LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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お久しぶりです。

就活で忙しかったのと、中々文章が思い浮かばずに執筆が難航してしまったので、だいぶ間を空けてしまいました。申し訳ございません。

今回はサブタイでお分かりの通り、奴の出番です。

色々詰め込んだのでいつもより少々長めとなっておりますが、ご了承ください。


感想お待ちしております。


黒騎士

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい……引き分けでしたぁ」

 

 

「謝る必要なんてないわよ」

 

 

「ああ、気にするな。いい試合だったぞヴィヴィオ」

 

 

「そうよ!! 逆にヴィヴィオがあんなに強くなってて、あたしビックリしちゃった!!」

 

 

「お疲れ様、ヴィヴィオちゃん」

 

 

「タッグバトルなのになんもしてねーグレイよりマシだって。つーかマジで何しに行ったんだお前?」

 

 

「うっせェ!!!!」

 

 

先ほどの青い天馬(ブルーペガサス)とのタッグバトルで激戦の末、引き分けだったことを謝罪するヴィヴィオだが、ナツやエルザたちはヴィヴィオの健闘を称えたのであった。

 

 

「それよりも次の試合だ。敵の視察も勝利への鍵だとポーリュシカさんも言っていただろう?」

 

 

「はい!!」

 

 

そんなエルザの言葉にヴィヴィオは表情を明るくして強く頷き、闘技場へと視線を移して次に始まる試合の観戦に集中したのであった。

 

 

『さあ!!! 会場の興奮が冷め遣らぬうちに、第3試合へと参りましょう!!!』

 

 

それからしばらくして、続く第3試合の組み合わせがチャパティの口から発表された。

 

 

第3試合

人魚の踵(マーメイドヒール)

リズリー&ベス!!!!

 

  VS.

 

剣咬の虎(セイバートゥース)

ゼスト&ミネルバ!!!!

 

 

「ゼストだと!!!?」

 

 

「アイツは確か…ファントムの魔導士だった……!!!」

 

 

かつてファントムとの抗争の際にエルザと戦った槍使いの魔導士ゼスト。そのゼストが剣咬の虎(セイバートゥース)として出場していた事に、エルザたちは驚きを隠せない。

 

 

「お知り合いですか?」

 

 

すると、メンバーの中でゼストの事を知らないウェンディがそう問い掛けると、エルザが静かに口を開いて答えた。

 

 

「奴の名はゼスト・グランガイツ……又の名を〝鬼神・ゼスト〟。ガジルやジュビア…ルーテシアやアギトと同じく、かつては幽鬼の支配者(ファントムロード)に所属していた魔導士で、その実力はファントム最強と…ガジルと並び称されていた男だ。抗争が終わった後、1人武者修行の旅に出たとアギトから聞いていたが……まさか剣咬の虎(セイバートゥース)に所属していようとは……」

 

 

メンバーの中で唯一ゼストとまともに戦った事があるエルザは彼の実力を思い返し、一筋の冷や汗を滴らせながらそう説明する。

 

 

もちろん……驚いているのは妖精Aチームだけではない。

 

 

「そんな……ゼストおじ様……」

 

 

「(おじ様!!?)」

 

 

妖精Bチームにいるジュビアも、かつては同じファントムに所属していたゼストの登場に驚きを隠せないでいた。因みにその隣りでは、なのはがジュビアのゼストに対する敬称に内心で驚いていた。

 

 

「……ギヒッ」

 

 

そんな中でただ1人……ガジルだけは闘技場に立つゼストを見据えながら、小さな笑みを浮かべていたのだった。

 

 

そして視点は闘技場へと戻り……その中央ではすでに両チームから選出されたメンバーがスタンバイしていた。

 

 

「マーメイドなめちゃいけないよ」

 

 

「アチキもがんばる!!」

 

 

そう言って意気揚々と目の前のゼストとミネルバを見据えるリズリーとベス。

 

 

「フン…たかが小娘共など、妾が相手をするまでもない。そうであろう? ゼスト」

 

 

「ああ、お前は下がっていろミネルバ。オレ1人で十分だ」

 

 

「妾の事はお嬢と呼べ」

 

 

ミネルバの言葉にそう答えると、ゼストは槍を片手に彼女より1歩前へと出る。

 

 

「あまり時間をかけるでないぞ? 圧倒的な力でねじ伏せてこそ最強ギルドだ」

 

 

「最強などに興味ないが、わかっている。問題ない──1分あれば十分だ」

 

 

そう言い放つと同時に……試合開始の銅鑼が鳴り響いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第184話

『黒騎士』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその試合は……すぐに終わりを告げた。

 

 

『し…試合……終了……!!!』

 

 

チャパティの愕然としたマイク越しの声が、シンっとした会場に静かに響き渡る。そして目の前の闘技場では地面に倒れ、戦闘不能となっているリズリーとベス……そして悠然と佇む無傷のゼストの姿があった。

