すっげぇグダグダな内容に加えて、最後はかなりの無理矢理感がありますが、どうか暖かい目で見てやってください。
感想お待ちしております。
ナツとエリオが
「おい聞いたか?」
「昨日の事件だろ?」
「何の話?」
「セイバーの泊まってる宿が、何者かに襲われたらしいぜ」
「セイバーにケンカ売ったのか? どこのバカだ」
「知らね。まあ場外乱闘も毎年の事だからな」
「祭なんだ、もっとハデにやれ!」
「「「あはははははは!!!」」」
そしてその話は、事の発端となったユキノの耳にも入っていた。
「(ナツ様…エリオ様……? まさか……ね)」
第182話
『
大魔闘演武3日目・競技パート
『大魔闘演武も早3日目。本日のゲストは、聖王教会よりカリム・グラシアさんにお越し頂いております』
『よろスく』
『よろしくお願いします♪』
チャパティの紹介により、3日目のゲストであるカリムが微笑みながら挨拶をする。
『聖王教会の責任者であると同時に、ベルカの街の自警騎士団団長を務めていられるカリムさん。注目しているギルドはいらっしゃいますか?』
『そうですね…本命は
そうコメントするカリムとは別に……観客席には聖王教会のシスターであり、騎士団副団長であるシャッハ・ヌエラ……そして同じく聖王教会シスターである元ナンバーズのセインの姿があった。
「話には聞いていましたが、本当に帰ってきたんですね……
「あははっ!! 本当に7年前と変わってないや。よかったね、ノーヴェ」
7年前と同じ姿で元気に参加している
◆◇◆◇◆◇◆◇
『3日目の競技は〝
競技名が発表されると、各ギルドでは誰が出場するか話し合いが行われた。
「射的か……なら僕たちのチームから出る人は決まったようなモノだね」
「ああ、ここはオレの出番だな。射的なら任せとけ」
「確かに、ここはヴァイスさんが適任だね」
「任せたぜヴァイス」
「がんばれお兄ちゃん!!!」
「おうよっ!!」
「出撃」
「おぉっ…ウチのギルドのお姫様の出番かい?」
「がんばれよメイア」
「魂はいつでも…ワイルドォ~~」
「「「フォーーー!!!!」」」
「……………」
「ん~昨日はお姉ちゃんが活躍したし、今日は私の出番かなん♪」
「許可する」
「ファイトですよ!! キリエ!!!」
「キリエちゃんなら楽勝だよ!!」
「キリエなめちゃいけないよ」
「トーマ、お前が行け。この競技は勝てなくてもいい」
「はい……」
「このチームで射的といえばあたしだろ!! 別にいいよな?」
「ああ、行ってこいアル」
「その代わりリアクトは禁止ですよ」
「ええぇ~」
「オレが行く。全員まとめて黒雷のチリにしてやる」
「どのような競技かもわからぬというのにか?」
「フフ」
「(勝手にやってろよ。ナツ・ドラグニルが出てこねえんじゃどうでもいいさ)」
「………………」
「ローグさん? 顔色が優れないようですが……」
「いや……何でもない」
「私が行こう。射的ならば自信がある」
「チンクなら大丈夫だね!」
「ウム」
「任せたぞ」
「くつ下…」
「新しいの買えよ」
「任せたで、ユーノ君」
「えっ!? 僕!!? ここはクロノとかの方がいいんじゃ……」
「四の五の言わずに行って来い。貴重なリザーブ枠を使ってお前を加えたんだ。少しくらい役に立てフェレットもどき」
「……あとで覚えとけよ腹黒」
「つーか、何でユーノがいるんだっけ?」
「聞いてなかったのか? 先日のバッカスとの戦いで負傷し、シャマルからドクターストップがかかったザフィーラに替わって、スクライアがリザーブ枠として加わったのだ」
「Bチームからは私が行くね!!」
「射的なら、なのはの十八番ね」
「がんばってください!! なのはさん!!」
「私が行くわ」
「ま、適任じゃねーの?」
「だね♪」
「任せたぞティアナ」
