LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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お待たせいたしました!!!

オリジナル競技とポイントの計算を終えて、今回からようやく更新再開です。

感想お待ちしております。


隠密

 

 

 

 

 

 

大魔闘演武・1日目

 

 

そのオープニングゲームとして始まる1日目の競技パート〝隠密(ヒドゥン)〟。

 

 

そのゲームに参加する各チームから出場するメンバーは……

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)

グレイ・フルバスター

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)

ジュビア・ロクサー

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)

八神ヴィータ

 

剣咬の虎(セイバートゥース)

ルーファス・ロア

 

蛇姫の鱗(ラミアスケイル)

リオン・バスティア

 

青い天馬(ブルーペガサス)

イヴ・ティルム

 

人魚の踵(マーメイドヒール)

ベス・バンダーウッド

 

四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)

イェーガー

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)

ナルプディング

 

凶鳥の眷属(フッケバイン・ファミリー)

アルナージ

 

 

以上の10名である。

 

 

そしていよいよ……大魔闘演武本戦の幕が上がるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第174話

隠密(ヒドゥン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「各チーム、隠密(ヒドゥン)の参加者は前へ」

 

 

「行ってくるぜ」

 

 

「がんばってー!」

 

 

「パパファイトー!!」

 

 

「絶対負けんなよ!!! 特にガジルのチーム!!! それと剣咬の虎(セイバートゥース)大鴉の尻尾(レイヴンテイル)……それと」

 

 

「ようするに全部でしょ」

 

 

「漢なら勝ってこいグレイ!!!」

 

 

仲間からの声援と激励を受けながら見送られて、グレイは闘技場の中心へと歩みを進めていく。

 

 

『いよいよ始まりますね。果たして隠密(ヒドゥン)とはどんな競技なのか。ヤジマさん、注目の選手はいますか?』

 

 

『んー…本命はルーファス君だろうけど、ワスはグレイ君に注目したいね』

 

 

『ジェニーさんは?』

 

 

『もちろんウチのイヴ君よ。強いんだから』

 

 

実況席からのそんな会話を聞いているうちに、グレイを含めた参加者が10名が闘技場の中心へと集結する。

 

 

「グレイ様、ヴィータちゃん、申し訳ありませんが負ける気はないですよ」

 

 

「上等じゃねーか」

 

 

「当たり前だ、全力で来い」

 

 

ジュビアの言葉にグレイとヴィータが軽くそう答える。

 

 

「悪いが、オレも全力でやらせてもらう──ジュビアの為に!!」

 

 

「ギルドじゃねーのかよ」

 

 

「あう~」

 

 

「ほっとけよ、バカがうつるぞ」

 

 

そこへ何故か割って入ってきたリオンの言葉にジュビアは赤面し、グレイとヴィータは呆れる。

 

 

「つーか、予選の時から気になってたんだが……お前なに?」

 

 

「!」

 

 

するとグレイがずっと気になっていたカボチャ頭の司会者に疑問を投げかける。

 

 

「見ての通り~、かぼちゃです」

 

 

「あれ? 質問したオレが悪いのか?」

 

 

「ジュビアもかぼちゃに見えますよ」

 

 

「知らねーのか? 大魔闘演武のマスコットキャラクターの〝マトー君〟だぞ」

 

 

「逆に何で知ってんだよ」

 

 

ヴィータからの意外な情報によって、この司会者の名前がマトー君だと明かされた。

 

 

「毎年の事だからね、あまり気にしてなかったけど」

 

 

「たぶん主催者側の役員だと思うのー」

 

 

「「キャラ作り、ご苦労さまです」」

 

 

「ノンノン、楽しんでやってるからいいんだカボー」

 

 

「ムリヤリキャラを濃くすんなよ」

 

 

イヴとベスが頭を下げながらそう言うと、マトー君の語尾が若干変わったことにグレイがツッコんだ。

 

 

「ちょっと待ってくださいや。これから始まる競技…どんなモンか知りやしませんがね、いいや……今後全ての競技に関してですがね、どーーーーーう考えても3人いる妖精さんが有利じゃありませんかねぇ」

 

 

「ア?」

 

 

「んだと?」

 

 

突然妖精チームに対してイチャモンをつけてきたナルプディングをグレイとヴィータ、そして声こそ発していないもののジュビアも彼を鋭い目付きで睨む。

 

 

「仕方ありませんよ、決勝に同じギルドが3チーム残るなんてすごい事なんですから。カ…カボ」

 

 

