形魔法〟も扱える。これがオレとオリジナルの違いだ。オレはオリジナルより強い」
「ゴホッゴホッ……そういうのじゃ…ないよ」
「!?」
「力も魔法も関係ない……グレイの本当の強さは…そんなものじゃ計れない……」
ダメージを負った箇所を押さえ、軽く血反吐を吐きながらも、そう言ってゆっくりと立ち上がるなのは。
「ふざけんなァ!!!!」
「がっ…!!!」
なのはの言葉に激昂したエスターテは、彼女の頬を思いっきり殴り飛ばし、そのままさらに連続で殴打を叩き込む。
「オレは強ェんだ!!! 生み出されたその瞬間から力を与えられ…その力を磨き…オリジナルをも凌駕する存在となった!!!! そのオレがオリジナルにどう劣るっつうんだよ!!? アァ!!!?」
そう叫びながら何度もなのはの顔や体を殴り続けるエスターテ。するとその時…エスターテの拳を、なのはがガシッと手のひらで受け止める。
「信念と覚悟の差だよ」
「!!?」
そしてグググッと拳を押し返しながらそう言い放ったなのはの言葉に、目を見開くエスターテ。
「信念と覚悟…だと?」
「そうだよ。君は戦いを楽しんでる…でもそれは戦う事を楽しんでるんじゃない、戦って自分の力を振るう事を楽しんでるんだ」
「なっ…!!?」
「大きな力を手に入れて、その力を誰かに見せびらかしたくてしょうがない……小さい子供と一緒だね」
「テメェ……!!!」
なのはの指摘するかのようなその言葉にエスターテは表情を怒りに染めて彼女を睨むが、なのはは臆する事無くの言葉を続ける。
「その証拠に君の魔法には信念や覚悟を感じない。そんな何も篭ってない魔法じゃ、私やグレイは倒せない」
「黙れェ!!!!」
なのはの言葉を聞くに堪えなかったエスターテは掴まれていた拳を引いて、両手に炎を灯して造形の構えを取る。そして……
「
「きゃああああああ!!!!」
なのはの体を中心に十字架型の爆発を巻き起こし、その爆炎と爆風でなのはを吹き飛ばす。そして吹き飛ばされたなのはは地面に叩きつけられて倒れ伏す。
「ぐっ…うぅ……」
しかしそれでも、なのははゆっくりと体を起こし、起き上がろうとする。
「しぶてぇ野郎だな!!! フレイムメイク〝
「うあぁぁああああ!!!」
エスターテはそんななのはに追い討ちをかけるように、彼女の頭上に造り出した炎の大槌を落として再び彼女を地面に倒れ伏させるが……
「ゲホッ……まだ…まだ……!!!」
「なっ!!?」
それでもなのはは腕に力を込め、体を起き上がらせようとする。そんななのはの姿を見て愕然とするエスターテ。
「この…!!! いい加減沈みやがれェエ!!!!」
「あぐっ!!!」
そんななのはの体をエスターテは思いっきり蹴飛ばす。そして蹴飛ばされたなのはは何度も地面を転がり三度地面に倒れる。しかし……
「ハァー…ハァー…ハァー……!!!」
「………!!!?」
体中火傷やキズでボロボロの姿になりながらも…なのはは諦める事なくゆっくりと立ち上がる。そんな彼女の姿にもはや言葉を失ったエスターテ。
「なぜだ…なぜ立ち上がれる……!!? そんなボロ雑巾みたいな姿になって、なんでまだ立ち上がれるんだ!!!?」
「負けられないからだよ」
エスターテの困惑したような問い掛けに対し、なのはは静かにそう答える。
「私は…私たちは……ギルドを…仲間を…家族を守る信念のもとで戦ってるんだ……!!!! その信念を貫く為なら……私は何度だって立ち上がってみせる!!!!」
そして力強い言葉と共にまっすぐとした眼差しでエスターテを見据えるなのは。
「自分の力を見せ付ける為だけで戦ってる君とは……戦いに対する覚悟が違うっ!!!!」
「……ほざけェェエエエ!!!!!」
そんななのはの覚悟の篭った言葉……それを聞いたエスターテは彼女の言う覚悟と信念を認めようとせず、森に響き渡るような大声で怒号を上げる。
「そんなモン……オレが全部燃やし尽くしてやるァ!!!!」
そう叫びながら炎を纏った両手を地面に叩きつけるエスターテ。すると……
「
その瞬間…なのはの足元の地面から間欠泉のように噴出した炎が巨大な火柱となり、なのはを飲み込んだ。
「燃えろ…燃えろォオ!!!!」
立ち上がる火柱を見てさらに燃え上がらせるように魔力を込めるエスターテ。
「うっ…あぁぁ……」
そんな火柱の中で、なのはは炎によるダメージを耐え続ける。するとそんな彼女の視界に、ふと自身が握っているレイジングハートが映った。
「レイジングハート……」
自分の掛け替えのない相棒とも呼べる杖を見て……なのはの脳裏にとある幼き日の思い出が蘇る。
『杖の名前?』
『そうなの。この杖もこれから一緒に仕事する仲間だから、ちゃんとした名前をつけてあげたいの。グレイは何かいい名前ない?』
『そうだなぁ…………レイジングハートってのはどうだ?』
『レイジングハート?』
『ああ。お前って、相手するこっちがイヤになるくらい諦めが悪いだろ?』
『……それってバカにしてるの?』
『褒めてんだよ。どんな時でも決して折れる事のない不屈の心……お前の相棒にはピッタリの名前だと思うぜ』
『不屈の心…レイジングハート……うん!!! 気に入ったの!!! これからよろしくね、レイジングハート』
「……ふふっ」
燃え盛る炎の中で、なのはは相棒の名前の由来を思い出し……クスリと笑みを浮かべた。
「そうだよ……いつだって…どんな時だって……私は……!!!」
そして力強くレイジングハートを握り締め、ゆっくりと構える。そして……
「ハァァアアアアア!!!!!」
「なっ!!?」
雄叫びと共に振るわれた魔力を込めたレイジングハートの一振り……ただそれだけで、なのはは自身を包み込んでいた業火を霧散させた。
その光景を目の当たりにしたエスターテは、ありえないと言わんばかりに大きく目を見開き、愕然とする。
「やぁぁああ!!!!」
「ごふっ!!!」
「これで…終わらせるっ!!!!」
そしてなのはは愕然としているエスターテの腹部にレイジングハートを突き立てる。その瞬間…レイジングハートの切っ先になのはの膨大な魔力が集束される。
「バカな……!! オレは…オリジナルを超えた……唯一無二の……」
「仮に君がグレイを超えていたとしても、私は戦う事を諦めない。私にはいつだって〝
なのはが力強くそう言い放ったと同時に、魔力の集束が完了する。
「全力全開!!!!」
そして……
「スターライトブレイカァーーーー!!!!!」
「ぐあぁぁあああああああああああ!!!!!」
レイジングハートから放たれた巨大な桜色の閃光が……エスターテを飲み込んだのであった。
つづく
シーズン2人の容姿
インヴェルノ→氷を連想させるような水色の髪と冷たく冷め切った瞳以外は、顔立ち・目付き・髪型を含め全てナツと同様。
エスターテ→灼熱の炎を連想させる赤い髪と額のキズの有無以外は、顔立ち・目付き・髪型を含めて全てグレイと同様。