「がんばってね!!」
「ファイトです、ティアナさん!!」
そして最後に
「ティア」
「!」
「勝てよ」
「……バーカ。言われなくても勝ってくるわよ」
ナツの短いエールに対し、ティアナは素っ気無く返事をしながらも、その顔には小さな笑みが浮かんでいたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「昨日は休暇の為、失礼しました。それでは〝
各ギルドからの参加者が闘技場に集結したのを見計らって、先日は休暇という名目でいなかったマトー君が競技の説明を始める。
「
「ターゲット?」
「これです」
オルガの疑問にそう説明すると同時に、マトー君のすぐ横に小さな魔法陣のような円形のターゲットが出現する。
「皆さんには順番に競技に挑戦していただき、破壊したターゲットの数で順位を決めていただきますカボ」
「だが、
「その通りです。こちらをご覧ください」
マトー君はチンクの問い掛けに答えながら、闘技場の中心を指す。するとそこには、いつの間にか小さな円柱形の台座が設置されていた。
「競技にはこの台に乗って挑戦していただくカボ」
「ずいぶん小さな台ね。これじゃあ近距離系の魔法は使えないわ」
キリエの言うとおり、台座の大きさは直系で2メートルもなく、かなり動きが制限されてしまう。
「この台に乗って競技を開始しますと、この台を中心にして闘技場全体にターゲットが出現します。そのターゲットを制限時間の1分以内に出来るだけ多く破壊し、1分が経過すればその時点で競技は終了。破壊したターゲットの数がそのまま得点になり、その得点で順位が決まるカボ」
「1分か……短いな」
「因みに……もし制限時間内に両足が台座から離れた場合、その時点で強制終了とさせてもらうカボ」
「両足が離れたらって……じゃあもし台座の上で飛んで、そのまま台座の上に着地したとしても……」
「その場合でも強制終了カボ」
「まぁ、射的で飛んだり跳ねたりするって事ァまず無いからな」
なのはの質問にそう答えたマトー君の言葉に、納得の声を口にするヴァイス。
「尚、観客席には特殊なバリアを張っておりますので、観客の皆さまに流れ弾が当たる事はありません。ご安心くださいカボ」
マトー君の補足説明に、観客席の人たちは少しホッとする。
「台座を中心に闘技場全体……となると、闘技場のいたるところにターゲットが出現するという事か」
「あの狭い足場で、左右前後に気を配りながら立ち回るのは難しそうね」
「制限時間もたった1分しかないしね、結構焦ると思うよ」
「単純そうに見えて、中々難しい競技ですね」
「それでは皆さん、順番を決めるクジを引いてください」
どうやら挑戦の順番はクジで決めるらしく、マトー君が差し出したクジ箱から参加者たちはクジを引いていく。
そして順番はこのようになった。
1番:ユーノ
2番:ヴァイス
3番:アルナージ
4番:メイア
5番:トーマ
6番:オルガ
7番:なのは
8番:チンク
9番:キリエ
10番:ティアナ
「1番……いきなりか。ま、やるしかないか」
クジの結果、まずはトップバッターとなったユーノが中央の台座の上に立つ。
「それでは
マトー君が開始宣言をすると同時に……闘技場全体にいくつもの魔法陣型のターゲットが出現する。
「シュートバレット!!!!」
それを確認したユーノは即座に2発の翡翠色の魔法弾を作り出し、手始めに目の前にあったターゲットに目掛けて発射し、ターゲットを撃ち抜く。
「まだまだ!!」
さらに休む事無く同じように魔法弾を作り出し、生成した端から魔法弾を放っていき、次々と的を破壊していく。そしてユーノがターゲットを破壊する度に、また新たなターゲットが出現する……これの繰り返しである。
『ユーノ選手、なかなか順調そうです!!』