「いいのではないかな」

 

 

するとそこへ彼らを庇護するようにそう言ってきたのは、何とセイバーのルーファスであった。

 

 

「私の記憶が(うた)っているのだ。必ずしも3人いる事が有利ともいえない……と」

 

 

「オラも別に構わねぇだ」

 

 

「アチキもいいと思うよ」

 

 

「アゴの旦那、ここまできて細かい事は言いっこなしにしようぜ」

 

 

「チッ」

 

 

さらにイェーガーとベスとアルナージが賛同するようにそう言うと、旗色が悪くなったナルプディングは舌打ちをしながら引き下がった。

 

 

「さすがだねー、それが王者の余裕ってヤツかい」

 

 

「仲間は君にとっても弱点になりうる。人質・脅迫・情報漏洩、他にもいくつかの不利的状況を構築できるのだよ。記憶しておきたまえ」

 

 

「忘れてなかったらな」

 

 

グレイとルーファスがそんな会話をしていると……

 

 

「フィールドオープン!!! カ…カボ」

 

 

マトー君のそんな掛け声と同時に、闘技場の中心から立体的な魔法陣が出現し……その魔法陣が何かの形を形成していく。

 

 

「何だ!!?」

 

 

「え?」

 

 

「これは…!!?」

 

 

グレイたち3人が驚いている間にも魔法陣は形を成していき……多くの建物や塔などが構築され、段々と巨大な街並みが作り出されていった。

 

 

「ぬおおおっ!!」

 

 

そして最終的には……クロッカスの街並みと比べても遜色ないほど巨大な街が出来上がったのであった。

 

 

「ジュビア!! ヴィータ!! リオン!! 他の奴等はどうした!?」

 

 

グレイは気がつくと1人街の中に佇んでおり、そこに他の参加者の姿はなかった。どうやら街の構築が終わると同時にバラバラに飛ばされたらしい。

 

 

『会場のみなさんは、街の中の様子を魔水晶映像(ラクリマヴィジョン)にてお楽しみください。参加している10名は、互いの様子を知る事ができません』

 

 

実況席のチャパティがそう言うと、観客席に各メンバーの様子が映し出された10の映像が出現した。

 

 

隠密(ヒドゥン)のルールは簡単。互いが鬼であり追われる側なのです。この街の中で互いを見つけ、どんな魔法でもかまいません、一撃与える。ダメージの有無を問わず、攻撃を与えた側が1P獲得』

 

 

チャパティによる説明がそこでひと段落着くと、突然グレイたちのいる街の中に異変が起こる。

 

 

「な…何だこれは……どうなってんだコリャァ!!!!」

 

 

そこへ出現したのは……なんとグレイやジュビアやヴィータを含む10名の参加者と同じ背格好…同じ顔の偽物が大量に現れたのだった。

 

 

「同じ顔がいっぱい!!」

 

 

「うぷ」

 

 

「人酔いしてんじゃないの」

 

 

『これは皆さんのコピーです。間違えてコピーへ攻撃をしてしまった場合、1Pの減点となります。

 

 

さあ!! 消えよ静寂の中に!! 闇夜に潜む黒猫が如く!!!! 隠密(ヒドゥン)──開始!!!!』

 

 

ジャーーーーン!! と開始を告げて鳴り響く銅鑼の音に観客たちが盛り上がる。

 

 

「グ…グ……グレイ様がいっぱい……これだけいるんだから1人くらいジュビアがもらっても…グレイ様~ん♡」

 

 

すると、開始早々に目をハートにしたジュビアがそこらへんにいたグレイのコピーへと抱きつく。だがその時…ブーーーっというブザーが鳴り響く。

 

 

「? きゃうん!!」

 

 

そして次の瞬間、ジュビアの体に電流のような衝撃が流れたかと思うと、彼女の体はその場から消えてしまった。

 

 

『おーっとジュビアがコピーへの攻撃で減点1です。この場合、10秒後に別のエリアからリスタートとなります。また他の魔導士にやられてしまった場合も1P減点され、10秒後に別エリアにてリスタートです。制限時間内であればリスタートは何度でも可能です。制限時間は30分、一番得点を稼いだチームが1位です』

 

 

ジュビア:-1

 

 

「あのバカ」

 

 

「にゃはは…これはちょっとジュビアちゃんには不利かなぁ」

 

 

開始早々からやらかしたジュビアに、妖精Bチームメンバーも呆れていた。

 

 

「この競技…隠れるより見つけるほうが難しいだろ」

 