 

 

『試合開始から僅か30秒!!! ゼストがリズリーとベスを瞬殺ーーー!!! 強い!!! 強すぎるーーー!!!!』

 

 

我を取り戻したかのようなチャパティの大声の実況に、遅れて観客たちも歓声が上がる。

 

 

「つ…強ェ……」

 

 

「セイバーにはまだこんな人がいたんだね」

 

 

「確かエルザさんは戦った事あるんですよね?」

 

 

「ああ……私が戦った7年前より遥かに強くなっている……今の私でも敵うかどうか」

 

 

「ひえー……」

 

 

「あわわ……」

 

 

「スゲェーーー!!! オレあのオッサンと戦いてぇーー!!!」

 

 

圧倒的なゼストの戦いを見て、上からグレイ・ヴィヴィオ・ティアナ・エルザ・ルーシィ・ウェンディ・ナツがそう言葉を口にする。

 

 

「よくやった。それでこそ最強ギルドの一員というものだ」

 

 

「言ったハズだミネルバ。オレは最強などに興味はない。オレただ……さらなる高みを目指すのみ」

 

 

「その心意気は立派だが、妾も言ったハズだぞゼスト。妾の事はお嬢と呼ぶがよい」

 

 

そんな会話をしながら闘技場から退場していくゼストとミネルバ。

 

 

だがその途中で……ゼストは足を止めて控え室等にいるある男へと視線を向ける。

 

 

「!」

 

 

そんなゼストの視線の先にいる男……ガジルはその視線に気がつき、静かに眉をひそめる。

 

 

「……フッ」

 

 

そしてゼストはそんなガジルに向かって、どこか挑発めいた笑みを零し……今度こそ闘技場を退場していった。

 

 

「……あの野郎」

 

 

その笑みを見たガジルは……2日目の夜に、彼と再会した時の事を思い出していた。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

時は少々遡り……大魔闘演武2日目・夜。

 

 

クロッカスにある広場では……ガジルとルーテシアとアギトの3人が、再会したゼストと向き合っていた。

 

 

「だ…旦那……旦那ーーーっ!!!!」

 

 

「相変わらず元気だな、アギト」

 

 

感極まったように目尻に涙を溜めながら飛びついてくるアギトを、優しい笑みを浮かべながら受け止めるゼスト。

 

 

「ゼスト」

 

 

「ルーテシア、お前も変わらないな」

 

 

「そうでもない。また会えて、嬉しい」

 

 

「そうか」

 

 

いつもは無表情のルーテシアも、ゼストと再会した事によってどこか表情が明るく感じられる。それに気がついたゼストも、嬉しそうに笑みを零した。

 

 

「嫌々だった割には、ちゃんと2人の面倒を見ていてくれたようだな…ガジル」

 

 

「うるせーよ。それよりオレたちに何の用だ? まさか天下の剣咬の虎(セイバートゥース)の魔導士様が闇討ちしに来た……って訳でもねーんだろ?」

 

 

「心外だな。7年もの間行方不明になっていた友人に、理由もなく会いにきてはダメなのか」

 

 

「テメェがそんなガラかよ」

 

 

「フッ…それもそうだ」

 

 

ガジルとゼストがそんな会話をしていると、今までゼストに抱きついていたアギトが思い出したように大声でゼストに問い掛ける。

 

 

「そうだよ!! 何で旦那が剣咬の虎(セイバートゥース)にいるんだよ!!? どうせ入るんなら妖精の尻尾(アタシらのギルド)に来れば大歓迎だったのに!!!」

 

 

「それでは意味がない」

 

 

「意味?」

 

 

アギトの問いに対してそう答えたゼストの言葉に、小首を傾げるルーテシア。

 

 

「オレが剣咬の虎(セイバートゥース)に入った理由は2つある。1つは旅の途中で偶然出会ったマスタージエンマにスカウトされた事。そしてもう1つは……お前たち妖精の尻尾(フェアリーテイル)ともう1度戦う為だ」

 

 

「あ?」

 

 

「オレはこの7年間で己を徹底的に鍛え直した。そして最強と名高いセイバーに身を置き、さらなる研磨を重ねた」

 

 

そう言い放ったゼストの言葉を、ガジルは訝しげに片眉を吊り上げながら聞いている。

 

 

「オレは最強の称号などに興味はない……が、1度敗れた相手に負けたままでいるほど、大人しいつもりもない。オレは剣咬の虎(セイバートゥース)の一員として、主力メンバーのいる妖精の尻尾(フェアリーテイル)を倒し、さらなる高みへと昇る。たとえその相手がお前であろうとも──容赦はせんぞ……ガジル」

 

 

そしてゼストは口元に笑みを浮かべながらも、鋭い眼光でガジルを見据えながらそう言い放つ。

 