『魔力のコントロールがとても上手いね。魔法弾の生成に無駄がない』
『これだけでも、魔導士としての技量が伺えますね』
実況席の3人がそう評価の言葉を口にしている間にも、ユーノはターゲットを撃ち抜いていく。そして……
『ここでタイムアップ!!!』
「ふう…」
制限時間の1分が経過し、競技が終了したユーノは小さく一息つく。そして台座を降りて戻っていくユーノに、なのはが声をかける。
「お疲れ、ユーノ君。どうだった?」
「ありがとう、なのは。手応えはあり…かな?」
『さあ、ユーノ選手の得点は……』
そしてしばらくすると……
『25点!!! これはまずまずの得点ではないですかね、ヤジマさん?』
『ウム』
『ですがまだ1人目……次の方がこれを越えられるのか見物ですね』
『続いては、
ユーノと入れ替りで台座に立ったのは、狙撃銃型の魔法銃……ストームレイダーを肩に担いだヴァイスであった。
するとその様子を見ていた天馬チームのヒビキが、ポツリと声を漏らす。
「これは少しヴァイスには不利かもね」
「何でだよ? ヴァイスの狙撃の腕はギルド1だぜ」
「狙撃ならね。でもこの競技は狙いの正確さだけじゃなく、連射性も重要になってくる」
「確かにそう言われると、お兄ちゃんはスナイピングに関しては一級品だけど、連射性に関してはなんとも言えないよね」
「なるほどね。だったら、ヴァイスさんには少し厳しそうだね」
「そんな事はないさ」
「「「先生!!!」」」
疑問符を浮かべているレンにヒビキがそう説明すると、ラグナとイヴが納得したようにそう言葉を口にする。するとそこへ、リザーブ枠で再びジェニーと交代した一夜がやってくる。
「ヴァイスはギルドの中でも私と同等の実力を持っている。その程度のハンデなど、彼はものともしない」
天馬チームの陣営でそんなやり取りが行われている間に……ヴァイスの競技が終了した。
その得点は──『13』
『ヴァイス選手の得点は13点!! ユーノ選手には届きませんでした』
「いやーやっぱ連射できねーと厳しいなコレ」
「思いっきりハンデの影響受けてんじゃねーか」
「お兄ちゃんったら……」
「メェーン」
『続いて
「アタシはこういうチマチマしたもんじゃなくて、思いっきりぶっ放す方が得意なんだよチクショーめ」
アルナージは本来の力を発揮できず、残念ながら8ポイント止まりであった。
『お次は
続いて台座の上に降り立ったのはパピーチームの紅一点であるメイア。すでに彼女の両手には、重厚な魔導銃が握られていた。
「撃墜」
そして開始と同時にズドドドドドドッ!!!!っと激しい音を立てながら銃を乱射し、ターゲットを次々と破壊していく。
『こ…これは凄まじい!! 息もつかせない弾幕の嵐でターゲットを次々と撃ち抜いていく!!!』
『あの重量の武器を片手で軽々と扱うとはのう』
『彼女は確か……いえ、何でもありません』
それから1分が経過し、メイアの競技が終了する。そして
『52点!! メイア選手、ユーノ選手の2倍の得点を叩き出して暫定1位に踊りでた!!!』
「ワイルドォ~~!!」
「「「フォーー!!!!」」」
メイアが高得点を叩き出した事により、観客席(主にパピーの陣営)が大いに盛り上がる。
『続いては
「………………」
自分の番が回ってきたにも関わらず、相変わらず覇気のない冷めた表情で台座に上がる少年…トーマ。
『さあ!! 競技開始です!!!』
そしてチャパティが競技開始を告げると同時にトーマは──
──その場でトンッっと軽く
『えっ!!?』
「「「!!?」」」
そんな思いがけないトーマの行動に、会場にいた全員が目を丸くする。
「オレの競技……これで終了だよね?」
「え? あ…はい!! トーマ選手の両足が台座から離れた為、競技を強制終了!! トーマ選手の得点は0となりますカボ!!!」
