LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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お待たせいたしました!!

ついに対決!!ナツvsエリオ!!!

大魔闘演武編に絶対に書きたかった話ですので、かなり気合を入れて書かせて頂きました!!!まぁ相変わらず支離滅裂な文章なんですけど……

感想お待ちしております!!!


ナツvsエリオ

 

 

 

 

 

 

大魔闘演武4日目・バトルパート。

 

 

その戦いの場である闘技場の中央には、すでに対戦する2人の魔導士……ナツとエリオが互いに向き合っていた。

 

 

『これは何とも意外な組み合わせ!! 両者共に妖精の尻尾(フェアリーテイル)所属……同じギルドの魔導士対決となりました!!! 果たして同じギルド同士で戦えるのでしょうか、ヤジマさん?』

 

 

『あのギルドなら大丈夫じゃないかね。なぁゲン坊』

 

 

『ああ、仲間同士でしょっちゅうケンカしてるようなギルドだしな』

 

 

同じギルドの仲間同士で戦えるのかと心配するチャパティだが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の事をよく知るヤジマとゲンヤは特に心配はしていないようであった。

 

 

そして中央の闘技場では、ナツとエリオが向かい合ったままお互いを見据えていると……不意にナツがエリオに対して口を開く。

 

 

「お前とこうして勝負すんのは初めてだな、エリオ」

 

 

「そうですね、ギルドでもあまりナツさんとケンカする事もありませんでしたし」

 

 

「言っとくが手加減はしねーからな。全力でお前をブッ飛ばす!!!!」

 

 

「望むところですよ。ラクサスさんや雷神衆との修行の成果……見せてあげます」

 

 

ナツとエリオはそう言い放つと同時に……燃え盛る灼熱の炎と、迸る眩い雷をそれぞれその身に纏わせながら……試合開始の合図を今か今かと待っていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第188話

『ナツvsエリオ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナツとエリオの勝負か、こいつァおもしれー組み合わせになったな」

 

 

「この3ヶ月の修行の中で、エリオがどれほどの力をつけたのかが見物だな」

 

 

妖精Aチームの陣営でグレイとエルザが闘技場に立つ2人を見据えながらそう呟く。そしてそんな2人の隣では……

 

 

「あう…こんな時、どっちを応援すればいいんだろう?」

 

 

「ウェンディが好きな人を応援すればいいと思うよ♪」

 

 

「ふえっ!!? わ…私のすすす…好きな人って……!!!」

 

 

「あ、ごめん間違えた。ウェンディが好きな方を自由に応援すればいいと思うよ♪」

 

 

「ヴィヴィオちゃん!!!!」

 

 

「にゃははっ♪」

 

 

「……ヴィヴィオが小悪魔みたいに……」

 

 

「7年の間に変な成長を遂げてるわね」

 

 

赤面して慌てふためくウェンディをからかいながら小悪魔のような楽し気な笑みを浮かべているヴィヴィオに、ルーシィとティアナは軽く苦笑を浮かべていた。

 

 

「チッ…火竜(サラマンダー)はオレがぶっ倒してやりたかったのによ」

 

 

「アタシもだ。けどまぁ、あの2人の対決ってのも面白そうだけどな」

 

 

「ラクサスはどう思う? 3ヶ月間、エリオと一緒に修行してたんでしょ?」

 

 

妖精Bチームの陣営でカジルとノーヴェがそう声を漏らし、その隣でミラジェーンがラクサスに対してそう問い掛ける。その問いに対してラクサスは……

 

 

「フッ……見てりゃわかる」

 

 

と……不敵な笑みを零しながらそう答えたのであった。

 

 

「ナツとエリオ……炎と雷の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の戦いか。どちらが勝つか見物だな」

 

 

「そうね、私としてはエリオに頑張って欲しいところだけど」

 

 

「ナツが勝つに決まってるよ!」

 

 

「いいえ、3ヶ月の修行でエリオは見違えるほどに強くなりました。甘く見ると足元を掬われますよ」

 

 

そして会場の妖精の尻尾(フェアリーテイル)の応援席では、リリーとシャルルの呟きに対して、ナツとエリオの相棒であるハッピーとリニスがそう言い放っていたのであった。

 

 

一方セイバーの陣営では、ナツとエリオが向かい合っている闘技場を見据えながら、ローグが静かに口を開く。

 

 

「ナツ・ドラグニルとエリオ・モンディアル……妖精の尻尾(フェアリーテイル)滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)同士の戦いか。奴らの実力を見る絶好の機会だな、スティング…………スティング?」