 

「……とは言ったものの、この大会中にお前と戦うのは難しそうだがな」

 

 

「どういう意味だ?」

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)には、オレよりもお前と因縁深い相手がいるという事だ」

 

 

「……あのローグとかいう滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)か」

 

 

ゼストの言葉を聞いてガジルの頭に浮かんだのは、大会1日目に自分を睨むように見据えていたローグの顔であった。

 

 

「そうだ。ガジルは自分の獲物だから手を出すな…と釘を刺されたほどだ」

 

 

「んー…そういやあのローグって奴、どっかで見た事ある気がするんだよなぁ。ルールーは知ってるか?」

 

 

「知らない」

 

 

どこかでローグと会った事あるのか、そう言って頭を悩ませるアギトだが、中々思い出せずにいた。

 

 

「何にせよ…オレは剣咬の虎(セイバートゥース)の一員としても、1人の魔導士としても、妖精の尻尾(おまえたち)に勝つ。それだけはよく覚えておけ」

 

 

そして最後にそう言い残して……ゼストはその場から静かに去っていったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ギヒヒッ……望む所だ」

 

 

昨夜の事を思い出しながらそう呟いたガジルの言葉は、誰の耳に届く事無く会場中の歓声の中へと消えていった。

 

 

因みに妖精の尻尾(フェアリーテイル)の応援席では……

 

 

「あの男がゼスト……話に聞いていたお前やガジルたちの元同僚か?」

 

 

「うん」

 

 

「なるほど……少し見ただけでも、かなりの槍の使い手だとわかる。しかもあれで全力ではないか……」

 

 

ガジルの相棒であるリリーが、ルーテシアに問い掛けながら、まるで見定めるような視線でゼストを見据えていた。そしてその隣りでは、アギトが腕を組んで何かを考え込んでいた。

 

 

「うーん……旦那には負けて欲しくねーけど、ギルドの一員として妖精の尻尾(フェアリーテイル)にも負けて欲しくねぇ……くっそー!! なぁルールー、リリー、どっちを応援すりゃいいと思う!!?」

 

 

「……でも、ガジルなら負けない」

 

 

「フッ……そうだな」

 

 

「無視っ!!?」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

『さあ!! 続いて第4試合へと参りましょう!!!』

 

 

先ほどまでの試合の歓声が未だに鳴り止まぬ中、チャパティが次の対戦カードを発表する。

 

 

『まずは大鴉の尻尾(レイヴンテイル)から──トーマ&リリィ!!!』

 

 

最初に名を呼ばれたのは先ほどの競技パートにも出場していた大鴉の尻尾(レイヴンテイル)のトーマと、どこか儚げな雰囲気を持つ少女…リリィであった。

 

 

『対するは……妖精の尻尾(フェアリーテイル)C──クロノ&ユーノ!!!』

 

 

それに続いて名を呼ばれたのは……妖精Cチーム唯一S級魔導士であるクロノと、リザーブ枠を使ってチーム入りをしているユーノであった。

 

 

『先ほどの競技パートで即失格となったトーマと、今大会で出場記録のないリリィの実力は未だに未知数。それに対するクロノとユーノの実力は、いかがなものでしょうか? ヤジマさん』

 

 

『ワスはこの2人の事は昔からよく()っておる。2人ともとても優秀な魔導士じゃ。いい試合が期待できると思うよ』

 

 

『それは楽しみですね!』

 

 

実況席の3人がそんな雑談のような会話をしている間に、闘技場では対戦する4人が集まっていた。

 

 

「まさかお前と組んで戦う事になるとはな。あまり僕の足を引っ張るなよ」

 

 

「誰に向かって言ってるのさ。僕だってちゃんと修行はしたんだ、その成果を見せてあげるよ」

 

 

「フェレットもどきの修行の成果なんて、たかが知れてると思うけどな」

 

 

「いちいち悪態をつかないと会話できないのか腹黒。何だったらまずはお前から倒してやってもいいんだよ?」

 

 

「ほう? 面白い冗談を言うようになったな軟弱フェレットが。やれるものならやってみろ、返り討ちにしてやる」

 

 

「上等じゃないか真っ黒クロスケ」

 

 

そう言って試合が始まる前からお互いに嫌悪感をむき出しにして睨み合いながら罵り合うクロノとユーノの2人。

 

 

「ちょっ…あの2人始まる前からケンカしてるんですけど!!?」

 

 

「だ…大丈夫なんでしょうか?」

 

 

「心配いらん、いつもの事だ」

 

 

その光景を見て不安に駆られるルーシィとウェンディに対し、エルザは冷静に言い放つ。

 

 

「でも!! あんなに仲悪くてコンビネーションとか大丈夫なの!?」

 

 

「ん? あぁそうか、そう言えばルーシィやウェンディにヴィヴィオはあの2人が一緒に戦う所を見た事がなかったな」

 