そしてトーマはマトー君に競技の終了を確認すると、そのまま戻っていった。
「何やってんだよトーマ!! 何であんなマネを!!!」
「黙れフレア。奴の魔法はこんな競技で見せていいものではない」
「ある意味我らの秘密兵器でサー」
「くくく」
「……………」
そんなトーマの様子を、フレアとリリィ以外のメンバーは不気味に笑いながら眺めていたのであった。
「現在の暫定順位はこのようになってますカボ」
半数が競技を終了した事で、マトー君が現在の暫定順位を表示する。
1位:メイア 52点
2位:ユーノ 25点
3位:ヴァイス 13点
4位:アルナージ 8点
5位:トーマ 0点
「首位…独走…」
その中で暫定1位であるメイアがそう呟きながら、得意気に小さく笑う。
「そいつはどうかな」
だがその笑みは、この男の登場により消え去った。
『ここでオルガ登場ーーー!!! すごい歓声です!!!』
次に台座に立ったのは
そしてオルガは競技を開始すると、自身の両手にバチバチと音を立てて黒い雷を帯電する。
「黒雷砲・乱れ撃ち!!!!」
すると次の瞬間……オルガの両手から黒雷の弾丸が無差別に何発も放たれていく。しかも乱れ撃ちにも関わらず、その弾丸は的確にターゲットを破壊していく。
そして1分が経過し、オルガの競技が終了すると……
その得点は──『72』
『な…72点……!!!』
「♪最強最強ナンバー1!!!!」
「う…歌はもういいですカボ」
先ほどのメイアの得点など軽々と超える得点を叩き出したオルガ。会場にはオルガの歌と再び盛大な歓声が響き渡る。
『さあ…それに対するは
「にゃははは、72点か~。そんな得点出されたら、私も本気を出さないといけないね」
そう言って台座に立つなのはは、笑みを浮かべながらレイジングハートを構える。
「アクセルシューター」
そして小さくそう呟いた瞬間……なのはの周囲に桜色の魔力で生成された十数発もの魔法弾が浮かび上がる。
『んなっ!? こ…これは!!?』
「シューーット!!!!」
チャパティが驚愕の声を上げている間に、なのははそれらの魔法弾を一斉にターゲットへと目掛けて放った。
なのはが放った魔法弾は正確にターゲットを貫き、破壊する。だが彼女の攻撃はこれで終わりではない。何とターゲットを破壊した魔法弾は消滅する事なく、そのまま縦横無尽に闘技場中を飛び回り、新しく出現したターゲットをも破壊していく。
そんな光景が1分間続き……競技が終了したのち
「は…?」
『は…87点!!! またも記録更新です!!!!』
『あの数の魔法弾を一度に生成、そスてそれらを完璧に制御スておる。熟練の魔導士でも難しい事を平然とやってのけておる辺り、流石だね』
『エース・オブ・エースの名は伊達ではありませんね』
なのはが叩き出した高得点に唖然とするオルガと、賞賛の言葉を口にする実況席の3人。
「スゲーーー!!!」
「この3ヶ月で、また1つ精度を上げたな」
「あいつは昔っから負けず嫌いだしな」
「さっすがママ♪」
実況席だけではなく、本来は敵チーム同士であるハズの妖精Aチームの面々も彼女に賞賛の言葉を送った。
『さあ続いては、
「チンクなら大丈夫だよね?」
「心配いらないわよ、チンクなら」
「ああ。あいつがギルドで過ごした時間こそ短いが……チンクは間違いなく、みんなが認めるラミア最強のメンバーの1人だからな」
心配そうな声を漏らすシェリアにギンガとリオンが確信を持って強くそう言い放つ。
そしてそんな会話をしている間に、チンクの競技が開始された。
「スティンガー!!!」
開始と同時にチンクがそう叫ぶと、彼女の周囲にナイフ型の武器である〝スティンガー〟が大量に出現し、まるで円を描くように回りながらチンクの周りを浮遊する。