 

「いやいやいやいや、ルールは早めに理解しておいた方がいいでサー」

 

 

街中を走って他の選手を探すグレイの背後から聞こえてきた不気味な声。

 

 

「! 誰だ!!?」

 

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)、ナルプディング」

 

 

その正体はレイヴンの魔導士であるナルプディングであった。

 

 

「テメェの方からやってくるとはな」

 

 

「ヒヒヒ」

 

 

「見つける手間が省けたぜ!! 氷鎚(アイスハンマー)!!!!」

 

 

目の前に現れたナルプディングを見たグレイは即座に氷のハンマーを造り出し、そのまま勢いよくナルプディングに振り下ろして叩き潰したのであった。

 

 

「これで、ポイントもらえんだろ?」

 

 

しかし聞こえてきたのはブーーーっというブザーであった。

 

 

「何!!? どういう──」

 

 

「ヒヒヒ」

 

 

「!!」

 

 

「残念、それはコピーでサァ」

 

 

なんとグレイが攻撃した目の前のナルプディングはコピーであり、本物はそのコピーの後ろに控えていたのだ。

 

 

「あーーー!!!」

 

 

コピーを攻撃してしまったグレイは減点され、さらに他のエリアへと飛ばされてしまった。

 

 

グレイ:-1

 

 

「(くそー!! やっちまった!!! そうか…そういう事か。自分のコピーをうまく利用して敵に近づく……奴のような作戦も有効だが、もし敵を特定できたら不意打ちも可能。そしてこちらがコピーのふりをしていれば特定される事もない。これが隠密(ヒドゥン))」

 

 

ゲームルールの本質を理解したグレイはさっそくコピーたちの群衆に紛れて街を歩き始める。

 

 

「(どいつが敵だ? どれが人間(ほんもの)だ?)」

 

 

コピーに紛れながら本物の敵を探すグレイ。しかし……

 

 

「グレイさん、見いつけた」

 

 

「ぐはっ!!」

 

 

なんと…完全にコピーに溶け込んでいたにも関わらず、グレイを見つけ出したナルプディングがトゲの生えた腕でグレイを殴り飛ばしたのだった。

 

 

「コイツ……またオレを狙って……」

 

 

「いいカモでサァ」

 

 

グレイ:-2

ナルプディング:+1

 

 

『静かなる激戦が続く第1ゲーム隠密(ヒドゥン)!!!! まずは大鴉の尻尾(レイヴンテイル)、ナルプディングが首位に立った!!!』

 

 

「(チッ……何やってんだよグレイ。けどまぁ、こいつはチャンスだ。あのアゴはまだアタシに気づいてねぇ)」

 

 

その様子をコピーに紛れながら見ていたヴィータはグレイに呆れながらも、それを好機と見て静かにナルプディングへと歩み寄っていき……そのままナルプディングに気づかれる事なく彼の背後へと立った。

 

 

「(今だっ!!!)」

 

 

そして一気にナルプディングへと一撃をかまそうとしたその時……

 

 

「残念」

 

 

「なっ!!?」

 

 

1発の魔法弾がヴィータの背中を直撃した。

 

 

「ヘイヘイヘーイ、どーよこの人ごみの中でも的確に狙い打てるあたしの腕前。そしてアル様颯爽と登場ってね」

 

 

別エリアに飛ばされる寸前にヴィータが見たのは……まるで銃と剣が一体になっているかのような武器を持ったアルナージであった。

 

 

アルナージ:+1

ヴィータ:-1

 

 

「チッ…クショ……」

 

 

そんな彼女を睨みつけながらヴィータは別エリアへと飛ばされていった。

 

 

―凶鳥チーム―

 

 

「あのバカ、悪目立ちしやがって。隠密(ヒドゥン)の意味わかってんのか?」

 

 

「大丈夫だろう。そもそもあいつは隠密行動が得意だからな」

 

 

「そうですよ。それにアルがリアクトして本気を出せば目立つどころか、あんな街1つくらいなら木っ端微塵ですからね」

 

 

アルナージの様子をモニターで見て呆れるヴェイロンに対して、フォローするようにそう言うドゥビルとフォルティスだが、フォルティスが言っている事は中々に恐ろしかった。

 

 

―妖精Cチーム―

 

 

「んー…小さいから有利って思ったんは甘かったなぁ」

 

 

「ですね。この自分やコピーだらけのフィールドで敵……実態を見つけるのは難しいでしょう」

 

 

「相手の魔力を探るなどの方法はあると思うがな」

 