 

「え?」

 

 

「ならばよく見ているといい。そんな心配はすぐに杞憂だったと思うハズだ」

 

 

エルザのそんな言葉にルーシィとウェンディとヴィヴィオの3人は揃って頭に疑問符を浮かべながら、闘技場へと視線を戻す。

 

 

「(相手は大鴉の尻尾(レイヴンテイル)……ルーシィの時のような反則行為をしないとも限らない。一応マスターも用心してウォーレンやビスカにレイヴンを見張らせている。1日目のような事が起きる事はないだろう。だが……あの2人から感じられる魔力はどこか異質だ。油断は禁物だぞ、クロノ、ユーノ)」

 

 

そしてエルザは内心でそう考えながら、険しい表情で闘技場のトーマとリリィを見据えていたのであった。

 

 

「それでは試合開始ィ!!!! カボ」

 

 

マトー君の宣言と開始を告げる銅鑼が鳴り響くと同時に早くも動き出したのは……トーマであった。

 

 

「ディバイダー」

 

 

トーマはクロノとユーノに向かって駆け出しながらそう呟くと、彼の右腕に装着された腕輪が輝きだし……次の瞬間にはリボルバー拳銃に銃剣を装着したような形状の白銀の武器……『ディバイダー996』がトーマの手に握られていた。

 

 

「ハァア!!!」

 

 

そしてトーマはそのままディバイダーの刃の部分で2人へと斬りかかる。

 

 

「ラウンドシールド!!」

 

 

だがその攻撃は、ユーノが展開した魔力のシールドによって防がれる。

 

 

「クロノ!!」

 

 

「わかってる!! スティンガーレイ!!!」

 

 

「チッ…!!」

 

 

ユーノがトーマの攻撃をシールドで止めている間に、クロノがそんなトーマに向かってS2Uを構え、弾速の速い魔法弾を発射する。

 

それを見たトーマは魔法弾が発射される前に刃を引き、舌打ちと共に体をそらして魔法弾を回避した。そしてそのまま後退しようとしたが……

 

 

「逃がすか!! ストラグルバインド!!!」

 

 

「!!?」

 

 

クロノが即座に蒼く輝く捕縛魔法でトーマの体を拘束する。

 

 

「ユーノ!!!」

 

 

「うん!!」

 

 

そしてクロノの呼び掛けに答えたユーノがすぐさまトーマの足元に魔法陣を展開し……

 

 

「ウェイブゲイザー!!!」

 

 

「うあぁっ!!!」

 

 

そこから放たれた魔力の衝撃波によってトーマの体を空中へと吹き飛ばす。その拍子にトーマの拘束が外れるが、彼らの攻撃はまだ終わっていない。

 

 

「ブレイズカノン!!!」

 

 

空中へと吹き飛ばされたトーマに向かってS2Uを構えていたクロノが、蒼い砲撃魔法を放ったのであった。

 

当然空中にいたトーマにその攻撃を避ける術はなく、そのまま砲撃が直撃するかと思われたが……

 

 

「シルバーハンマー!!!」

 

 

空中でディバイダーを構えたトーマがその銃口を迫り来る砲撃へと向け、引き金を引くと同時に放たれた白銀の閃光がクロノの砲撃を相殺した。そして相殺を確認して地面に着地したトーマは、再び銃口を2人に向かって構える。

 

 

「シルバーバレット!!!」

 

 

「シュートバレット!!!」

 

 

そして引き金を引いていくつもの白銀の魔法弾を撃ち出してくるトーマに対して、ユーノが周囲に展開した翡翠の魔法弾で迎え撃ち、トーマの魔法弾を相殺していく。

 

 

すると、ユーノがトーマの攻撃を相殺しながらチラリと横目でクロノへと視線を向ける。その視線を受けたクロノは小さく頷くと……何とトーマとユーノの間で飛び交う魔法弾の弾幕の中を、被弾しないように掻い潜りながらトーマへと接近し始めた。

 

 

「なっ!?」

 

 

休みなく飛び交う魔法弾の中を難なく掻い潜ってくるクロノに目を見開くトーマ。そして気がつけばクロノはトーマの眼前へと迫ってきており、S2Uの先端をトーマの胸部へと軽く当てる。

 

 

「ブレイクインパルス!!!!」

 

 

「ぐあぁぁあああ!!!!」

 

 

すると次の瞬間……S2Uの先端から放たれた魔力の衝撃波がトーマを襲い、彼をそのまま後方へと大きく吹き飛ばしたのであった。

 

 

『開始早々に凄まじい攻防戦!!! それにしても、クロノとユーノはとてもいいコンビネーションですねヤジマさん』

 

 

『魔法の腕もさる事ながら、パートナーとの連携や意思(いス)疎通を最小限の声掛けやアイコンタクトのみで行っておる。お互いの事を()り尽くスていないとできない芸当だね』