 

 

そう声をかけながらスティングの方へと視線を向けるローグだが、いつの間にか隣にいたハズのスティングの姿が消えていた。

 

 

「おい、スティングはどこに行った?」

 

 

「スティングなら『オレが戦う時までナツさんの試合は見ない』とか言って、拗ねてどこかに行ってしまったと記憶しているよ」

 

 

「レクターさんも一緒について行きました」

 

 

「……あのバカ」

 

 

ルーファスとアインハルトの言葉を聞くと、ローグは呆れたように頭を抱える。

 

 

「探して連れ戻してくる」

 

 

「フローも」

 

 

そしてローグはフロッシュを引き連れて、どこかへ行ってしまったスティングを探しに行ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

『それでは第1試合……開始!!!!』

 

 

そしてついに……試合開始を告げる銅鑼の音が鳴り響いた。

 

 

「「!!」」

 

 

それと同時にナツとエリオは、ほぼ同時に勢いよく地面を蹴って飛び出し、お互いに向かって駆け出していく。

 

 

「火竜の…」

「雷竜の…」

 

 

駆け出しながらナツは炎を…エリオは雷をその手に纏って強く握り締めて拳を作る。

 

 

「「鉄拳!!!!」」

 

 

そして炎と雷……2つの拳が勢いよく衝突した。

 

 

ドガァァァァァアアアン!!!!

 

 

その瞬間ナツとエリオを中心に凄まじい衝撃が巻き起こり、その衝撃は会場全体に響き渡る。

 

 

「オラァァァアアア!!!!」

 

 

「デリャァァアアア!!!!」

 

 

それを皮切りに…2人の激しい殴り合いが始まる。互いに炎と雷を纏ったパンチやキック…時には肘や膝蹴りなどを使い…両者の攻撃が互いにヒットするたびに凄まじい衝撃が巻き起こっていた。

 

 

「だらぁ!!!」

 

 

「くっ…!!」

 

 

ナツが勢いよく突き出した拳を、咄嗟に顔を横にそらして紙一重で避けるエリオ。

 

 

「せいっ!!!」

 

 

「うごっ!!」

 

 

逆にエリオは雷を纏った蹴りをナツの顎に叩き込んで思いっきり蹴り上げる。

 

 

「っ……フンッ!!!!」

 

 

「がはっ!!!」

 

 

しかしナツも負けじとのけ反った頭を振り下ろして、強烈な頭突きをエリオの顔面に命中させる。

 

 

「火竜の鉤爪!!!」

 

 

「雷竜の旋尾!!!」

 

 

そして今度は炎を纏った蹴りと、雷を纏った回し蹴りが同時に放たれて再び衝突する。

 

 

「うおっ…!!!」

 

 

「ぐっ…!!!」

 

 

その衝撃でお互いに弾き飛ばされ、後方へと下がるナツとエリオ。

 

 

「火竜の……」

 

 

「雷竜の……」

 

 

するとナツは両手に纏った炎を合わせ……エリオは右手にバチバチと雷を帯電し始める。

 

 

そして……

 

 

 

「煌炎!!!!」

「放電!!!!」

 

 

 

お互いが放った巨大な火球と激しい雷撃が衝突し……会場中に大爆発を起こしたのであった。

 

 

「うおおおっ!!?」

「きゃああっ!!!」

「なんと凄まじい……」

 

 

その爆風は会場中に襲い掛かり、闘技場も厚い煙幕で包まれている。

 

 

闘技場に立ち込める煙幕を、固唾を飲み込みながら静かに見据えて晴れるのを待つ観客席と、控室等の各ギルドの面々。

 

 

そして煙幕が晴れると……それには特にダメージを負った様子もなく、変わらずお互いを強く見据えているナツとエリオの姿があったのであった。

 

 

『な…なんという激しい戦いだァーーーッ!!!! 開始早々にぶつかり合う炎と雷!!!! あまりの衝撃に私、実況を忘れてしまいました!!!!』

 

 

『お互いが自らの体を竜の体質へと変換させる滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)……』

 

 

『竜迎撃用の魔法を操る2人が戦うと、ここまで激しいものになるのかよ』

 

 

ナツとエリオの戦いを見て、実況席のチャパティとヤジマとゲンヤはそんな評価を口にする。

 

 

すると、闘技場でお互いを見据えていたナツとエリオが、おもむろに口を開いた。

 