 

「だがそれでもわかるのは大体の方向…特定は困難だろう」

 

 

「僕やザフィーラさんなら、ニオイでわかるんですけどね」

 

 

「うむ」

 

 

妖精Cチームの面々が口々にそう言葉を漏らしている間にも、モニターの向こうではゲームは続いていく。

 

 

「(くそ!! 仕切り直しだ)」

 

 

別エリアに飛ばされたグレイは再びコピーに紛れて敵を探す。

 

 

「ん?」

 

 

すると、突然グレイの足下の地面がモコッと盛り上がり……

 

 

「ニンジンミサイル!!」

 

 

「うおっ!!」

 

 

そこから何本もの巨大なニンジンが飛んできたが、グレイはかろうじてそれらを回避する。

 

 

「あれれ…外しちゃった」

 

 

その魔法を放ったであろうベスが残念そうにそう言うと……

 

 

「きゃああああ!」

 

 

「何だ!?」

 

 

「はっはーっ!! 魔法を使う所を見ていただー!!!」

 

 

その様子を見ていたイェーガーがベスを攻撃して、ポイントを獲得した。

 

 

イェーガー:+1

ベス:-1

 

 

「おごっ!!」

 

 

「オレも見ていたさ」

 

 

「リオン」

 

 

「見つけたぞグレイ」

 

 

そこへ現れたリオンが即座にイェーガーを攻撃し、ポイントを獲得すると同時にグレイを睨みつける。

 

 

リオン:+1

イェーガー:±0

 

 

「グレイ様ーーーー!!!」

 

 

「ジュビア!!!」

 

 

「パ…パンツ!」

 

 

「えい」

 

 

「んがっ!!!」

 

 

そこへさらに建物から飛び降りてきたジュビアが現れ、リオンに一撃を喰らわせたのであった。因みにリオンはその後「眼福…」と呟いて、別エリアへと飛ばされていった。

 

 

リオン:±0

ジュビア±0

 

 

「オイオイ、手助けは無用だぜ」

 

 

「わかってます。ジュビアはあなたに勝ちます。マスターと約束したから」

 

 

「じいさんと約束だぁ?」

 

 

「はい」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

数日前…妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドにて。

 

 

「冗談じゃねえ、そんな見せモンに誰が出るかよ」

 

 

「出るのは構わねーが、Bチームってのが気に入らねえ」

 

 

「せやな~、Cチームっていうのも何かオマケみたいでイヤやわ」

 

 

修行から戻ってきたガジルやラクサスやはやて達は、大魔闘演武に参加するようにマカロフに頼まれるが、本人達は乗り気ではなかった。そこでマカロフはある提案を持ちかけた。

 

 

「じゃあこうしよう。3チームの中で1位のチームが最下位のチームを1日好きにできる」

 

 

「言い方を変えれば、1番戦績の悪かったチームは罰ゲームか」

 

 

「負けたチームを……」

 

 

「好きに……」

 

 

「できる?」

 

 

「ほほう」

 

 

「面白そうね」

 

 

「にゃはは…いいかも」

 

 

「好きにできるって…それって……」

 

 

それを聞いて、先ほどまで渋っていたメンバーやそれ以外のメンバーたちの目の色が変わり、言いなりになったメンバーを想像する。

 

 

ラクサスとノーヴェはナツをパシリにする事を…

 

ガジルはルーシィを自分の歌の踊り子にする事を…

 

ミラジェーンはエルザを自分の召使いにする事を…

 

はやては別チームの女性陣に『色々』する事を…

 

なのははグレイとデートする事を…

 

ジュビアはやたらイケメンのグレイに迫られる姿を…

 

 

それぞれが思い思いの欲望を胸に、B&Cチームとして大魔闘演武に参加する事を決めたのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ふざけんなっ!!!! オイ!! じーさん!!! 聞いてねえぞ!!! そのローカルルール、オレたちのチームにも適用されんだろうな!!!」

 

 

「も……もちろん」

 

 

当然それを聞いたグレイは観客席のマカロフに向かって怒鳴り、そのルールがAチームにも適用されるのか確認を取る。

 

 

「だからジュビアは負けませんよ!!」

 

 

「上等だ!!」

 

 

そう言って戦闘を開始しようとするグレイとジュビアだが……

 

 

「ヒヒヒ、妖精まとめてゲットでサァ!!!!」

 

 

「うあっ!!」

 

 

「きゃああっ!!」

 

 