 

 

『それに対してトーマさんと、未だに動きのないリリィさんがどう動くのか見物ですね』

 

 

闘技場での繰り広げられる戦いを見て、実況席のチャパティとヤジマとカリムの3人がそんなコメントを口にし、観客席から歓声が鳴り響く。

 

 

「相変わらず抜群の連携だな」

 

 

「ああ、どちらもいい動きだ」

 

 

そして妖精Cチームの陣営では、シグナムとリインフォースが試合の様子を見ながらそんな賞賛の言葉を口にする。

 

 

「クロノさんもユーノさんも、あんなにコンビネーションがよかったんですか?」

 

 

「当たりめーだろ。クロノとユーノの連携のよさはギルドの中でも随一だぜ」

 

 

「そうなんですか!?」

 

 

「せやなぁ……妖精の尻尾(フェアリーテイル)で最強の〝チーム〟と聞かれたら、私たちヴォルケンリッターかエルザさんのチームのどっちかやって言われるけど……最強の〝コンビ〟って聞かれたら、たぶんあの2人の名前が1番にあがるやろうな」

 

 

クロノとユーノの戦いを初めて見て感嘆の声を上げるエリオに対して、ヴィータとはやてがそう説明する。

 

 

視点は変わって大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の陣営では……トーマがクロノに吹き飛ばされた光景を目にしたにも関わらず、メンバーたちはニヤニヤと不気味な笑みを零していた。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強コンビか……奴等が相手なら、あの2人の力を存分に発揮できるだろう……〝黒騎士〟の力をな」

 

 

そんな中で、アレクセイのその言葉だけが不気味にその場に響いたのであった。

 

 

そして視点は戻って闘技場では……クロノによって吹き飛ばされたトーマのもとにリリィが駆け寄る。

 

 

「トーマ、大丈夫?」

 

 

「うん…とりあえずはね」

 

 

リリィの安否の問い掛けにそう答えながらゆっくりと立ち上がるトーマ。そしてトーマはチラリと横目で控え室等にいるレイヴンの陣営のアレクセイに視線を向けると、アレクセイが何かを容認するかのように小さく頷いて見せた。

 

 

「アレクセイさんからの合図が出た。行くよリリィ」

 

 

「でもトーマ……私はやっぱり……」

 

 

「リリィ……オレたちは勝たなくちゃいけないんだ。あの日の真実を知る為にも……」

 

 

「トーマ……」

 

 

「だからリリィ、力を貸してくれ」

 

 

「……わかった……銀十字」

 

 

トーマの言葉にそう頷くと、リリィはその手に銀色の十字架の装飾が施された魔導書を出現させる。

 

 

「アレは魔導書……!? クロノ!!!」

 

 

「わかってる!! 何かされる前に奴等を叩く!!!」

 

 

リリィの持つ魔導書を見て、何か嫌な予感がしたクロノは彼女がそれを使う前に倒す為に、自身の周囲に100を越える魔力の刃を展開する。

 

 

「スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!!」

 

 

そしてそれらを一斉にトーマとリリィ目掛けて放ったのであった。

 

 

だがしかし……トーマとリリィは迫り来る100の刃に臆する事無く、そっとお互いに手を繋いで、小さく口を開いた。

 

 

 

「リアクト──」

「──オンッ」

 

 

 

そして次の瞬間……クロノが放った無数の刃が、一気に2人へと降り注いだのであった。

 

 

『クロノの一斉射撃が炸裂ーーーっ!!! トーマ&リリィ、避ける事もできない!!! これは決まったかーー!!?』

 

 

クロノの魔法の衝撃により巻き上がった土煙により、トーマとリリィの安否は未だに確認できない為……クロノとユーノはもちろん、会場中の観客たちも土煙が晴れるのを固唾を呑んで待つ。

 

 

するとその時……土煙の中から突如として白銀の閃光が飛び出した来た。

 

 

「なっ!? うわぁぁっ!!!」

 

 

「ユーノ!!?」

 

 

その閃光はユーノを直撃し、それを喰らったユーノは大きく吹き飛ばされて地面に倒れてしまった。

 

 

 

「モード──黒騎士」

 

 

 

そして煙幕が晴れると……そこにはトーマが1人で立っていた(・・・・・・・・)

 

 

しかしそのトーマの見た目は先ほどとは大きく異なっていた。

 

 

茶色かった髪は銀髪へ…蒼かった瞳は赤へと変わり…全身には赤い刺青の模様が浮かび上がり…服装も黒を基調としたどこか禍々しい服装へと変わっていた。さらには彼が手にしているディバイダーも、ナイフのようだった刀身が銃全体を包み込むかのような長大な刀身に変わり、もはや大剣のような見た目になっていた。

 

 