 

「おしっ、こんなもんでいいだろ? エリオ」

 

 

「それですね、ウォーミングアップはこれくらいで十分でしょう」

 

 

ナツは首をコキコキと鳴らし、エリオは右手を握ったり開いたりしながらそう言い放つ。

 

 

『ウォ…ウォーミングアップ!!? 先ほどの凄まじい攻防戦は、2人にとっては準備運動だと言うのかーーーっ!!!?』

 

 

さっきまでの戦いをさらりとウォーミングアップと言ってのけた2人に、チャパティだけでなく、観客席全体が騒然とする。

 

 

「そろそろ本気で行くぞ」

 

 

「僕もそのつもりですよ」

 

 

そう言うとナツは炎を纏った拳を構え、対するエリオは換装空間から雷槍ストラーダを取り出して構える。

 

 

そして次の瞬間……真っ先に動き出したのはエリオであった。

 

 

「雷竜閃!!!!」

 

 

地面を強く蹴って飛び出したエリオは雷撃を纏ったストラーダによる横一線の一振りをナツへと放つが、ナツはそれを大きく跳躍して回避する。

 

 

「逃がさない!!! 雷竜槍・投擲!!!」

 

 

「!!?」

 

 

そんなナツ目掛けてエリオはストラーダを渾身の力で投げつける。

 

 

「チッ……!!」

 

 

それに対しナツは舌打ち混じりに足から炎を噴出し、その推進力で体を動かしてストラーダをギリギリで回避した。そしてすぐさま視線をエリオへと戻すが……

 

 

「!? いねぇ……?」

 

 

ほんの一瞬だけ目を離した隙に、先ほどまでエリオが立っていたハズの場所には彼の姿がなかった。すぐにナツは空中でキョロキョロとエリオの姿を探すが、闘技場で彼の姿を見つける事はできなかった。

 

 

だがその瞬間……ナツの背後から―バチィ…ーという何かが迸るかのような音が耳に入ってきた。

 

 

「!?」

 

 

その音を聞いたナツはすぐさま首を捻って背後へと顔を向けると……そこにはいつの間にか移動していたエリオが雷を帯電したストラーダを手にしてそれを大きく振り被っている姿があった。

 

 

「雷竜槍・十字閃!!!!」

 

 

「ぐあぁぁああ!!!」

 

 

そのまま雷撃を纏ったストラーダで十字に斬り裂かれたナツは勢いよく墜落し、地面に強く叩き付けられて倒れたのであった。

 

 

しかしエリオの攻撃はまだ終わってはいない。地面に着地したエリオは右手を天に向かって高々と掲げながら、静かに口を開いた。

 

 

「鳴り響くは召雷の轟き……」

 

 

「アレは!!?」

 

 

「まさか…!!?」

 

 

エリオが口にし始めた魔法の詠唱を聞いて、ティアナとエルザが驚愕したように身を乗り出す。

 

 

彼が詠唱を口にするたびに、彼の頭上の空では雷がゴロゴロと音を立てながら帯電し始めている。

 

 

「天より落ちて…灰燼と化せ」

 

 

そしてエリオが詠唱を終えた次の瞬間……

 

 

 

「レイジングボルト!!!!!」

 

 

 

空中に帯電していた雷が、強大な落雷としてナツ目掛けて落ちていき……激しい轟音と共に着弾したのであった。

 

 

『い…今のは一体何が起こったのでしょうか、ヤジマさん?』

 

 

『フム……あの少年は槍を投げつけ、ナツ君が槍に気を取られている隙に己の体を雷へと変化させて高速で移動ス、ナツ君の背後を取る。同時に投げた槍に追いついて回収しそのまま追撃…といった具合かのう』

 

 

何が起こったのかわからなかったチャパティの問いに対して、先ほどの状況を簡潔に説明するヤジマ。

 

 

「あの小僧…マジかよ」

 

 

「あの雷の移動法と魔法って、ラクサスさんの……だよね?」

 

 

ガジルとなのはが驚嘆しながらそう言葉を口にする。そう…先ほどエリオが使用した自身の体を雷に変換させて行う高速移動も、レイジングボルトも、ラクサスが使用する魔法なのである。

 

 

「ラクサスがエリオに教えたの?」

 

 

「いや…オレは教えちゃいねーよ。あいつがオレの魔法を見様見真似で習得しただけだ」

 

 

ミラジェーンの問いに対してラクサスは微笑を浮かべながらそう答える。

 

 