そこへ割り込んできたナルプディングがグレイとジュビアをまとめて撃破したのだった。

 

 

「あんまチョーシに乗ってんじゃねえぞアゴヤロォ!!!!」

 

 

そこへ現れたヴィータがグラーフアイゼンを構えてナルプディングに殴りかかるが……

 

 

「がっ…!!!」

 

 

そんなヴィータの背中に再び1発の魔法弾が被弾し……それを喰らったヴィータが魔法弾が飛んできた方向へと目を向けると、そこには意地の悪い笑みを浮かべて武器を構えるアルナージの姿があった。

 

 

「またかよ…!!!」

 

 

ヴィータは悔しそうにアルナージを睨みながら別エリアへと転送されていった。

 

 

「あいつ…またグレイを!!」

 

 

「おのれ…」

 

 

「なんやあの人!! ヴィータばっかり狙ってへんか!?」

 

 

「確かに…さっきからレイヴンの男に攻撃するチャンスはあったハズなのに」

 

 

モニターでその光景を見ていた妖精AチームとCチームは憤慨する。

 

 

「! 雪?」

 

 

すると、突然街に雪が降り始める。

 

 

『おーーっと!! これは一体!!? 街の中に雪が降ってきたー!!!』

 

 

『イヴ君ね』

 

 

その雪の原因は雪魔法の使い手である天馬の魔導士……イヴの仕業であった。

 

 

「寒さに強い魔導士が何人かいるのは誤算だったよ」

 

 

だが人は寒ければ震え、口から白い息をもらす。しかし魔法で作られたコピーはそうはならない。

 

 

「見つけたよ。そこっ!!!!」

 

 

「わぁ!!」

「ぬごぉ!!」

「チィ!!」

 

 

それによって本物とコピーを見分けたイヴが一気にベス、イェーガー、ナルプディングへと攻撃を当てていった。

 

 

『ここでイヴが連続ポイントゲットー!!!』

 

 

「悪いがオレに寒さは効かんよ」

 

 

「だよね」

 

 

『しかしそれをすかさずリオンが追撃!!!! 各地で静かなる攻防が続いてます』

 

 

あの手この手で本物とコピーを見分けながら、街の至るところでポイントの争奪戦が行われていく。

 

 

「見いつけたっ」

 

 

「チクショウ!!! このアゴ!!! オレばかり狙いやがって!!!」

 

 

「おチビちゃん見っけ」

 

 

「クソォ!!! 何なんだよこいつ!!!」

 

 

だがその中でもグレイとヴィータはナルプディングとアルナージから執拗に狙われ、思うように行動できないでいた。

 

 

『それにしても、剣咬の虎(セイバートゥース)・ルーファスがまったく動きませんね。未だに誰も倒さず、倒されてもいません』

 

 

「この競技はジミすぎる」

 

 

チャパティの言葉に答えるように、突然聞こえてきたルーファスの声。その声を聞いて会場の全員がその声の出所へと視線を向ける。

 

 

『こ…これは!!?』

 

 

そしてそこには……街で一番高い建物のてっぺんに1人佇んでいるルーファスの姿があった。

 

隠密(ヒドゥン)のゲームに反して、まるで見つけてくださいと言わんばかりのルーファスの行動に全員が驚愕する。

 

 

「私は憶えているのだ、一人一人の鼓動・足音・魔力の質。憶えている、憶えているのだ」

 

 

そう言うと……ついにルーファスが動き始める。

 

 

記憶造形(メモリーメイク)……」

 

 

「造形魔法!!?」

 

 

ルーファスは自身の頭に両手の2本指を添えて、魔法を発動させる。

 

 

 

 

 

「星降ル夜ニ!!!!」

 

 

 

 

 

ルーファスから9つの光が放たれ…その光は確実に実態のグレイたちへと直撃していった。

 

 

「ヒヒヒ……あんたは目立ちすぎでサァ」

 

 

その中でただ1人だけ攻撃を避けていたナルプディングがルーファスへと攻撃を仕掛けるが、その攻撃は当たる事無く彼の体をすり抜けた。

 

 

「しまった、コピーか!!?」

 

 

「安心したまえ、それは私がそこにいた記憶。私に模型(デコイ)は必要ない」

 

 

「うぉおっ!!!」

 

 

ナルプディングが攻撃したのは、ルーファスが造形魔法で造り上げたニセモノであり、それを利用して攻撃を回避したルーファスはナルプディングを返り討ちにした。

 

 