『こ…これはどうした事でしょう!!? 煙幕の中から現れたのは見た目が大きく変わってしまったトーマだけ!!! ヤジマさん、これは一体……!!?』

 

 

『ウム……見た目が変わったのと、女の子がいなくなっているところを見ると……これはおそらく〝融合(ユニゾン)〟じゃな』

 

 

融合(ユニゾン)?』

 

 

『他者と融合する事によって、その者の能力を大きく飛躍させる失われた魔法(ロスト・マジック)の一種。今その魔法でトーマ君とリリィ君は1つとなっておるのじゃ』

 

 

ヤジマのそんな説明に観客たちが納得の声を上げる中……妖精Bチームの陣営でミストガンに扮したジェラールが、トーマから何かを感じ取って目を見開いていた。

 

 

「(これは……!!?)」

 

 

《ジェラール!!》

 

 

すると同時に、クロッカスの外で待機しているウルティアからの念話が届いた。

 

 

《会場の方から感じるこの魔力って……》

 

 

《ああ…間違いない。毎年感じていたゼレフに似た魔力……あのトーマという少年が、ゼレフに関わりがあるというのか!?》

 

 

そう…トーマが黒騎士の姿になった瞬間……会場からジェラールが追っているゼレフに似た魔力が感じられ始めたのだ。

 

 

「(どうする……試合を止めるか……)」

 

 

「おい、ミストガン」

 

 

「!?」

 

 

ジェラールが試合を止めるか否かを悩んでいると、そんな彼の後ろからラクサスが声をかけた。

 

 

「どうかしたか?」

 

 

「……いや」

 

 

ラクサスの問い掛けに対し短くそう答えるジェラール。だがラクサスは、そんなジェラールの考えを見透かしたように彼にしか聞こえないような小さな声で話しかける。

 

 

「テメェが何を感じたかは大体想像がつくが……試合を止めようなんてバカな事はすんじゃねえぞ」

 

 

「!!」

 

 

「心配しなくても、クロスケもユーノもそう簡単にやられやしねぇ。テメェも一時的にとはいえギルドの一員なら、あいつらを信じて試合を見届けろ」

 

 

「……了解」

 

 

ラクサスのそんな言葉にジェラールは頷きながら聞き入れ、視線を闘技場へと戻して試合の行く末を見守る事にしたのであった。

 

 

そして視点は戻って闘技場では……黒騎士となったトーマが、ディバイダーの切っ先をクロノへと向ける。

 

 

「シルバーハンマー」

 

 

「!!?」

 

 

そしてディバイダーの切っ先から放たれた白銀の砲撃を、咄嗟に体をそらして回避するクロノ。

 

 

「(早い……!! 威力も弾速も、さっきまでとは桁違いだ!!!)」

 

 

先ほどよりも威力が向上した砲撃にクロノが驚愕していると、トーマが今度はディバイダーを構えてクロノへと斬りかかって来る。

 

 

「っ……スティンガーレイ!!!!」

 

 

それを迎え撃とうと、こちらへと向かって駆けて来るトーマに対していくつもの魔法弾を発射するクロノ。

 

 

「銀十字」

 

 

だがそんなトーマの傍らにリリィが持っていた銀十字の書が出現し、次の瞬間にはその銀十字から何枚ものページが溢れ出して彼の周囲に散らばる。そしてその散らばったページの1枚1枚がトーマを守るように防壁を張り、なんとクロノの魔法弾を全て防いでしまった。

 

 

「なっ…!!? 魔導書のページで防御を!!?」

 

 

今まで見た事がない魔導書の使い方に驚愕するクロノ。だが驚愕している間に、トーマはすでに眼前へと迫ってきていた。

 

 

「ハァァア!!!」

 

 

「くっ!!」

 

 

トーマの渾身の力で振り下ろされるディバイダーの刃を、クロノは咄嗟に横に構えたS2Uで受け止める。それからしばらくお互いにギリギリと鍔迫り合いをするが……

 

 

「デリャァァアアア!!!!」

 

 

「ぐっ…あぁぁ!!!」

 

 

雄叫びを上げたトーマの力がクロノに押し勝ち、押し負けたクロノは弾かれるように後方へと飛ばされる。

 

 

「オオオオオッ!!!!」

 

 

「!!?」

 

 

そしてそんなクロノに追い討ちを掛ける様に、ディバイダーを構えて襲い掛かるトーマ。完全に体制を崩されてしまったクロノにはそれに対処する術はなく、ただただこれから受けるであろうダメージを覚悟する他なかった。

 

 

「チェーンアンカー!!!」

 

 

「「!!?」」

 

 

だがその時……トーマが振るおうとしたディバイダーを持つ腕に、彼の背後からユーノが放った翡翠色に輝く鎖が巻き付き、その動きを封じた。

 

 

「せーの……ハァァッ!!!」

 

 

「くっ……!!」

 

 