「まぁ…奴がオレから得たモンはそれだけじゃねーけどな」

 

 

ポツリと呟いたラクサスの言葉はミラジェーンやなのはだけでなく、誰の耳にも届かず……会場の歓声にかき消されたのであった。

 

 

「…………」

 

 

視点は戻って闘技場。ナツが倒れているであろう場所に先ほどの攻撃の影響で発生し、モクモクと立ち込める煙幕。ナツの姿は見えないが、確かな手応えをエリオは感じていた。だがそれでもエリオは決して気を抜かずにジッと煙幕を見据えていた。

 

 

するとその時、立ち込める煙幕が僅かに揺らめいた。

 

 

「!!」

 

 

そしてその瞬間……勢いよく煙幕を突き破って飛び出して来るナツ。それを見たエリオは咄嗟にストラーダを構え直すが……

 

 

「火竜の…炎肘!!!!」

 

 

「ぐうっ!!!」

 

 

肘からブースターのように炎を噴射しながら突進してくるナツのスピードに対応が間に合わず、エリオの頬にナツの強烈な拳が叩き込まれた。

 

 

ガッッ!!!!

 

 

「!!?」

 

 

だがナツの反撃はまだ終わってはいない。ナツは殴り飛ばされて怯んだエリオの顔面を手で鷲掴みにすると、そのまま闘技場の壁へと向かって一気に走り出す。

 

 

「オオオオオオオオッ!!!!」

 

 

ドガァァァアッ!!!!

 

 

「ぐぅっ……!!!」

 

 

そしてその勢いのまま、壁が軽く陥没するほどの威力で後頭部から思いっきり壁に叩き付けられて呻き声を上げるエリオ。さらにナツは仕上げだと言わんばかりにエリオの顔を鷲掴みにした手のひらから炎を噴出し……

 

 

 

「火竜の──握撃!!!!!」

 

 

 

その炎を爆破させて、強大な爆炎がエリオを襲ったのであった。

 

 

「……?」

 

 

だがナツはその時、妙な違和感を感じて眉をひそめる。そして爆炎と煙幕が晴れると……なんとそこにエリオの姿はなかった。

 

 

「!!?」

 

 

しっかりと捕まえていたハズのエリオの姿が消えた事に大きく目を見開いて驚愕するナツ。

 

 

すると……そんなナツの背後で雷光が迸ると同時にエリオが姿を現す。エリオの服や体には焦げ跡やキズができているものの、大きなダメージを負っている様子はなかった。

 

 

「雷竜閃!!!」

 

 

そしてそのままナツへと向かって雷撃を纏ったストラーダを振るうエリオ。

 

 

「火竜の砕牙!!!!」

 

 

だがそれに気が付いたナツは振り向きざまに炎を纏った爪を振るい、ストラーダの尖端ではなく側面を捉えた。

 

 

「オラァァ!!!」

 

 

「!!」

 

 

ナツは雄叫びを上げながら渾身の力で腕を振り抜き……ストラーダはエリオの手を離れて彼の遥か後方へと飛ばされて地面に突き刺さった。

 

 

「くっ…!!」

 

 

「逃がすかっ!!!」

 

 

武器を失ったエリオは体制を立て直すために大きく後方に飛んでナツと距離を取ろうとするが、ナツはエリオを逃がすまいと追い打ちをかけようとする。

 

 

「火竜の……」

 

 

大きく息を吸い込むのと一緒に、魔力を自身の口の中へと集束するナツ。

 

 

「雷竜の……」

 

 

対するエリオもまったく同じ動作で大きく息を吸い込んで頬を膨らます。

 

 

そして……

 

 

 

「「咆哮ォッ!!!!!」」

 

 

 

ナツとエリオの口から灼熱のブレスと激しい雷のブレスが同時に放たれ……闘技場を中心に信じられない程の衝撃が拡がり、会場全体を襲ったのであった。

 

 

両者のあまりにデタラメな戦いに、実況席や観客席…そして控室等の各ギルドの面々は愕然とした表情で息を呑む。

 

 

「どうしたエリオ……そんなモンかよ?」

 

 

衝撃波が止むと、そこには服はボロボロになっているが、体には多少のダメージを負っただけのナツが悠然と立っている姿があり……

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ……!!!」

 

 

対するエリオは服や体中が焦げ跡やキズだらけになり、辛そうに息を乱しながら地面に片膝をついていた。

 

 

「やはり、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)としての力量はナツの方が上手か」

 

 