「何アレ!?」
「ナイフが……舞ってる?」
「まるで私の天輪の鎧だな」
その光景を見て、ルーシィとウェンディとエルザが思わずそう言葉を口にする。
「行けっ!!!」
チンクの号令と共に彼女の周囲を浮遊していたスティンガーが一斉に真っ直ぐとターゲットへと向かって飛んでいく。そしてそれらがシュカカカカ!!!っとターゲットに突き刺さる。だがチンクの攻撃はこれで終わりではない。
「爆ぜろ!!! ランブルデトネイター!!!!」
次の瞬間……この7年でISから魔法へと昇華させたチンクの金属を爆発させる魔法〝ランブルデトネイター〟が発動し、発生した爆炎が一気に全てのターゲットを飲み込んだのであった。
「まだだっ!!!」
だがチンクは手を休めることは無く、さらにスティンガーを展開して新たに出現したターゲットに投擲して命中させては、周囲のターゲットごと爆発させて破壊していった。
それからしばらく爆発音が鳴り響き……制限時間の1分が経過するのと爆音が止むのはほぼ同時であった。
そして
『89点!!! 僅かながらナノハ選手を上回ったァ!!!』
『これは驚きですね』
チンクがなのはと同じ点数を叩き出した事に、会場は騒然としたあと、再び大歓声に包まれた。
そして競技を終えて戻ってきたチンクに、なのはが声をかける。
「すごいねチンク。私もまだまだだな~」
「7年もブランクがある方に、たった3ヶ月で追い抜かれては立つ瀬がありませんからな」
「にゃはは♪ 競技では負けちゃったけど、大会では負けないからね」
「望むところです」
そう言って互いの視線を交差させながら笑いあう2人。すると……
「あら~? まるでもう競技が終わったみたいな言い方するのね」
そこへ横から口を挟んでそう言ったのは、次の挑戦者であるキリエであった。
「残念だけどこの競技も大会もモノにするのは、私たち
そう言い放つと、闘技場の台座へと向かって歩いて行った。
『次の挑戦者は
『これは期待できるねぇ』
『先ほどのお2人の得点を超えられますかね?』
『それでは、競技開始です!!!』
チャパティがそう開始宣言をすると同時に、キリエはアミタとは色違いでピンク色の装飾をしたヴァリアントザッパーを構える。
「ラピッドトリガー!!!!」
そして……ほんの一瞬のうちに銃口から十数発もの魔法弾を連射し、瞬く間に多くのターゲットを破壊した。
「早いっ!!?」
キリエの早撃ちにエルザは驚愕のあまり思わずそう叫ぶ。
『は…早い!!! 何という早撃ち!!! ヤジマさん、これは……!!?』
『ウム…これまでの選手の誰よりも早く、誰よりも正確な狙撃……こりゃもスかすると……』
ヤジマがそう評価しているその間にも、キリエは次々と一瞬で多くのターゲットを破壊していく。
「みゃー、やっぱりキリエちゃん凄いねー!!」
「当然です!! なんてったって私の自慢の妹なんですから!!!」
「アミタはキリエが褒められると本当に嬉しそうだねぇ」
「姉バカなめちゃいけないねぇ」
そしてマーメイドの面々がそんな会話をしている間に、1分が経過してキリエの競技が終了した。
『ここでキリエの競技が終了!!! 果たして得点は……』
会場全体がシン…となって、
そして
『ひ…100点!!! 何と100点です!!! ナノハとチンクの記録を超えたーーー!!!!』
『見事とスか言いようがないねぇ』
とんでもない得点にチャパティとヤジマは驚嘆し、会場中のテンションが一気にヒートアップする。
「んー♪ こんなもんかしら♡」
競技を終えたキリエは余裕綽々といった様子で台座を降りて戻っていく。
「マーメイドのフローリアン姉妹か」
「姉妹揃ってとんでもねーなありゃ」
「ティアナ…大丈夫かな?」
「100点ですもんね」
「うーん…1分以内に100点以上は厳しいんじゃないかな~」