そしてユーノに鎖を巻かれた腕を引っ張られ、トーマはクロノから引き剥がされてそのまま空中に投げ出されるが、すぐさま体制を立て直して難なく地面に着地する。

 

 

「クロノ、大丈夫?」

 

 

「ユーノ…お前も無事だったか」

 

 

「さすがに不意打ちだったからかなり効いたけどね」

 

 

そう言葉を述べるユーノの体には、確かにキズが目立っていた。

 

 

「それよりクロノ、あの子……」

 

 

「わかってる。融合(ユニゾン)してから動きも魔法も格段に向上した。油断すると一気に持っていかれる」

 

 

気を引き締めなおすようにそう言葉を口にするクロノだが、ユーノは今のトーマに対しある懸念を抱いていた。

 

 

「(いや……アレは融合(ユニゾン)じゃない。似ているけど、まったく別の魔法……それも僕の知識にはない魔法だ。しかも今のトーマから感じられる魔力は、あの凶鳥の眷属(フッケバイン・ファミリー)のサイファーと似ている……やっぱりシグナムの言っていた通り、レイヴンとフッケバインは何か繋がっているのか?)」

 

 

ユーノが感じていた懸念……それはトーマとリリィが1つとなった魔法がリインフォースやアギトのモノと同じ融合(ユニゾン)ではないという事と、その状態のトーマの魔力がケーニッヒ・リアクテッドを持ったサイファーと酷似したものへと変質した事であった。

 

 

「(……まぁ、考えていても仕方ない。今はこの試合に勝つ事に集中しよう)」

 

 

そこまで考えるとユーノはすぐさま思考を切り替えて試合に意識を集中した。

 

 

「デュランダル」

 

 

その隣りでは、クロノが杖をS2Uからデュランダルへと持ち替えていた。

 

 

「あまり長引かせるとこっちが不利だ。一気にカタをつけるぞ」

 

 

「了解。仕込みはさっき倒れてる間に終わらせておいた。見せてあげるよ、第二魔法源(セカンドオリジン)の覚醒によってより強固になった僕のバインドを」

 

 

そう言うと……ユーノの体から膨大な魔力が溢れ出し、同時にユーノの周囲にいくつもの魔法陣が展開される。そしてユーノは両手をかざしてさらに魔法陣を展開すると、ゆっくりと口を開いた。

 

 

「北の鎖…東の(あみ)…南の縄…西の(かんぬき)…四方を囲いし鋼鉄の監獄…」

 

 

「!!?」

 

 

ユーノが魔法の詠唱を唱え始めると同時に、ユーノの周囲に展開された魔法陣から翡翠の鎖が出現し、それぞれがトーマの四肢に巻きついて彼の体を拘束し始める。

 

 

「翡翠の輝きの下…己の罪を悔い改めよ…」

 

 

ユーノが魔法詠唱を紡ぐ度に、魔法陣から何十…何百ものさらなる翡翠色の鎖が闘技場を覆い尽くさんと言わんばかりに出現し、拘束されているトーマに次々と巻きつき始める。

 

 

四翠光牢(しすいこうろう)

 

 

そして……

 

 

 

「真・プリズナーチェーン!!!!」

 

 

 

何重にも重なった翡翠の鎖が一斉にトーマの体を拘束し、彼の動きを完全に封殺した光景が出来上がったのであった。

 

 

「くっ……!!」

 

 

四肢を拘束されたトーマは、何とかその拘束から抜け出そうとするが……当然ユーノのバインドはビクともしない。

 

 

「クロノ」

 

 

「ああ」

 

 

それからユーノからバトンタッチを受けたクロノは、デュランダルを構えて詠唱を口にする。

 

 

「悠久なる凍土…凍てつく棺のうちにて…永遠の眠りを与えよ」

 

 

クロノが詠唱を口にし始めると、会場中に極寒の吹雪が吹き荒れ始め……トーマを拘束していた鎖がパキパキと音を立てて凍りつき始める。

 

 

 

「エターナルコフィン!!!!」

 

 

 

そして次の瞬間……クロノの氷結魔法がユーノの鎖ごと氷付けにし、トーマを冷たい氷の棺の中へと閉じ込めたのであった。

 

 

『き…決まったーーー!!! ユーノの魔法で拘束したトーマを、クロノが氷結魔法で氷付けにしたーーーっ!!!!』

 

 

『さすがにこれじゃあ続行は不可能だねぇ』

 

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)、戦闘不能カボ!!!」

 

 

巨大な氷の中に閉じ込められたトーマを見て、実況席のチャパティとヤジマ…審判のマトー君…そして大歓声を上げる観客たちすらも勝負は決まったと判断した。

 

 

「勝者!! フェアリー──」

 

 

だがその時……

 

 

 

 

 

【ハイパードライブ承認】

 

 

 

 

 

「「「!!?」」」

 

 

突然氷の中からそんな機械音声のような声がハッキリと聞こえてきた。

 

 

そして次の瞬間……

 

 

 

ドゴォォォォオオオオオオオ!!!!!