『ぜ…全滅!!!! 一瞬で首位に立った!!!! これがルーファス!!!! これが剣咬の虎(セイバートゥース)!!!!』

 

 

会場の観客たちが一気に盛り上がり歓声が響き渡る。

 

 

「造形魔法だぁ? ふざけやがって隠密ってルールを守りやがれ!!」

 

 

そう言ってグレイはルーファスへと向かって駆け出そうとするが……復活したナルプディングによって妨害され、攻撃を受けてしまった。

 

 

「ぐっ!! また…か!!」

 

 

「ヒヒヒ…」

 

 

「あいつ…姿を晒してる相手より」

 

 

「私たちだけを狙ってるようだな」

 

 

「たち悪いわね」

 

 

姿を晒しているルーファスよりもグレイを率先して狙ってくるナルプディングに、妖精Aチームは歯噛みする。

 

 

そして……

 

 

『ここで終了ーーー!!!』

 

 

30分が経ち、競技が終了した。

 

 

『順位はこのようになりました!!』

 

 

―総合結果―

剣咬の虎→10ポイント

大鴉の尻尾→9ポイント

凶鳥の眷属→8ポイント

蛇姫の鱗→7ポイント

青い天馬→6ポイント

人魚の踵→5ポイント

四つ首の猟犬→4ポイント

妖精の尻尾C→2ポイント

妖精の尻尾B→1ポイント

妖精の尻尾A→0ポイント

 

 

『これは第一競技ですので順位がそのまま暫定総合順位となります。やはり予想通り1位は剣咬の虎(セイバートゥース)でしたね~!!』

 

 

『見事だったねぇ』

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)は3チームとも善戦したのですが、残念な出だしです』

 

 

『次に期待スような』

 

 

競技が終了し、具現されていた街が消えグレイたちは各チームへと戻る中……観客席からの嘲笑が妖精の尻尾(フェアリーテイル)へと向けられる。

 

 

「やっぱ弱ェじゃん妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!」

「万年最下位ーーーっ!!」

「もうおまえらの時代は終わってるよーーーっ!!」

 

 

観客席から聞こえる嘲笑にグレイは奥歯を噛み締める。すると……

 

 

 

「何がおかしいんだコノヤロウ!!!! お?」

 

 

 

ナツが観客席に向かって怒りの形相で怒鳴るが、嘲笑が止む事はなかった。

 

 

「もういい」

 

 

「笑いたい奴には笑わせておけばいいのよ」

 

 

そんなナツをティアナとエルザが宥めるようにそう言う。

 

 

「すまねぇ」

 

 

「大丈夫だよパパ!! まだ最初だもん。これからこれから!!」

 

 

ヴィヴィオが励ますようにそう言うが、グレイは重い足取りで入場口から闘技場を出て行った。

 

 

「(大鴉の尻尾(レイヴンテイル)……造形魔導士……)」

 

 

彼らの顔を思い浮かべたグレイは力任せに近くの壁を殴りつけた。

 

 

 

 

 

「この借りは必ず返す」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ゴメン…はやて……アタシ……」

 

 

一方…妖精Cチームでも、ヴィータが申し訳なさそうな表情で俯いていた。そんなヴィータの頭をはやてが優しく撫でる。

 

 

「うん、お疲れさんやヴィータ。あの状況でよう頑張った。とりあえず2ポイントゲットや」

 

 

「でも……」

 

 

「ヴィータは必死で頑張ってくれた……結果はどうあれ私はそんなヴィータを責めたりせぇへん。せやからヴィータも気にする必要なんかない。次も頑張ろな、ヴィータ♪」

 

 

「はやて……うんっ!!!」

 

 

はやてのそんな優しい言葉に、暗かったヴィータの表情は一変して明るい笑顔へと変わったのであった。

 

 

『続いてバトルパートに入ります。名前を呼ばれた方は速やかに前へ……』

 

 

『組み合わせは主催者側が決めるんだったわね』

 

 

『おもスろそう組み合わせになるといいね』

 

 

『さっそく私の元に対戦表が届いてますよ』

 

 

そしてさっそく、最初の対戦カードが発表された。

 

 

『1日目第1試合! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)C──シグナム・ヤガミ!!!!』

 

 

「さっそくか」

 

 

『vs.凶鳥の眷属(フッケバイン・ファミリー)──サイファー!!!!』

 

 

「フッ…面白い」

 

 

 

 

 

第1試合

シグナムvsサイファー

 

 

 

 

 

果たしてどのような試合になるのか……

 

 

 

 

 

つづく

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