「エリオも3ヶ月前より強くなってるけど……やっぱりナツに勝つのは難しいわね」

 

 

「あい!!」

 

 

一方妖精の尻尾(フェアリーテイル)の応援席では、リリーとシャルルとハッピーが2人の戦いを見てナツが優勢だと判断し、そう言葉を口にする。

 

 

「そんな事はありませんよ」

 

 

「「「???」」」

 

 

だがそんな言葉を、リニスだけが否定し、それを聞いてハッピーとシャルルとリリーは疑問符を浮かべる。

 

 

「エリオはまだ……修行で得た『あの力』を見せてはいませんから」

 

 

そしてリニスは意味深にそう言い放つと、それ以上は何も言わずに闘技場に視線を戻したのであった。

 

 

「少し……安心しましたよ……ナツさん」

 

 

「あ?」

 

 

すると、地面に片膝をついていたエリオがヨロヨロと立ち上がりながらそんな言葉を口にする。それを聞いたナツは訝しげな表情を浮かべながら耳を傾けた。

 

 

「あなたは僕が相手でも、決してナメたり油断したりしないで、ちゃんと本気で戦ってくれてる」

 

 

「……んなモンあたりめーだろ」

 

 

エリオのそんな言葉に対しナツはそう言い返しながら、ニッと口元に笑みを浮かべる。

 

 

「オレは1度もお前を下に見た事なんざねーよ。お前が妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来たその日から、オレたちは仲間であり、んでもって──対等なライバルだっ!!!」

 

 

「!!!」

 

 

ナツが言い放ったその言葉に、エリオは衝撃を受けたように大きく目を見開く。

 

 

「だから、勝ちてェって気持ちはオレも同じだ。お前には負けたくねえ」

 

 

かつて自身もギルダーツに言われた言葉を復唱するようにそう言って、真っ直ぐとエリオを見据えるナツ。

 

 

「ハ…ハハッ……僕がライバルですか。他でもないナツさんにそう言ってもらえるなんて、すごく光栄です」

 

 

そう言いながらエリオは顔を俯かせ、目元をグイっと拭うと……再び顔を上げる。その顔はどこか自信に満ち溢れ、真っ直ぐとした顔つきであった。

 

 

「なら僕は、ナツさんのライバルとして──全力であなたに勝つ!!!!」

 

 

エリオもまた、ナツを真っ直ぐと見据えながらが強くそう言い放つ。

 

 

すると、エリオはおもむろに両目をスッと閉じてしまった。

 

 

「……ハァァァァァアアアアッ!!!!」

 

 

そしてその閉じた目をカッと開いた瞬間……エリオの体から激しい雷光と、凄まじい魔力が溢れ出し始める。

 

 

「なんだ……?」

 

 

それを見てナツが目を見開いて疑問符を浮かべている間にも……エリオの体から発せられた雷光と魔力は、彼の体を包み込む。

 

 

「行きますよナツさん……これが3ヶ月の修行で得た、僕の新しい力──」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ライトニングドライブ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリオの新たな力が発動したのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「おい!! 急げスティング!!!」

 

 

「んな慌てなくていいだろー? どーせナツさんの勝ちだって」

 

 

「そうですよ、特に見る価値はないですよ」

 

 

「それでも奴の実力を見ておく事に越した事はない」

 

 

「フローもそーもう」

 

 

一方…いなくなったスティングとレクターを連れ戻してきたローグとフロッシュは、剣咬の虎(セイバートゥース)の控室等へと戻ってきた。

 

 

「あ…ローグさんにスティングさん」

 

 

「すまない、遅くなった。アインハルト、試合はどうなっている?」

 

 

「それが……」

 

 

「「?」」

 

 

ローグの問い掛けに対して何故か言いよどむアインハルト。そんな彼女の反応を見て、スティングとローグは疑問符を浮かべながら、その視線を闘技場の方へと向ける。

 

 

「なっ……!!?」

 

 

「アレは!!?」

 

 

その瞬間、スティングとローグは目を大きく見開き、控室等から身を乗り出しながら驚愕の表情を露にする。

 

 

その2人の視線の先には……全身に金色に輝く激しい雷電を身に纏ったエリオの姿があった。

 

 

「あの姿…間違いねぇ……」

 

 

そんなエリオの姿を見て、スティングは愕然としながらそう呟き……続けてローグがポツリと、驚くべき一言を呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「──第三世代の力……だと……!!?」

 

 

 

 

 

 

 

つづく

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