 

 

 

「なっ!!?」

 

 

「これは……!!?」

 

 

突如として氷が爆発し、それと同時に膨大な白銀の魔力が柱のように天へと昇っていく。

 

 

そしてその魔力の中心には……銀十字のページを周囲に舞い散らせながら佇んでいるトーマの姿があった。

 

 

「リリィ」

 

 

《うん…ハイパードライブ発動確認。エクリプス承認完了……撃てるよ、トーマ》

 

 

トーマは自身の中にいるリリィに確認を取ると……血のように赤い瞳でクロノとユーノを睨みつける。

 

 

「うおぉぉぉぉおおおお!!!!」

 

 

そして雄叫びを上げながらディバイダーの構えて、クロノとユーノへと向かって驚異的なスピードで駆け出しながら斬りかかって行った。

 

 

「!? ラウンドシールド!!!」

 

 

ユーノはトーマの魔力やスピードに驚きつつも、クロノの1歩前に出てシールドを展開し、トーマの攻撃を受け止めようとするが……

 

 

「クリムゾンスラッシュ!!!!」

 

 

トーマの赤い剣閃を描いた斬撃は……ユーノのシールドをまるで紙のように軽々と斬り裂いたのだった。

 

 

「そんな……!! ぐっ…ぁぁぁああ!!!」

 

 

いとも容易くシールドを斬り裂かれた事に驚愕しながらも、何とか防御体制をとったユーノは、ディバイダーの刀身に押されて勢いよく壁に叩きつけられた。そしてトーマはそんなユーノに向かってディバイダーの切っ先を向け……

 

 

「シルバーハンマー!!!!」

 

 

「うあぁぁぁぁああああ!!!!」

 

 

さらなる追い討ちを掛ける様に白銀の砲撃を叩きつけ……それを喰らったユーノは力無く地面に倒れたのであった。

 

 

「ユーノ!! くそっ!!!」

 

 

ユーノが倒れたのを見たクロノは舌打ち混じりにデュランダルをトーマへと向けるが……

 

 

「遅いよ」

 

 

「!!」

 

 

それよりも早く、トーマの振るったディバイダーによってデュランダルを手元から弾き飛ばされてしまった。

 

 

「デリャァァアアア!!!」

 

 

「がっ…ぐぁぁっ!!!」

 

 

 

それから完全に無防備となったクロノをディバイダーで2度3度と斬りつけたあと、そのままクロノの体を空中へと打ち上げる。

 

 

そして天に向かってディバイダーの切っ先を突きつけると……その瞬間トーマの周囲に散らばっていたページがトーマを中心にまるで二重の円を描くようにキレイに並べられる。

 

 

「これで……終わりだ!!」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「ディバイドゼロ・エクリプス!!!!!」

 

 

 

 

 

ディバイダーの切っ先から放たれた白銀の巨大な砲撃が……クロノを飲み込んだのであった。

 

 

「う…ぐっ……あぁぁぁああああああああ!!!!!」

 

 

それを喰らったクロノは大きく吹き飛ばされ……一瞬でボロボロの姿となり、そのまま地面に倒れてダウンしたのであった。

 

 

『し…試合終了ーーーー!!!! 勝ったのは大鴉の尻尾(レイヴンテイル)!!! まさかまさかの大逆転勝利ーーーーッ!!!!』

 

 

チャパティがそう宣言すると同時に、再び会場中が大歓声に包まれる。

 

 

「ウソだろ……」

 

 

「クロノとユーノが……負けた?」

 

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)のトーマ・アヴェニールとリリィ・シュトロゼック……こんな奴等がいたのか」

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強と言われるクロノとユーノのコンビが敗北したという事に、驚きを隠せないナツ・グレイ・エルザの妖精Aチームの3人。

 

 

「おおっ!! トーマが勝ったぞ!!」

 

 

「ええ。まぁ予想通りの結果ですけどね」

 

 

「むしろそうでないと困るぜ、貴重なディバイダーの1つをわざわざくれてやったんだからな。同盟の証とはいえ、姉貴も面倒な事しやがる」

 

 

「そう言うな。そのお陰で首領(マスター)が探していた『当たり』が見つかったんだ」

 

 

「ゼロの力に魅入られし者……ゼロ・ドライバー」

 

 

そして凶鳥の眷属(フッケバインファミリー)の陣営では……上からアルナージ・フォルティス・ヴェイロン・サイファー・ドゥビルの順にそれぞれ口を開き、そんな会話が繰り広げられていたのであった。

 

 

 

 

 

こうして3日目の第4試合は波乱の結果で幕を閉じたのであった。

 

 

 

 

 

つづく

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