エルザとグレイが驚嘆の声を漏らし、ルーシィとウェンディとヴィヴィオが不安そうな声を漏らす。
「大丈夫だろ」
するとそんな中、ただ1人ナツだけが落ち着いた様子でそう言い放った。
「何でそう言い切れるのよ?」
「もしかして、ティアナさんには何か秘策があるんですか?」
「知らねーよ。けど──」
ルーシィとウェンディの疑問に答えながら、ナツは一旦そこで言葉を区切ると……
「ティアが勝ってくるって言ったんだ。ならあいつは──絶対に勝つ!!!」
口角をニッと吊り上げ、どこか確信めいた笑みを浮かべながらそう言い放ったのであった。
『最後の挑戦者は
『こりゃ少し厳しいかもねぇ』
『確かにキリエさんの得点は驚異的でしたからね。精神的にもかなりのプレッシャーがかかっていると思います』
「……………」
マイク越しに聞こえてくる実況席からの言葉を耳にしながら、ティアナは静かに台座へと向かって歩き出す。その途中で、戻ってきたキリエとすれ違う。
「ねえ、ツインテちゃんも双銃使いなんでしょ?」
「?」
するとその際に、キリエに声をかけられ、ティアナは立ち止まって彼女へと視線を向けて訝しげな表情を浮かべる。
「それが何よ?」
「別に? 同じ武器、同じ魔法の使い手として、あなたは私の記録を超えられるのかな~って思って」
まるでイタズラっ子のような笑顔を浮かべながらそう問い掛けるキリエに対し、ティアナは小さく嘆息しながら口を開く。
「無理でしょうね。今の私がどれだけ全力を尽くしても、80~90の間が限界ってトコかしら」
「あら? ずいぶんと弱気なのね」
「事実ですもの」
「ふーん……最初から負けるつもりだなんて、ちょっとガッカリ」
そう言って少々落胆したような表情を見せるキリエ。
「誰が負けるつもりだなんて言ったのよ?」
「……はい?」
だが次にティアナの言い放った言葉に、キリエは目を丸くして疑問符を浮かべる。
「私は負けるつもりなんて毛頭ないわ。チームやギルドのみんなの為にも、私は負ける訳にはいかない。それに何より──あのバカに勝つって言っちゃったからね」
言葉の最後の部分で、どこか苦笑気味に小さく笑うティアナ。
「勝つって言ったからには絶対に勝つ。その為なら──限界なんていくらでも超えてやるわ」
最後にそう言い放ち、唖然とするキリエに背を向けて、ティアナは再び中央の台座へと向かって歩き出したのであった。
そしてこの時に彼女が言い放った言葉は……間もなく現実となった。
琥珀色の魔力で輝く無数の弾丸を操りながら引き金を引き……的を撃ち抜き……己の限界を超えんとするその姿はまるで──数多の星々と共に舞う妖精のように幻想的であった。
その幻想的な光景に会場中の人々が息を呑み……ほんの1分という短い時間がまるで永遠のように感じられるほどに魅了されていった。
そして永遠に感じられていた幻想は終わりを告げ……我に戻った者たちの目に映ったのは、汗だくの姿で台座の上に静かに佇むティアナと──
──
『こ…こ…越えたーーーー!!!!
その瞬間……大気を震わせる程の本日最高の大歓声が会場中に響き渡ったのであった。
つづく
―射的結果―
1位:妖精の尻尾A→10ポイント
2位:人魚の鱗→9ポイント
3位:蛇姫の鱗→8ポイント
4位:妖精の尻尾B→7ポイント
5位:剣咬の虎→6ポイント
6位:四つ首の仔犬→5ポイント
7位:妖精の尻尾C→4ポイント
8位:青い天馬→2ポイント
9位:凶鳥の眷属→1ポイント
10位:大鴉の尻尾→0ポイント
―3日目途中経過―
大鴉の尻尾:38P
凶鳥の眷属:27P
蛇姫の鱗:31P
人魚の踵:31P
剣咬の虎:26P
青い天馬:23P
妖精の尻尾A:22P
妖精の尻尾C:20P
妖精の尻尾B:19P
四つ首の仔犬:19P